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第9章 それぞれ
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6月6日月曜日、八戸市、都市圏人口で30万人を超える中核市、その繁華街のほぼ真ん中にある雑居ビル1F奥に『スナックCANDY』がある、基本19時オープンだが場合によっては19時前に入れる、理由はいたって簡単、お偉方の意向でそうなる、街の有力者達の飲み会は飲み始めも二次会に流れるのも早い時間帯になる、店のオーナーママである武田真由美は開店資金を出してもらった父親の意向には逆らえない、今日も早い時間に店を開けている。
「ママ、今日も綺麗だね」
ボックス席2つを3人と2人が隣り合わせで使っている、その中の最長老が受け取った焼酎の水割りを片手に武田真由美に話し掛けてくる、返事は別に期待していないのだろう、ニコッと笑顔を浮かべるだけで武田真由美はカウンターの後ろに戻る。
乾杯が行われ二次会がスタート、誰かのことを話題にしている様子の5人、一次会の続きのようだ、「あの土木課長は腰が重い、県庁所在地から動こうとせん、たまにはこっちに来いって」「あいつはヒラメなんだからしょうがない」「上ばっか見てるってか、確かにヒラメだ」「きょうからあいつはヒラメ課長って呼ぶのはどうかな、諸君」「会長もお人が悪い、是非」、是非の連呼、どこまでも途切れない会話、乾きものを口にして、それぞれが好きな飲み物を飲んで、悪口は続く。
「おっ、お父さんが来たぞ」
会長と呼ばれた最長老が入り口を見て大声で言う、八重樫多三郎が連れの男と共に入って来る。
「皆さんに正式に紹介させてもらいます、こんど義理の息子になる工藤友也君です。ひとつ宜しくお願い致します」
「工藤友也です、大津軽建設で働いております。お見知りおきのほど宜しくお願い申し上げます」
多三郎が軽く、友也が最敬礼で、挨拶を終える。
座って、長女穂乃果と友也が結婚するに至る経緯を説明する多三郎、聞きながらみんなが頷く、穂乃果の離婚とその理由を皆が知っているからだ、長い間、夫からのDVを隠しながら子供と身を寄せて暮らしていた穂乃果、アザに気付いた妹の武田真由美からの報告で愕然とした八重樫家、すぐに夫と引き離し離婚を突き付けたが「主婦の責任をまったく果たしていない」との反論から始まった離婚協議は長引いた、ここにいるメンバーにも多三郎は相談している、「それはよかった、穂乃果さんには幸せになって欲しい」と最長老が二人の結婚に賛同の意を表する、その場の誰もが賛同にまわる、なれそめを含めた友也のお披露目が終わる。
「いま、大津軽の社長は近藤さんでしたな。となると、工藤君はもしかして島津さんの後任とお考えでは、私はそれが一番いいと思うのですが、どうなんですか、八重樫さん」
二人を入れて7人で「穂乃果さんを幸せにできる男が見つかった、きょうは祝いの乾杯といきましょう」と全員が立ち上がって乾杯し、席に着いたとたんに最長老が八重樫多三郎に核心を詰め寄ってくる。
「さすがです会長、近藤は大津軽の屋台骨ですし私の妻の弟でもあります、友也君は2年後の選挙で島津先生の後任と考えております、ここに居る皆さんの賛同が得られれば、何よりも心強いのですが」
一同がざわめく、「会長と八重樫さんの考えが一致してるなら賛同もなにも、全面的に協力しますよ」と一人が言ってきたのを皮切りに賛同の嵐になる、きょう集まっているメンバーは建設業協会の役員達だ、その中で大津軽建設が規模では圧倒的に大きい、八重樫多三郎が低姿勢なのは、自身は70歳だがこの中ではいちばん年が若いことが一つ、もう一つは、会長である最長老に決断してもらう形を取ることで調和を決して乱さない、そうやって今までも自分の思い通りに事を進めてきている、後任の件も前もって会長と多三郎の間では話がついていたハズだ。
