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第一章 少女たちの願い(後編)

仲良くしようね!

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「おー……! 家の中もすごい……!」
「ふふっ。結衣さんはほんまにおもろい人やねぇ」
「ふぇ!?」

 広々とした、奥に続く長い廊下。その両隣には、たくさんの扉が設置されている。

 結衣が静かにはしゃいでいると、明葉が静かに笑う。
 結衣は明葉の笑顔を、思わず見つめてしまう。

 魅了スキルでもあるのだろうか。
 そう疑ってしまうほど、明葉の笑顔は無意識に、無自覚に見とれてしまう“力”がある。

「結衣さん? どうしはったん?」
「ううん!? なんでもないよ!?」

 明葉の問いかけに、結衣は明らかに動揺した様子で答える。
 そんな結衣が面白かったのか、明葉は今度は声を上げて笑う。

「はぁ……結衣さんとはもっと仲良うしたいわぁ……」

 笑いすぎて涙が出たのか、明葉は目元を拭いながら言う。
 そんな明葉の言葉に、結衣は。

「もちろん! 仲良くしよう!」

 二つ返事で、承諾した。
 こんなに素敵な人と、仲良くしたくない人なんていないだろう。

 結衣がとてもいい笑顔で言うと――

「ど、どうしたの……?」

 明葉は石のように固まる。
 その頬が少し紅く染まっていたような気がしたが……

 急にいつも通りの、魅力ある笑顔を浮かべる。
 だから結衣は、詳細を知ることができなかった。
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