小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵

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第2部・第1話:最強の召喚士

第4章

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 夜。
 ルカは一人、食堂兼宿屋の裏手に当たる、小高い丘に上がった。
 手頃な木の根元に座り込んで、軽く息を吐き出す。
 煌々こうこうとランプの灯る食堂からは、穏やかな風に乗って、楽しげな笑い声が聞こえてくる。これまで斥候隊せっこうたいとして訪れた場所はどこでも大抵同じだったが、夕食は当然のように、大宴会となった。
 ベリンダが、明日の朝までには結界石への魔力の充填が完了することを告げると、村人達は大いに喜び、我先にと自分達が関わった斥候隊メンバーを誉めそやす――ユージーンは魔法力の高さと見識の深さを。フィンレーは指示の的確さや知識の豊富さを。そしてネイトの説法を聞いた人々は、若いのに隣町の司祭にも引けを取らない指導力を。
 宿の主人夫婦も、負けじとルカとジェイクを褒めてくれた。とはいえ、屈強な店主にも運べない荷物を運び、納屋の補修を完璧にやり終えたジェイクと草むしりのルカでは、功績は比べ物にならない。少なくとも、ルカ自身にはそのようにしか思えなかった。
 少しだけ一人になりたくて、ルカはトイレに立ったタイミングで、こうして宿を抜け出してきたという訳だ。
 大木に背を預け、見上げた夜空には、たくさんの星が瞬いている。では経験したことのなかった感動を新たにしながら、ルカは、今しばらくここで気持ちを落ち着けてから戻ろうと決めた。
 ふと気付くと、左手側の茂みの中から、黒猫がこちらを覗いている。成猫せいびょうというには少々小柄だが、すらりとしていて、どことなく気品のようなものが感じられる。
 反射的に手を伸ばしそうになって、ルカはハッと動きを止めた。日頃祖母や仲間達から、散々スパイの存在について注意を受けていることを思い出したからだ。とはいえ、魔王の手下ならば、こんな無防備に近付いて来ることもあるまい。何より襲ってくるような気配のないことに安心して、ルカはチチチと舌を鳴らした。
「村の家の子かな。おいでー」
 伸ばした手に一瞬身構えた猫は、当惑した様子でこちらを凝視している。
 自分以外の動物のにおいがルカに付くことを、レフは嫌がるだろう。しかし、彼は今、ライオン体で人間の肉料理を堪能している。ルカに関する「聖獣を連れた美少年」という伝聞と、ヒューゴの「本物のライオンだよ初めて見たカッケー!!」というテンションのお陰で、何となく村人達にライオン体を受け入れられたためだ。
 そしてルカは今、「モフモフによる癒し」を切実に求めている。
 警戒しながらも近寄ってきた黒猫を、ルカは膝の上に抱き上げた。柔らかい毛並みと暖かな体温が心地いい。――男の子か。
「カッコイイの付けて貰ってるね」
 首輪に揺れる紫色の石に触れると、猫は嫌がるように肢体をくねらせた。安心させるように撫でてやると、わずかに目を細める。
「ちょっとだけ、僕に付き合ってくれるかな」
 緊張はしているようだが、取り敢えず逃げ出す様子はない。ルカは黒猫を存分に可愛がり始めた。高価そうな首輪といい、村の中でも裕福な家庭で飼われている子なのかもしれない。
 黒猫がゴロゴロと喉を鳴らすようになるまで、さほど時間は掛からなかった。
「――わかってたはず、なんだけどなぁ……」
 やがてルカは、誰に言うともなくポツリと呟いた。動物と戯れることによって、いくらか気持ちが解れてきたせいかもしれない。
 猫は大きなアーモンド形の瞳を見開いて、ルカを見上げてくる。
「僕、ホントになんにも出来ないんだよね」
 丸くて可愛い後頭部をポンポンと撫でながら、ルカは集落を見下ろした。村の西の端辺りに、周辺の森から伐り出された材木が積まれている。フィンレーの助言を元に、見張り台を造ることになったのだそうだ。ルカが草むしりをしていた間に、2つ違いの親友は、しっかりと村人の信頼を勝ち得ている。
 ルカは戦えないだけでなく、単純な腕力もない。フィンレーのように、この世界で役立つ知識もない。腰に提げた短剣は、身を護るだけのものだ。斥候隊に入るために、ジェイクに稽古をつけて貰ったけれど、刃物を恐れない大型の魔物相手には、到底歯が立たなかった。
「期待されてるのもわかるし、応えたいとも思うんだけど……旅に出ても、あんまり変わってないや」
 異世界で育った16年間は、ルカにとって、とても大事なものだ。あちらの家族や友達の、優しい思い出に満ちている。
 しかし、本来生まれるはずだった世界に還ってみて、基本的な社会の構造や、何らかの専門知識を持たないということは、幼い子供と全く同じだった。それでもルカは、この世界で生きていかなければならない。魔王を倒すという予言を、遂行しなければならない。
 性急に答えの出せる問題ではなく、焦っても仕方のないことだとわかっていても、もどかしくてたまらなかった。
「……情けないなぁ」
 ルカはひっそりと笑みを浮かべた。
 黒猫はおとなしく、ルカの話に耳を傾けているようにも見える。

