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第1部・第2話:ルカ
第2章
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そこへ、軽やかな足音が聞こえて来て、ルカはハッと顔を上げた。祖母のベリンダが、階段を下りて来る。転移魔法を使って、直接王宮から自室へと戻ってきたらしい。
「おかえりなさい!」
暗い気持ちに飲み込まれそうだったルカは、信頼する保護者の帰還に、ひとまず胸を撫で下ろした。ホッとしたのはベリンダも同じだったようで、微妙に硬かった表情が、孫の出迎えを受けて優しく蕩ける。
「ただいま、ルカ」
床に座ったままのルカを、ベリンダの両腕がしっかりと包み込んだ。おばあちゃんではなく、若くて美人な女性の姿で抱擁されるのは、やはり少々照れくさい。
彼女の本体が20代後半くらいの姿であることを知った後、ルカは「もう、おばあちゃんって呼ばない方がいいよね?」と聞いたことがある。戸惑うルカに対して、ベリンダは「おばあちゃんはおばあちゃんでしょ? 今まで通りで構わないわ」と笑った。老化に抵抗して、魔法で若い頃の姿を保っている訳ではないというのがよくわかる。これを「純粋に魔法力が大きくて、細胞の一つ一つにまで力が漲っている状態」なのだと教えてくれたのは、彼女の弟子であるユージーンだ。
そのユージーンもまた、師の戻りを察知したらしく、リビングへ姿を現した。
「お帰りなさい、先生。防御壁の応用展開、一度だけですが成功しましたので、また確認をお願いします」
優雅な物腰で礼を取り、まずは修業の進捗を報告する。明解な上に成果も上々とあって、ベリンダは感心したように、一つ大きく頷いた。
「あら、もう? さすがね」
「難しいことなの?」
ルカが思わず口を挟んだのは、間違いなく、つい先程まで適性や才能について考えを巡らせていたせいだ。『防御壁』は何となくわかるし、その『応用展開』となると、他者への効果の付与、といったところだろうか。バリアが張れるなんて、いかにも魔法使いっぽい。
魔術に関する知識のまったくない、孫からの可愛らしい質問に、ベリンダは魅力的な仕草で肩を竦めてみせる。
「私は覚えるのに丸1日掛かったわ」
悪戯っぽい表情に紛れさせてはいても、かつての黄金のベリンダを上回るハイペースというのは、相当のことだろう。分野ごとに向き不向きもあるのだろうし、一概には言えないが、それでも充分すごいことだ。
「やっぱりユージーンって、才能あるんだね」
「いや、そんなことは……」
尊敬する師の前で、愛してやまない(らしい)ルカからの賛辞を受けたユージーンは、美しく整った顔を喜びの色に染める。しかし、「もっとちゃんと使いこなせるようになれば、ルカに何があっても、僕が守ってあげられるからね」という、結構重ための発言は、残念ながらルカの意識をすり抜けてしまった。称賛はほとんど無意識だったし、魔法の才に恵まれたユージーンに対する羨望を面に表さないようにするのに必死だったからだ。
「王様の用事は何だったの?」
祖母に話を振ったのは、美形男子からのアプローチを華麗に切り抜けたとか、そんな訳では決してない。魔法使い師弟はそのように受け取ったようだが、恋愛経験の浅いルカにそんな手管が使えるはずもなく、ただただ勘違いの中、ユージーン一人がひっそりと奥歯を噛み締めるに留まる。
ルカの話題転換に、ベリンダは表情を曇らせた。黄金のベリンダを呼び付けられるのは国王くらいのものだろうと踏んでの質問だったが、何かあったのだろうか。
二つの視線を受けて、ベリンダは「そうね」と困ったように眉根を寄せた。
「あなた達にも、話しておいた方がいいわね」
促されて、全員でソファに腰を落ち着ける。
