28 / 61
春より参られし桜華様!
第28話 ジャーナリストX(中編)
しおりを挟む
この番組は、春桜学園校長公認、小頼商会の提供でお送りします。
桃馬「……はっ?」
3‥‥2‥‥1‥‥。
ジャーナリストX……平和な交流の果てへ……
映果「さぁさぁ、始まりましたジャーナリストX、平和な交流の果てへ、中編か後編か分かりませんが、取り敢えずスタートです。実況は前編に続きまして、私し亀田映果と少々口うるさいツッコミ役の佐渡桃馬さんとお送りします。」
桃馬「うん、既にどこからツッコめば良いのか分からないですね。取り敢えずうちの校長先生は何してるんでしょうか?」
映果「さて、前編のあらすじですが……。」
桃馬「映果先生、あらすじはテープの尺的に危ういと思いますので、このまま本編を進めた方が良いと思いまーす。」
映果「ふむ、それもそうですね。気になる方は前編を巻き戻してください。」
桃馬「今時巻き戻しって、古くないですか??」
映果「っ、な、なら、戻し!」
桃馬「"巻き"を取っただけですね。」
映果「早戻し!」
桃馬「いつまで張り合って言い直してるんだよ。それより、ボケを繋げてる暇があるなら続きを始めてください。」
映果「っ、わ、分かってるわよ。そ、それではVTRスタートです。」
プチュン……。
ここは駆け出し冒険者の街、"ルクステリア"の近くにある草原地帯。
日は既に傾き始め、青々とした空が徐々にオレンジ色へと染まる中、異種交流会の一行は、一部を除いて狩猟クエストに励んでいた。
そう一部を除いて……。
桃馬「ぎゃぁぁ~っ!!ペペドロスだぁぁぁ!!」
憲明「ひぃぃ~っ、やばいやばい~!こらリフィル~!話が違うじゃないかぁ~っ!!」
今回の狩猟クエストに関して、全く乗り気では無かった二人は、あろう事かぺぺの最終形態にして、ぺぺペンポの上位個体のぺぺドロスに追いかけられていた。
事の発端は、弓を得意とするリフィルから「密林の中に駆けて行ったぺぺを見たから、誘き出してほしい。」と、頼まれた所から始まった。
対して二人は、「ぺぺくらいなら、まあいいか。」と、リフィルの頼みを引き受けてしまった。
リフィルの情報なので、若干ぺぺペンポの可能性を疑った二人であったが、いざ現場に着いて見ると、そこには確かにぺぺが草を食べていた。
これに憲明が、餌である少し固めの固形飼料を投げるのだが、ストレッチをしないまま投げたため、肩の筋が伸び、固形飼料はあらぬ方向へ飛んで行ってしまった。
そして固形飼料が飛んで行った先には、不運にも茂みの中で寝ていたぺぺドロスの額に命中してしまい怒らせてしまった訳である。
桃馬「の、憲明~!ふ、不可抗力って事は分かるけど、こ、これはお前が招いた事だろ!?責任もってぺぺドロスを倒せよ!」
憲明「う、うっせぇ!怒ったぺぺドロスを一人で倒せるわけないだろ!?」
ペペドロス「ぺぺぺぺ!!」
眠りを妨げられ怒り心頭なぺぺぺドロスは、粘っこい唾を垂らしながら鋭利な角を桃馬たちに向けて追いかけて来る。
ちなみにぺぺドロスの姿を例えるなら、マンモスと闘牛にサイを加えて、足して二で割った様な生き物である。
桃馬「そもそも、ペペって言ったリフィルはどこ行った!?」
憲明「し、知るかよ!?もしかしたら俺たち、リフィルの射程範囲位置から離れてるかもな!」
桃馬「さ、最悪だぁぁ!」
二人とぺぺドロスの距離は、わずか二十メートル。
あの鋭利な角が、二人のケツ穴にねじ込まれるのも時間の問題であった。
桃馬(このまま逃げ続けても、どうせ追いつかれてしまう。いっその事、覚悟を決めて戦うか……。)
憲明(くっ、もはやここまでか。このまま無駄に逃げるよりも戦った方が良いかもな。)
逃げる事に何の意味も無いと悟った二人は、思い切って応戦しようと刀に手を置いた時、逃げてる進行方向上に立ちはだかるギールの姿を目撃する。
ギール「リフィル今だ!」
リフィル「了解!」
ギールの合図にリフィルが飛び出すと、すぐに三本の矢をペペドロスの脳天に向けて放った。
放たれた三本の矢は、見事ぺぺドロスの脳天を射抜くも、ぺぺはその場にすぐ倒れる事なく、ふらつきながら猛進を続けていた。
ギール「二人ともそのまま走れ!」
桃馬「わ、わかった!」
憲明「ひぃ~!?ぺぺドロスの下敷きになっちまう~!?」
ギールの指示に従い、桃馬と憲明が全力疾走する中、ギールは鞘から刀を抜き、ペペドロスに向けて黒い閃光が走った。
桃馬と憲明とすれ違ったギールは、今にも倒れそうなぺぺドロスを正面から一刀両断にした。
ギール「ふぅ、危機一髪だな。」
リフィル「やったねギール♪」
ギール「おうよ。」
思わぬ所でぺぺドロスを狩猟できた事に喜んでいる二人は、呑気にハイタッチを交わした。
一方、ぺぺドロスに追いかけられ、全力疾走をしていた桃馬と憲明は、地面に両手両膝をつけながら苦しんでいた。
桃馬「はぁはぁ……、な、何が……やったね……だ…。はぁはぁ…。」
