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第2部・第5話:勇者と囚われの乙女
第3章
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実りのない面会を終え、魔王軍斥候隊はひとまず、来た道を辿る。
「まるで話が通じない」「何か裏がありそうだ」などと、代表の頑なな態度について話し合いながらも、必要最低限の言葉のみを交わす裏には、顔見知りが生贄に捧げられることへのショックがあった。
余所者を厭う街にあって唯一、見知らぬ旅人の境遇にまで気を掛けてくれた、親切なカリスタ。美しい容貌に貼り付いた暗い影は、無理やり命の期限を定められた不幸によるものだったのだ……。
沈んだ気分のまま、裏寂れた繁華街へ戻ってきた時、斥候隊は早足で歩いていくカリスタと行き合った。食堂の仕事を終えたところだろうか。何もこんな時まで働かなくても、と考えたのは、おそらくルカだけではないはずだ。
誰からともなく足を止めて見守っていると、視線に気付いたカリスタが軽く頭を下げる。そのまま行き過ぎようとするのに、ルカはほとんど無意識のまま、声を掛けてしまっていた。
「あの……!」
「――何か?」
黄金の髪を靡かせて振り返ったカリスタは、少し迷う素振りを見せたあと、一行の元へと歩み寄ってきた。通り掛かった住民が、不審げな目でこちらを窺っている。
特に用があった訳でもないルカが返答に窮していると、カリスタはわずかに眉をひそめた。
「……聞いたの?」
ルカの態度から、大蛇の生贄に選ばれている事実を知ったことに、気が付いたらしい。
どう答えたら良いのかわからず、ルカは結局俯いた。
「――うん、ごめん」
これ以上ないくらいデリケートな話題を持ち出してしまったとはいえ、根本的にルカに非のある話ではない。どこか他人事のように、カリスタは冷たい笑みを浮かべる。
「酷い話よね。本来なら儀式は12年後、その頃は私もとっくにオバサンで、対象にはならなかったはずなのに」
「生贄の」とは決して口にしない。皮肉で笑い飛ばそうとしているようだが、精一杯強がっていることは明白だった。落ち着きなく彷徨う瞳が、彼女の動揺と絶望を如実に表している。
「……どうにもならないのかな」
「無駄よ。ここの人達は因習に縛り付けられて、思考が停止してるから」
きっぱりと言い切って、カリスタは通り過ぎる老爺をキロリと睨め付けた。声を高めたのは、自身の憤りを住民すべてに知らしめたい意思があったのだろう。わざとらしいほど胡乱な眼差しでルカ達を威嚇していた老人は、慌てたように視線を逸らして走り去ってしまう。
カリスタの表現は正しい、とルカは思った。この街の人々は、言い伝えだけを根拠に、実態を把握しようともせず、仲間内から犠牲を差し出し続けている。しかも今回に至っては、気候が荒れていることを理由に、「儀式」の期限を12年も前倒しにしてまで、非人道的な風習を敢行しようとしているのだ。
「どうして君が……」
「うちが貧乏だからよ」
答えを期待した訳ではないルカの呟きに、カリスタは間髪入れずに吐き捨てた。随分含みのある言い方だ。
「――どういうこと?」
聞き返したのはベリンダだった。
先程の会見の折、代表は生贄の選出方法について、13歳以上18歳未満の少女の中から、有識者の合議により決定すると言っていた。選ばれた者及びその家族(正確には遺族)には、補償として然るべき金品が与えられるとのことだったが、実態は違うと言うのだろうか?