祝いの歌をまず会長から、という一言でカラオケが始まる、演歌、演歌、懐かしのポップス、画面にはテレビドラマの映像が流れる、友也君もというリクエストに応え「僭越ながら」と一言、青森県が生んだ演歌の大御所で会長達が選曲しない題名を選んで送信、驚きとやんやの喝さい、を受ける。
21時にお開き、友也が皆を最敬礼で送り出す、お客は彼ら以外にはまだ誰もいない。
「真由美さんから聞いておいてよかった、助かった」
選曲のことを言っている。
「お義兄さんになる人だもの、当然よ」
テーブル席の後片付けをしながら返事をしてくる、片付けが終わった真由美がカウンターの内側に入り、友也がカウンター席に移動、カウンターを挟んで向き合う。
「明日か」
友也がつぶやく。
「ええ、明日、東京に行ってくる。お父さんが言ってたけど、たぶん興信所使ってる、島津先生がいい後任ができたって漏らしちゃったみたいだし。さゆりさんはそんなことしないと思うから、父親が動いたんじゃないのかな」
「会長は俺のことを興信所が調べてるってこと、どう思ってるんだろう」
少し不安げな様子で真由美を見てくる。
「姉さんの元夫側が使ったに違いないって言ってた、離婚と同時に再婚話が起きたことをどっかで聞いたんじゃないかって」
安堵の表情を見せる友也、明日の真由美の東京行きに関心が移ったようで「じゃあ、あした行ったら」と言って続けて来る。
「さゆりに俺の再婚相手もバレてるってことか、あの日、俺が家に戻ったのが計画的だったってのも疑われてるよな、一番ヤバいのは、さゆりの弟の嫁に女と浮気した現場を押さえたんで追い出したって教えてる、その女が再婚相手の妹だったって、これ、逃げようがないって気がする」
真由美さんに損な役回りばかりさせてゴメンって友也が続ける。
「いいのよ、さゆりさんと会ったら、さゆりさんの出方を見て決めるつもりだから、友也さんは心配しないで」
同時刻、高円寺、宇佐美邸リビング。
「次からは、あのマゾ夫婦は光里だけで調教しなさいよ、わたしはその場に居ないから」
亜矢子が想いを伝えてくる。
「最初は居るんじゃなかったの、手伝うって」
怪訝そうな顔を亜矢子に向ける光里。
「そのつもりだったけど、別の楽しみを思いついたの、あなたの調教の成果を見ることにした、そうね、年内のどこかで、年末がいいわ、あなたの見てる目の前であの二人を可愛がってみたい、目標があってあなたもその方がいいんじゃない」
顔を見合って笑みがこぼれる二人。
「幸せになんなさい、苦労したんだから」
光里がすっかり男嫌いになったのは、なにも叔父や母親の実家の男連中や常務の松下を見てきただけではない、光里は大学入学と同時に父親の親友の息子と婚約をしている、幼い頃から家族ぐるみで付き合ってきた、相手も会社経営をしている、一人娘と一人息子が一緒になって2つの会社を合併させて次世代に繋いでいく話までして盛り上がっていた両家、それがどうだ、大学2年の時に父親の会社が窮地に陥って父親が放り出された事件を受けて先方が婚約破棄をしてきた、婚約してからだがセックスはしていた、一人息子の反応を光里は忘れない、簡単な愛撫をしたのは初回のみ、次からは挿入した自分が前回よりも頑張れたって言う独りよがりな息子の相手をさせられただけの印象しかない、光里を絶対に手放さないと会うたびに言う、光里の名器がそうさせたのだ、自分で濡らしてから息子に合図を送る、愛情の欠片もない、父親に起きたことは悲劇だがあの息子が光里を手放してくれたのは幸いだった、やっと巡り合えたのが村上健太郎だ、亜矢子が言う幸せになんなさいって言うのは、あの夫婦と末永く付き合いなさいっていう意味なのだ、密かに母娘で薄っすらと想像しているのは、加奈が妊娠する時には光里も妊娠していたい、巡り合わせてくれた神様に感謝している。
翌日6月7日、朝6時台、八戸駅新幹線乗り場、6時42分発東京行き、9時過ぎには東京に居る。
