小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵

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第2部・第1話:最強の召喚士

第1章

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 澱んだ緑色の肌をした非行型の魔物が、四方八方から襲い掛かってくる。
 額に一本の角を生やし、大きな一つ目を爛々と光らせ、尖った耳の近くまで裂けた口から鋭利な犬歯を覗かせる様は、さながら子鬼のようだ。体長は人間の子供程度だが、不釣り合いに小さな翼をバタつかせて飛ぶため、羽音がやたらとかんに障る。
 祖母の張った結界に守られながら、ルカ・フェアリーベルは、抱き合ったまま硬直する、地元の農夫らしき親子に、チラリと視線を向けた。辺り一帯には、たわわな実を付けた桃色林檎の木々が群生しており、傍らに倒れた籠からは、収穫済みの果実が散乱している。父親の職場について来たがった娘と二人、食べ頃の林檎をもいでいたところを、魔物の襲撃に遭ったというところだろうか。
 結界の外では、4人の青年が魔物の一団と戦っていた。
 次々と飛来する醜悪なモンスターに向かい、ユージーンが魔導書を片手に、広範囲の攻撃魔法を展開する。それを掻い潜って近接してきたものを直接薙ぎ倒すのは、武器の扱いに長けたジェイクとフィンレーだ。後方に控えたネイトは、自分を含めた4人全員に防御魔法を施しながら、彼らの討ち漏らしを適宜狩り取っている。
 王都ヴェスティアを発ってからいくらも経たない間に、彼らは自然と、戦闘時にこの陣形を取るようになっていた。元々幼馴染みのユージーンとジェイク以外では、(ルカの寵を巡って)決して仲が良いとは言い難いはずの4人の連携には、眼を見張るものがある。それはきっと、彼らがそれぞれ先天的に備えていた、戦士としての素質によるのだろう。
 ――ルカ達は今、魔王軍斥候隊せっこうたいの任にある。
 ラインベルク王国の果て、「北の魔境」と呼ばれる荒れ地に城を構えて、周辺各国へ多大な被害を及ぼす魔王。この動向を監視するため、北へ向けて進みながら、魔王軍及び彼らの使役する魔物による被害に行き合えば対処し、王宮に報告を上げる。
 そして、そんなルカ達を束ねるのが、ルカの祖母にして伝説級の大魔法使い――黄金のベリンダだ。
 弟子達の奮闘により、魔物の最後の1体がコアを残して消え去るのを確認してから、ベリンダは静かに結界を解いた。このタイプの魔物の核は、人間にとっては肥料にするくらいしか使い道もないため、拾い集める手間もない。
 ルカの背中――羽織ったケープのフードの中で、オスライオンのぬいぐるみ・レフが『終わったか』と、あくびらしき可愛い音を漏らす。
 その様子に小さく苦笑してから、ルカは地面にへたり込んだ農夫と視線を合わせるように、しゃがみこんだ。
「――もう大丈夫ですよ」
 若い父親は唇を真一文字に引き結んだまま、凄惨な光景を娘の目に触れさせぬよう、必死で幼い身体を抱き締めていたらしい。
 恐る恐る振り返った幼女を安心させるように、ルカは満面の笑みを浮かべてみせる。
が、助けてくれたからね!」
 ルカの人懐っこい笑顔と明るい声を受けて、ようやく二人の身体から力が抜けた。

