120 / 121
最終話:小悪魔最強伝説
第6章
しおりを挟む
家を囲む林の裏手から、清浄な光の柱が立ち昇った。
「!」
驚愕に目を見開いたルカを、アデルバートが背後に庇う。仲間達も、反射的にルカと国王を守るように、一斉に進み出た。黄金のベリンダのみが、困惑気味に眉根を寄せたのみだったのは、持ち前の鋭敏な感覚で、光の正体に気付いていたからなのだろう。
林の中から姿を現したのは、青白い肌に、緩く波打つ紺色の髪、人外の美しさを兼ね備えた、異教の蛇神・メルヒオールだった。
「メルヒオール様!?」
ルカとフィンレーが、揃って素っ頓狂な声を上げる。それ以外の者達は、「どれだけ集まってくるんだ」と言わんばかりに、一様にげんなりした様子だ。
来訪の意図を窺う視線が集中する中を、メルヒオールは2本の足で、音もなく近付いて来た。人間体を取ってはいても、纏ったビルダヴァの商人風の衣装は、衣擦れの音一つさせない。彼が超自然の存在であることの証のようなものだろうか。
「いったい、どこから……」
呟いたフィンレーに向かって、メルヒオールは穏やかに微笑んで見せる。それからルカとベリンダを交互に見遣って、納得したように頷いた。
「ここは良い水が流れているな。そなたらの住まいに相応しい」
なるほど、と、今度はルカが頷く番だった。確かに、この丘の真裏には小川が流れている。中腹から湧き出し、ハーフェルの町中まで繋がる、綺麗な川だ。水を司る蛇の神であるメルヒオールは、水場を伝えばどこでも権限可能ということなのだろう――さすがは神。
しかし、やはりエリアを大幅に越えての急な来訪には、不安を覚えずにはいられない。
「あの、何かあったんですか?」
おずおずと聞いたルカに対して、メルヒオールは安心させるかのような、慈愛に満ちた笑みを浮かべる。「いや、何」と言葉を濁した直後に、小さく息を呑んだのはアデルバートだった。
「――ッ!」
まるで痛みでも覚えたかのように、思わずと言った様子で、ルカを解放する。
拘束を解かれたルカに音もなく近付き、メルヒオールは優しく頭を撫でて来た。アデルバートの無体を懲らしめるために、何らかの力を奮ったのだろう。
「加護を与えた勇者殿の様子を見に来たのだが、気配を辿ったところ、そなたの元へ行き着いた。そなたもビルダヴァの様子が知りたかろうと思ってな」
「!」
何事もなかったかのように来訪の目的を語るメルヒオールに、ルカは弾かれたように顔を上げた。その小動物的な仕草に、蛇神が目を細めたことにも気付かず、無邪気に首を傾げる。
「カリスタは元気にしてますか?」
「ああ。今は、あれの父親が町の代表だ。それを支えながら、我が祠へも毎日のように詣でてくれている」
「そっかー」
安堵の表情で、ルカは嬉しい情報をもたらしてくれたメルヒオールに微笑みかけた。
神が愛し子を愛でる様子に、当のフィンレーも含めた男達全員、フェロールまでもが、「本当にフィンレーの様子を見に来るついでだったのか。本来の目的はルカだったのではないか」という疑いの眼差しを向け、この期に及んでルカの口から女子の名前が出てきたことに、シェリルは眉をひそめている。
仲間達の不満を代表するように、右手を押さえながらアデルバートが進み出た。
「異教の神よ。我が国の問題に、口を挟まないでいただきたい」
斥候隊及び救援隊の報告から、眼の前の存在が蛇神メルヒオールであることは察せられたのだろう。彼の主張を意訳するなら「ルカを自らの臣として迎えるのは、国王たる己の裁量一つである」、ということだが、ルカをみすみす奪われたことへの苛立ちは隠せていない。
当然ながら、この場において唯一堂々とアデルバートを諌めることのできるメルヒオールは、厳しい眼差しで受けて立った。
「神に国土の隔たりなど、関係があろうか」
「我らの神は、聖エドゥアルトとそれに連なる者のみだ。異教の神に指図される謂れはないわ」
「……!」