武田真由美が乗車して発車を待っている、心の内は複雑だ、7年も愛し合ってきた人を裏切り相手から連絡が来るまで何もしなかった、工藤友也が離婚したいのは前から知っていた、姉穂乃果の心配をずっとする友也を見て「だったら結婚したら」って冗談半分に声を掛けたのは真由美だ、友也が「不倫でもしてくれてればなぁ」って言ったのを聞いたのが去年の初め、自分がその相手役になると伝えて晩夏に綿密な計画の下で現場を押さえられている、友也は半年足らずでそうなったと思っている、さゆりがどう言ってきても誠実に正直に話すしか道は無い、駅構内で購入した熱いお茶を一口飲む、ごめんなさい、さゆりさん。
同日、村善建設総務部、朝会、部員はいつものように自席で立っている。
「おはようございます」
朝会を仕切る加奈の第一声に、部員たちが、おはようございます、と返す。
「昨日、東京は梅雨入りしました、今日も午後から少し雨模様の予報です、現場の状況をよく考えながら、電話一つとっても相手の気持ちを思って対応すること。今日も一日、宜しくお願いします」
各自が「宜しくお願いします」と頭を下げる、業務開始だ。
「工藤さん、10時になったら抜けていいわよ」
加奈がさゆりに向けて伝えてくる。
「はい、ありがとうございます」
青森から友人が仕事で来るので今日しか会えないと皆には伝えてある。
加奈と目が合う、軽く頷く加奈、さゆりも頭を下げる。
それぞれの日常が、始まる。
嫉妬とマゾヒズム 完。
筆者より
お読み頂きありがとうございました。
今日から、カクヨムで公開停止になった作品を毎週アップしたいと思っております。
筆者の処女作で拙い文章ですが加筆訂正等はほぼ無しでアップしたいと思っています、同性同士のエロティシズムを日本文学に昇華するという思いあがった発想で書いた作品です、女性器の名称等18禁になりそうな活字は一切使用してないつもりです、東北地方を題材にした現代ものですが地方銀行が一つの主題として出てくるために、各県とも架空の名前にさせて頂きました、少し混乱をきたすかも知れません、ご理解のほど宜しくお願いします。
作品名『彼女たちの恋愛対象』シーズンⅠ~Ⅲの途中まで、各シーズンとも長編になります。
「ママ、今日も綺麗だね」
ボックス席2つを3人と2人が隣り合わせで使っている、その中の最長老が受け取った焼酎の水割りを片手に武田真由美に話し掛けてくる、返事は別に期待していないのだろう、ニコッと笑顔を浮かべるだけで武田真由美はカウンターの後ろに戻る。
乾杯が行われ二次会がスタート、誰かのことを話題にしている様子の5人、一次会の続きのようだ、「あの土木課長は腰が重い、県庁所在地から動こうとせん、たまにはこっちに来いって」「あいつはヒラメなんだからしょうがない」「上ばっか見てるってか、確かにヒラメだ」「きょうからあいつはヒラメ課長って呼ぶのはどうかな、諸君」「会長もお人が悪い、是非」、是非の連呼、どこまでも途切れない会話、乾きものを口にして、それぞれが好きな飲み物を飲んで、悪口は続く。
「おっ、お父さんが来たぞ」
会長と呼ばれた最長老が入り口を見て大声で言う、八重樫多三郎が連れの男と共に入って来る。
「皆さんに正式に紹介させてもらいます、こんど義理の息子になる工藤友也君です。ひとつ宜しくお願い致します」
「工藤友也です、大津軽建設で働いております。お見知りおきのほど宜しくお願い申し上げます」
多三郎が軽く、友也が最敬礼で、挨拶を終える。
座って、長女穂乃果と友也が結婚するに至る経緯を説明する多三郎、聞きながらみんなが頷く、穂乃果の離婚とその理由を皆が知っているからだ、長い間、夫からのDVを隠しながら子供と身を寄せて暮らしていた穂乃果、アザに気付いた妹の武田真由美からの報告で愕然とした八重樫家、すぐに夫と引き離し離婚を突き付けたが「主婦の責任をまったく果たしていない」との反論から始まった離婚協議は長引いた、ここにいるメンバーにも多三郎は相談している、「それはよかった、穂乃果さんには幸せになって欲しい」と最長老が二人の結婚に賛同の意を表する、その場の誰もが賛同にまわる、なれそめを含めた友也のお披露目が終わる。
