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第2部・第5話:勇者と囚われの乙女

第6章

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 全身を硬い鱗に覆われた大蛇には、これといった弱点も見当たらない。
 当然のようにフィンレー、ジェイク、レフの、二人と一頭は、的確に黄金の目を狙っていた。しかし目蓋を持たない蛇体の魔物は、巨躯に似合わぬ俊敏な動きでこれをかわす。目標を見失い、或いは鞭のようにしなる尾に払い除けられながらも、三者は何とか大蛇に傷を負わせていた。鱗という固い鎧を身に纏ってはいても、武器が役に立たないという程ではないようだ。
 当初は斥候隊せっこうたいをただの人間と侮っていた大蛇も、認識を改めざるを得なかったようで、物理攻撃の間に魔法攻撃を織り交ぜるようになっている。大地と水に干渉する魔力を持つという言い伝えにたがわず、岩石のつぶてや、水を使った氷結魔法等が繰り出されるのを、ルカは広場の隅で、ハラハラしながら見守っていた。けれど、こちらにはユージーンとネイトが協力して無効化したり、弾き返したりして対応しているようだ。
 人数的に有利とはいえ、圧倒的な体格差を持つ魔物相手に、武器と魔法の二段構えの斥候隊は善戦していると言っていい。
「!」
 不意に、ネイトの張ってくれた結界が強められたような感覚を覚えて、ルカは両目を瞬かせた。驚く間もなく、大蛇の動きがぴたりと止まり、苦しげな呻き声を発する。明らかに本人の意思とは無関係の、別な力に行動を封じられているらしい。
「おばあちゃん!」
 麓から続く道、岩陰の間に祖母の頼もしい姿を見止めて、ルカは思わず声を上げていた。生贄の少女カリスタを自宅へ送り届けた黄金のベリンダは、巨体の動きを阻む拘束魔法でもって、大蛇の魔物への挨拶としたようだ。敵を見据える険しい表情は、神々しいまでに美しい。
 これで拮抗状態から一気に有利に持っていけるかと、ルカは心を弾ませた。
 が、敵もさる者。これほどの大蛇ともなれば、その辺りの小型の魔物とは、魔力の質から違うらしい。出会い頭にお見舞いした黄金のベリンダの拘束魔法は、わずかな時間で解除されてしまった。
 チャンスとばかりに頭部へ一撃を食らわせようとしていたジェイクが、太い尾で邪険に振り落とされる。
「なかなか手強いわね」
『おのれ……』
 冷静なベリンダに対して、大蛇の思念波には疲労の色が滲んでいた。その黄金の瞳が自分を捉えた、と思った次の瞬間、大蛇はルカに向かって猛スピードで突っ込んでくる。
「ッ!」
 膝に提げた短剣を構える暇もなかった。
 標的を生贄役のルカに変えたということなのだろうか、大蛇はそのまま、ルカを包むネイトとベリンダの二重の結界を物理的に破壊する。不利を悟った末の行動なのかもしれない。
 ルカの華奢な身体に、大蛇の胴体がぐるりと巻き付いた。締め上げられるのかと息を呑んだが、ふわりと宙に持ち上げられる。
「うわ……!」
「ルカ!」
 ベリンダ達魔法適性の高い三人が再度の結界を施すよりも、大蛇の動きは素早かった。ルカを巻き込んだまま、湖に向かって途方もない速度で進んでいく。
「ク……ッ」
 何とか追い縋ったフィンレーが、咄嗟の判断で手近な辺りの大蛇の胴体に、渾身の力で剣を突き立てた。初めて、巨躯が大蛇に災いした形だ。ガキッと刀身の砕ける嫌な音がしたが、それでも鋭利な刃先は鱗を裂いて、大蛇の身体に食い込んでいる。
『!!』
 そこへベリンダの再度の拘束魔法が重ね掛けされ、大蛇は凍り付いたように動きを止めた。先程とは違い、フィンレーによって明らかな手傷を負わされているだけに、呪縛を解かれるまでに多少の猶予はあるはずだ。
 今のうちにルカを解放させなければ、と全員が考え、一斉に攻撃を仕掛けようとした――その時。
「――!」
 大蛇の巨体が、輪郭を歪ませるようにしながら、徐々に色を失い始めた。驚愕に目を見開く斥候隊の前で、空気にとけるように
 異変を察したフィンレーが「ルカ」と親友の名を呼び、ルカもそれに応えようと、必死に手を伸ばした。
 ――それまでだった。
「……そんな」