                  ●

 クラウドヴィッツ州は、王都ヴェスティアのあるリートブロン州の、北隣に位置する。
 温暖な気候と肥沃な土地に恵まれ、ラインベルク王国の中でも、特に農業の盛んな地域だ。中でも、州境の村デルヴェでは、果皮の色合いを取ってそのまま桃色林檎と名付けられた果実を名産としていた。通常の林檎よりも、糖度が高く果肉が柔らかいのが特徴だが、何よりその見た目の美しさもあって、王都でも比較的高値で取り引きされる特産品である。
「本ッッッ当に! ありがとうございました!!」
 まさにその、桃色林檎の生産農家であるというデルヴェ村の農夫は、そう言って何度も頭を下げた。
 斥候隊一行を命の恩人と崇めてくれるのはありがたいが、一度などその勢いが強すぎて、背負った籠から大事な桃色林檎が転げ落ちたほどだ。慌ててみんなで広い集め、見かねたジェイクが半ば強制的に籠ごと取り上げたことで、ようやく落ち着いた。少々そそっかしいらしい農夫は最初こそ恐縮していたものの、自分の荷物と武器、これに加えて大きな籠を負っても平然としているジェイクの姿に、一層感謝と尊敬の念を強めたらしい。お陰で斥候隊の美名が、これでまた一つ(無駄に)高まったことだろう。
 小さな丘を一つ越えたところで、農夫は一行を振り返り、「あちらがデルヴェ村です」と前方を指し示した。
「――ようこそ、皆さんを歓迎いたします!」
 どこか誇らしげな口上に吊られるように、ルカはデルヴェ村を見下ろした。
 高地からは一目で集落全体を見渡せる、小さな村だ。しかし、果樹栽培で潤っているという話に間違いはないようで、整然とした家並みには活気が感じられる。
「今日はここでお昼ご飯かな」などと呑気なこと考えつつ丘を下る間に、眼下には続々と村人が集まってきていた。魔物の来襲を目にして、急ぎ駆け付けてきたものらしい。
 集団の中から、若い女性が一人、走り出てきた。それに気付いた農夫の娘が「お母さん」と叫んで駆け出し、農夫もこれを追って、三人は固く抱き合う。
「良かった、二人とも無事で……!」
「ああ、すごいぞ。黄金のベリンダ様と、斥候隊の皆さんが助けてくださったんだ!」
「!!」
 農夫の報告を受けて、村人達にどよめきが起こった。黄金のベリンダ率いる魔王斥候隊出立の噂は、この村にもしっかりと届いているようだ。
 杖を着いた、品のいい老齢の男性が進み出てきて、深々と頭を垂れる。
「村民を救っていただき、誠にありがとうございました」
 村長らしい老人にならうように、その場に集った人々が一斉に礼を取った。
「当然のことをしたまでですわ。お気になさらず」
 ベリンダの優雅な微笑みに、村長は感無量といった様子で首を小さく横に振った。黄金のベリンダの名声は世界中に轟いてはいるが、実際に目の前で自分達に向けて掛けられた親切な言葉に、感激を隠しきれない様子だ。
「ぜひとも、お礼をさせていただきたいのですが……」
 王都を発って一週間と少し、村長の言葉は、ルカもこれまで、何度か耳にしたことがあるものだった。
 そしてこれに対するベリンダの返答も、おおむね変わらない。
「とてもありがたいお申し出なのですけれど、先を急ぐ旅ですので……」
 あの黄金のベリンダを歓待した、という名誉によくしたくても、こんな風に言われてしまっては、無理に引き留める訳にはいかない。斥候隊の派遣には、大袈裟でなく人類の存亡が掛かっているのだ。任務に支障をきたさせたとなると、罪に問われないとも限らない。
 元より一行は、何事もなければ、今日はこのまま一つ先の街まで進む予定だった。先程ルカが考えたように、昼食さえ摂らせて貰えればそれでいい。
 とはいえ村長としては、恩人をこのまま素通りさせたのでは信義にもとる、と考えたのも、無理はないだろう。
 一瞬の膠着を破ったのは、農夫の妻だった。
「だったら、せめてうちで、お食事だけでもなさっていってください!」
 何でも、彼女の実家はこの村で唯一の、宿屋を兼ねた食事処を経営しているらしい。
「旦那と娘の命の恩人ですもの、ぜひご馳走させてください! いいわよね、父さん」
 おっとりとした夫に比べ、気っ風の良さげな妻は、背後を振り返った。最前列に控えていた、比較的体格のいい壮年男性が、「もちろんだ」と胸を叩く。
 それはさすがに申し訳ない、正規料金を払わせて欲しいというベリンダの申し出は――これもいつもどおり――やんわりと断られた。「そりゃあ良い!」という村人達の声に押され、一行はあれよあれよと言う間に、小洒落た食堂に招き入れられてしまったのである。

