【R18】階段で転げ落ちたシンデレラ

巴月のん

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5)攻防戦その2

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「やっ・・・はぁっ・・・・」



佳音はぼんやりする頭で顏のあちこちに触れてくる唇を眺めていた。ぼーっとしているうちに右京の舌が音を立てて耳の奥の方を舐めてくる。時折嚙まれて感じる痛みがなぜか心地よい。
必死に抵抗しようとしても足に力が入らない。こんなことならワインを飲みすぎるんじゃなかったと思う。右京の片方の手は腰に回っているが、もう片方はすでにブラウスのボタンを開いてブラへとのびている。
ブラの隙間から掬い取るように胸を揉まれ、乳頭を指で弄られる。

「んっ・・・!」

胸に刺激を受けながら、佳音は必死に思いだしていた。何故こうなったのかを。



真剣な顔つきになった右京と向かい合った佳音は思わず背筋を伸ばした。

見れば見るほど端正な顔立ち。さっきの左京さんもなかなかのイケメンだったけれどあっちは爽やか系というか。そういえば、ホテルの時もそうだったけれど今の右京さんは尊大というか、偉そうというか、そんな感じだなぁ。

「佳音、俺とも乾杯しろ」
「え、あ、はい」

ぼんやりしていたら、いつの間にかグラスを入れ替えたのか、新しいワインが入っている。急かされて思わず乾杯してしまった佳音だが、乾杯の意味が解らず首を傾げた。

「あの、なんの乾杯なんですか」
「俺たちが一つになったことに対してだが?」
「げふっ、ごはっ・・・!」
「やれやれ、汚れたぞ」

思わずむせてしまった。誰のせいだと内心で罵りながらも、服を確認する。幸いにして、膝に置いていたクロスのお蔭でそれほど濡れていなかった。ハンカチで口元を拭いていると、じっとやけに右京がじっと眺めてきていることに気付いた。

「・・・なんですか?」
「鎖骨のところにキスマークがついているのを眺めていただけだ」

露骨なことを言われて真っ白になる。ロボットのようになった佳音ができたことはただ一つ。トイレに駆け込んで鏡を覗き込むことだけだ。

「うっわ・・・・本当に見えてる!左京さんも絶対コレ気付いてたよね・・・なんで言ってくれなかったの・・・いや、言えるわけないけれど、けれどさぁ!」

頭を抱えるが、怒りのやり場は収まらない。せめてとファンデーションでもと思ったが、化粧一式を持ってきていないことに気づいた。がっくりと肩を落として席に戻ると、右京はすでに二杯目を飲み、料理に手をつけていた。気付けば佳音のワイングラスにもたっぷりとワインが入っている。

「それで、本題だが」
「付き合えとかそういうことなら断りますよ。言いましたよね、平穏無事な日々を過ごしたいんですよ。もう食堂でわーわー騒がれるのもいやですし、その顔と一緒にいてろくなことないですし」
「・・・言っておくが、本当にお前ぐらいのものだぞ、家族以外で俺の顔を貶めた他人は。大体、そんなことを言っていたら左京はどうなる」
「そういえば、左京さんに対しては普通にできますね。なんでだろう」
「・・・・・」

舌打ちした彼を他所にワインをぐいっと一飲み。イケメンを前にして飲むワインは最高かもしれないと思いつつ料理を堪能した佳音だった。


・・・そう、ここまではよかった。ここまでは普通にできていたはず。問題はこの後・・・!

必死に頭を回転させるも、顎を引いては唇を重ねたあげく舌まで入れてくる彼の性急な動きに惑わされる。服越しであるものの、佳音の細い足はなぜか右京の足に絡みついている。佳音が必死に逃げようとするも、足を動かすだけで彼の股間に当たるのでなかなか動けない。

「というか…っ・・・な、んで・・・おったててっ・・・・!!」

佳音は考えないようにしていたことを思い切ってぶつけた。さっきからどう考えても故意的に股間を押し付けようとしている。スカートをはさんでいてもわかるソレの膨らみをどうしろというの!と叫びたい衝動を堪えて短く罵った自分を誰か誉めてほしい。
だが、佳音のぼやきと裏腹に彼はあっさりと口にした。

「佳音のナカに入りたいからに決まっているだろう。悔やむなら、左京の時と合わせてかなり飲んでいた自分と、のこのこと俺が呼んだタクシーに乗り込んだ自分を恨め」

右京はそう言い捨てた後、佳音の谷間に顔を近づけた。佳音がびくっと震えたのは、背中のホックが外れ。冷たい空気を感じたからだ。

「だ、だからって・・・わたしの・・いえまで・・・!」


今、二人がいるのは店ではなく、佳音のアパート。それも布団の上だ。
酔っぱらった自分を見捨てておけないからと部屋まで送ってもらったらなぜか狼にあっという間に変わってしまった。よろよろと入る自分を抱き上げ、ベッドまで運んだその瞬間に!