 規格外の大蛇と相対してさえ、顔色一つ変えなかった黄金のベリンダが、絶望的な呟きを漏らす。ロッドを構える手の細かな震えが、彼女の動揺を端的に表すかのようだ。
 ルカと、武器を通して大蛇と繋がっていたフィンレーの二人は、どこへとも知れない場所へと連れ去られてしまった。
「ッ、ルカ……!!」
 残された者達の悲痛な叫びが、レスタド山にこだました。

             ○   ●   ○

 ふわりとすくい上げられるような感覚に、ルカは閉じていた瞳を開けた。
 見上げる天井は驚くほど高いが、果てが見えない程ではない。表面のいびつさからすると、巨大な洞窟のようだ。照明もないのに明るいのは、所々自生しているヒカリゴケのようなもののせいだろうか。記憶にない場所であっても恐怖や圧迫感を感じないのは、空間に満ちた「清浄な氣」のためなのかもしれない。
 額に、冷たいものが宛がわれている。
 それが人のてのひらであり、自分を目覚めさせてくれたのが、その手から発される優しい氣であることを悟った瞬間、静かな声が掛けられた。
「――気が付いたか」
「……!」
 掌が外されるのと同時に、ルカのオレンジ色の大きな瞳に飛び込んできたのは、クールで、どこか繊細そうな、青い肌の青年だった。緩く波打つ紺色の髪を胸の下辺りまで垂らし、金色の瞳を物憂げに瞬かせている。青白い顔立ちは非の打ちどころもなく美しいが、耳のあるべき場所に先の尖ったヒレ状のものが生えており、一見しただけで不可思議の存在であることが理解できた。
 ――この世界、どんだけ「超」の付く美形多いの!?
 自分も「超」の付く美少年・ルカは、半ば逃避のようなことを考えながら、コクコクと頷いた。美形を見慣れているルカであっても、眼を見張るほどの美しさだ。人外の美貌とでも言うべきか。
「――!」
 上体を起こす拍子に、筋骨隆々とした裸身を惜しげもなく晒した青年の下半身が蛇体であることに気付いて、ルカははたと動きを止めた。
 青みがかった鱗の色には見覚えがある――目の前のこの姿はきっと、レスタド山の大蛇の、本性か化身なのだろう。
 戦いのさなかに連れ去られたことを思い出して、ルカは身体を強張らせた。
 意外にも、大蛇はルカを気遣うように、薄い笑みを浮かべる。
「ここは湖の中だ。正確には、次元の狭間のようなものだが」
 だから普通に呼吸も出来ているのだろうか。
 深みのある穏やかな声に、ルカは少しだけ警戒を緩めた。その変化を鋭敏に感じ取ったらしい大蛇は、ルカの顔を覗き込み、あやすように柔らかい髪の毛を撫でる。
「心配せずとも良い。寿命が尽きるまで、ここで自由に生きよ」
「……」
 これまでの経験上、こんな風に頭を撫でて来る人は、みんな自分にとって優しい人だった。ポカンとした表情で見上げるルカに、大蛇は笑みを深める。
。私と共にあれば、退屈はせずに済むだろう」
「……え?」
 脳内で青年の言葉を精査してから、ルカは今度こそ、サッと上体を起こした。身体の下で、葉擦れのような音がする。柔らかくて大きな葉っぱの敷き詰められたその場所は、周囲よりも一段高い、石のベッドになっていた。もしかしたら、彼の寝床なのかもしれない。
「い、生贄、なんじゃないの……?」
 大蛇からの、思いもよらない親切の数々に、ルカは混乱し始めていた。生贄の儀式のために連れて来られた娘に対するにしては、少々不可解な言動ではないか。
 すると大蛇の化身は、ルカの顎に手を掛けて、至近距離で瞳を覗き込んできた。
「私が自ら求めたことではないが、そなたが望むなら、妻にしてやることもやぶさかではないぞ」
 そして、声を落とし、耳元で楽しげに囁く。
「贄というなら、もあるのだろう?」
「!」
 艶めいた誘い文句に、ルカはサッと頬を染めた。揶揄っているのだろうが、実際にはルカは男だし、心臓にも悪いので辞めて欲しい――本当に。
 美形って怖い、と、ルカは胡乱うろんな眼差しを大蛇に向けた。こちらの反応が予想通りだったのか、満足そうに口角を吊り上げている。
 しかし、多少悪ノリが過ぎるとはいえ、聞いていたような邪悪な存在とは思えない。の外国の童話のように、太らせて食べるとか、そう言った訳でもないようだ。――「自由に生きよ」とは、いったい。
「どういうこと?」
「――ああ、俺も聞きたい。だが、取り敢えずその手を離してくれ」
