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4章.波乱

40.お泊り「ママの不安な表情?」

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見慣れた風景。
この景色を見ると、家に帰ってきたんだって実感する。
でも・・いつもは歩いてだから、同じ景色でも違った風に見えてしまう。

あ・・そう言えば、昨日もタクシーで帰ってきたんだった。
でも昨日は、もうこの辺は真っ暗で景色なんて何も見えなかったから景色なんて私の記憶殆ど記憶にない。

まあ

『景色なんて気にする余裕なんて無かった!!』

って言うのが正直な気持ち。
だって私、生まれて始めて殺されかけたんだもの!!
あれは想定外!!あれは絶対に私死んでた!!
そうあの時は頭の中が真っ白で、何も考えられない状態だったんだもの・・・

車がゆっくりと速度を緩め、一軒の家の前で停車した。

『何時も見慣れた家』

そう、私の家に着いたのだ。
私はまだ体が怠くて起き上がれない感じ。
鮎香さんが運転席から降りて、私の家のインターフォンのボタンを押してる。
「何方様でしょうか?」
私のママの声?
インターフォンを通して聞くと別の人の声に聞こえちゃう。
「渡辺第2病院院長の渡辺鮎香と申します。宮野咲さんの事でお願いが有りまして参りました」

「少々・・お待ちください。今そちらに参ります」
少し困惑したママの声・・・
そりゃ~突然渡辺第2病院の院長さんって聞いたら、私だってビックリしちゃうわ。
少しおいて、私の玄関のドアが開いた。
「咲の母親の美知恵でございます。咲の身に何かございましたでしょうか?」
ママの第一声は不安に満ちた言葉だった。

「咲ちゃんは心配されなくても、大丈夫ですよ。今アリーシャが車の中で抱えています・・・」
鮎香さんがそう言った瞬間にアリーシャは空かさず私の体を起こしてママから私の顔が見えるようにしてくれる。
ママはなんとか安心したみたい。

『ホッ』
とした表情に戻ったよう。

鮎香さんが何か小声でママに伝えているよう・・・
その姿を見ると私は途端に・・

『不安になってしまう』

ママと鮎香さんの話が終わったよう・・・
ママがスマートフォンを取り出して誰かに電話を掛けだしている。
多分パパ・・なんだろうな。
あの分じゃまだ帰ってきていないみたい。
電話を掛け終わってスマートフォンをエプロンのポケットに終い込んだ後、鮎香さんと一緒に私の居る車の方に車の方に歩いてきている。

それを見てアリーシャが車の後部座席のパワーウィンドのスイッチを押してくれる。


後部座席のウィンドガラスがゆっくりと下がってゆく。


ママは私の座っている後部座席を覗き込んで
「咲大丈夫なの?」
と心配そうに声をかけてくれた。

私も
「少し頭がフラフラしてるくらい。鮎香さんは私が貧血で倒れちゃったんで、今日は大事をとって鮎香さんのお家に泊まりなさいって言ってくれてるの。
ママ、鮎香さんのお家に泊まっても良い?

私を抱えてくれてる女の子は私と同じ組のアリーシャさん。そして前の席に乗ってるのがお姉さんの詩織さんなの」

出来るだけ笑顔でママに話した。
ママも私の顔を見て少し安心?したのかな・・
心なしか笑顔が見える。

「そうね・・まだ貧血?・・の影響出てるみたいね。院長さんから状態は聞いたわ。院長さんが良いお薬調合してくれるって言ってたからこの際だからちゃんと治るまでお願いしますって私も院長さんの言葉に甘えちゃったわ。

気にしないで良いから、治ったと思ったら連絡して頂戴。
そしたらパパと一緒に迎えに行くわ」

私は空かさず
「ママ、そんな事言われるとずっと帰らないかもよ!」
と笑顔で冗談を返す。
「ま~この子ったら!それくらい冗談言えるなら、明日くらい迎えに行っても大丈夫そうね」
とママもウィンクでかえしてくれる。
なるべく皆に迷惑かけないようにしなくちゃ!!
と私は思ってしまうのであった。

つづく・・・
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