憲明「……ぜぇぜぇ、ぺっ、口の中が血の味がする……。」
桃馬「全く…だ……。はぁはぁ、おい、リフィル…、はぁはぁ。」
リフィルに対して、一言くらい文句を言ってやりたいと思っていた桃馬であったが、呼吸困難に近い程の息苦しさのせいで、文句の一言も言えなかった。
するとそこへ、ぺぺドロスを誘き出した労いだろうか。
苦しがっている二人の元に、リフィルが声を掛けて来た。
リフィル「二人とも大丈夫?」
憲明「だ、だれのへぇ…ゴホッゴホッ!…せいらと……おもっ…ごほごほ!」
桃馬「……はぁはぁ、ぺっ、ペペじゃ…、はぁはぁ、……なかったのかよ。」
リフィル「ご、ごめんね。わ、私は、普通にぺぺを誘き出して来るのかと思って待ってたんだけど~、まさか二人が、もっと大物のペペドロスを誘き出して来るもんだから驚いたよ。」
桃馬「はぁはぁ……、じゃあ、これは……。事故って事が。」
憲明「つ、ツイてねぇ~。」
リフィル「ふ、二人とも本当にごめんね。」
自分の誘導で二人を危険に晒してしまったリフィルは、珍しく反省した様な暗い表情をしていた。
憲明「そ、そんな顔をするなよリフィル?こ、今回はその……、事故みたいなもんだし、リフィルが気を病む事は無いよ。」
リフィル「で、でも……。」
憲明「ここにリフィルがいなかったら…、今頃俺と桃馬の穴……、処男は、終わっていたよ。」
リフィル「うぅ~、そんな慰められ方は嫌だよ~。」
憲明「っ、ご、ごめん、喜ぶかと思ったけど、そ、そう言う空気じゃなかったな。よしよーし。」
珍しく下ネタが通じないリフィルに、憲明は慌てて頭を撫で始めた。
桃馬「はぁ、ありがとうギール。お陰で助かったよ。」
ギール「良いって事よ~♪それより桃馬が無事でよかったよ~♪クゥーン♪」
自称忠犬であるギールは、桃馬の容態を心配しながら擦り寄って来た。
桃馬「んんっ、ま、まあ、お陰で何ともないよ……。ありがとう。(うぅ、凄く近い……、でも、変な所を触って来たら直ぐにはっ倒してやる。)」
嫌な予感を感じる桃馬であるが、ギールに助けられた以上、無下に拒む事が出来なかった。
そのため桃馬は照れ臭そうにしながらも、一切ギールと視線を合わせ様とせず、ギールの頬擦りに付き合っていた。
この時ギールが、上機嫌に尻尾をブンブン振っていたと言う事は言うまでもない。
ギール「そ、そうか~♪喜んでくれて嬉しいぞ~♪ぺろっ。」
桃馬「ひっ!?っ、くっ。」
とうとう首筋を舐め始めたギールに、直ぐに桃馬は制裁を発動しようとするが、直ぐに思い留まった。
すると桃馬は、ギールに首筋を舐められた際に作った拳を開くと、そのままギールの頭を撫で始めた。
桃馬「……ほ、ほら、お礼だ……。」
ギール「っ、と、とと、桃馬!?や、やめ……、お、俺には撫でられる権利が。」
桃馬「ばか、お礼だって言っているだろ……。あの如何わしい権利とは別だよ。」
ギール「っ!桃馬~♪」
桃馬「っ、こ、こら!抱きつくな!?」
やはり桃馬に優しくされると、直ぐに理性の枷が外れて暴走してしまうギールであった。
何だかんだで、今日も仲の良い駄犬と主人であった。
ピッ!
映果「いやはや、素晴らしい絆ですね~♪思わず涙腺を刺激されて涙が出てしまいましたよ~。」
桃馬「改めて見ると、非常に恥ずかしい事をしてますね……。出来る事なら、過去の自分を殴り倒したいです。」
映果「いやいや、これが絵になるんですよね~♪」
桃馬「……ちなみに、この映像はどうやって撮ってたのですか?」
映果「それは企業秘密って事で、ご了承下さい。」
桃馬「犯罪臭がするので、是非とも教えてもらいたいですが?」
映果「こほん、それより桃馬さん?この映像、今止めてますが、この辺りで気になる点はないですか?」
桃馬「ん、気になる点ですか?そうですね、心当たりがあるので黙ってましたけど、この茂みに隠れてる白い毛玉はなんでしょうか?」
映果「何でしょうね?もしかしたら、映ってはいけない心霊映像かもしれないですね。」
桃馬「それは非常に怖いですね。これは専門家にでも見せた方が言いかもしれないですね。と言う事で、本日のジャーナリストXはここまで…。」
映果「まだ終わりませんよ~?そうやって直ぐに解放されたいからと言って、強制的に番組を終わらせようとするのは困るな~。」
桃馬「では、この白い毛玉は何でしょうか?」
映果「これは間違いなく、ジェラシーモードのジェルドですね。」
桃馬「や、やっぱり……、(ジェルドの奴、この時点で付け回していたのか。)」
映果「桃馬くん?これ以上の詮索は、この先のネタバレになるので、その変にしておきましょう。」
桃馬「バラして終わらせても良いと思うけどな。」
映果「それでは企画倒れになるからダメですよ!」
桃馬「はぁ、なら早く帰りたいのでVTRお願いします。」
映果「し、仕方ありませんね。で、では続きをどうぞ。」
ピッ!