神の不興を買うことをものともしないアデルバートに、ルカは思わず背筋を震わせた。
度を越した美形同士の睨み合いというだけでも相当な迫力があるのに、「国王と神」という異次元の対立が始まってしまい、シェリルや子供達も本格的に怯え始めている。
その時、バシュウ、と空気が凝縮するように震えて、上空に真っ黒な渦が広がった。
「!!」
圧倒的な禍々しい気配に、誰もがハッと息を呑む。
――次の瞬間、渦の中心に姿を現したのは、魔王ビアンカと二人の側近達だった。
「ルカよ、そなたのビアンカが参ったぞ!」
空気も読まずに宣言するビアンカは、いつも通り真っ黒な、それでいて貴婦人がリゾートにでも赴くかのような、鍔の広い優雅な帽子を被っており、ヘルムートとカインはというと、スイーツの箱らしきものを大量に抱えている。こちらもルカへの賄賂、というより、餌付けのための物と考えた方が良さそうだ。
驚愕を通り越して、もはや唖然とした目が見守る中を、ビアンカは軽やかに地上へ降り立った。そして他の者など一切が目に入らぬ様子で、ルカを思い切り抱き締める。
「今日もそなたは愛らしいな」
女性に言われてしまっては、男として立つ瀬がない。とは思いながらも、上背のあるビアンカに真正面から抱き締められ、豊満な胸元に顔を埋めるという、男として最高のシチュエーションを味わいながら、ルカは「コンニチハ」などと噛み合わない返事を辿々しく返すしかなかった。
――今日もビアンカ様は美しく、そして積極的だ。
されるがままに赤面し、硬直していたルカに、ビアンカはうっとりと頬を寄せて来る。
「まったく愛いことよ……年の近い娘の姿よりも、わらわ自身の姿を好んでくれるとは」
ルカの性癖にご満悦のビアンカに対して、ベリンダとシェリルの女性陣は血相を変え、男性陣にはメルヒオールまでが加わり、刺すような視線を向けている。
解任式直後にルカが懸念した通り、とても平和とは言い難い光景が、ここにはあった。
――ど、どうしよう。
視線を彷徨わせた先では、ヘルムートが「それが普段着ですか。何なんですかこの可愛い生き物」と早口に呟き、カインもまた「何だお前、僕より可愛いなんて有り得ないぞ!」と悔しげに頬を染めながら、ルカの頬をつついてくる。
「――おのれ、魔王めが」
それがあの冷静沈着なメルヒオールの言葉と気付いて、ルカは小さく震えた。
翼竜一家と同様、ルカがビアンカを手懐けたことを知った時のメルヒオールは、驚き呆れながらも、ルカの人たらしぶりを称賛してくれたというのに。
今では天変地異さえ起こしかねない形相で、ビアンカを睨め付けているではないか。
異教の神の威嚇を真正面から受けて、ビアンカは美しい顔を歪めるようにせせら笑う。
「古の神など、わらわが怖れると思うてか」
「――取り敢えずルカを離しなさい!」
「王vs神」に続いて起こった「神vs魔王」の諍いからルカを救い出したのは、やはり頼りになる祖母・ベリンダだった。半ば強引にビアンカからルカを引き離し、間に立つのを受けて、ユージーンがすかさず横から支えてくれる。
「大丈夫かい、ルカ?」
「……」
何とかこくりと頷いてから、ルカは胸の高鳴りを抑えるように、大きく息を吐いた。目まぐるしく現れる高位の存在達に振り回され、動悸が治まる暇もない。
ルカへの愛情から完全に改心したというビアンカには、これまでのお詫びと称して、あちらの世界の家族の、本当の「今の様子」を見せて貰っている。ビアンカの魔法で水鏡に映った両親と姉は、ルカの死を悲しみながらも必死に乗り越え、日々を懸命に生きていた。それがわかっただけでもありがたかったし、やはりルカは、みんなと同じようにはビアンカを嫌う気にもなれないのである。
――ホントに、みんなの気持ちはどれも嬉しいんだけど……。
今一つ、恋や愛といったものに鈍感なところのあるルカは、あわあわと振り回されてばかりだ。
「!」