カリスタは皮肉げに顔を歪めたまま、小さく首を横に振った。
「話し合いなんてありません。実際は、一番お金を必要としている貧しい家に、報償と引き換えに娘を差し出すよう、打診が行くだけです」
「!」
卑怯だが効果的な方法に、斥候隊は揃って息を呑んだ。
カリスタの家は、両親と姉との四人家族。街の外れで小規模ながら農園を営んでいたが、3年前に大黒柱である父が事故に遭い、一人前には働けなくなった。女達3人で必死に父の手伝いをしていたが、暮らしぶりはみるみる傾き、妹のカリスタは1年前から食堂の手伝いに出ている。農業は家族が食べるものを賄うだけにして、姉も働きに出るべきかと家族で話し合っていた矢先に届いたのが、まだ18歳の誕生日を迎えていないカリスタへの、生贄選出の報せだった。
「――こんなの狡い。代表の娘だって、今年13歳になったのよ。なのに合議にも上がらない……うちが貧乏ってだけで、どうして私が犠牲になるのが当たり前なのよ!」
話している間に感情を高ぶらせたカリスタの両の瞳に、ぶわりと涙が浮かび上がった。しゃがみ込み、掌と長い髪で顔を隠すようにして、嗚咽を堪えている。
輝くばかりの美しさに気を取られていて気付かなかったが、カリスタの身に着けているエプロンドレスは、とても質素なものだ。
今は貧しさに甘んじているとはいえ、これから先、どんな輝かしい夢でも見られたはずの少女の、これは当然の怒りだろう。
ルカはキュッと掌を握り締めた。
代表の態度、生贄の基準及び選出方法。これに加えて(天候不順と地震の頻発が理由とはいえ)前例にない儀式の強行と、この街の風習には疑念ばかりが浮かんでくる。すべてを魔物の仕業にして満足しているような、不自然さがあるのだ。
「やっぱり、こんなの間違ってるよ!」
「――ええ。放ってはおけないわ」
小さく叫んだルカに、ベリンダも力強く頷いた。進み出てカリスタの前に両膝を着き、震える華奢な肩に手を掛ける。
「カリスタ」と優しく呼び掛けられて、生贄の美少女は少しだけ顔を上げた。
「考えがあるの。私達を信じて、任せてくれないかしら?」
強い口調ではないけれど頼もしい言葉に、カリスタはわずかに瞠目した。初めて目の前の旅の一行の素性に興味を持ったように、小さく呟く。
「貴方達は……?」
それはもしかしたら、生贄の役目を宣告されて以降、絶望の淵を彷徨い続けた末に、ようやく見出した、生きる希望のためだったのかもしれない。
戸惑うカリスタに向かって、ベリンダは気安い調子で、パチリと片目を閉じて見せる。
「貴女のような優しいお嬢さんが悲しい目に遭うのを黙って見ているなんて、『大魔法使い』の名折れだわ」
「――! ベリンダ様……っ」
カリスタは叫んで、肩に置かれた手に取り縋った。若く美しい「大魔法使い」と聞いて、ベリンダの素性に思い至ったのだろう。励ますように抱き締められ、ホッとしたように泣きじゃくる。
「……私っ、これからも、生きていていいんですか……?」
涙混じりの訴えに、ルカは心の底から、この街に来るのがこれ以上遅くならなくてよかったと思った。儀式はまだ行われておらず、カリスタはこうして生きている。
祖母が「当たり前じゃないの」と宥めるのに合わせて、ルカも隣に腰を落とした。
「生きてちゃいけない人なんていないよ。おばあちゃんは凄いんだから、安心して」
カリスタの濡れた瞳に、確かに生気が籠もっていることに安心して、ルカは少々わざとらしく、「僕に任せてって言えないのが情けないんだけどさ」と肩を竦めて見せた。拗ねたような言い様に、仲間達が和む。
「貴方の『可愛さ』は、もはや才能よ」
「それもどうかと思う……」
孫バカの祖母との応酬に、カリスタは小さく吹き出してから、身を起こした。初めて目にした笑顔が想像以上に綺麗で、より一層その境遇が哀れに思われる。
「私、死にたくない。怖いのもあるけど、私が居なくなったら、姉さんだけで父さんと母さんを支えなくちゃいけなくなるもの」
「……うん」
文字通り身につまされて、ルカは頷くことしか出来なかった。ルカにも現代日本へ残してきた姉がいる。カリスタの気持ちは痛いほどよくわかった。彼女も家族に愛されて育ってきたのだろう。つられて目頭が熱くなるのをグッと堪える。
