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第二章 似すぎている敵

謎の解明

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「……はぁ。俺としたことが……人前で泣くなんて……」

 気まづそうに頬を染める少女。
 結衣とガーネットはそれを微笑ましそうに見ている。
 叔母さんはまだ目に涙が残ったまま笑っている。
 少女が本音を話してくれたことがよほど嬉しかったのだろう。

「……よかった。じゃあ、私の娘として……それと、結衣の双子の妹として――家族になってくれるかしら?」
「…………お、お前らが……いい、なら……」

(……もう、素直じゃないなぁ……)

 結衣は、少女が嬉しそうな顔をしたのを見逃さなかった。
 ニヤニヤが止まらない結衣を、少女は目ざとく察知する。

「……な、なんだよ……」
「ん~? 別に~?」

 いたたまれなくなった少女は、頬が赤いまま結衣を睨む。
 そして、窓から飛び降りようとする。

「え? ちょっ! なにしてんの!?」

 結衣はそれを必死で止めようと動き出す。
 少女のお腹に腕をまわし、後ろに重心を引っ張る。
 その時、ガーネットが少女の目の前に来て、額に向かって全身をぶつけた。

「いったぁ!? 何しやがるんだ!」
「……なんで私まで巻き込むの……?」

 その衝撃で、少女と結衣は尻もちをつく。

「……まずは残っている謎を解き明かすのが先でしょう? というか、私がめっちゃ気になります!」
「……え、そんなことのために?」

 ガーネットが興奮気味に言い放った言葉に、結衣は思わずツッコミを入れてしまう。
 だが、それは結衣も気になっていたことだ。
 そのため、結衣は少女に訊きたかったことを訊くことにした。

「ねぇ、そう言えばさ……緋依さんと戦った時とか夏音ちゃんの黒い影と戦った時に出てきた……んだよね?」
「そうだが?」
「その時にさ、なんで口調があんなふうだったの?」
「え? ……あー、それは……雰囲気出すためだよ。あんな感じの方が魔王感出ると思って」
「な、なるほど……」

 ――結衣は何を訊いているのだろう。
 確かに口調の件も謎ではあったが、他に訊くべきことが色々あるのに。
 そんなガーネットの心の声が届いたのか、結衣はハッとした様子で疑問を口にする。

「そう言えば、幽霊だったんだよね? なのになんで生身の身体があるの??」
「え、えーっと……アレだよ、アレ。あの本が全部俺の欲しいものをくれたんだよ」
「へ、へぇー……便利だね……」

 なかなかのチートアイテムに、結衣は嫉妬心を抱き始めていた。
 ――ガーネットの不穏な雰囲気に気付かずに。
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