驚愕に目を見開いたルカを、アデルバートが背後に庇う。仲間達も、反射的にルカと国王を守るように、一斉に進み出た。黄金のベリンダのみが、困惑気味に眉根を寄せたのみだったのは、持ち前の鋭敏な感覚で、光の正体に気付いていたからなのだろう。
林の中から姿を現したのは、青白い肌に、緩く波打つ紺色の髪、人外の美しさを兼ね備えた、異教の蛇神・メルヒオールだった。
「メルヒオール様!?」
ルカとフィンレーが、揃って素っ頓狂な声を上げる。それ以外の者達は、「どれだけ集まってくるんだ」と言わんばかりに、一様にげんなりした様子だ。
来訪の意図を窺う視線が集中する中を、メルヒオールは2本の足で、音もなく近付いて来た。人間体を取ってはいても、纏ったビルダヴァの商人風の衣装は、衣擦れの音一つさせない。彼が超自然の存在であることの証のようなものだろうか。
「いったい、どこから……」
呟いたフィンレーに向かって、メルヒオールは穏やかに微笑んで見せる。それからルカとベリンダを交互に見遣って、納得したように頷いた。
「ここは良い水が流れているな。そなたらの住まいに相応しい」
なるほど、と、今度はルカが頷く番だった。確かに、この丘の真裏には小川が流れている。中腹から湧き出し、ハーフェルの町中まで繋がる、綺麗な川だ。水を司る蛇の神であるメルヒオールは、水場を伝えばどこでも権限可能ということなのだろう――さすがは神。
しかし、やはりエリアを大幅に越えての急な来訪には、不安を覚えずにはいられない。
「あの、何かあったんですか?」
おずおずと聞いたルカに対して、メルヒオールは安心させるかのような、慈愛に満ちた笑みを浮かべる。「いや、何」と言葉を濁した直後に、小さく息を呑んだのはアデルバートだった。
「――ッ!」
まるで痛みでも覚えたかのように、思わずと言った様子で、ルカを解放する。
拘束を解かれたルカに音もなく近付き、メルヒオールは優しく頭を撫でて来た。アデルバートの無体を懲らしめるために、何らかの力を奮ったのだろう。
「加護を与えた勇者殿の様子を見に来たのだが、気配を辿ったところ、そなたの元へ行き着いた。そなたもビルダヴァの様子が知りたかろうと思ってな」
「!」
何事もなかったかのように来訪の目的を語るメルヒオールに、ルカは弾かれたように顔を上げた。その小動物的な仕草に、蛇神が目を細めたことにも気付かず、無邪気に首を傾げる。
「カリスタは元気にしてますか?」
「ああ。今は、あれの父親が町の代表だ。それを支えながら、我が祠へも毎日のように詣でてくれている」
「そっかー」
安堵の表情で、ルカは嬉しい情報をもたらしてくれたメルヒオールに微笑みかけた。
神が愛し子を愛でる様子に、当のフィンレーも含めた男達全員、フェロールまでもが、「本当にフィンレーの様子を見に来るついでだったのか。本来の目的はルカだったのではないか」という疑いの眼差しを向け、この期に及んでルカの口から女子の名前が出てきたことに、シェリルは眉をひそめている。
仲間達の不満を代表するように、右手を押さえながらアデルバートが進み出た。
「異教の神よ。我が国の問題に、口を挟まないでいただきたい」
斥候隊及び救援隊の報告から、眼の前の存在が蛇神メルヒオールであることは察せられたのだろう。彼の主張を意訳するなら「ルカを自らの臣として迎えるのは、国王たる己の裁量一つである」、ということだが、ルカをみすみす奪われたことへの苛立ちは隠せていない。
当然ながら、この場において唯一堂々とアデルバートを諌めることのできるメルヒオールは、厳しい眼差しで受けて立った。
「神に国土の隔たりなど、関係があろうか」
「我らの神は、聖エドゥアルトとそれに連なる者のみだ。異教の神に指図される謂れはないわ」
「……!」
神の不興を買うことをものともしないアデルバートに、ルカは思わず背筋を震わせた。
