嫉妬とマゾヒズム

いちば なげのぶ

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第8章 交わり

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 1階に下りた光里が耳を澄ます、離れているせいか母親の部屋からは何も音が漏れてこない、1階の作りは玄関左側が応接間、その奥がいま光里と健太郎が2階から降りて来た大きな吹き抜けスペース、洗面所と浴室そしてトイレと続く、玄関右側は応接間の向かいに亜矢子が寝室として使っている洋間、その奥がかなり広いリビングでその先の対面式キッチンと繋がっている。
 健太郎を見ると首輪もリードも付けていない。

「さっきまで萎んでいたのになんでこうなった?」
 鞭で打たれる恐怖で萎えていた健太郎の肉棒が硬くそそり立っている。
「犬にされて光里様に見つめられたので、こうなりました」
 目を輝かせている。
「首輪とリードしただけで、這ってもいないのにそれのどこがイヌなの」
 あきれ顔で疑問を口にする光里。
「光里様専属の犬にされたことが、自分でも不思議なのですが嬉しいのです」
 首輪とリードがあればもう犬なんだと確信している、不思議な感覚に自己陶酔な健太郎。
「お前ねぇ、人の話し聞いてないよね、自分本位の変態って、これはお前にはもったいない」
 光里が首輪を外す、リードが付いたままの首輪がテーブルに戻される。
 しょげかえる健太郎を先に歩かせて1階に下りる。
 
 1階に下りた健太郎のそれはまだ硬いままだ、トイレに向かう。
「そのまま待ちなさい」と里光から指示を受ける健太郎、「道具が必要でしょ」取りに行くと言う、光里がドアを開けたままでいなくなる、次に起こることを思い出したのか、しだいに萎えていく。
 注入して1分足らずでお腹が痛くなった健太郎に「これから、3分耐えなさい」と光里の命令が下される、「ムリですっ」訴える健太郎に「厳命よ、ぜったいに耐えるの、分かった?」容赦ない光里、「うぅっ、もう」「耐えたらご褒美をあげる、失敗したら縁を切る、とっとと帰りなさい」、褒美なのか縁を切ると言われたことなのか、それまでの訴える目から決意のそれに変わる健太郎の目、光里がトイレにある置時計を手に取り時間を図り始める。
 先に2階に戻る光里、洗浄をしっかりとしてから健太郎が後を追う。
「頑張った方だと思う」
 ソファに腰を下ろしていた光里が、テーブルの向こう側で直立不動の健太郎に話し掛ける。
「ありがとうございます、生まれてからのことを考えて耐えたんです、小学校を卒業する前あたりで3分がきたって感じでした」
 達成感につい饒舌になる。
「3分?、どこの話、それ。1分ちょっとだったけど、正確には1分12秒」
 淡々と結果を伝えてくる。
「まさか」
 間違いでしょ、ちゃんと僕は耐えました、とでも言いたげな健太郎。
「今日はお疲れ様でした、どうぞ着替えて下さい」
 プレイの終了を告げるかのような丁寧な光里の言葉、青ざめる健太郎にはお構いなしだ。
「ごめんなさい」
 その場で頭を下げる健太郎、すぐに土下座に変わって「ごめんなさい、終わりにしないで下さい」を連呼、無言の光里。
「縁も切る、もう帰りなさい」
 黙って健太郎を見ていた光里が通告してくる。
 むくっと起き上がった健太郎が光里に向かってくる、足元に土下座するなり光里の足首あたりを両手で掴んで「お願いします、捨てないで下さい、これで終わりにしないで下さい」泣いている、無言で見下ろす光里、言いながら泣き続け、顔を上げて泣き顔で光里を見つめてくる、「しょうがないわねぇ、付いてきなさい」。
 健太郎にパンツを履かせる、光里が向かった先は亜矢子の部屋だ。

 光里が先に入る、少し遅れて健太郎が続く。
「いやぁ、見ないで」
 加奈の声だ、ソファにいる。
 全裸で後ろ手に縛られそれほど大きくない乳房の上下にも縄が回っている、両脚もそれぞれが折り曲げられた状態で縛られている、すべて麻縄だ、亜矢子は床に腰を下ろしている、胡坐姿だ、脱いでいない。
 光里が近づく、亜矢子の背で見えなかったものが見えてくる、腰をソファの縁までせり出させられた加奈、膣とアナルに亜矢子の指が埋め込まれている。
「どうなの、奥様の方は」
 光里が亜矢子に問い掛ける。
「これほどの女は滅多にいない、凄くいい」
 後ろを振り返らずに亜矢子が応える。
「そうなんだ、ご主人の方は使い物にならない、帰ってって言ったんだけど泣きついて来る、だから奥様を見て決めようと思って、亜矢子がそこまでいいって言うんなら」
 亜矢子の言葉に考え直す素振りの光里。
「ええ、お願い。この奥様を責めたい、まだ、一度も逝かせてないのよ」
 光里が加奈を見つめる、加奈の目も光里を見てくる、目が濡れている、含み笑いを浮かべる光里。
「それは辛いでしょうね、亜矢子の寸止めはキツイから。分かったわ、奥様に奉仕してもらってから決める」
 決断を下す光里、二人とも見つめ合ったままだ。
「このままで、する?」
「いや、上だけ解いて。ベットでじっくりしてもらうから」
 見つめる光里、濡れた目を細める加奈、口元が開き顎を光里に突き出してくる、媚びを売っている。
「わかった」
 亜矢子の指が抜ける、動く亜矢子、加奈の後ろ手の縛りを解きに掛かる。
 光里が振り返る。
「ご主人は、出て下さい」
 素っ気ない。
「はい」
 素直に返事する健太郎、外で聞いてるかもよ、と亜矢子。
「そうねぇ、トイレに入って待ってなさい」
 健太郎を一番遠い場所に遠ざける。
「はい、宜しくお願いします」
 深々と一礼した健太郎が部屋から出て行く。

 二人で加奈を抱きかかえる、加奈の両腕が亜矢子に回される、本当は光里に回したいのに気を遣っている、ベットに運ぶ。
 折り曲げた状態で両脚を縛られている加奈は脚を延ばせない、正座している、縄を解かれた両腕に縄目の跡が残っているが心配するほどでもない。
「なんて呼ばれたい、言ってみて」
 片膝を立てている光里、まだ服は脱いでいない。
「加奈と呼んで下さい、光里様」
 両手をついて頭を下げる加奈。
「横になりなさい」
「はい」
 土下座したままで横に躰を傾ける加奈。
「呼んであげる、加奈」
「ありがとうございます」
 光里の足が動く、片膝を立てていた方の足裏で加奈の顔を踏みつけてくる。



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