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第一章 少女たちの願い(後編)

お昼ご飯

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 ――そして、時間が経ち。

「おー! 美味しそう……!」

 ちょうどお昼時なのである。
 近くにあったお店で、結衣たちは休憩していた。

 丸いテーブルの上には、ホカホカのハンバーガーが乗っている。
 フィレオフィッシュやチーズバーガー、ベーコンレタスバーガーなどなど。
 贅沢すぎるにも程があるだろう。

「ハンバーガーっていいよね~! すごく美味しいもん!」
「その通りですにゃ! ハンバーガーの魅力には逆らえないですにゃ!」

 もぐもぐと、ハンバーガーを貪りながら喋る結衣と夏音。
 その頬には、食べカスがついている。

「あははっ。君たちは本当に見てて飽きないよ」

 その様子を、美波が笑いながら眺めている。
 そんな美波も、食べカスをつけているということを知らずに。

「……あなたたち、そういうのどうにかならないの……?」

 せーちゃんの冷ややかな眼差しが、結衣たちに注がれる。
 せーちゃんは、別に怒ってはいない。呆れているのだ。
 だが、そんなせーちゃんを、「まあまあ」と宥める声が響く。

「ええやないの。微笑ましくて」
「そういう問題かしら……?」

 そう言いつつも、せーちゃんは自分の食事に戻った。
 せーちゃんを宥めてくれた者――明葉に、結衣は目配せする。
 結衣が目線で「ありがとう」と言うと、明葉も目線で「どういたしまして」と言う。

 そのやり取りを、少し遠くから見ていた緋依と真菜が笑う。

「やっぱり結衣ちゃんたちを見ていると楽しいですね」
「……うん。そう、だね……」

 そう零した二人は、一緒にお茶を啜った。

 ☆ ☆ ☆

「次はどこ行くんですにゃ?」

 夏音が目を輝かせて訊く。
 その姿は、まさにワンコのようで、すごく可愛らしい。
 遊園地は、人を変える力があるんだな。と結衣は苦笑する。

「そうだなぁ……ゴーカートとかどう?」
「おー! いいんじゃないですか? 楽しそうな響きです!」

 結衣の言った言葉に、緋依が賛同する。
 ゴーカート、わかっているのだろうか。
 結衣は不安になるが、胸を躍らせている緋依に、余計なことは何も言えなかった。

「じゃあ、そうするか……!」

 みんなで楽しもう!
 そう言い捨てて、結衣は走った。
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