度を越した美形同士の睨み合いというだけでも相当な迫力があるのに、「国王と神」という異次元の対立が始まってしまい、シェリルや子供達も本格的に怯え始めている。
その時、バシュウ、と空気が凝縮するように震えて、上空に真っ黒な渦が広がった。
「!!」
圧倒的な禍々しい気配に、誰もがハッと息を呑む。
――次の瞬間、渦の中心に姿を現したのは、魔王ビアンカと二人の側近達だった。
「ルカよ、そなたのビアンカが参ったぞ!」
空気も読まずに宣言するビアンカは、いつも通り真っ黒な、それでいて貴婦人がリゾートにでも赴くかのような、鍔の広い優雅な帽子を被っており、ヘルムートとカインはというと、スイーツの箱らしきものを大量に抱えている。こちらもルカへの賄賂、というより、餌付けのための物と考えた方が良さそうだ。
驚愕を通り越して、もはや唖然とした目が見守る中を、ビアンカは軽やかに地上へ降り立った。そして他の者など一切が目に入らぬ様子で、ルカを思い切り抱き締める。
「今日もそなたは愛らしいな」
女性に言われてしまっては、男として立つ瀬がない。とは思いながらも、上背のあるビアンカに真正面から抱き締められ、豊満な胸元に顔を埋めるという、男として最高のシチュエーションを味わいながら、ルカは「コンニチハ」などと噛み合わない返事を辿々しく返すしかなかった。
――今日もビアンカ様は美しく、そして積極的だ。
されるがままに赤面し、硬直していたルカに、ビアンカはうっとりと頬を寄せて来る。
「まったく愛いことよ……年の近い娘の姿よりも、わらわ自身の姿を好んでくれるとは」
ルカの性癖にご満悦のビアンカに対して、ベリンダとシェリルの女性陣は血相を変え、男性陣にはメルヒオールまでが加わり、刺すような視線を向けている。
解任式直後にルカが懸念した通り、とても平和とは言い難い光景が、ここにはあった。
――ど、どうしよう。
視線を彷徨わせた先では、ヘルムートが「それが普段着ですか。何なんですかこの可愛い生き物」と早口に呟き、カインもまた「何だお前、僕より可愛いなんて有り得ないぞ!」と悔しげに頬を染めながら、ルカの頬をつついてくる。
「――おのれ、魔王めが」
それがあの冷静沈着なメルヒオールの言葉と気付いて、ルカは小さく震えた。
翼竜一家と同様、ルカがビアンカを手懐けたことを知った時のメルヒオールは、驚き呆れながらも、ルカの人たらしぶりを称賛してくれたというのに。
今では天変地異さえ起こしかねない形相で、ビアンカを睨め付けているではないか。
異教の神の威嚇を真正面から受けて、ビアンカは美しい顔を歪めるようにせせら笑う。
「古の神など、わらわが怖れると思うてか」
「――取り敢えずルカを離しなさい!」
「王vs神」に続いて起こった「神vs魔王」の諍いからルカを救い出したのは、やはり頼りになる祖母・ベリンダだった。半ば強引にビアンカからルカを引き離し、間に立つのを受けて、ユージーンがすかさず横から支えてくれる。
「大丈夫かい、ルカ?」
「……」
何とかこくりと頷いてから、ルカは胸の高鳴りを抑えるように、大きく息を吐いた。目まぐるしく現れる高位の存在達に振り回され、動悸が治まる暇もない。
ルカへの愛情から完全に改心したというビアンカには、これまでのお詫びと称して、あちらの世界の家族の、本当の「今の様子」を見せて貰っている。ビアンカの魔法で水鏡に映った両親と姉は、ルカの死を悲しみながらも必死に乗り越え、日々を懸命に生きていた。それがわかっただけでもありがたかったし、やはりルカは、みんなと同じようにはビアンカを嫌う気にもなれないのである。
――ホントに、みんなの気持ちはどれも嬉しいんだけど……。
今一つ、恋や愛といったものに鈍感なところのあるルカは、あわあわと振り回されてばかりだ。
12
お気に入りに追加
298
あなたにおすすめの小説
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.

