私の魔法は何色ですか?【アルファポリス版】

トマト天津飯

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【シエル過去編 2話】 家族になった日

覚悟。

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5日後
平和の国スカルダル国境付近

「それで、あの時のシエルの顔が可愛くて・・・・」
「だぁぁ、やかましい」

現在の時刻 夜の9時

イグナルトとセアラは調査任務の為に5日をかけて長い道を移動してきた、そして目的の場所が近づいた頃、日も暮れ始めたので今日はここで野宿する事にした二人はテントを張り、食事を済ませ、眠りに付く準備をする。
そんな中で急にセアラが怒り始めた。

なぜならセアラはこの5日間ずっとイグナルトからシエルの話を聞かされ続けて来たからだ。
彼女はうんざりしていた。

「この5日間ずっと、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、シエル、ってやかましいわ。ノイローゼになるわよ。」
「・・・俺、そんなにシエルの話してました?」
「騎士団出発してけら、口を開けばシエルちゃんの話ばかり、五日間も良く飽きずに話せるなと感心してる程よ。」
「マジ、ですか!」
「はぁ・・・イグ、あなたどれだけシエルちゃんの事好きなのよ、やっぱりあの子はアナタが引き取りなさいよ。」
「・・・・それは」
「それは出来ないって言うんでしょ」

セアラがイグナルトの言う事を先読みする。
この二人の付き合いは十年以上にもなる、その為セアラはイグナルトの事を良く理解していた。

「でもイグの本心では引き取りたいと思っている、だからこそ今回の長期間の任務を受けたんでしょ」
「気が付いてましたか。」

イグナルトが今回の任務を受けた理由はマハイルさんの仇を取る為でもあるが一番の理由はシエルと距離を空ける為だった。

近い将来、イグナルトはシエルと離れて暮らすつもりであった。その為シエルと一度距離を空ける必要があると考えた為にこの任務を受諾したのだ。

「騎士団の全員がイグがシエルちゃんを引き取りたいと思ってる事は気が付いているわよ。中にはもう、イグがシエルちゃんを引き取ってると勘違いしてる人もいたわ。」
「そ、そんなに分かりやすいですか?」
「うんっ」

セアラが大きく頷いた。

「なんで、シエルちゃんを引き取らないの?」
「それはシエルを育てる自信が無いからです。」
「それが一番の理由じゃないでしょ」
「・・・・」
「沈黙は答えとして受け取っとるわよ。」

イグナルトはさらに黙秘を続けた。

「はぁ、無理に理由を話させるつもりは無いわ、この5日間のイグを見ていれば、何か葛藤してるのが分かるし。」
「セアラさんは本当に俺の事を良く分かってますね。」
「なんせイグとは10年以上の付き合いですもの。」
「そうですね、すいません、自分の中で答えを出してからシエルを引き取らない本当の理由を話します。」
「えぇ、イグの後悔しない選択をしなさい。」

そうして二人は明日の為に眠りに着くのだった。

◆次の日。

2人は起床後すぐに出発した。
移動を始めて数時間後に目的の場所に辿り着いた。

「情報だと、この場所のはずだけど。」
「・・・セアラさんここって。」

2人の目の前には驚きの光景が広がっていた。
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