「――ルカ、何が食べたい?」
 隣の席に着いたユージーンが、今日も綺麗に整った完璧な笑顔で、甲斐甲斐しくメニューを開いて見せてくる。
 破壊力抜群の美形の笑顔を、おかみさんとその娘(農夫の妻)が、うっとりとした様子で見守っているのも、もはや見慣れた光景だ。
「僕、ハンバーグがいいな」
 子供っぽいと思われるかな、と、少し照れながら答えたルカに、一行がほんわりと和んだところで、ガチャンと耳障りな音が響き渡った。
 反射的に振り返ると、先程店主の息子と紹介された少年が、愕然とした表情でこちらを凝視している。空になった彼の手元、カウンター上には、食器が数枚並べられており、これを誤って落としてしまったらしいことはわかった。幸いにも破損はしていないようだが、いったいどうしたというのだろう……。
「………………男?」
「!」
 少年が小さく呟くのを聞いて、ベリンダ以外の斥候隊全員が、一様に気まずい表情になった。これもまた、よくある遣り取りではあるのだ。「黄金のベリンダの孫こそが『予言の子供』である」ということについては知られていても、その性別までは、あまり風聞ふうぶんにものぼらない。大方、可愛らしいルカを女の子だと思い込んでいたのだろう。ひょっとしたら、幼い胸を密かにときめかせてでもいたのかもしれない。どうりで、妙にチラチラと視線を感じた訳だ。
「いやだ、ヒューゴったら。可愛くてもルカくんは男の子よ!」
 年の離れた弟に対する、姉の笑い声には一切の遠慮がなかった。少年――ヒューゴはサッと頬を染めて、無言のまま走り去ってしまう。
「おい、ヒューゴ! ……ったく、すいませんねぇ、礼儀がなってなくて」
 がっしりとした体格を、気持ち屈めて詫びる店主に対して、ベリンダはニッコリと微笑んだ。
「お気になさらないで。難しい年頃ですものね」
 それが掛け値なしの彼女の本音であることに、ルカ達はしっかり気付いていた。ベリンダは、孫のルカの愛らしさを認められることが、何よりも嬉しくて仕方のないタイプだ。ヒューゴの態度を気にするどころか、逆に「うちのルカが女の子よりも可愛くてもごめんなさいね」くらいのことは、考えていてもおかしくはない。
 そうとは知らない店主は、年齢をまったく感じさせないベリンダの美貌に、へらりと笑み崩れた。横から女将さんに「アンタもデレデレしてないで、早く厨房に戻りな!  注文ならあたしが伺うから、ベリンダ様をお待たせするもんじゃないよ!」と一喝され、すごすごと店内を後にする。
 それを見送ってから、女将さんは恥ずかしそうに頭を下げた。
「ホントにすみませんね。こんなにお綺麗な方々をお迎えすることなんてなかなかないもんで、みんな浮き足立っちゃって」
 何とも賑やかな家族だ。しかし、飾らない姿が好ましくも思える。
 ベリンダが女将さんにオススメを確認している横で、フィンレーがポツリと呟いた。
「――わかるよ。俺もショックだった」
 ハンサムな顔を微苦笑に歪める様子から、恐らくルカと出逢った頃のことを思い出しているのに違いない。彼の初恋の相手が、「女の子と思われていた自分」だったことを、ルカはつい最近知ったばかりだ。それが気の良い親友の黒歴史になっているらしいことにも気付いている。
 何だか申し訳ない気分になってきて、ルカは仲間達だけに聞こえるよう、声をひそめて聞いてみた。
「……僕、なんかフォローした方がいい?」
 ユージーンとジェイクの二人は、何とも言えない微妙な表情で、揃って「うーん」と答えあぐねている。これに対して、フィンレーはきっぱりと首を横に振った。
「こういう時は、放っておいてくれた方がありがたい」
「そっか」
 複雑な気持ちのまま頷くと、フィンレーは小さく笑った。
 ルカが年の近い親友と分かり合っている様子が気に入らなかったのか、横からネイトがにこりと笑って口を挟む。
「経験者は語る、ですか」
「~~――ッ、ああ、そうだよ!!」
 それが限界だったらしいフィンレーは、先程のヒューゴと同じように、サッと頬を染めて叫んだ。年上の司祭に対する敬語までも、一緒にどこかに吹き飛んでしまったらしい。やはり、過去のことだと割り切るまでには至れていないようだ。
 自棄になったようにコップの水を煽るフィンレーの様子に、ルカもまた一層、何だかよくわからない申し訳なさを募らせた。
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