そうしてベリンダは、謁見の詳細を語ってくれたのだが――。
王宮からの呼び出しは、やはりベリンダが「予言の子供」を連れて、魔王討伐隊への参加を表明しないことへの審問のようなものだったらしい。討伐隊というと、ルカの親友フィンレーが参加できないことを悔しがっていた、例のアレだ。隊長は彼の父、グリテンバルド州の領主ヘクター・ボールドウィン卿が務める予定だという、アレ。
しかし、魔王をいたずらに刺激しかねないという理由から、ベリンダはずっと、討伐隊の結成は性急に過ぎると考えていたのだそうだ。ゆえに、これを一度保留し、自分を始めとした少数精鋭による斥候隊を組織して、まずは魔王及びその軍勢の様子を探ることを献策、何とか了承を得られたのだという。
「……それ、僕も参加するの?」
一国家をも動かせる祖母の偉大さに感じ入り、ルカはドキドキしながら、わずかに腰を浮かせた。しかし、祖母から返されたのは、意外な一言だ。
「あなたはダメ」
「どうして?」
驚いて、ルカは反射的に問いを重ねた。「予言の子なのに?」とまでは言えなかったが、つまりはそういうことだ。ルカが参加しないでは、誰も納得はしないだろう。
それでも、ベリンダの否定は揺るがない。
「危険だもの」
きっぱりとした拒絶に、「でも……」と、ルカは言葉を詰まらせた。何も持たない自分に、何が出来るとも思わない。けれど、周囲はみんな自分に期待しているのだし、討伐隊の保留の件だって、斥候隊にルカが参加すると思っているからこそ、国王も許可を出したのではないのだろうか。
「さあ、この話は終わりよ。――それより、ルカったら、ポーションの材料を作ってくれていたのね、ありがとう」
お開きとばかりに一つ手を叩いて、ベリンダはルカに向かってにこりと微笑み掛けた。彼女にはどうしてもルカを、討伐隊はおろか斥候隊にさえ、連れて行く気はないらしい。
保護者の美しい笑顔という鉄壁の防御を前に、ルカはひとまず引き下がるしかなかった。
●
『先生は、怖いんだと思うよ』
入浴を済ませた就寝前のひととき、ルカはユージーンとの会話を思い返していた。
自室のベッドに伏せた体勢で、サイドボードに置いた雄ライオンのぬいぐるみ・レフを撫でまわす。柔らかな鬣の感触が、今日も心地良い。
『一度魔王のせいで君を失っているから、近付いて欲しくないんじゃないかな』
あの後三人でお茶をして、それを片付けながらの内緒話は、ルカから振った訳ではない。頑なな祖母の態度に戸惑う、ルカの様子を察したユージーンからの助言だ。非の打ちどころのない幼馴染みは、人の心の機微に聡いという点でも、抜きん出ている。
「……」
レフの鬣を整えてから、ルカは伏せた姿勢のままで、頬杖を突いた。
祖母の気持ちはわかるし、ありがたいとも思うが、果たしてそれでいいのだろうか。そりゃあルカだって、魔王は怖い。予言の子といっても、実際には闘う力もないのだし、討伐隊や斥候隊に入ったって、剣の使えるフィンレーのように、役に立てることもないだろう。
だがしかし、世論がそれを許すだろうか。下手をしたら、祖母や自分への不満が噴出しかねない。
――それに、だ。
この家でこうしていたって、将来への不安が増すばかり。この世界についてルカの知ることは、小さな子供と大差ないのだ。安全な場所で、どこにも進めないまま祖母の帰りを待つより、一緒に旅に出て世界を見聞すれば、やりたいことや進むべき道が見えてくるかもしれない……。
「――よし、決めた!」
意を決して、ルカはガバリと起き上がった。カーテンの引かれていない窓から見上げた夜空には、満天の星々が輝いている。
祖母が自分の身を案じるあまりに過保護になっているというのなら、安心させる以外に道はない。要は、斥候隊として連れ歩いても問題ないということを、納得してもらえればいいのだ。
――僕だって、男だからね!