ギール「クゥーン♪」
桃馬「……うぅ、くっ。ごくり、な、なぁ、ギール?このままショタになれよ。」
ギール「っ、あぁ♪いいぜ~♪」
ギールは桃馬の命令に喜んで答えた。
ギールの体が見る見る内小さくなると、普通の男子でも微笑んでしまう様な、可愛いけも耳少年になった。
※ギールが着ていた服に関しては、体の変化に合わせて小さくなっていた。そもそも狼族がショタ化するには、多少の魔力を持っていないと姿を変えられる事ができない。それは、狼の姿になる時も同様である。
桃馬「よーしよし、ギール♪」
リフィル「あっ!桃馬ばっかりずるい!私も触る~♪」
憲明「っ、じゃあ、俺も触らせろ!?」
ギール「わふぅ~♪」
ショタ化したギールは、三人にもふられながら、幸せそうにしていた。
一方、その様子を茂みから見ていた一匹の駄犬が、負のオーラを漂わせながら見ていた。
ジェルド「あのクソ腹黒駄犬がぁ……。そこは俺のポジションだぞ……。グルル。」
桃馬たちにモフられている光景を目にしたジェルドは、羨ましい思いを嫉妬に変えて、現状宿敵であるギールを睨んでいた。
そのため皮肉ではあるが、潔白な真っ白い毛並みとは裏腹に、ジェルドの心は真っ黒に染まっていた。
ジェルド(くっ、何だよ。ギールばっかり甘やかしやがって……、お、俺だってショタの姿になれば可愛いはずなんだ!よ、よーし、俺もショタになって再びアタックだ!)
抜け駆けをするギールに負けじと、ジェルドもまたショタの姿になると、そのまま茂みから飛び出して桃馬に抱きついた。
桃馬「うわっ!?な、なんだ!?」
ジェルド「桃馬~!ギールばっかり構ってずるいよ~!俺にもギール見たいに撫でてくれよ~!」
桃馬「じぇ、ジェルド!?な、何でお前がここに居るんだ!?桜華たちと一緒じゃないか!?」
ジェルド「……っ、むぅ~。」
嫉妬による欲求不満のせいだろうか。ジェルドの真っ白な毛並みが、普段よりモコモコと逆立てていた。
リフィル「きゃ~♪ジェルド~♪凄いモコモコ~♪嫉妬バージョンだね♪」
憲明「たぶん、寂しくなって抜け出して来たな?」
ジェルド「う、うん……。」
桃馬「うんって、小頼と桜華たちはどうしたんだよ?」
ジェルド「ふ、二人の事なら、吉田先生の班に預けてから来たから大丈夫だよ。」
桃馬「……はぁ、やっぱり、今のジェルドには、エルゼちゃんを付けるべきだったな。こんなに"もこもこ"にさせやがって、そんなにジェラってたのか?」
ジェルド「……うん、気になって様子を見に来たら、ギールに先を越されるし、挽回する機会も失うし……、俺だって、桃馬に見直して欲しかったんだよ。」
ギール「……ジェルド。」
ギールに続いて、今度はジェルドまで泣きそうになっている。
ショタの姿でその悲しい表情になるのは反則だ……。
桃馬「全く、ギールもジェルドも……。少しくらいは、節度を持った要求をしてくれれば、俺だって構ってやるってのによ。」
ギール「うぅ~。」
ジェルド「んんっ~」
桃馬は二人への不満を言いつつも、もふもふとした二人の頭を撫でた。
桃馬「ほんと二人は、俺の自慢の駄犬だよ。」
桃馬の言葉に感動したギールとジェルドは、満面な笑みを浮かべながら抱きついた。
小さい尻尾をブンブンと左右に振り回して、非常に嬉しそうであった。
小さいからこそ許される光景だが、これが普段のイケメンの姿なら、それはそれで、ある意味友情として丸く収まるだろう。
桃馬「ほら、サービスタイムはここまで、早いところこいつを運んでみんなと合流するぞ。」
ギール&ジェルド「わふぅん♪」
こうして桃馬たちは、一刀両断されたぺぺドロスを荷車に乗せて、吉田先生と時奈先輩の班と合流した。
狩猟結果。
ぺぺドロス 一頭
ぺぺペンポ 三頭
ぺぺ 六頭
今回も依頼された数より多い結果となった。
そのため一度には運びきれない事から、吉田先生はやむおえず、一度"カオス"ギルドへ直行し、ギルド全体に運搬の助力を要請した。
その後、カオスギルドの半数近い人々が草原に駆けつけ、狩猟したぺぺたちをあっという間にギルドへ運搬した。
今回、ぺぺドロスを狩猟した事もあり、依頼主は腰を抜かしては大喜びであった。そのため、狩猟クエストの報酬は依頼金の五倍近く支払われた。
こうして異種交流会は、たった一日で小金持ちになると、今回の運搬で助力してくれた"カオス"ギルドの人たちに、感謝を込めてペペ料理が振る舞われるのであった。
ピッ!