 ――その黒猫の金色の瞳が、ギッと見開かれた。
 シャーという威嚇に驚いて、その視線の先を追い、ルカもまた大きな両目をこぼれんばかりに見開く。
 北側の夜空の一角を覆い隠すほどの魔物の群れが、グングンと近付いてきていた。額に突き出た1本の角、大きな一つ目に耳まで裂けた口。澱んだ緑色の小柄な体躯に、更に不釣り合いな羽をバタつかせて飛ぶ姿は、まるで西洋の童話に出てくる小鬼のよう――間を置かずの再来とは、あの種の魔物にとって、桃色林檎はよほどの魅力があると見える。
 昼間とは比べ物にならない大群に、ルカは思わず息を呑んだ。腕の中で身じろぐ黒猫を硬く抱き締め、上空を見据えたまま立ち上がる。
 ルカに戦う力はない。しかし、この子は守らなければ。
 そしてルカに出来るのは、被害が大きくなる前に、仲間達を呼ぶことだけだった。情けないけれど、今はそんなことを気にしている場合ではないし、それが最善の策であることも身に沁みてわかっている。
 ルカは大きく息を吸い込んだ。
「――魔物だ!!」
 叫ぶと同時に、一気に宿に向かって、なだらかな斜面を掛け降りる。
 祖母と頼もしい友人達は、ルカの呼び声に応えて、即座に建物から飛び出してきた。
「ルカ!」
「無事か!?」
 もしかしたら、とっくにルカが居ないことに気付き、探し始めてくれていたのかもしれない。
 坂道を駆け下り、勢い余ったルカが、一番先頭に居たネイトの腕の中に飛び込む頃、ヒューゴや、宿に集っていた村人達が、驚いた様子で次々と顔を覗かせ始めた。魔物の襲撃に慣れ始めた彼らにとっても、この短いスパンでの再来は意外だったようだ。魔物なりに、昼間斥候隊に倒されたことで、まずは村の人間達を始末してから獲物を奪うべきだとでも考えたのかもしれない。
 上空の敵の姿を確認し、ベリンダが即座に拘束魔法を放つと同時に、斥候隊員はそれぞれ戦闘態勢を取った。
 ネイトの元を離れたルカは、ヒューゴに駆け寄る。ほとんど押し付けるようにして、黒猫を預けた。
「――家の中に入れ!」
「!」
 ルカの必死の訴えに、店主とヒューゴは、弾かれたようにきびすを返した。わらわらと裏庭に出てきていた人々を押し戻すようにして、屋内に引き返す。
 これでひとまずは安心だ。みんなの邪魔にならないよう、自分も戻るべきかと考えたルカの視界に、闇夜の魔物の急襲に気付かず、何事かと狼狽える村人達の姿が飛び込んでくる。
「家から出ないで!」
 咄嗟に駆け出し、ルカは避難を呼び掛けた。驚いた老婆が、一瞬身体を強張らせたのち、空を見上げ、慌てて家の中に駆け戻る。
 ルカはそのまま、村内に走り出た。注意を促す間にも、ベリンダの拘束魔法の範囲外から、地表へ降りてきた魔物が襲い掛かってくる。短剣を取り、何とか一体切り伏せたところで、ライオン体のレフが飛び出し、ルカに群がる魔物に食らい付いた。ルカの行動に気付き、健気にも追い掛けてきてくれたらしい。雄々しい咆哮と共に魔物の喉笛を噛み破り、或いは鋭い爪で小さな羽を毟り取る。
「……!」
 レフの猛攻の間隙かんげきを縫って、数体の魔物が近付いてきた。膝に提げたポーチから魔石を一つ取り出したのは、ほとんど無意識だったといっていい。
 ほんのりと暖かい真紅の石を、ルカは地面に向かって叩き付けた。
 その途端、ルカとレフを守るように火柱が立ち上がる。炎に触れた魔物達が、地面を転げ回って断末魔の悲鳴を上げた。
 旅に出る前、助けた翼竜のひなに治療のお礼として貰った物が、ここへきてしっかりと役に立ってくれたようだ。
 やがて、ある程度まで数を減らした魔物達が、一斉に凍り付いたように動きを止める。
 宿の裏手辺りから強烈な光が沸き上がり、魔物達がバラバラとコアを残して消えていくのを確認してから、ルカはゆっくりと膝をついた。

「あなたのお陰よ、ルカ……!」
 すべてが片付いた後、ルカはベリンダに硬く抱き締められた。
 ルカが避難を促して回った甲斐もあって、村人には軽症以上の被害はなかったらしい。
「僕、少しは役に立てたのかな?」
 過分な賞賛に、少々照れながら首を傾けると、ベリンダは美しい眉根を寄せて、困ったように微笑む。
「いつだって助けてくれてるわ。私達は、あなたが居てくれるから強くなれるのよ」
「!」
 その言葉にルカは、優しい祖母が、自分の迷いに気付いてくれているらしいことを悟った。ルカ自身でしか答えを出せない問題であるために、随分と気を揉ませてしまっているのだろう。
 祖母がこんな風に言ってくれるのは、自分を慰めるためであることは間違いない。
 その優しさが理解できるからこそ、ルカは素直に受け止めた。
「ありがとう、おばあちゃん……」
 抱き合う二人の姿を、斥候隊全員が柔らかな瞳で見守っている。
 その背後で、しっかりと黒猫を抱き締めたヒューゴもまた、物言いたげな表情でルカを見詰めていた。
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