「!」
 大蛇の後方から聞こえてきた声に、ルカは眼を見張った。美しい化身を見据えたまま、こちらに近付いてくるのはフィンレーだ。折れた長剣をこれ見よがしに放り投げる様子に、ルカは連れ去られた瞬間の出来事を思い出す。ルカの危機に、大蛇を切りつけたフィンレーもまた、一緒にこの「次元の狭間」とやらに運ばれてしまったのだろう。
「フィン……ッ」
 青年の手を擦り抜けて、ルカは親友の元へ駆け寄った。
 華奢な身体を難なく抱き留めながらも、フィンレーが大蛇の化身から目を離すことはない。
 ずるりと音を立てて、大蛇は振り返った。地を這う音に、ルカも慌てて振り返るが、異形いぎょうの青年の美しい顔には、マイナスの感情は浮かんでいない。むしろ、危険も顧みずについて来て、更には自力で目覚めたフィンレーに対する感心のようなものが窺える。
「――そなたらは、恋仲ででもあるのか?」
「「!!」」
 まさかの質問に、ルカとフィンレーは抱き合ったまま飛び上がった。
 確かに、「攫われる生贄の娘に、命を賭して異界まで付き従う、介添え役の男」など、特別な感情でも抱いていなければ、なかなか出来る芸当ではない。大蛇の疑問も、至極もっともな話だろう。
 それに気付いた二人は、揃って頬を赤く染めた。
「ち、違う!!」
「親友だから! めちゃくちゃ頼りになるんだコイツ!」
「……」
 それぞれ必死に否定を口にするが、双方がこれほど赤面していては、説得力がない。
 疑うようにルカ達を凝視していた大蛇の化身は、やがてハッとした様子で金色の瞳を瞬かせた。
「そなた、男児か!」
 恋仲を必死に否定する二人の様子から、ようやく可愛らしいルカが娘などでないことに気付いたらしい。
 少なくとも、生贄を一思いに食い殺すような存在ではない相手を騙していた罪悪感と、それでも逆鱗に触れてしまえば、どのような目に遭わされるかわからないという恐怖が一気に襲ってきて、ルカは小さく「はい」と頷いた。
「騙していてすみません……」
「よくわかったな」
 フィンレーが、ルカを庇うように前に出た。
 しかし大蛇の化身は、そこに関しては気にした風もなく、鷹揚おうように頷いて見せる。
「私も『神』の端くれなのでな」
 当たり前のように発された言葉に、ルカとフィンレーは今度こそ仰天した。呆然とするしかないルカの前で、フィンレーは恐縮したように背筋を伸ばす。
「神……では、貴方は蛇神じゃしんか。大蛇の魔物などではなく」
 そう言われてみれば確かに、レスタド山腹さんぷくでフィンレーが自身の剣と引き換えに、彼に負わせた傷は、どこにも見当たらない。大蛇形態の時とは違い、今の彼の体長は恐らく10メートル程度だ。傷痕もなければ痛がる様子も見せないのは、神ゆえの超回復だとすれば、説明がつくだろうか。
 蛇神は「いかにも」と、言葉遣いを改めたフィンレーの問いを、事も無げに肯定した。
 満足そうな相手を前に、ルカとフィンレーは、一層混乱を極める。
 ビルダヴァに限らず、周辺の地域ではレスタド山に住まうものを「蛇の魔物」と断定している。しかし当の本人は蛇神であるというし、実際に相対してみても、感じるのは恐怖や嫌悪ではなく、慈愛や畏怖のような感情ばかりだ。生贄を要求し、事実捧げられた娘達は例外なく姿を消しているというが、彼の口振りでは、寿命が来るまでこの場所で共に過ごしたかのようではないか。更には、ルカが娘ではないことを知っても、怒る素振りもない。
 湖のほとりで、蛇神が最初に放った一言を、ルカは思い出していた。
 ――『またか。懲りぬ奴らめ』
 ――『同胞の命が惜しくないなら、娘を置いて立ち去れ』
 本当に、生贄は蛇神の側が要求したものなのだろうか?
「えっ、えっ……ちょっと待って」
 軽くパニック状態のルカの心中を察したフィンレーが、先を引き受けるように言葉を継いだ。
「どうも話が見えない。生贄は、貴方が求めたものではないのか?」
 明瞭な問いに、蛇神を名乗る青年は、深く息をついた。わずかにひそめた眉間には、悲壮感のようなものが漂っている。
「我が名はメルヒオール。――太古の昔より、この地に住まうだ」
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