映果「いや~♪助けてくれた人に対してしっかり感謝をする。素晴らしい思いやり精神を見せてもらいました。」
桃馬「ま、まあ、大掛かりな作業でしたからね。あのまま異種交流会だけで運んでいたら、少なくても五回は往復していたでしょうね。そう考えると、振る舞うのは当たり前かと思います。」
映果「うんうん。これぞ和合が深まるってやつですね。ですが~、私としては、ギールとジェルドによる、ダブルショタブッキングからの"もふり"タイムの方が眼福でしたね。いや~、ごちそうさまでした。」
桃馬「っ、~~っ////」
思い出したくもない、見られたくもない瞬間に触れられた桃馬は、恥ずかしさのあまり透かさず顔を隠した。
映果「おや?おやおや~?急に顔を隠してどうしましたか~?ふふっ、"俺の自慢の駄犬だよ"。」
桃馬「や、やめろぉぉ~!?恥ずかしくて死にそうだ~!」
追い打ちをかける様に、恥ずかしいセリフを映果に真似された桃馬は、蹲りながら悲観した。
映果「いやいや、そう暗くならないでくださいよ~♪とてもほのぼのしい光景ではないですか~♪それにこの映像を境に、周囲の印象が大きく変わると思いますよ?」
桃馬「うぅ、見世物にされたくないよ……。」
映果「まあまあ、それは生放送なので諦めてください。それより、この放送後にも、獣人族の皆さんに"もみくちゃ"にされるかもしれませんよ?」
桃馬「っ、な、何だと!?」
映果「いや~、本当に桃馬は、商売に貢献してくれますね~♪ちなみに、ショタ化したギールとジェルドの絡みのネタは、責任を持って何かしらの商品制作材料として使わせて頂きますのでご安心を~♪」
桃馬「俺を商売道具にしておいて、安心のへったくれもないだろ!?てか、薄々感じていたけど、この件に小頼も関わってないよな?」
映果「う~ん、ちょっと言ってる意味が分からないですね?でも、心当たりはあるようでないような~?」
桃馬「そんな意味の分からないボケをしてる時点でバレてるんだよ。ちくしょう、小頼やろう~、後で覚えていろよ。」
映果「さて、ゲストの妄想はさておき……。」
桃馬「おいこら!?強制的に話を終わらせるな!?」
映果「どうやって、この映像を撮っていたのか。皆さん気になりますよね?」
桃馬「っ、ま、まあ確かに気になるけど……。」
映果「えー、皆さんもお気づきかもしれませんが、実はこの映像、私一人で撮った物ではありません。」
桃馬「まあ、そうだろうな。」
桃馬でも分かりきったネタばらしに桃馬は、しおらしくツッコンだ。実際桃馬が知りたいのは、この映像を誰が撮ったかであった。
映果「実は、この映像を撮っていたのは、私が手塩にかけて育てて来た優秀な助手たちなのです!」
桃馬「っ、じょ、助手たちだと?そんなの草原では見なかったが……。」
映果「普通に見ては分からないでしょうね。」
桃馬「何か小さい生き物とかか?」
映果「おぉ~、さすがは桃馬ですね~。点数を与えるなら三十点です。」
桃馬「ほぼ間違えてるじゃねぇか!何だよ三十点って?おまけの正解か?」
映果「減点ポイントは、種類を言い当てなかったからですよ~。」
桃馬「かなり細か過ぎませんかね?」
映果「まあまあ、私の助手の正体はさておき、他にも映像を沢山撮って来て頂いたのでお見せしようかと思いますが、今度はカメラのバッテリーがなくなりそうなので、続きは後編でお会いしましょう。」
桃馬「もう、正体明かして終わらせて欲しいな。」
この番組は、小頼商会の提供でお送りしました。
桃馬「……はっ?」
3‥‥2‥‥1‥‥。
ジャーナリストX……平和な交流の果てへ……
映果「さぁさぁ、始まりましたジャーナリストX、平和な交流の果てへ、中編か後編か分かりませんが、取り敢えずスタートです。実況は前編に続きまして、私し亀田映果と少々口うるさいツッコミ役の佐渡桃馬さんとお送りします。」
桃馬「うん、既にどこからツッコめば良いのか分からないですね。取り敢えずうちの校長先生は何してるんでしょうか?」
映果「さて、前編のあらすじですが……。」
桃馬「映果先生、あらすじはテープの尺的に危ういと思いますので、このまま本編を進めた方が良いと思いまーす。」
映果「ふむ、それもそうですね。気になる方は前編を巻き戻してください。」
桃馬「今時巻き戻しって、古くないですか??」
映果「っ、な、なら、戻し!」
桃馬「"巻き"を取っただけですね。」
映果「早戻し!」
桃馬「いつまで張り合って言い直してるんだよ。それより、ボケを繋げてる暇があるなら続きを始めてください。」
映果「っ、わ、分かってるわよ。そ、それではVTRスタートです。」
プチュン……。
ここは駆け出し冒険者の街、"ルクステリア"の近くにある草原地帯。
日は既に傾き始め、青々とした空が徐々にオレンジ色へと染まる中、異種交流会の一行は、一部を除いて狩猟クエストに励んでいた。
そう一部を除いて……。
桃馬「ぎゃぁぁ~っ!!ペペドロスだぁぁぁ!!」
憲明「ひぃぃ~っ、やばいやばい~!こらリフィル~!話が違うじゃないかぁ~っ!!」
今回の狩猟クエストに関して、全く乗り気では無かった二人は、あろう事かぺぺの最終形態にして、ぺぺペンポの上位個体のぺぺドロスに追いかけられていた。
事の発端は、弓を得意とするリフィルから「密林の中に駆けて行ったぺぺを見たから、誘き出してほしい。」と、頼まれた所から始まった。
対して二人は、「ぺぺくらいなら、まあいいか。」と、リフィルの頼みを引き受けてしまった。
リフィルの情報なので、若干ぺぺペンポの可能性を疑った二人であったが、いざ現場に着いて見ると、そこには確かにぺぺが草を食べていた。
これに憲明が、餌である少し固めの固形飼料を投げるのだが、ストレッチをしないまま投げたため、肩の筋が伸び、固形飼料はあらぬ方向へ飛んで行ってしまった。
そして固形飼料が飛んで行った先には、不運にも茂みの中で寝ていたぺぺドロスの額に命中してしまい怒らせてしまった訳である。
桃馬「の、憲明~!ふ、不可抗力って事は分かるけど、こ、これはお前が招いた事だろ!?責任もってぺぺドロスを倒せよ!」
憲明「う、うっせぇ!怒ったぺぺドロスを一人で倒せるわけないだろ!?」
ペペドロス「ぺぺぺぺ!!」
眠りを妨げられ怒り心頭なぺぺぺドロスは、粘っこい唾を垂らしながら鋭利な角を桃馬たちに向けて追いかけて来る。
ちなみにぺぺドロスの姿を例えるなら、マンモスと闘牛にサイを加えて、足して二で割った様な生き物である。
桃馬「そもそも、ペペって言ったリフィルはどこ行った!?」
憲明「し、知るかよ!?もしかしたら俺たち、リフィルの射程範囲位置から離れてるかもな!」
桃馬「さ、最悪だぁぁ!」
二人とぺぺドロスの距離は、わずか二十メートル。
あの鋭利な角が、二人のケツ穴にねじ込まれるのも時間の問題であった。
桃馬(このまま逃げ続けても、どうせ追いつかれてしまう。いっその事、覚悟を決めて戦うか……。)
憲明(くっ、もはやここまでか。このまま無駄に逃げるよりも戦った方が良いかもな。)
逃げる事に何の意味も無いと悟った二人は、思い切って応戦しようと刀に手を置いた時、逃げてる進行方向上に立ちはだかるギールの姿を目撃する。
ギール「リフィル今だ!」
リフィル「了解!」
ギールの合図にリフィルが飛び出すと、すぐに三本の矢をペペドロスの脳天に向けて放った。
放たれた三本の矢は、見事ぺぺドロスの脳天を射抜くも、ぺぺはその場にすぐ倒れる事なく、ふらつきながら猛進を続けていた。
ギール「二人ともそのまま走れ!」
桃馬「わ、わかった!」
憲明「ひぃ~!?ぺぺドロスの下敷きになっちまう~!?」
ギールの指示に従い、桃馬と憲明が全力疾走する中、ギールは鞘から刀を抜き、ペペドロスに向けて黒い閃光が走った。
桃馬と憲明とすれ違ったギールは、今にも倒れそうなぺぺドロスを正面から一刀両断にした。
ギール「ふぅ、危機一髪だな。」
リフィル「やったねギール♪」
ギール「おうよ。」
思わぬ所でぺぺドロスを狩猟できた事に喜んでいる二人は、呑気にハイタッチを交わした。
一方、ぺぺドロスに追いかけられ、全力疾走をしていた桃馬と憲明は、地面に両手両膝をつけながら苦しんでいた。
桃馬「はぁはぁ……、な、何が……やったね……だ…。はぁはぁ…。」
憲明「……ぜぇぜぇ、ぺっ、口の中が血の味がする……。」
桃馬「全く…だ……。はぁはぁ、おい、リフィル…、はぁはぁ。」
リフィルに対して、一言くらい文句を言ってやりたいと思っていた桃馬であったが、呼吸困難に近い程の息苦しさのせいで、文句の一言も言えなかった。
するとそこへ、ぺぺドロスを誘き出した労いだろうか。
苦しがっている二人の元に、リフィルが声を掛けて来た。
リフィル「二人とも大丈夫?」
