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第一章 少女たちの願い(後編)
ガーネットの言葉
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「結衣様!」
結衣はガーネットの悲痛な叫びにより、目を覚ます。
どうやら気を失っていたらしい。
どうもあのりゅうのことを考えると、自分の中の気持ちが抑えられなくなる。
ごちゃごちゃで、ぐちゃぐちゃで。
大洪水のような、大嵐のような。そんな感じだ。
「……結衣様……?」
「――あ、ごめん。なんでもないよ」
とりあえず、あの絵本について考えるのはやめよう。
それよりも――
「あれ、お母さんは……?」
結衣が気を失うまでそばにいた者の姿が見当たらない。
なぜか代わりに、ガーネットがいる。
「お母様なら、結衣様への食事を作っておられますよ? 今頃は試行錯誤しているかと」
「……そっか。ありがとう……」
結衣が力なく笑顔を浮かべると、ガーネットは申し訳なさそうに口を開く。
「ところで結衣様……最近何かありました?」
ガーネットはやはり、勘がいい。
というより、結衣の変化に敏感だ。
「まあ、ちょっとね……」
「なら話してください! 一応これでも私は従者なんですからぁ!」
「あ、あはは……そう、だね……」
ガーネットの圧に押され、結衣は全てを話した。
話し終えた後のガーネットは、なんだか複雑そうな様子だった。
「ごめんなさい、結衣様……そういうことに気付けず……」
「え? いや、いいけど……どうしたの? いつもならもっとこう……うんざりするほど元気な感じなのに」
結衣は少しオブラートに包んでみた。
ガーネットの様子がおかしくて、刺々しい言葉を使うのを躊躇ったから。
そうこうしているうちに、足音が聞こえてきた。
多分、結衣のお母さんの足音だろう。
案の定、そうだった。
「結衣ー? もう大丈夫? 開けるわよ……」
「あ、うん! どうぞ!」
ガーネットのことは、ひとまず頭の片隅に置いておくことにする。
お昼に食べたおかゆの量が少なかったせいか、少しお腹が切ない気がするから。
ガーネットの言葉を聞くのが、少しこわいというのもある。
だから結衣はまた、ガーネットの件を保留にした。
結衣はガーネットの悲痛な叫びにより、目を覚ます。
どうやら気を失っていたらしい。
どうもあのりゅうのことを考えると、自分の中の気持ちが抑えられなくなる。
ごちゃごちゃで、ぐちゃぐちゃで。
大洪水のような、大嵐のような。そんな感じだ。
「……結衣様……?」
「――あ、ごめん。なんでもないよ」
とりあえず、あの絵本について考えるのはやめよう。
それよりも――
「あれ、お母さんは……?」
結衣が気を失うまでそばにいた者の姿が見当たらない。
なぜか代わりに、ガーネットがいる。
「お母様なら、結衣様への食事を作っておられますよ? 今頃は試行錯誤しているかと」
「……そっか。ありがとう……」
結衣が力なく笑顔を浮かべると、ガーネットは申し訳なさそうに口を開く。
「ところで結衣様……最近何かありました?」
ガーネットはやはり、勘がいい。
というより、結衣の変化に敏感だ。
「まあ、ちょっとね……」
「なら話してください! 一応これでも私は従者なんですからぁ!」
「あ、あはは……そう、だね……」
ガーネットの圧に押され、結衣は全てを話した。
話し終えた後のガーネットは、なんだか複雑そうな様子だった。
「ごめんなさい、結衣様……そういうことに気付けず……」
「え? いや、いいけど……どうしたの? いつもならもっとこう……うんざりするほど元気な感じなのに」
結衣は少しオブラートに包んでみた。
ガーネットの様子がおかしくて、刺々しい言葉を使うのを躊躇ったから。
そうこうしているうちに、足音が聞こえてきた。
多分、結衣のお母さんの足音だろう。
案の定、そうだった。
「結衣ー? もう大丈夫? 開けるわよ……」
「あ、うん! どうぞ!」
ガーネットのことは、ひとまず頭の片隅に置いておくことにする。
お昼に食べたおかゆの量が少なかったせいか、少しお腹が切ない気がするから。
ガーネットの言葉を聞くのが、少しこわいというのもある。
だから結衣はまた、ガーネットの件を保留にした。
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