「いま、大津軽の社長は近藤さんでしたな。となると、工藤君はもしかして島津さんの後任とお考えでは、私はそれが一番いいと思うのですが、どうなんですか、八重樫さん」
二人を入れて7人で「穂乃果さんを幸せにできる男が見つかった、きょうは祝いの乾杯といきましょう」と全員が立ち上がって乾杯し、席に着いたとたんに最長老が八重樫多三郎に核心を詰め寄ってくる。
「さすがです会長、近藤は大津軽の屋台骨ですし私の妻の弟でもあります、友也君は2年後の選挙で島津先生の後任と考えております、ここに居る皆さんの賛同が得られれば、何よりも心強いのですが」
一同がざわめく、「会長と八重樫さんの考えが一致してるなら賛同もなにも、全面的に協力しますよ」と一人が言ってきたのを皮切りに賛同の嵐になる、きょう集まっているメンバーは建設業協会の役員達だ、その中で大津軽建設が規模では圧倒的に大きい、八重樫多三郎が低姿勢なのは、自身は70歳だがこの中ではいちばん年が若いことが一つ、もう一つは、会長である最長老に決断してもらう形を取ることで調和を決して乱さない、そうやって今までも自分の思い通りに事を進めてきている、後任の件も前もって会長と多三郎の間では話がついていたハズだ。
祝いの歌をまず会長から、という一言でカラオケが始まる、演歌、演歌、懐かしのポップス、画面にはテレビドラマの映像が流れる、友也君もというリクエストに応え「僭越ながら」と一言、青森県が生んだ演歌の大御所で会長達が選曲しない題名を選んで送信、驚きとやんやの喝さい、を受ける。
21時にお開き、友也が皆を最敬礼で送り出す、お客は彼ら以外にはまだ誰もいない。
「真由美さんから聞いておいてよかった、助かった」
選曲のことを言っている。
「お義兄さんになる人だもの、当然よ」
テーブル席の後片付けをしながら返事をしてくる、片付けが終わった真由美がカウンターの内側に入り、友也がカウンター席に移動、カウンターを挟んで向き合う。
「明日か」
友也がつぶやく。
「ええ、明日、東京に行ってくる。お父さんが言ってたけど、たぶん興信所使ってる、島津先生がいい後任ができたって漏らしちゃったみたいだし。さゆりさんはそんなことしないと思うから、父親が動いたんじゃないのかな」
「会長は俺のことを興信所が調べてるってこと、どう思ってるんだろう」
少し不安げな様子で真由美を見てくる。
「姉さんの元夫側が使ったに違いないって言ってた、離婚と同時に再婚話が起きたことをどっかで聞いたんじゃないかって」
安堵の表情を見せる友也、明日の真由美の東京行きに関心が移ったようで「じゃあ、あした行ったら」と言って続けて来る。
「さゆりに俺の再婚相手もバレてるってことか、あの日、俺が家に戻ったのが計画的だったってのも疑われてるよな、一番ヤバいのは、さゆりの弟の嫁に女と浮気した現場を押さえたんで追い出したって教えてる、その女が再婚相手の妹だったって、これ、逃げようがないって気がする」
真由美さんに損な役回りばかりさせてゴメンって友也が続ける。
「いいのよ、さゆりさんと会ったら、さゆりさんの出方を見て決めるつもりだから、友也さんは心配しないで」
同時刻、高円寺、宇佐美邸リビング。
「次からは、あのマゾ夫婦は光里だけで調教しなさいよ、わたしはその場に居ないから」
亜矢子が想いを伝えてくる。
「最初は居るんじゃなかったの、手伝うって」
怪訝そうな顔を亜矢子に向ける光里。
「そのつもりだったけど、別の楽しみを思いついたの、あなたの調教の成果を見ることにした、そうね、年内のどこかで、年末がいいわ、あなたの見てる目の前であの二人を可愛がってみたい、目標があってあなたもその方がいいんじゃない」
