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第一章 少女たちの願い(後編)
信じるということ
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「遊園地?」
「そう……おばあちゃんに、チケット……もらって……」
明葉との決闘から数時間後。
睡眠不足と疲労で、結衣のまぶたは限界がきていた。
それに、今日の授業で必要な持ち物を超特急で家から取ってきたので、もう何も考えられない……ことはない。
「へー! いいね! 遊園地かぁ~……」
“遊園地”という魅惑ワードには、逆らえなかったらしい。
結衣の脳と身体は、「疲労? 何それ美味しいの?」状態になっている。
そんな結衣の、テンションの急上昇に気付いたのか。
真菜も若干、いつもよりテンション高めに言った。
「結衣の……分の、チケットも……あるから……みんな、で……行こうよ……!」
「わーい! やったー! ……ん?」
ちょっと待て。今、この子はなんて?
混乱する頭を必死で抑え、結衣は努めて冷静に言う。
「みんなって……だれ?」
「みんな……は、みんな……だよ……?」
だが、問いに問いで返された。
当たり前のように言い放つ真菜を見て、結衣は何となく察した。
けれど、そんなお金はあるのか。なぜそんなにもチケットが買えたのか。そこが不明だ。
だけど、結衣はそれよりも、他に誰を誘ったのかを訊きたい。
「あー……えっとね? もうちょっと具体的に教えてほしいなー、なんて……」
「え? あ……ごめん。えっと……」
結衣、真菜、せーちゃん、緋依、夏音、美波、そして……明葉。
真菜は、結衣と明葉の戦闘を見ていたらしい。
必ず、結衣が明葉のことを救える。
そう信じて、見守ってくれていたようなのだ。
結衣はそのことを訊いて、思わず真菜に抱きついてしまう。
それはつまり、結衣が勝てると思ってくれていたことにほかならないのだから。
真菜も、結衣の手助けをしたかっただろう。
だけど、それは無粋だと考え、見守ることにしたのだと思われる。
それがどれだけ心強いか。
信じられていること。これこそが、結衣の欲しかったものだ。
「ありがとう、真菜ちゃん……!」
「え……? なに、が……?」
嬉し涙を流しながら、結衣は感謝の言葉を述べる。
だけど真菜は、なぜ感謝されているのかわからず、キョトンとした顔を浮かべている。
その奥で、嬉しさを噛み締めながら。
「そう……おばあちゃんに、チケット……もらって……」
明葉との決闘から数時間後。
睡眠不足と疲労で、結衣のまぶたは限界がきていた。
それに、今日の授業で必要な持ち物を超特急で家から取ってきたので、もう何も考えられない……ことはない。
「へー! いいね! 遊園地かぁ~……」
“遊園地”という魅惑ワードには、逆らえなかったらしい。
結衣の脳と身体は、「疲労? 何それ美味しいの?」状態になっている。
そんな結衣の、テンションの急上昇に気付いたのか。
真菜も若干、いつもよりテンション高めに言った。
「結衣の……分の、チケットも……あるから……みんな、で……行こうよ……!」
「わーい! やったー! ……ん?」
ちょっと待て。今、この子はなんて?
混乱する頭を必死で抑え、結衣は努めて冷静に言う。
「みんなって……だれ?」
「みんな……は、みんな……だよ……?」
だが、問いに問いで返された。
当たり前のように言い放つ真菜を見て、結衣は何となく察した。
けれど、そんなお金はあるのか。なぜそんなにもチケットが買えたのか。そこが不明だ。
だけど、結衣はそれよりも、他に誰を誘ったのかを訊きたい。
「あー……えっとね? もうちょっと具体的に教えてほしいなー、なんて……」
「え? あ……ごめん。えっと……」
結衣、真菜、せーちゃん、緋依、夏音、美波、そして……明葉。
真菜は、結衣と明葉の戦闘を見ていたらしい。
必ず、結衣が明葉のことを救える。
そう信じて、見守ってくれていたようなのだ。
結衣はそのことを訊いて、思わず真菜に抱きついてしまう。
それはつまり、結衣が勝てると思ってくれていたことにほかならないのだから。
真菜も、結衣の手助けをしたかっただろう。
だけど、それは無粋だと考え、見守ることにしたのだと思われる。
それがどれだけ心強いか。
信じられていること。これこそが、結衣の欲しかったものだ。
「ありがとう、真菜ちゃん……!」
「え……? なに、が……?」
嬉し涙を流しながら、結衣は感謝の言葉を述べる。
だけど真菜は、なぜ感謝されているのかわからず、キョトンとした顔を浮かべている。
その奥で、嬉しさを噛み締めながら。
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