魔法少女になれたなら【完結済み】

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第一章 少女たちの願い(前編)

七不思議その一

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「さぁ……て! 記念すべき……七不思議、その一! 誰も……いないはず……の、女子トイレ……から……呻き声が……聞こ、える!」
「……こんなにも生き生きとした真菜ちゃん初めて見たよ……」

 図書室から一番近い女子トイレに来た瞬間、真菜の目が光出した。
 そして、大きな声でアピールするように言い出した真菜を見て、

「これ……七不思議全部確認するまで帰れないやつじゃん……」

 そう呟いた。だが、その時。

「結衣様、あまり気を落とされてはダメですよぉ? 元凶が結衣様であったとしても、真菜様が元々潜在的にオカルト系が好きだった。というだけなんですからぁ」

 ひっそりと結衣に耳打ちするように、ガーネットが言う。
 何を思ったのか、結衣が真菜をオカルト好きに目覚めさせてしまったことに罪悪感を覚えているようだと考えたのだろう。

「あ、あはは……私が気を落としてたのはそういう事じゃないんだけど……ありがとう」

 結衣もひっそりと返す。

「ちょっ……とぉ! 聞いてる……の??」
「へぁ!? ご、ごめん……」

 真菜はもうとっくに女子トイレの中に入っていて、結衣も慌てて真菜のいるトイレの中へと入っていく。

 いつも利用しているはずの女子トイレだが、何かものすごく異様なオーラを放っていて、何だかものすごく気味悪かった。
 それを振り払うように、結衣は頭を振る。

 そうして中へ入ると、特に何も起こっている様子はない。
 ただ単にいつも通りの、和式が三つ、洋式が二つあるトイレ。そんな光景が広がっているだけだった。

「何も起きないね~……」

 誰に言うでもなく、結衣はそう呟く。

「うーん……やっぱり……何も、起きない……かぁ……」

 真菜はすごくショックを受けているようで、肩をがくりと落とす。
 だが、次の瞬間にはすでに心を入れ替えたのか、

「次の、七不思議……行こ……う!」

 と、元気よく言い放ったのだった。
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