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5章.初まりの日

167.初まりの日「待ちきれなかった二人」

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鮎香さんはもうすでに運転しながら止めれる所を探し当てていたみたい。
詩織が
『この辺の海岸の砂浜広くて気持ちよさそう』
って言った時にはもう、車を停めれる場所をさがしていたんだろうな。
鮎香さんって気配り上手なのよね。
鮎香さんもアリーシャの事愛してたハズなのに詩織に嫉妬しないのかな?
聞いてみたい気もするけど・・・

鮎香さんは車のウィンカーを左に出した。
車の進行方向には木々が点在し何個かのモニュメントが設置された休憩場所らしき場所がある。
最近は道の駅とかの観光施設も結構出来ているけれど、そこまで大きくはない。
数十台くらいが止めれる駐車場、そしてその駐車場を取り囲むように点在する木々、そしてその木々の奥につづく小道の向こうには砂浜が広がり波の音が聞こえてくる。

駐車場の入口には大理石のモニュメントが入口の両脇に建っている。
高さは人間の背丈くらい。

抽象化された動物的な形をしているけれど、思い当たる動物が思い浮かばない。
芸術なんて理解出来ない物?

『私から見るとへんてこな石』

風にしか見えない。
作った人が聞いたらめっちゃ怒るかも。
鮎香さんはそんな駐車場の入口を入って空いている駐車スペースに車を停める。
土曜日という事もあって駐車場は満杯状態!!
それも車に乗っている人影を見ると殆どカップルっぽい!!

流石に11月に入っている事もあってこの寒空に外まで出て海を見ようなんて恋人達は居ないみたい。
『じゃ~恋人達カップルは二人でこんなとこな所まで来ていったい何をしているのか?』
なんて野暮なことは聞かない。
多分・・・

駐車場に車が止まり鮎香さんが車のエンジンを止めるとアリーシャと詩織は早速後部座席のドアを開けて公園の奥に続く石畳の小道を一気に走り抜けていった。

その小道の続いているその先には当然砂浜が有る訳で・・・
アリーシャと詩織は待ちきれなかったのだろう。


私は受主席のシートベルトを外して車のドアを開けて外に出た。
詩織さんも私の後に続いて車を降りてもう見えなくなったアリーシャと詩織が走り去った小道の奥に鮎香さんは視線を移し

「しょうがないわねあの子達。まるで子供みたいね。私達も行きましょうか」
そう言いながら私に微笑んでいる。
私も
「そうですねアリーシャ達に逸れない間に行きましょう」
そう言葉を返し奥の海岸に向かう小道に向かって歩きだした。

つづく・・・
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