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迅さんと電話
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『こんばんは』
とだけ返すことにした、そっけなく感じるかもしれないがこれ以外考えられなかった。
「どうかな…」
彼も仕事は終わっていたのだろう、すぐにラインが返ってくる。
『うん、こんばんは。今いいかな』
『はい、大丈夫です』
『じゃあ少し電話でもどう?嫌だったかな?』
電話か…変な人ではありそうだけど嫌な人ではないししようかな…
『はい、大丈夫ですよ』
そのラインに既読が付くとすぐに彼から電話がかかってくる。
「はい、奏です」
「あぁ、奏さん、限りなく似ている電子音だとしても君の声はかわいらしいね」
「いきなり口説くのはどうかと思いますが…」
これも海外暮らしが長い影響なのかなぁ
「嫌だった?。レオが女は口説けって教えてくれたんだけどな…」
私じゃなくて亜子だったらもう落ちてるんだろうなぁ…
「いえ、あんまりそうやって出会う女の人全員にしてるのかなぁって」
「そんな事ないよ。惚れてる奏さんにだけだって」
ほんとかなぁ…
「それで、なんで急に電話なんて?」
「そうそう、その事なんだけどさ。もっとお互い知り合いたいんだ」
「確かに私達まだ名前くらいしか知りませんもんね」
どうせ気が無くなったら忘れる事だろうしいっそ話してみようかな
「じゃあまず私からでいいですか?あんまり話す事ないですけど」
「えぇ、奏さんの話はたくさん聞きたいですからね」
「えっとじゃあ…私は1997年生まれの25歳。大学を出て今の会社に入社しました」
何処かムズムズするのはこういう話をするであろう合コンとかに出たことが無いからだろうか
「へぇ、じゃあ僕の方が年上なんだ」
「迅さんは何歳なんですか?」
「27だよ、おっと話が脱線しそうだ。続けて」
「はい、大学以前の事だと小中高と音楽をしてました。コンクールとかはあんまりでしたが楽しい12年間でしたね」
話をしていると昔の事を思い出すなぁ…
「へぇ、何の楽器をしてたの?」
「ユーフォニウムを、わかります?」
「あぁ、チューバを小さくしたような楽器だろう?」
「凄いですね、大体の人は知らないのに」
ユーフォを知っているのは素直にうれしい、あんまり知っている人が居ないからな…
「芸術は一通り齧らされてるんだ」
「そうなんですね、それで音楽以外だと…特に話すことが無いですね。勉強も平凡な成績でしたし、恋愛とかも興味が無かったので」
振り返ってみると波風の立たない人生だなぁ。それなりに楽しめてるからいいけど
「よかった、初キスはまだなんですね」
「えぇ、楽器とは数えきれないほどしましたが」
「楽器はノーカンだろう?次は僕の番かな」
「お願いします」
迅さんの人生か、きっと面白いんだろうなぁ…
「まず歳はさっき言った通り27だ、生まれは日本だけど育ちはイタリアだね」
確かに女は口説けっているお友達はイタリア人のイメージ通りだ。
「それだから正直日本語よりイタリア語の方が得意なくらいだ」
「へぇ、何かイタリア語で話してみてくださいよ」
「Ti amo dal profondo del mio cuore」
「なんて言ったんですか?」
「秘密」
まぁ、愛して増すみたいな事かな?
「話を戻そう、それで日本に帰ってきたのは高1、高校は日本の高校に行ったんだ」
「日本語は大丈夫だったんですか?」
「いーや全く、最初はボディランゲージと電子辞書のお世話だったよ」
「それでもここまでうまく喋れるようになったんですね、凄いと思いますよ」
純日本人って言われても違和感がない位だ
「結構頑張ったからね、奏さんみたく12年間も頑張れる気はしないけどね」
「そんな、私なんて…とっ、とにかく続きを聞かせてください」
「ごめんごめん、次は部活の事でいい?」
「はい」
「部活は英会話サークルに入ってたな。イタリア語と同時で英語も教えさせられたからね」
英会話か…迅さんは文系なのかな?