護られているだけなんてカッコ悪いし、何も出来ないヤツだと思われるのもイヤだ。
明日からの計画に胸を躍らせながら、ルカは部屋の明かりを消した。明確な目的が出来たことで、生来の明るさを取り戻せたような気がする。
ほとんど条件反射のように、レフをもう一撫でしてから、ルカはブランケットに潜り込んだ。
「おかえりなさい!」
暗い気持ちに飲み込まれそうだったルカは、信頼する保護者の帰還に、ひとまず胸を撫で下ろした。ホッとしたのはベリンダも同じだったようで、微妙に硬かった表情が、孫の出迎えを受けて優しく蕩ける。
「ただいま、ルカ」
床に座ったままのルカを、ベリンダの両腕がしっかりと包み込んだ。おばあちゃんではなく、若くて美人な女性の姿で抱擁されるのは、やはり少々照れくさい。
彼女の本体が20代後半くらいの姿であることを知った後、ルカは「もう、おばあちゃんって呼ばない方がいいよね?」と聞いたことがある。戸惑うルカに対して、ベリンダは「おばあちゃんはおばあちゃんでしょ? 今まで通りで構わないわ」と笑った。老化に抵抗して、魔法で若い頃の姿を保っている訳ではないというのがよくわかる。これを「純粋に魔法力が大きくて、細胞の一つ一つにまで力が漲っている状態」なのだと教えてくれたのは、彼女の弟子であるユージーンだ。
そのユージーンもまた、師の戻りを察知したらしく、リビングへ姿を現した。
「お帰りなさい、先生。防御壁の応用展開、一度だけですが成功しましたので、また確認をお願いします」
優雅な物腰で礼を取り、まずは修業の進捗を報告する。明解な上に成果も上々とあって、ベリンダは感心したように、一つ大きく頷いた。
「あら、もう? さすがね」
「難しいことなの?」
ルカが思わず口を挟んだのは、間違いなく、つい先程まで適性や才能について考えを巡らせていたせいだ。『防御壁』は何となくわかるし、その『応用展開』となると、他者への効果の付与、といったところだろうか。バリアが張れるなんて、いかにも魔法使いっぽい。
魔術に関する知識のまったくない、孫からの可愛らしい質問に、ベリンダは魅力的な仕草で肩を竦めてみせる。
「私は覚えるのに丸1日掛かったわ」
悪戯っぽい表情に紛れさせてはいても、かつての黄金のベリンダを上回るハイペースというのは、相当のことだろう。分野ごとに向き不向きもあるのだろうし、一概には言えないが、それでも充分すごいことだ。
「やっぱりユージーンって、才能あるんだね」
「いや、そんなことは……」
尊敬する師の前で、愛してやまない(らしい)ルカからの賛辞を受けたユージーンは、美しく整った顔を喜びの色に染める。しかし、「もっとちゃんと使いこなせるようになれば、ルカに何があっても、僕が守ってあげられるからね」という、結構重ための発言は、残念ながらルカの意識をすり抜けてしまった。称賛はほとんど無意識だったし、魔法の才に恵まれたユージーンに対する羨望を面に表さないようにするのに必死だったからだ。
「王様の用事は何だったの?」
祖母に話を振ったのは、美形男子からのアプローチを華麗に切り抜けたとか、そんな訳では決してない。魔法使い師弟はそのように受け取ったようだが、恋愛経験の浅いルカにそんな手管が使えるはずもなく、ただただ勘違いの中、ユージーン一人がひっそりと奥歯を噛み締めるに留まる。
ルカの話題転換に、ベリンダは表情を曇らせた。黄金のベリンダを呼び付けられるのは国王くらいのものだろうと踏んでの質問だったが、何かあったのだろうか。
二つの視線を受けて、ベリンダは「そうね」と困ったように眉根を寄せた。
「あなた達にも、話しておいた方がいいわね」
促されて、全員でソファに腰を落ち着ける。
そうしてベリンダは、謁見の詳細を語ってくれたのだが――。
王宮からの呼び出しは、やはりベリンダが「予言の子供」を連れて、魔王討伐隊への参加を表明しないことへの審問のようなものだったらしい。討伐隊というと、ルカの親友フィンレーが参加できないことを悔しがっていた、例のアレだ。隊長は彼の父、グリテンバルド州の領主ヘクター・ボールドウィン卿が務める予定だという、アレ。
