魔法少女になれたなら【完結済み】

M・A・J・O

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第二章 似すぎている敵

映画に行こう!

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 少女と無事和解でき、なんとか謎も解けてきた翌週。
 何事もなく、普通の姉妹のように平和に日々を過ごしていたのだが……
 結衣は今更な問題に突き当たっていた。

「……そう言えば、あなたの名前――訊いてない!?」
「今更かよ!」

 深刻な面持ちで言った結衣に、少女から的確なツッコミがきた。
 その一部始終を見ていたガーネットが、声を押し殺して笑っている。

「ぷくくっ……なんなんですか、結衣様……面白すぎます……」
「……ちょっと、聞こえてるんだけど……」

 だが、当の本人にガーネットの声が届いてしまったようだ。
 そんな時、ふとガーネットの近くを見ると、映画のチラシが置いてあることに気づく。
 結衣はそれに近づき、手に取る。

「……『咲き誇る願いを―R―』?」
「あー、それアニメもやってたよな~。確か女子高生二人がただ日常生活を送るだけのほのぼのストーリーだったはず」
「……言い方……」

 少女の説明の仕方に難がある気がするが、それは気のせいだろう。
 ……と、自分に言い聞かせ、その映画のチラシをよく見てみる。
 すると、結衣はあることに気がついた。

「これ、今やってるやつじゃん!」
「ん? あ、ほんとだ! へぇー、結構人気あったんだなぁ」
「……ねぇ、この作品に何か恨みでもあるの……?」

 どう考えても、『咲き誇る願いを―R―』のことを貶してるようにしか見えない。
 だが、少女は普段からこんな感じかもっとひどい時があるため、気にするほどではないのだろうが……
 結構気に入って観ていた結衣にとっては、少し気に触ったようだ。

「……は? 大好きだが?」

 ――と、真顔で返され、結衣はリアクションに困った。
 少女は好きなものを伝えるのが、じゃっかん苦手なようで。
 照れ隠しをしてしまうようなのだ。

「あ、ならさ! 一緒に行かない? “”も誘って!」
「……ん……」

 結衣の誘いに、少女は嬉しそうに頬を緩める。
 その表情を見て、結衣も嬉しそうに口角が上がった。
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