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第一章 少女たちの願い(後編)

やっと見つけた!

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「しかし……ないねぇ~……」
「もう他の人に見つかって、ここにはあらへんのやろか……」

 戦場に入ってからしばらく経ったが、宝の地図とやらは見つからない。
 ここまでくると、思考が悲観的になってくる。

「はぁ……じゃあ、私向こう見てくるね」
「わかった。ならうちはこっち探しとくよ」

 結衣は、明葉から自然に離れる。

 そして、ようやく人目を避けられそうな所を発見した。
 そこで結衣は、虚空に向かって小さく呼びかける。

「ガーネット!」
「はいはーい? なんですかぁ?」

 すると、虚空から突然ガーネットが現れる。
 結衣はもう、その程度では驚かなくなった。

「ガーネット! 魔法を使って調べたいことがあるの! だから……その、手伝ってくれる……?」

 今までになく真剣な眼差しで言い放った結衣。
 それに何かを感じたのか、ガーネットも真剣に応える。

「ええ! いいですよぉ? じゃあ、変身しましょーう!」
「うん……! お願い!」

 結衣がそう言うと、周りが煌びやかに光り出す。
 結衣の体も光を纏い、そこから服が出来上がる。
 可愛らしくも際どい魔法少女衣装に身を包む。

「見つけた!」
「あ、結衣様! そのまま飛び出さないでください!」
「はっ! そうだった! ――認識阻害シャットアウト!」

 結衣は逸る気持ちを抑え、認識阻害魔法をかけながら飛ぶ。

 認識阻害魔法は、その場からいなくなったというわけではないので、人とぶつかる危険性がある。
 そうなると、色々やばい。
 それに、飛んだ方が探しやすいし。

「――あった!」

 上の方に、宝の地図があったから。
 結衣は宝の地図を見つけ、一人ではしゃいだ。

「わーい! やったー!」

 少し古びている、茶色っぽい色の地図。
 海賊たちが持っていそうな、宝の地図だ。

 結衣は好奇心が抑えられない。
 今からでもすぐに宝探しをしたいが、夕日が辺りを真っ赤に染めている。

 これは多分明日に持ち越しだ。
 そう思いながら、宝の地図を脇に抱えて、明葉のところに向かった。
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