と同時に、残される家族のことをこれほど気に掛けるというなら、生贄になるのと引き換えに手に入る報償金とやらが、今後家族3人が不自由なく暮らしていけるほどのものではないことも想像がついた。それでなくとも、本来の期間よりも大幅に早めて行われる儀式だ。街の備蓄も充分に回復してはいないのだろうし、直前まで仕事に出ているカリスタの様子からも、それは明らかだ。
街の体制そのものに、もはや怒りしか感じられない。
何となく放っておけなくて、ルカはカリスタの柔らかい髪を撫でた。他意はないつもりだ。強いて言うなら、よくジェイクがしてくれるような、そんな感覚。
我に返った様子で、カリスタが頬を染める。
『――で、どうするってんだ?』
残念ながら甘い展開は待っておらず、ルカのフードから肩口によじ登ってきた雄ライオンのぬいぐるみが発した思念波に、カリスタは大きな碧い瞳を零れんばかりに見開いた。
「まるで話が通じない」「何か裏がありそうだ」などと、代表の頑なな態度について話し合いながらも、必要最低限の言葉のみを交わす裏には、顔見知りが生贄に捧げられることへのショックがあった。
余所者を厭う街にあって唯一、見知らぬ旅人の境遇にまで気を掛けてくれた、親切なカリスタ。美しい容貌に貼り付いた暗い影は、無理やり命の期限を定められた不幸によるものだったのだ……。
沈んだ気分のまま、裏寂れた繁華街へ戻ってきた時、斥候隊は早足で歩いていくカリスタと行き合った。食堂の仕事を終えたところだろうか。何もこんな時まで働かなくても、と考えたのは、おそらくルカだけではないはずだ。
誰からともなく足を止めて見守っていると、視線に気付いたカリスタが軽く頭を下げる。そのまま行き過ぎようとするのに、ルカはほとんど無意識のまま、声を掛けてしまっていた。
「あの……!」
「――何か?」
黄金の髪を靡かせて振り返ったカリスタは、少し迷う素振りを見せたあと、一行の元へと歩み寄ってきた。通り掛かった住民が、不審げな目でこちらを窺っている。
特に用があった訳でもないルカが返答に窮していると、カリスタはわずかに眉をひそめた。
「……聞いたの?」
ルカの態度から、大蛇の生贄に選ばれている事実を知ったことに、気が付いたらしい。
どう答えたら良いのかわからず、ルカは結局俯いた。
「――うん、ごめん」
これ以上ないくらいデリケートな話題を持ち出してしまったとはいえ、根本的にルカに非のある話ではない。どこか他人事のように、カリスタは冷たい笑みを浮かべる。
「酷い話よね。本来なら儀式は12年後、その頃は私もとっくにオバサンで、対象にはならなかったはずなのに」
「生贄の」とは決して口にしない。皮肉で笑い飛ばそうとしているようだが、精一杯強がっていることは明白だった。落ち着きなく彷徨う瞳が、彼女の動揺と絶望を如実に表している。
「……どうにもならないのかな」
「無駄よ。ここの人達は因習に縛り付けられて、思考が停止してるから」
きっぱりと言い切って、カリスタは通り過ぎる老爺をキロリと睨め付けた。声を高めたのは、自身の憤りを住民すべてに知らしめたい意思があったのだろう。わざとらしいほど胡乱な眼差しでルカ達を威嚇していた老人は、慌てたように視線を逸らして走り去ってしまう。
カリスタの表現は正しい、とルカは思った。この街の人々は、言い伝えだけを根拠に、実態を把握しようともせず、仲間内から犠牲を差し出し続けている。しかも今回に至っては、気候が荒れていることを理由に、「儀式」の期限を12年も前倒しにしてまで、非人道的な風習を敢行しようとしているのだ。
「どうして君が……」
「うちが貧乏だからよ」
答えを期待した訳ではないルカの呟きに、カリスタは間髪入れずに吐き捨てた。随分含みのある言い方だ。
「――どういうこと?」
聞き返したのはベリンダだった。
先程の会見の折、代表は生贄の選出方法について、13歳以上18歳未満の少女の中から、有識者の合議により決定すると言っていた。選ばれた者及びその家族(正確には遺族)には、補償として然るべき金品が与えられるとのことだったが、実態は違うと言うのだろうか?