しかし、魔王をいたずらに刺激しかねないという理由から、ベリンダはずっと、討伐隊の結成は性急に過ぎると考えていたのだそうだ。ゆえに、これを一度保留し、自分を始めとした少数精鋭による斥候隊を組織して、まずは魔王及びその軍勢の様子を探ることを献策、何とか了承を得られたのだという。
「……それ、僕も参加するの?」
一国家をも動かせる祖母の偉大さに感じ入り、ルカはドキドキしながら、わずかに腰を浮かせた。しかし、祖母から返されたのは、意外な一言だ。
「あなたはダメ」
「どうして?」
驚いて、ルカは反射的に問いを重ねた。「予言の子なのに?」とまでは言えなかったが、つまりはそういうことだ。ルカが参加しないでは、誰も納得はしないだろう。
それでも、ベリンダの否定は揺るがない。
「危険だもの」
きっぱりとした拒絶に、「でも……」と、ルカは言葉を詰まらせた。何も持たない自分に、何が出来るとも思わない。けれど、周囲はみんな自分に期待しているのだし、討伐隊の保留の件だって、斥候隊にルカが参加すると思っているからこそ、国王も許可を出したのではないのだろうか。
「さあ、この話は終わりよ。――それより、ルカったら、ポーションの材料を作ってくれていたのね、ありがとう」
お開きとばかりに一つ手を叩いて、ベリンダはルカに向かってにこりと微笑み掛けた。彼女にはどうしてもルカを、討伐隊はおろか斥候隊にさえ、連れて行く気はないらしい。
保護者の美しい笑顔という鉄壁の防御を前に、ルカはひとまず引き下がるしかなかった。
●
『先生は、怖いんだと思うよ』
入浴を済ませた就寝前のひととき、ルカはユージーンとの会話を思い返していた。
自室のベッドに伏せた体勢で、サイドボードに置いた雄ライオンのぬいぐるみ・レフを撫でまわす。柔らかな鬣の感触が、今日も心地良い。
『一度魔王のせいで君を失っているから、近付いて欲しくないんじゃないかな』
あの後三人でお茶をして、それを片付けながらの内緒話は、ルカから振った訳ではない。頑なな祖母の態度に戸惑う、ルカの様子を察したユージーンからの助言だ。非の打ちどころのない幼馴染みは、人の心の機微に聡いという点でも、抜きん出ている。
「……」
レフの鬣を整えてから、ルカは伏せた姿勢のままで、頬杖を突いた。
祖母の気持ちはわかるし、ありがたいとも思うが、果たしてそれでいいのだろうか。そりゃあルカだって、魔王は怖い。予言の子といっても、実際には闘う力もないのだし、討伐隊や斥候隊に入ったって、剣の使えるフィンレーのように、役に立てることもないだろう。
だがしかし、世論がそれを許すだろうか。下手をしたら、祖母や自分への不満が噴出しかねない。
――それに、だ。
この家でこうしていたって、将来への不安が増すばかり。この世界についてルカの知ることは、小さな子供と大差ないのだ。安全な場所で、どこにも進めないまま祖母の帰りを待つより、一緒に旅に出て世界を見聞すれば、やりたいことや進むべき道が見えてくるかもしれない……。
「――よし、決めた!」
意を決して、ルカはガバリと起き上がった。カーテンの引かれていない窓から見上げた夜空には、満天の星々が輝いている。
祖母が自分の身を案じるあまりに過保護になっているというのなら、安心させる以外に道はない。要は、斥候隊として連れ歩いても問題ないということを、納得してもらえればいいのだ。
――僕だって、男だからね!
護られているだけなんてカッコ悪いし、何も出来ないヤツだと思われるのもイヤだ。
明日からの計画に胸を躍らせながら、ルカは部屋の明かりを消した。明確な目的が出来たことで、生来の明るさを取り戻せたような気がする。
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