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第三章 まさかの裏切り
頼もしい仲間
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「……結衣、魔央……安心……してっ……!」
「こういうのって仲間が集まってこそでしょ?」
「結衣ちゃん、魔央ちゃん。私の本当の力を見せてやりますよ!」
「もう大丈夫ですにゃ! 夏音がいれば百人力ですにゃ!」
「みんなで何かをするってのも、悪くないね」
「うふふ。結衣さんと魔央さんのピンチなら、手助けせなかんなぁ」
「ミーもいますカラネー! ミンナがいれば何も怖くないデース!」
みんながそれぞれ、自分の想いを口にする。
多分みんなも、こういうことがやってみたかったのだろうと思う。
――ヒーローみたいな登場を。
「……ありがとう、みんな」
それだけでも結衣は、感極まって泣きそうになった。
魔央もいい表情でみんなを見ている。
ただその中で、ガーネットだけが険しい表情を浮かべていた。
「……やはり来ましたか。あなた方を見ていると、あの方を思い出して――」
険しい表情がさらに険しくなる。
だが、すぐに表情を消し、ガーネットの顔に影が映る。
「……いえ、やめておきましょう。それよりも……そんなに、“惹かれるもの”……ですかねぇ……?」
「え、な、なんかガーネットが変なこと言ってるわよ!?」
「ガーネット……どうしたんですかねぇ?」
せーちゃんと緋依が、ガーネットの呟きに反応する。
そういえば、結衣と魔央以外は、ガーネットがこうなったことを知らないのだ。
「あー……その……なんて言うか……」
「また後で話してやるよ。でも今は――」
「目の前の敵に集中! ですにゃあ!」
「……お前、俺と気が合いそうだな……」
「それほどでもないですにゃ」
結衣はなんて言うべきか考え、魔央は「後で」と言い放ってカッコつけようとした。
そして決めゼリフを夏音に取られ、魔央は夏音と意気投合する。
その様子を見て、結衣は嬉しそうに頬を緩ませる。
「……もういいですかぁ? じゃあ改めて――試練再開です」
ガーネットが黒い翼を広げながら言うと、みんなは一斉にガーネットの方を見る。
そんなみんなの眼は、闘志に燃えていた。
「こういうのって仲間が集まってこそでしょ?」
「結衣ちゃん、魔央ちゃん。私の本当の力を見せてやりますよ!」
「もう大丈夫ですにゃ! 夏音がいれば百人力ですにゃ!」
「みんなで何かをするってのも、悪くないね」
「うふふ。結衣さんと魔央さんのピンチなら、手助けせなかんなぁ」
「ミーもいますカラネー! ミンナがいれば何も怖くないデース!」
みんながそれぞれ、自分の想いを口にする。
多分みんなも、こういうことがやってみたかったのだろうと思う。
――ヒーローみたいな登場を。
「……ありがとう、みんな」
それだけでも結衣は、感極まって泣きそうになった。
魔央もいい表情でみんなを見ている。
ただその中で、ガーネットだけが険しい表情を浮かべていた。
「……やはり来ましたか。あなた方を見ていると、あの方を思い出して――」
険しい表情がさらに険しくなる。
だが、すぐに表情を消し、ガーネットの顔に影が映る。
「……いえ、やめておきましょう。それよりも……そんなに、“惹かれるもの”……ですかねぇ……?」
「え、な、なんかガーネットが変なこと言ってるわよ!?」
「ガーネット……どうしたんですかねぇ?」
せーちゃんと緋依が、ガーネットの呟きに反応する。
そういえば、結衣と魔央以外は、ガーネットがこうなったことを知らないのだ。
「あー……その……なんて言うか……」
「また後で話してやるよ。でも今は――」
「目の前の敵に集中! ですにゃあ!」
「……お前、俺と気が合いそうだな……」
「それほどでもないですにゃ」
結衣はなんて言うべきか考え、魔央は「後で」と言い放ってカッコつけようとした。
そして決めゼリフを夏音に取られ、魔央は夏音と意気投合する。
その様子を見て、結衣は嬉しそうに頬を緩ませる。
「……もういいですかぁ? じゃあ改めて――試練再開です」
ガーネットが黒い翼を広げながら言うと、みんなは一斉にガーネットの方を見る。
そんなみんなの眼は、闘志に燃えていた。
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