憲明「だ、だれのへぇ…ゴホッゴホッ!…せいらと……おもっ…ごほごほ!」
桃馬「……はぁはぁ、ぺっ、ペペじゃ…、はぁはぁ、……なかったのかよ。」
リフィル「ご、ごめんね。わ、私は、普通にぺぺを誘き出して来るのかと思って待ってたんだけど~、まさか二人が、もっと大物のペペドロスを誘き出して来るもんだから驚いたよ。」
桃馬「はぁはぁ……、じゃあ、これは……。事故って事が。」
憲明「つ、ツイてねぇ~。」
リフィル「ふ、二人とも本当にごめんね。」
自分の誘導で二人を危険に晒してしまったリフィルは、珍しく反省した様な暗い表情をしていた。
憲明「そ、そんな顔をするなよリフィル?こ、今回はその……、事故みたいなもんだし、リフィルが気を病む事は無いよ。」
リフィル「で、でも……。」
憲明「ここにリフィルがいなかったら…、今頃俺と桃馬の穴……、処男は、終わっていたよ。」
リフィル「うぅ~、そんな慰められ方は嫌だよ~。」
憲明「っ、ご、ごめん、喜ぶかと思ったけど、そ、そう言う空気じゃなかったな。よしよーし。」
珍しく下ネタが通じないリフィルに、憲明は慌てて頭を撫で始めた。
桃馬「はぁ、ありがとうギール。お陰で助かったよ。」
ギール「良いって事よ~♪それより桃馬が無事でよかったよ~♪クゥーン♪」
自称忠犬であるギールは、桃馬の容態を心配しながら擦り寄って来た。
桃馬「んんっ、ま、まあ、お陰で何ともないよ……。ありがとう。(うぅ、凄く近い……、でも、変な所を触って来たら直ぐにはっ倒してやる。)」
嫌な予感を感じる桃馬であるが、ギールに助けられた以上、無下に拒む事が出来なかった。
そのため桃馬は照れ臭そうにしながらも、一切ギールと視線を合わせ様とせず、ギールの頬擦りに付き合っていた。
この時ギールが、上機嫌に尻尾をブンブン振っていたと言う事は言うまでもない。
ギール「そ、そうか~♪喜んでくれて嬉しいぞ~♪ぺろっ。」
桃馬「ひっ!?っ、くっ。」
とうとう首筋を舐め始めたギールに、直ぐに桃馬は制裁を発動しようとするが、直ぐに思い留まった。
すると桃馬は、ギールに首筋を舐められた際に作った拳を開くと、そのままギールの頭を撫で始めた。
桃馬「……ほ、ほら、お礼だ……。」
ギール「っ、と、とと、桃馬!?や、やめ……、お、俺には撫でられる権利が。」
桃馬「ばか、お礼だって言っているだろ……。あの如何わしい権利とは別だよ。」
ギール「っ!桃馬~♪」
桃馬「っ、こ、こら!抱きつくな!?」
やはり桃馬に優しくされると、直ぐに理性の枷が外れて暴走してしまうギールであった。
何だかんだで、今日も仲の良い駄犬と主人であった。
ピッ!
映果「いやはや、素晴らしい絆ですね~♪思わず涙腺を刺激されて涙が出てしまいましたよ~。」
桃馬「改めて見ると、非常に恥ずかしい事をしてますね……。出来る事なら、過去の自分を殴り倒したいです。」
映果「いやいや、これが絵になるんですよね~♪」
桃馬「……ちなみに、この映像はどうやって撮ってたのですか?」
映果「それは企業秘密って事で、ご了承下さい。」
桃馬「犯罪臭がするので、是非とも教えてもらいたいですが?」
映果「こほん、それより桃馬さん?この映像、今止めてますが、この辺りで気になる点はないですか?」
桃馬「ん、気になる点ですか?そうですね、心当たりがあるので黙ってましたけど、この茂みに隠れてる白い毛玉はなんでしょうか?」
映果「何でしょうね?もしかしたら、映ってはいけない心霊映像かもしれないですね。」
桃馬「それは非常に怖いですね。これは専門家にでも見せた方が言いかもしれないですね。と言う事で、本日のジャーナリストXはここまで…。」
映果「まだ終わりませんよ~?そうやって直ぐに解放されたいからと言って、強制的に番組を終わらせようとするのは困るな~。」
桃馬「では、この白い毛玉は何でしょうか?」
映果「これは間違いなく、ジェラシーモードのジェルドですね。」
桃馬「や、やっぱり……、(ジェルドの奴、この時点で付け回していたのか。)」
映果「桃馬くん?これ以上の詮索は、この先のネタバレになるので、その変にしておきましょう。」
桃馬「バラして終わらせても良いと思うけどな。」
映果「それでは企画倒れになるからダメですよ!」
桃馬「はぁ、なら早く帰りたいのでVTRお願いします。」
映果「し、仕方ありませんね。で、では続きをどうぞ。」
ピッ!