「ディベート大会とかにも出たっけ…懐かしいな」
「楽しそうな高校生活ですね」
「あぁ、今考えると一瞬にも永遠にも感じる高校生活だったな。大学はもっとそう感じるけど」
確かにあのキラキラとした日々は永遠にも感じたし、今考えると一瞬とも感じたな。
「大学ではアメリカの方に留学したな、大学では勉強一色だったからあんまり話すことはないんだ。ごめんね」
「いえいえ、大丈夫ですよ。私も大学では勉強しかしてないので。何を学んでいたんですか?」
「商業だね、財閥の子会社でインターンみたいな物をしながら一流の経営術を学ばせてもらったよ。まだまだ修行中だけどね」
「勉強熱心なんですね。そういう人、私好きですよ」
「一歩前進かな、へへっ」
その後も好きな食べ物の事だったり、趣味の事だった理を話してるうちに時刻は11時近くになっていた。
「そろそろお開きにするかい?」
「そうですね、明日も平日ですし」
「それじゃあ、また時間が出来たら連絡するよ。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
迅さんとの電話…結構楽しかったな。
「少し…信じてみようかな」
迅さんの好意を、こんな平凡ОLでも好きになってくれたという事を
とだけ返すことにした、そっけなく感じるかもしれないがこれ以外考えられなかった。
「どうかな…」
彼も仕事は終わっていたのだろう、すぐにラインが返ってくる。
『うん、こんばんは。今いいかな』
『はい、大丈夫です』
『じゃあ少し電話でもどう?嫌だったかな?』
電話か…変な人ではありそうだけど嫌な人ではないししようかな…
『はい、大丈夫ですよ』
そのラインに既読が付くとすぐに彼から電話がかかってくる。
「はい、奏です」
「あぁ、奏さん、限りなく似ている電子音だとしても君の声はかわいらしいね」
「いきなり口説くのはどうかと思いますが…」
これも海外暮らしが長い影響なのかなぁ
「嫌だった?。レオが女は口説けって教えてくれたんだけどな…」
私じゃなくて亜子だったらもう落ちてるんだろうなぁ…
「いえ、あんまりそうやって出会う女の人全員にしてるのかなぁって」
「そんな事ないよ。惚れてる奏さんにだけだって」
ほんとかなぁ…
「それで、なんで急に電話なんて?」
「そうそう、その事なんだけどさ。もっとお互い知り合いたいんだ」
「確かに私達まだ名前くらいしか知りませんもんね」
どうせ気が無くなったら忘れる事だろうしいっそ話してみようかな
「じゃあまず私からでいいですか?あんまり話す事ないですけど」
「えぇ、奏さんの話はたくさん聞きたいですからね」
「えっとじゃあ…私は1997年生まれの25歳。大学を出て今の会社に入社しました」
何処かムズムズするのはこういう話をするであろう合コンとかに出たことが無いからだろうか
「へぇ、じゃあ僕の方が年上なんだ」
「迅さんは何歳なんですか?」
「27だよ、おっと話が脱線しそうだ。続けて」
「はい、大学以前の事だと小中高と音楽をしてました。コンクールとかはあんまりでしたが楽しい12年間でしたね」
話をしていると昔の事を思い出すなぁ…
「へぇ、何の楽器をしてたの?」
「ユーフォニウムを、わかります?」
「あぁ、チューバを小さくしたような楽器だろう?」
「凄いですね、大体の人は知らないのに」
ユーフォを知っているのは素直にうれしい、あんまり知っている人が居ないからな…
「芸術は一通り齧らされてるんだ」
「そうなんですね、それで音楽以外だと…特に話すことが無いですね。勉強も平凡な成績でしたし、恋愛とかも興味が無かったので」
振り返ってみると波風の立たない人生だなぁ。それなりに楽しめてるからいいけど
「よかった、初キスはまだなんですね」
「えぇ、楽器とは数えきれないほどしましたが」
「楽器はノーカンだろう?次は僕の番かな」
「お願いします」
迅さんの人生か、きっと面白いんだろうなぁ…
「まず歳はさっき言った通り27だ、生まれは日本だけど育ちはイタリアだね」
確かに女は口説けっているお友達はイタリア人のイメージ通りだ。
「それだから正直日本語よりイタリア語の方が得意なくらいだ」
「へぇ、何かイタリア語で話してみてくださいよ」
「Ti amo dal profondo del mio cuore」
「なんて言ったんですか?」
「秘密」
まぁ、愛して増すみたいな事かな?
「話を戻そう、それで日本に帰ってきたのは高1、高校は日本の高校に行ったんだ」
「日本語は大丈夫だったんですか?」
「いーや全く、最初はボディランゲージと電子辞書のお世話だったよ」
「それでもここまでうまく喋れるようになったんですね、凄いと思いますよ」
純日本人って言われても違和感がない位だ
「結構頑張ったからね、奏さんみたく12年間も頑張れる気はしないけどね」
「そんな、私なんて…とっ、とにかく続きを聞かせてください」
「ごめんごめん、次は部活の事でいい?」
「はい」
「部活は英会話サークルに入ってたな。イタリア語と同時で英語も教えさせられたからね」
英会話か…迅さんは文系なのかな?
「ディベート大会とかにも出たっけ…懐かしいな」
「楽しそうな高校生活ですね」
「あぁ、今考えると一瞬にも永遠にも感じる高校生活だったな。大学はもっとそう感じるけど」
確かにあのキラキラとした日々は永遠にも感じたし、今考えると一瞬とも感じたな。
「大学ではアメリカの方に留学したな、大学では勉強一色だったからあんまり話すことはないんだ。ごめんね」
「いえいえ、大丈夫ですよ。私も大学では勉強しかしてないので。何を学んでいたんですか?」
「商業だね、財閥の子会社でインターンみたいな物をしながら一流の経営術を学ばせてもらったよ。まだまだ修行中だけどね」
「勉強熱心なんですね。そういう人、私好きですよ」
「一歩前進かな、へへっ」
その後も好きな食べ物の事だったり、趣味の事だった理を話してるうちに時刻は11時近くになっていた。
「そろそろお開きにするかい?」
「そうですね、明日も平日ですし」
「それじゃあ、また時間が出来たら連絡するよ。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
迅さんとの電話…結構楽しかったな。
「少し…信じてみようかな」
迅さんの好意を、こんな平凡ОLでも好きになってくれたという事を
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