カリスタは皮肉げに顔を歪めたまま、小さく首を横に振った。
「話し合いなんてありません。実際は、一番お金を必要としている貧しい家に、報償と引き換えに娘を差し出すよう、打診が行くだけです」
「!」
卑怯だが効果的な方法に、斥候隊は揃って息を呑んだ。
カリスタの家は、両親と姉との四人家族。街の外れで小規模ながら農園を営んでいたが、3年前に大黒柱である父が事故に遭い、一人前には働けなくなった。女達3人で必死に父の手伝いをしていたが、暮らしぶりはみるみる傾き、妹のカリスタは1年前から食堂の手伝いに出ている。農業は家族が食べるものを賄うだけにして、姉も働きに出るべきかと家族で話し合っていた矢先に届いたのが、まだ18歳の誕生日を迎えていないカリスタへの、生贄選出の報せだった。
「――こんなの狡い。代表の娘だって、今年13歳になったのよ。なのに合議にも上がらない……うちが貧乏ってだけで、どうして私が犠牲になるのが当たり前なのよ!」
話している間に感情を高ぶらせたカリスタの両の瞳に、ぶわりと涙が浮かび上がった。しゃがみ込み、掌と長い髪で顔を隠すようにして、嗚咽を堪えている。
輝くばかりの美しさに気を取られていて気付かなかったが、カリスタの身に着けているエプロンドレスは、とても質素なものだ。
今は貧しさに甘んじているとはいえ、これから先、どんな輝かしい夢でも見られたはずの少女の、これは当然の怒りだろう。
ルカはキュッと掌を握り締めた。
代表の態度、生贄の基準及び選出方法。これに加えて(天候不順と地震の頻発が理由とはいえ)前例にない儀式の強行と、この街の風習には疑念ばかりが浮かんでくる。すべてを魔物の仕業にして満足しているような、不自然さがあるのだ。
「やっぱり、こんなの間違ってるよ!」
「――ええ。放ってはおけないわ」
小さく叫んだルカに、ベリンダも力強く頷いた。進み出てカリスタの前に両膝を着き、震える華奢な肩に手を掛ける。
「カリスタ」と優しく呼び掛けられて、生贄の美少女は少しだけ顔を上げた。
「考えがあるの。私達を信じて、任せてくれないかしら?」
強い口調ではないけれど頼もしい言葉に、カリスタはわずかに瞠目した。初めて目の前の旅の一行の素性に興味を持ったように、小さく呟く。
「貴方達は……?」
それはもしかしたら、生贄の役目を宣告されて以降、絶望の淵を彷徨い続けた末に、ようやく見出した、生きる希望のためだったのかもしれない。
戸惑うカリスタに向かって、ベリンダは気安い調子で、パチリと片目を閉じて見せる。
「貴女のような優しいお嬢さんが悲しい目に遭うのを黙って見ているなんて、『大魔法使い』の名折れだわ」
「――! ベリンダ様……っ」
カリスタは叫んで、肩に置かれた手に取り縋った。若く美しい「大魔法使い」と聞いて、ベリンダの素性に思い至ったのだろう。励ますように抱き締められ、ホッとしたように泣きじゃくる。
「……私っ、これからも、生きていていいんですか……?」
涙混じりの訴えに、ルカは心の底から、この街に来るのがこれ以上遅くならなくてよかったと思った。儀式はまだ行われておらず、カリスタはこうして生きている。
祖母が「当たり前じゃないの」と宥めるのに合わせて、ルカも隣に腰を落とした。
「生きてちゃいけない人なんていないよ。おばあちゃんは凄いんだから、安心して」
カリスタの濡れた瞳に、確かに生気が籠もっていることに安心して、ルカは少々わざとらしく、「僕に任せてって言えないのが情けないんだけどさ」と肩を竦めて見せた。拗ねたような言い様に、仲間達が和む。
「貴方の『可愛さ』は、もはや才能よ」
「それもどうかと思う……」
孫バカの祖母との応酬に、カリスタは小さく吹き出してから、身を起こした。初めて目にした笑顔が想像以上に綺麗で、より一層その境遇が哀れに思われる。
「私、死にたくない。怖いのもあるけど、私が居なくなったら、姉さんだけで父さんと母さんを支えなくちゃいけなくなるもの」
「……うん」
文字通り身につまされて、ルカは頷くことしか出来なかった。ルカにも現代日本へ残してきた姉がいる。カリスタの気持ちは痛いほどよくわかった。彼女も家族に愛されて育ってきたのだろう。つられて目頭が熱くなるのをグッと堪える。
と同時に、残される家族のことをこれほど気に掛けるというなら、生贄になるのと引き換えに手に入る報償金とやらが、今後家族3人が不自由なく暮らしていけるほどのものではないことも想像がついた。それでなくとも、本来の期間よりも大幅に早めて行われる儀式だ。街の備蓄も充分に回復してはいないのだろうし、直前まで仕事に出ているカリスタの様子からも、それは明らかだ。
街の体制そのものに、もはや怒りしか感じられない。
何となく放っておけなくて、ルカはカリスタの柔らかい髪を撫でた。他意はないつもりだ。強いて言うなら、よくジェイクがしてくれるような、そんな感覚。
我に返った様子で、カリスタが頬を染める。
『――で、どうするってんだ?』
残念ながら甘い展開は待っておらず、ルカのフードから肩口によじ登ってきた雄ライオンのぬいぐるみが発した思念波に、カリスタは大きな碧い瞳を零れんばかりに見開いた。
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