顔を見合って笑みがこぼれる二人。
「幸せになんなさい、苦労したんだから」
光里がすっかり男嫌いになったのは、なにも叔父や母親の実家の男連中や常務の松下を見てきただけではない、光里は大学入学と同時に父親の親友の息子と婚約をしている、幼い頃から家族ぐるみで付き合ってきた、相手も会社経営をしている、一人娘と一人息子が一緒になって2つの会社を合併させて次世代に繋いでいく話までして盛り上がっていた両家、それがどうだ、大学2年の時に父親の会社が窮地に陥って父親が放り出された事件を受けて先方が婚約破棄をしてきた、婚約してからだがセックスはしていた、一人息子の反応を光里は忘れない、簡単な愛撫をしたのは初回のみ、次からは挿入した自分が前回よりも頑張れたって言う独りよがりな息子の相手をさせられただけの印象しかない、光里を絶対に手放さないと会うたびに言う、光里の名器がそうさせたのだ、自分で濡らしてから息子に合図を送る、愛情の欠片もない、父親に起きたことは悲劇だがあの息子が光里を手放してくれたのは幸いだった、やっと巡り合えたのが村上健太郎だ、亜矢子が言う幸せになんなさいって言うのは、あの夫婦と末永く付き合いなさいっていう意味なのだ、密かに母娘で薄っすらと想像しているのは、加奈が妊娠する時には光里も妊娠していたい、巡り合わせてくれた神様に感謝している。
翌日6月7日、朝6時台、八戸駅新幹線乗り場、6時42分発東京行き、9時過ぎには東京に居る。
武田真由美が乗車して発車を待っている、心の内は複雑だ、7年も愛し合ってきた人を裏切り相手から連絡が来るまで何もしなかった、工藤友也が離婚したいのは前から知っていた、姉穂乃果の心配をずっとする友也を見て「だったら結婚したら」って冗談半分に声を掛けたのは真由美だ、友也が「不倫でもしてくれてればなぁ」って言ったのを聞いたのが去年の初め、自分がその相手役になると伝えて晩夏に綿密な計画の下で現場を押さえられている、友也は半年足らずでそうなったと思っている、さゆりがどう言ってきても誠実に正直に話すしか道は無い、駅構内で購入した熱いお茶を一口飲む、ごめんなさい、さゆりさん。
同日、村善建設総務部、朝会、部員はいつものように自席で立っている。
「おはようございます」
朝会を仕切る加奈の第一声に、部員たちが、おはようございます、と返す。
「昨日、東京は梅雨入りしました、今日も午後から少し雨模様の予報です、現場の状況をよく考えながら、電話一つとっても相手の気持ちを思って対応すること。今日も一日、宜しくお願いします」
各自が「宜しくお願いします」と頭を下げる、業務開始だ。
「工藤さん、10時になったら抜けていいわよ」
加奈がさゆりに向けて伝えてくる。
「はい、ありがとうございます」
青森から友人が仕事で来るので今日しか会えないと皆には伝えてある。
加奈と目が合う、軽く頷く加奈、さゆりも頭を下げる。
それぞれの日常が、始まる。
嫉妬とマゾヒズム 完。
筆者より
お読み頂きありがとうございました。
今日から、カクヨムで公開停止になった作品を毎週アップしたいと思っております。
筆者の処女作で拙い文章ですが加筆訂正等はほぼ無しでアップしたいと思っています、同性同士のエロティシズムを日本文学に昇華するという思いあがった発想で書いた作品です、女性器の名称等18禁になりそうな活字は一切使用してないつもりです、東北地方を題材にした現代ものですが地方銀行が一つの主題として出てくるために、各県とも架空の名前にさせて頂きました、少し混乱をきたすかも知れません、ご理解のほど宜しくお願いします。
作品名『彼女たちの恋愛対象』シーズンⅠ~Ⅲの途中まで、各シーズンとも長編になります。
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