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第一章 少女たちの願い(後編)

本屋に行こう!

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「……ねぇ、結衣。このあと……暇……?」
「……へ?」

 急に真菜から電話が入った。
 結衣は突然何事かと思ったが、どうやら遊びの用事らしい。
 今日は特にやることもなかったので、快く承諾する。

「でね……結衣と、一緒……に、行きたい……ところが、あって……」

 そのあとの一言で、結衣は全てが消し飛んだ。

 ☆ ☆ ☆

 結衣の目の前には、楽園が広がっている。
 正確に言うと、赤色で『本』と、でかでかと書かれた建物がドンッと構えている。

 そう、学校の近くに新しい本屋ができたらしいのだ。

「も、もう我慢できない……! はぁ……はぁ……」
「……なんか……結衣、いかがわしい……こと、してる……みたい……」

 結衣が住んでいるところは、あまり都会とは言えない街。
 そういうところには、こういう大きい本屋は近くにないので、結衣は興奮している。

 それを、若干引き気味に真菜が見ている。
 そして、ガーネットも――

「ぶふっ。結衣様は本当に面白い御方ですねぇ~。見ていて飽きないですよぉ」

 まだ人目の少ない時間帯だからか、盛大に笑っている。

 いつも通りの、なんて言うか。ぶっ飛んだ会話をし、結衣たちは店内に入る。
 もちろんガーネットには一発お見舞いしてやった。

 今頃はカバンの中で伸びているだろう。
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