「それも、ここまで入ることを許した自分を恨め」
「おう、ぼう・・・!!!」


完全にシャツを脱がさないあたり学習はしているらしい。だけれど、中途半端に脱げたそれはある意味で気持ち悪い。ブラも落ちそうでなかなか落ちない。だけれど、彼の手や唇は肌を這って、敏感なところを攻めて立ててくる。
佳音がびくんと跳ねるたびに、いろんなところが彼の唾液で濡れる。胸を揉まれながら乳頭を吸われている佳音はスカートの奥へと忍び寄ってくる指に気付いて身じろぎした。

「ちょ・・・っ!」
「心配するな。スカートはそのままにしてやる」

そういう問題じゃない!!と必死に首を振っていると、彼の動きが止まった。

「・・・へぇ。まさかの紐パンか」


耳元で囁いてきたその言葉に佳音は今日一番の絶叫を放った。こんなことなら下着をだっさい地味なヤツにするんだった!と。真っ赤に染まった佳音を他所に、右京は片方だけほどいて茂みの奥をそっと撫でた。叫び疲れたのか呼吸が荒くなった佳音だが、ぬるりとした感触に気付き口を開こうとしたが、それより早く右京の指が入口をじっくりねっとりとかきまぜた。

「まっ・・・さのさ・・っあ、ああっ・・・!」

快感に打ち震える体は小刻みに揺れ足を必死に動かそうとしているが、右京の身体が重しになっていて動かせない。右京は佳音の足を持ち上げながら、ズボンのファスナーを下している。右京の息遣いが荒いことに気付いた佳音はもうすでにぐったりしていて、文句を言う力もない。ぼんやりしていると、右京が佳音の両足を開き、片手で蜜壺への入り口を広げながらゆっくりと自身を押し込もうとしていた。
佳音のスカートはもうすっかりめくれていて、太ももの奥に彼の太いその肉棒がちらっと見えた。・・・避妊のコンドームをつけてくれているのを確認できたことが幸いだった。
先っぽが入口に当たったと思ったら、濡れていたらしく簡単に奥へと入り込んできた。佳音自身も彼が自分の奥中へと入ってくる感覚に身を捩らせた。本当にコレでどれだけの女を落としたのか。佳音は知らず知らずにリズムよく動いてくるその其れをぎゅっと締め付けた。

「っ・・・! か、のんっ・・・きっつ・・・!」
「なっ・・に・・・?あ、や、だ、はげしく、しないっ・・・で・・そんな、おおきくしないで・・!」
「言っておくが・・・・俺を締め付けているのはお前だからな?ほら、解るだろう?これがどこを通っているか」
「わかるけれどっ・・・わかりたくもない・・・っ!!」
「お前にとっては残念だろうが、俺達は相性がいいようだ」
「っ・・うれ、しくないっ・・・!そもそも、それ、身体だけ・・・!」

ぐいぐい入ってくる圧迫感と息苦しさに呼吸を荒くしていたら、覆いかぶさってきた彼が激しく動き出した。佳音は穿ってくる雄々しい肉棒の形を感じとりながらも、いやいやと逃げるように首を振ったが右京はそんなことで解放してくれる相手ではない。

というか、ここ、私の部屋で、ベッドでっ!!


「そろ、そろイキそうだろう。俺もイク…くっ…!」
「や・・・・っ!」

結合したそこが激しく結ばれた瞬間、2人は同時にイッた。まったく声にならない言葉をなんど口にしたのだろうか。しかも、卑猥な言葉もいろいろ言ってしまった気がする。だから、佳音はつい言ってしまったのだ。右京がまだ肉棒を引き抜いていないというのに。

「・・・・服を着たままって、慣れて・・る・・感が・・・いや・・」
「っ・・・!」

ボソッと言ったつもりが、右京には聞こえていたらしい。ヌプリと抜かれる感触になぜか寂しさを覚えたが、彼の動きはどう見ても終わろうとしているようには見えない。それどころか、なぜかスーツをぽいっと脱いで、再びまたがってくる。

「・・・え?」
「佳音のリクエストに応えてやろう」
「え。えええ?」

イッた疲れで身体を動かせない佳音だが、彼は軽々と佳音を抱き上げた。

「次は座位でやればいい、そうしたら抱きつけるだろう?」
「ま、待って・・・・そうい、う、意味じゃなくって・・・!」


というか、なんでノリノリなの!?私達付き合っているわけじゃないよね?
なんでこうなったの?

混乱している佳音の目の先には再び隆起している屹立が。思わず無言になった佳音はちらっと右京を見て、これまでの流れを思い出して首を傾げた。
気付けば、佳音のあげていた髪はすっかり下ろされ、少しついたくせ毛が肌のあちこちにあるキスマークを隠している。その髪にキスしながら楽し気に胸を揉んでいる右京。
あれ、私達こんな向かい合っていいの?こういう関係だっけ?いや、ぜっつっつたい、違う!


ねぇ!?
どうして、こうなったの?

なんで、私、また抱かれているのぉおおお!


この間がまさか数秒であるとはだれも思うまい。当の佳音でさえ長く感じたぐらいだ。だが、佳音が混乱している内に根元まで貫かれ、後は快感に身を任せて喘ぐことしかできなかった。




「あっあ、ああっ・・ま、って・・・も、無理っ・・・・!」





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