ギール「クゥーン♪」
桃馬「……うぅ、くっ。ごくり、な、なぁ、ギール?このままショタになれよ。」
ギール「っ、あぁ♪いいぜ~♪」
ギールは桃馬の命令に喜んで答えた。
ギールの体が見る見る内小さくなると、普通の男子でも微笑んでしまう様な、可愛いけも耳少年になった。
※ギールが着ていた服に関しては、体の変化に合わせて小さくなっていた。そもそも狼族がショタ化するには、多少の魔力を持っていないと姿を変えられる事ができない。それは、狼の姿になる時も同様である。
桃馬「よーしよし、ギール♪」
リフィル「あっ!桃馬ばっかりずるい!私も触る~♪」
憲明「っ、じゃあ、俺も触らせろ!?」
ギール「わふぅ~♪」
ショタ化したギールは、三人にもふられながら、幸せそうにしていた。
一方、その様子を茂みから見ていた一匹の駄犬が、負のオーラを漂わせながら見ていた。
ジェルド「あのクソ腹黒駄犬がぁ……。そこは俺のポジションだぞ……。グルル。」
桃馬たちにモフられている光景を目にしたジェルドは、羨ましい思いを嫉妬に変えて、現状宿敵であるギールを睨んでいた。
そのため皮肉ではあるが、潔白な真っ白い毛並みとは裏腹に、ジェルドの心は真っ黒に染まっていた。
ジェルド(くっ、何だよ。ギールばっかり甘やかしやがって……、お、俺だってショタの姿になれば可愛いはずなんだ!よ、よーし、俺もショタになって再びアタックだ!)
抜け駆けをするギールに負けじと、ジェルドもまたショタの姿になると、そのまま茂みから飛び出して桃馬に抱きついた。
桃馬「うわっ!?な、なんだ!?」
ジェルド「桃馬~!ギールばっかり構ってずるいよ~!俺にもギール見たいに撫でてくれよ~!」
桃馬「じぇ、ジェルド!?な、何でお前がここに居るんだ!?桜華たちと一緒じゃないか!?」
ジェルド「……っ、むぅ~。」
嫉妬による欲求不満のせいだろうか。ジェルドの真っ白な毛並みが、普段よりモコモコと逆立てていた。
リフィル「きゃ~♪ジェルド~♪凄いモコモコ~♪嫉妬バージョンだね♪」
憲明「たぶん、寂しくなって抜け出して来たな?」
ジェルド「う、うん……。」
桃馬「うんって、小頼と桜華たちはどうしたんだよ?」
ジェルド「ふ、二人の事なら、吉田先生の班に預けてから来たから大丈夫だよ。」
桃馬「……はぁ、やっぱり、今のジェルドには、エルゼちゃんを付けるべきだったな。こんなに"もこもこ"にさせやがって、そんなにジェラってたのか?」
ジェルド「……うん、気になって様子を見に来たら、ギールに先を越されるし、挽回する機会も失うし……、俺だって、桃馬に見直して欲しかったんだよ。」
ギール「……ジェルド。」
ギールに続いて、今度はジェルドまで泣きそうになっている。
ショタの姿でその悲しい表情になるのは反則だ……。
桃馬「全く、ギールもジェルドも……。少しくらいは、節度を持った要求をしてくれれば、俺だって構ってやるってのによ。」
ギール「うぅ~。」
ジェルド「んんっ~」
桃馬は二人への不満を言いつつも、もふもふとした二人の頭を撫でた。
桃馬「ほんと二人は、俺の自慢の駄犬だよ。」
桃馬の言葉に感動したギールとジェルドは、満面な笑みを浮かべながら抱きついた。
小さい尻尾をブンブンと左右に振り回して、非常に嬉しそうであった。
小さいからこそ許される光景だが、これが普段のイケメンの姿なら、それはそれで、ある意味友情として丸く収まるだろう。
桃馬「ほら、サービスタイムはここまで、早いところこいつを運んでみんなと合流するぞ。」
ギール&ジェルド「わふぅん♪」
こうして桃馬たちは、一刀両断されたぺぺドロスを荷車に乗せて、吉田先生と時奈先輩の班と合流した。
狩猟結果。
ぺぺドロス 一頭
ぺぺペンポ 三頭
ぺぺ 六頭
今回も依頼された数より多い結果となった。
そのため一度には運びきれない事から、吉田先生はやむおえず、一度"カオス"ギルドへ直行し、ギルド全体に運搬の助力を要請した。
その後、カオスギルドの半数近い人々が草原に駆けつけ、狩猟したぺぺたちをあっという間にギルドへ運搬した。
今回、ぺぺドロスを狩猟した事もあり、依頼主は腰を抜かしては大喜びであった。そのため、狩猟クエストの報酬は依頼金の五倍近く支払われた。
こうして異種交流会は、たった一日で小金持ちになると、今回の運搬で助力してくれた"カオス"ギルドの人たちに、感謝を込めてペペ料理が振る舞われるのであった。
ピッ!
