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【シエル過去編 第一章】 父と娘の物語

エピローグ。

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眠いな、、、

日差しが窓から差し込む。
時刻は朝の10時前ぐらいかな?
朝が苦手で早起きは得意ではなかった、、、

目を擦り自分が寝ていたベットの隣にある、
もう一つベットを見る。

誰かが寝た様な跡があったけど人の姿がない、、

このベットはお父さんの物だ。

多分、私が寝ているうちに先に仕事に出かけたんだろうな、、

最近仕事が忙しい様子で、
ここ一週間ぐらいお父さんとゆっくりと会話出来ていない気がする。

別に私達の親子仲が悪いわけではない、、、
むしろ良好だと思う。

昔は良くお父さんに甘えていたけど最近はあまり甘えれてない、、、

純粋に甘えるのが恥ずかしいの、

でも最近は仕事の影響で朝早くに出て、夜遅くに帰ってくる事が多いから1日一回も話す事が出来ない事もあった。

流石に我慢の限界だよ、、、

私はある計画を実行する事を決意する。



そんな事を考えているとお腹が『グゥ~』となる音が部屋に響き渡る。

私のお腹が空腹を音で知らせてくれたようだ

お恥ずかしい、、、

私は寝巻きの姿のまま下の階に向かう為にベットを降りて、
部屋のドアノブに手をかけた、、、

その時、私は一つ忘れ物を思い出す。

そう、ママに朝の挨拶するのを忘れていた。

このまま出かけたらママが拗ねちゃうかもね、、、

ママは私の事大好きだった、
そんなママの頃が私も大好きだ。

机の上にある写真に向かい笑顔でおはようと挨拶する。


「ママ、おはよう、、」


写真にはママの姿と小さい時の私の姿は写っていた。


私のママは4年前に死んだ、、、

盗賊から私を守ろうとして殺されてしまった

当時の私はまだ3歳でお母さんが死んだ事も私を守ってくれた事もあまり理解出来ていなかった。

でも
もう二度と大好きなママの声が聞けなくなったのは当時の私でも理解できた。

ママが亡くなってからお父さんが私をママ代わりに愛情を込めて育ててくれた。

だから私はお父さんとママが大好きだ。

ママに朝の挨拶も終わったし、
さっきから『何か食べさせろ』と主張してくる私のお腹を満たす為に下の階にある食堂に向かう。


食堂に着くと店主の奥さんのヒルダおばさんの姿が見えた。

おばさんと朝の挨拶をする。


「おはよう、ヒルダおばさん」

「おはよう、シエル、
いや、時間的にはかしら?」

「あはは、おそようってなによ。」


ヒルダおばさんは相変わらず面白いな、笑ったおかげで少し眠気が冴えた気がする。

私たちは宿屋に住んでいた。
だから下の階にも食堂があった。

お父さんが仕事でいない時はヒルダおばさんがご飯を食べさせてくれる。

ママが亡くなってからはヒルダおばさんがお母さんの様な存在だ、、、

私のお父さんと一緒で血の繋がらない家族だと思っている。


「シエル、ご飯出来てるから食べちゃいなさい。」

「は~い、」


私は出されたご飯を食べる。

いつも通り、ほっぺたが落っこちそうな程に美味しかった、

「相変わらず、美味しそうに食べるわね、作った主人も喜ぶわ」
「えへへ、本当に美味しいもん」

私は座ってる椅子から地面につかない足をぶらぶらと振り喜びを表現した。


「その姿を見るとシエルが初めてここに来た時の事を思い出すわ」

「そうだね、ママが死んでもうすぐで5年になるもんね。」

「そうね、5年ってすぎるの早いわね。」

「そうかな?私は長く感じるけどな。」

「シエルは子供だからね、、
大人になると時間が過ぎるのがあっという間なのよ。」

「むぅ-、また子供扱いして、、」

私は子供扱いされるのが嫌いだ。

別に年齢的に子供扱いされても良いんだけど

私が嫌いな理由は他にある。

それは身長で子供扱いされるのが嫌だ。

他の子に比べて一回り以上小さいので良く年齢を間違われる。

前なんて4歳と間違われた。
私は7歳なのに、、、

まぁ、不本意だけどもうこの意地悪にもなれたから別に良いけど。
嫌なら物は嫌だから嫌と言っとく事にした。

でもママが亡くなって5年って事はお父さんと親子になったのも5年目になるのか、

もっと前から親子だった気がする。

私はお父さんと出会ってそれから親子になるまでの記憶を振り返る。













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