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とにかくエロい友人とおれの話

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――宅飲みをしている友人の家に行くと、彼は酔い潰れて全裸で倒れていました。しかも彼はどうやらお尻を使った自慰をしていたようで、全身ががドロドロになっていました。

なんて状況下に置かれる人間ってどれくらいいるのだろうか。
少なくとも、この町ではおれだけなんじゃないだろうか。

床に倒れている友人――早坂を助け起こしながらおれは思った。

「――早坂、大丈夫か?」 

自ら出した液体まみれになっている彼に聞く。
ぐったりとはしているがどうやら意識はあるらしい。彼はゆるゆると目を開いた。

「水が、ほしい……」

ゆっくりと体を起こした彼は少し枯れた声でそう言った。
その声がなんで枯れているかについてはあまり深く考えないでおこう。

ちょうどお茶ペットボトルを持っていたのでそれをあげた。彼は五百ミリのペットボトルをあっという間に飲み干した。

彼の喉がごくごくと動くのが何故かやたらと艶めかしかった。

水を飲むと落ち着いたらしい。
おれが近くに落ちていた服を渡すと、彼はそれを局部に当てて恥ずかしそうに目を伏せ謝った。

「志麻、本当にもうしわけない……」

「いいんだよ、おれも今のことは忘れるから、落ち着いたら風呂にでも入って寝るといいよ」 

テーブルの上にあった空き缶を見るに、彼は一人で酒を飲み過ぎて酔っ払ってしまったのだろう。
彼の酒癖の悪さは知っている。いつも彼を介抱するのはおれの役目だったから。

酒による間違いは誰にでもあるからな。
彼のこれもそう言うことなのだろう。

「本当ごめん……」

と言いながら、彼の目線はおれの顔からゆっくり外れていった。

――おれの逸物の方へ

そして、それを見た途端、彼の目付きが変わった。
申し訳なさに伏せられた目が、途端に色を孕む。

「……ん?、志麻。なんでたってんの?」

とろんとした目をおれに向け、彼はそう尋ねた。
……どうやら彼の酒は全然抜けていないようだ。普通それ聞くかよ……

「いや、これは……生理現象で……」

まさかお前の裸を見て興奮しましただなんて言える訳ない。しどろもどろになるおれをみて早坂は、

「もしかして俺で?」

と言いながら、ふにゃっとわらった。
細められた目のすぐそばある黒子がなんだかエロくて、そこが嫌に目に付いた。

そして、彼は急に俺を押し倒した。

俺は硬い床に頭を思い切りぶつけた。
痛い……たんこぶができそうだ。

……しかしそんなことはどうでもいい、それよりもこいつをなんとか止めないと!

「おい、早坂!お前何してんだよ!」

とりあえず彼に今自分が何をしているか理解させる作戦に出る。
やつとこのノリでセックスして何が残ると言うんだ。このままでは早坂の心に悲しい思い出を作るだけである。

「んー、なにって、今俺オナニー、いや、あなにー?してたんだけどさ、けっこうきもちよかったんだよね……
でさ、一人でここまできもちよくなれるってことは、二人だったらもっときもちいいんじゃないかと思って」

彼は恍惚とした顔でそう言った。

冗談じゃない。

なんでおれがこんな状況でおまえとヤらなきゃいけないんだ。

しかも酔っ払っている彼の力は無駄に強くて、抵抗できない。

俺が抵抗しているのなんて意に介してないような態度で彼は続けた。

「今、俺さ、見ての通り酔っぱらってるから、こんなことしても、酒のせいにできるよ、それにお前もさ、そのままだと苦しいじゃんか、」

……まぁ、それは事実だけど、

でも、

「いいじゃん。俺、一回尻でどこまで気持ち良くなれるか試してぇんだよ。志麻なら、いいから」

友達だから、いいだろ?とおれを見つめる彼の目はそう言っていた。

友達……な、おれは内心苦笑した。
おまえはそう思ってるかもしれないけど、
おれにとって、お前は……

「お願い。いいだろ?」

おれが返事する間も無く、彼はおれの口を塞いだ。

「んっ!んんんん゛っ!」

抵抗しようとするおれの口を彼は蹂躙する。
息ができない。苦しい。
……だけど、それを上回る気持ちよさが俺を襲った。

――そういえば早坂は、キスがうまいとあの子が言っていたな。腐女子を拗らせた彼の元カノ。おれがゲイだと勘づいていたその子は、早坂とのあれこれをおれに詳細に語っていた。

そんなことを思っているあいだにも、彼はキスをやめなかった。おれがどんなにそれを避けようとしても、彼の舌はおれの口を犯すのをやめない。なんならおれが抵抗して舌を動かすのですらおれの口を愛撫する刺激に変わる。

気持ちいい。

意識がどろどろになる頃、彼はようやくおれを解放してくれた。

「なぁ、志麻ぁ、いいだろ?お前もこんなにきもちよさそうじゃないか。」

そう言いながら彼はおれを押さえながらもおれのズボンを脱がせにかかった。

酸欠により混濁する意識の中、おれは必死で抵抗した。しかしそれも虚しく、おれはトランクス共々ズボンを彼に取られてしまった。

彼はおれのうえで体の向きを変えて、驚いたような声を上げた。

「志麻って意外とご立派なのな」

まぁ、フルで勃起してるから……
でも確かにおれのブツはまあまあなサイズらしい。
同世代でおれよりでかい人をおれは見たことがない。

彼は俺のブツを色々いじくったあと(その間もおれの拘束はといてくれなかった)、覚悟を決めたらしい。

「じゃ、いただきまーす」

そう言って早坂はおれのの上に腰を下ろした。ぬるりとした感触がおれの中心をを覆い、そのまま下りていく。

「ふっ、くうううう゛っ!」 

彼の上擦った声が耳をくすぐる。

うわ……エロい。

もう、その時は、彼の何もかもがエロかった。
おれは抵抗しようなんて考えていたことも忘れて彼に見とれた。

汗で彼の額に張り付く前髪も、髪の隙間から少しだけ覗く真っ赤になった耳も、彼の口から漏れる吐息混じりの声も、

とにかく全てが色っぽかった。

……なぁ、早坂。おまえは本当にこんなことしていいと思ってるのか?今は酔っ払ってるからいいけど、きっと後悔するぞ。

なんて言葉を俺は飲み込んだ。今は、今だけはこの快感に溺れていたい。
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