動物アレルギーのSS級治療師は、竜神と恋をする
拍羅
BL
SS級治療師、ルカ。それが今世の俺だ。
前世では、野犬に噛まれたことで狂犬病に感染し、死んでしまった。次に目が覚めると、異世界に転生していた。しかも、森に住んでるのは獣人で人間は俺1人?!しかも、俺は動物アレルギー持ち…
でも、彼らの怪我を治療出来る力を持つのは治癒魔法が使える自分だけ…
優しい彼が、唯一触れられる竜神に溺愛されて生活するお話。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

モラトリアムは物書きライフを満喫します。
星坂 蓮夜
BL
本来のゲームでは冒頭で死亡する予定の大賢者✕元39歳コンビニアルバイトの美少年悪役令息
就職に失敗。
アルバイトしながら文字書きしていたら、気づいたら39歳だった。
自他共に認めるデブのキモオタ男の俺が目を覚ますと、鏡には美少年が映っていた。
あ、そういやトラックに跳ねられた気がする。
30年前のドット絵ゲームの固有グラなしのモブ敵、悪役貴族の息子ヴァニタス・アッシュフィールドに転生した俺。
しかし……待てよ。
悪役令息ということは、倒されるまでのモラトリアムの間は貧困とか経済的な問題とか考えずに思う存分文字書きライフを送れるのでは!?
☆
※この作品は一度中断・削除した作品ですが、再投稿して再び連載を開始します。
※この作品は小説家になろう、エブリスタ、Fujossyでも公開しています。

【完結】元騎士は相棒の元剣闘士となんでも屋さん営業中
きよひ
BL
ここはドラゴンや魔獣が住み、冒険者や魔術師が職業として存在する世界。
カズユキはある国のある領のある街で「なんでも屋」を営んでいた。
家庭教師に家業の手伝い、貴族の護衛に魔獣退治もなんでもござれ。
そんなある日、相棒のコウが気絶したオッドアイの少年、ミナトを連れて帰ってくる。
この話は、お互い想い合いながらも10年間硬直状態だったふたりが、純真な少年との関わりや事件によって動き出す物語。
※コウ(黒髪長髪/褐色肌/青目/超高身長/無口美形)×カズユキ(金髪短髪/色白/赤目/高身長/美形)←ミナト(赤髪ベリーショート/金と黒のオッドアイ/細身で元気な15歳)
※受けのカズユキは性に奔放な設定のため、攻めのコウ以外との体の関係を仄めかす表現があります。
※同性婚が認められている世界観です。

魔王様の瘴気を払った俺、何だかんだ愛されてます。
柴傘
BL
ごく普通の高校生東雲 叶太(しののめ かなた)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。
そこで初めて出会った大型の狼の獣に助けられ、その獣の瘴気を無意識に払ってしまう。
すると突然獣は大柄な男性へと姿を変え、この世界の魔王オリオンだと名乗る。そしてそのまま、叶太は魔王城へと連れて行かれてしまった。
「カナタ、君を私の伴侶として迎えたい」
そう真摯に告白する魔王の姿に、不覚にもときめいてしまい…。
魔王×高校生、ド天然攻め×絆され受け。
甘々ハピエン。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる