魔法少女になれたなら【完結済み】

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第二章 似すぎている敵

そして、現在

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「――な、なんで……お前らがここに……」
「……ごめんなさい。あの時、あなたを見捨てて……でも、あの時はああするしかないと思って……」
「話通じねぇのか、お前! なんでって訊いてんだよ!」

 どうしてか、少女の居場所がわかった結衣たちは早速少女と対面していた。
 ――……まあ、おそらく結衣とガーネットの力なのだろうが。

 しかも、居場所がわかっても自分のところへ来る意味がわからない。
 ダブルミーニングで放った言葉だったが、なぜかスルーされた。

「……はぁ、まあいいや。で? なんの用だよ」
「あははぁ。あなた様も話が通じなさそうな気がしますねぇ……」

 先ほど叔母さんが放った言葉で、何となく“なんの用”かはわかる気がするのだが……
 少女も人の話を聞かない性格のようである。
 だが、それに懲りず、結衣は少女の説得を試みた。

「ねぇ、あの……ちゃんと叔母さんの話を聞いてあげてくれないかな? その……叔母さんはあなたのことで胸を痛めてるのは……本当だから……」
「――は?」

 しかし、少女は結衣の言葉に怒りを顕にした。

「今さら何言ってんだ! 謝罪なんてするぐらいなら、俺を生かしてくれればよかったのに……っ!」

 力強く言い放った言葉と共に、少女の眼から涙がこぼれ落ちる。
 その涙は、今まで溜めていた分が一気に溢れ出したように止まらない。
 叔母さんはそんな少女に、ゆっくりと近づいていく。

「……そう、よね。ごめんなさい。謝って済むことじゃないのはわかっているわ。でも、どうしても謝りたかったから……本当にごめんなさい」
「……っ、そんな……ことっ……! 言われても……」
「ええ、わかっているわ。私はこの気持ちを伝えたかっただけだから、これは私のエゴ。さぁ、あなたの気持ちを聞かせて?」
「……俺、の……気持ち……?」

 一言発する度に一歩ずつ少女に近づいていた叔母さん。
 ついに少女の目の前まで来た叔母さんは、少女をぎゅっと抱きしめる。
 それは、母親が我が子を宝物として扱うような優しさが感じられた。

「……っ、うっ、俺は……俺は……仮染めでもいいから、生きたい……っ! 家族とか友だちが欲しい! いっぱい楽しいことがしたい! 俺はまだ――死にたくないっ!!」

 次々に、少女の本音がこぼれ落ちる。
 そして、少女は叔母さんを抱きしめ返すと、声を上げて泣いた。
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