映果「いや~♪助けてくれた人に対してしっかり感謝をする。素晴らしい思いやり精神を見せてもらいました。」
桃馬「ま、まあ、大掛かりな作業でしたからね。あのまま異種交流会だけで運んでいたら、少なくても五回は往復していたでしょうね。そう考えると、振る舞うのは当たり前かと思います。」
映果「うんうん。これぞ和合が深まるってやつですね。ですが~、私としては、ギールとジェルドによる、ダブルショタブッキングからの"もふり"タイムの方が眼福でしたね。いや~、ごちそうさまでした。」
桃馬「っ、~~っ////」
思い出したくもない、見られたくもない瞬間に触れられた桃馬は、恥ずかしさのあまり透かさず顔を隠した。
映果「おや?おやおや~?急に顔を隠してどうしましたか~?ふふっ、"俺の自慢の駄犬だよ"。」
桃馬「や、やめろぉぉ~!?恥ずかしくて死にそうだ~!」
追い打ちをかける様に、恥ずかしいセリフを映果に真似された桃馬は、蹲りながら悲観した。
映果「いやいや、そう暗くならないでくださいよ~♪とてもほのぼのしい光景ではないですか~♪それにこの映像を境に、周囲の印象が大きく変わると思いますよ?」
桃馬「うぅ、見世物にされたくないよ……。」
映果「まあまあ、それは生放送なので諦めてください。それより、この放送後にも、獣人族の皆さんに"もみくちゃ"にされるかもしれませんよ?」
桃馬「っ、な、何だと!?」
映果「いや~、本当に桃馬は、商売に貢献してくれますね~♪ちなみに、ショタ化したギールとジェルドの絡みのネタは、責任を持って何かしらの商品制作材料として使わせて頂きますのでご安心を~♪」
桃馬「俺を商売道具にしておいて、安心のへったくれもないだろ!?てか、薄々感じていたけど、この件に小頼も関わってないよな?」
映果「う~ん、ちょっと言ってる意味が分からないですね?でも、心当たりはあるようでないような~?」
桃馬「そんな意味の分からないボケをしてる時点でバレてるんだよ。ちくしょう、小頼やろう~、後で覚えていろよ。」
映果「さて、ゲストの妄想はさておき……。」
桃馬「おいこら!?強制的に話を終わらせるな!?」
映果「どうやって、この映像を撮っていたのか。皆さん気になりますよね?」
桃馬「っ、ま、まあ確かに気になるけど……。」
映果「えー、皆さんもお気づきかもしれませんが、実はこの映像、私一人で撮った物ではありません。」
桃馬「まあ、そうだろうな。」
桃馬でも分かりきったネタばらしに桃馬は、しおらしくツッコンだ。実際桃馬が知りたいのは、この映像を誰が撮ったかであった。
映果「実は、この映像を撮っていたのは、私が手塩にかけて育てて来た優秀な助手たちなのです!」
桃馬「っ、じょ、助手たちだと?そんなの草原では見なかったが……。」
映果「普通に見ては分からないでしょうね。」
桃馬「何か小さい生き物とかか?」
映果「おぉ~、さすがは桃馬ですね~。点数を与えるなら三十点です。」
桃馬「ほぼ間違えてるじゃねぇか!何だよ三十点って?おまけの正解か?」
映果「減点ポイントは、種類を言い当てなかったからですよ~。」
桃馬「かなり細か過ぎませんかね?」
映果「まあまあ、私の助手の正体はさておき、他にも映像を沢山撮って来て頂いたのでお見せしようかと思いますが、今度はカメラのバッテリーがなくなりそうなので、続きは後編でお会いしましょう。」
桃馬「もう、正体明かして終わらせて欲しいな。」
この番組は、小頼商会の提供でお送りしました。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
好色一代勇者 〜ナンパ師勇者は、ハッタリと機転で窮地を切り抜ける!〜(アルファポリス版)
朽縄咲良
ファンタジー
【HJ小説大賞2020後期1次選考通過作品(ノベルアッププラスにて)】
バルサ王国首都チュプリの夜の街を闊歩する、自称「天下無敵の色事師」ジャスミンが、自分の下半身の不始末から招いたピンチ。その危地を救ってくれたラバッテリア教の大教主に誘われ、神殿の下働きとして身を隠す。
それと同じ頃、バルサ王国東端のダリア山では、最近メキメキと発展し、王国の平和を脅かすダリア傭兵団と、王国最強のワイマーレ騎士団が激突する。
ワイマーレ騎士団の圧勝かと思われたその時、ダリア傭兵団団長シュダと、謎の老女が戦場に現れ――。
ジャスミンは、口先とハッタリと機転で、一筋縄ではいかない状況を飄々と渡り歩いていく――!
天下無敵の色事師ジャスミン。
新米神官パーム。
傭兵ヒース。
ダリア傭兵団団長シュダ。
銀の死神ゼラ。
復讐者アザレア。
…………
様々な人物が、徐々に絡まり、収束する……
壮大(?)なハイファンタジー!
*表紙イラストは、澄石アラン様から頂きました! ありがとうございます!
・小説家になろう、ノベルアッププラスにも掲載しております(一部加筆・補筆あり)。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる