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デュバルの女傑
164:貴族科の昼餐
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ルシアン殿の色気に当てられいる間も時間は流れる。
学園長が来るまでは、動く事は出来ないが、騒ぎを起こすわけにもいかない。
騎士科とは雲泥の差の、陽光を目一杯取り入れた硝子張りの食堂は、中は空調魔法で適温に保たれ、テラス席は張り出された庇が強い陽射しを防いでいる。
見下ろした食堂の扉から入って右側は、テーブル席と円卓が上品に配置され、テラス席へ続く硝子扉は開放されており、左側の調理場からは料理の匂いと、配膳の為のカウンターには数名の給仕係。
生徒を迎える準備を終えた食堂の扉が開くのも、もう間もなくだろう。
俺達が今居る2階席は、扉の正面奥にある左へ緩く湾曲した階段を上った、カウンターの真上辺り。
食堂やテラスで食事をする生徒を見下ろしながら優雅に食事をする、正に王皇族の為の席になっているのだが…
「誰も上がって来ない事は分かったが…見つからないとは限らないよな」
「席を移動するか?」
「移動って…横にズレるだけじゃ意味がないだろ…」
そう広くない2階席は、全ての円卓が、食堂を見下ろせる位置に配置されており、後ろは人が移動するスペースのみ。
「御歓談中のところ、失礼致します。殿下、啓上の許可を頂けますでしょうか」
壁際に立って時間をやり過ごすかと問答する俺達を見兼ねたのか、これまで気配もなく立っていた学園の警備員の1人が、緊張した面持ちで話かけてきた。
「許可する」
「ありがとうございます。殿下方の視界を少々妨げる事になりますが、帳を下ろす事は可能です」
警備員が指し示した頭上に、白いレースの帳が巻かれている。続けられた説明では、帳は魔塔で作られた特別製で、こちらから見えても、向こうからは見えない作りになってるという。
「それは助かるが…あらかさまではないか?普段は下ろしていないのだろう?」
「本日の様な陽射しの強い日は下ろしております」
壁にかけられた絵画の遜色を防ぐ為と説明され、騎士科との格差に苦笑いを漏らしながら、帳を下ろす許可を出した。
「壁に絵画か…騎士科の食堂の壁は傷が飾られていたがな」
「ハハハッ…飛ばした食器のですか?」
「拳や蹴りで入れた穴もありますよ」
「騎士科は硝子張りではなく、木張りなんです。魔術科の食堂はどの様な感じなのですか?」
「石作りの壁なの。テーブルや椅子は素朴な木製だけど、食器は…フフッ…陶製よ」
「魔塔を模した作りだそうで、仄暗い感じですが、生徒達が明るくて、笑い声が響いて賑やかですよ。一応、テラス席もありますが、ウッドデッキと言った方がいいかな…オレリア嬢達と、お茶を共にする事があるのですが…」
崇高なる方には似合わないと眉を寄せるルシアン殿だが、オレリアから見れば、皇子こそ膝を着く存在だと分かっているのだろうか。
少しの呆れと、オレリアと当たり前の様に会える学生のルシアン殿に嫉妬を感じていると、下から騒めきが聞こえてきた。
騒めきと言っても、上品な笑い声と、囁き程度の話し声で、騎士科の様な粗野な感じは微塵もない。
レースの帳は心許なく、本当に大丈夫なのかと思いながら下に目を向けると、席に着く生徒達と、配膳に並ぶ使用人の姿が見える。
「貴族の晩餐会だな…」
「これが毎日…?」
「魔術科でよかった…」
俺達も騎士科でよかった…
ルシアン殿に同意する様に、3人で大きく頷く。
俺達に出されたコース料理は特別だったらしく、トレーに乗せられた料理は肉や魚の他に、サラダやサンド、パスタも多い。
だが、学生らしいメニューに格差が縮んだとホッとしている場合ではない。
耳に届くのは、どこで演奏しているのか、優雅な背景音楽だけで、人の話し声はおろか、シルバーの音も、使用人の歩く靴音さえも聞こえない。
「これが、一刻半も続くのか…?」
「こう静かだと叫びたくなるな」
「堪えろ、ユーリ。食事の間だけだ。デザートにお茶と続けば、少しは賑やかになる筈」
声を顰めて話す俺達に、先程の警備員が苦笑いで話しかけてくる。
「あの…お声も漏れませんので、大丈夫です」
「「「そうなの?!」」」
「王皇族のお話の内容は、その…内政や、外交に関わるものが多いので…」
「そんな話は微塵もしてないですけどね…俺達」
「なら、これからするか?」
「殿下…出来ない事は仰らないで下さいよ…」
「貴族科のお昼は、いつもこの様な感じなの?」
「はい、皇女殿下」
「一刻半の間…ずっと?」
「いえ…食事の、間だけですが…」
「ん?」
「………先程、殿下方が食器が飛ぶと仰られておりましたが…こちらでは、その…時折ではありますが、デザートが出る頃になると、お茶や果汁が……飛び交う事が…」
「…プハッ……アッ、ハハッ……」
「殿下…笑い過ぎだ」
「我々も殿下方と同じく、騎士科の出身です。静かな食事の時間には、ある程度慣れましたが、令嬢方には…未だ慣れず…不甲斐なく思っております」
「不甲斐なくって…あれは無理だろ…」
「その様な事はございません。先日のルシアン殿下も素晴らしい捌きでしたし、演舞の公開練習で拝見した殿下の演説も素晴らしかったです」
「お褒めに預かり光栄だが…私は妹を連れて、逃げただけだよ…」
「あの時の殿下も、丸腰では挑めないって、俺やカイン殿を差し出そうとしましたしね…最後まで食い下がって、醜かったな…」
「黙れ、ネイト。そういう話をしてしていると、そういう事にーー」
「陽の下より、宵闇を好まれる貴女方が、テラス席に何のご用?」
なるんだ…
「この声は、愛しのベルですね」
「庇の影だけでは心許ないでしょう?いつもの席に戻られては?」
「カイン殿が居なくてよかった…」
静かな空間は、人の声がよく響く。
聞こえてきた声に、ユーリは目を輝かせ、ネイトは溜め息を吐いた。
目を向けた先には、テラス席に座るオレリア達と、その前に立つのは数人の令嬢達。
周りの生徒達の食事の手も止まり、殺伐とした雰囲気と、優雅な音楽の乖離が更に場に緊張を与えている。
「私達は、あるお方を探しているのです。貴女方に用はございません」
「殿下が来ている事、知られてますね」
「申し訳ございません…陛下から連絡が入りました故、特別警備となっております。学園長も、おそらく警備の確認に回っているかと…」
深く頭を下げる警備員に苦笑いが漏れる。
陛下から直々に王太子の訪問を告げられれば、学園長も特別警備を敷かざる負えない事は想定済。
「頭を上げてくれ、謝罪も不要だよ。私達も意図せずの訪問となったが、学園長や君達のおかげで、楽しい時間を過ごしている。乾パンではなく、美味い料理も食べられたしね」
「…殿下のお言葉…痛み入ります」
安心した様に顔を上げた警備員だが、階下の安心とはいかない状況に、顔を引き締め直した。
「人探し…それは食事の後でも出来ますわよね?埃を立ててバタバタと…マナー教育を受け直す事をお勧めしますわ」
「食事の後などと、悠長な事を言っていたら、殿下がーー」
「ルシアン殿下は魔術科ですが…?もしかして、私達に道を尋ねにいらしたの?でしたら、食事の後でご案内しますから、お席でお待ちになっていて?」
「何を惚けた事を…皆さんとて、ご存知なのでしょう?フラン様が学園にお見えになられている事はっ!」
「マリー様。貴女は、殿下の御尊名を口にする事を、いつ許可頂いたのですか?」
学園長が来るまでは、動く事は出来ないが、騒ぎを起こすわけにもいかない。
騎士科とは雲泥の差の、陽光を目一杯取り入れた硝子張りの食堂は、中は空調魔法で適温に保たれ、テラス席は張り出された庇が強い陽射しを防いでいる。
見下ろした食堂の扉から入って右側は、テーブル席と円卓が上品に配置され、テラス席へ続く硝子扉は開放されており、左側の調理場からは料理の匂いと、配膳の為のカウンターには数名の給仕係。
生徒を迎える準備を終えた食堂の扉が開くのも、もう間もなくだろう。
俺達が今居る2階席は、扉の正面奥にある左へ緩く湾曲した階段を上った、カウンターの真上辺り。
食堂やテラスで食事をする生徒を見下ろしながら優雅に食事をする、正に王皇族の為の席になっているのだが…
「誰も上がって来ない事は分かったが…見つからないとは限らないよな」
「席を移動するか?」
「移動って…横にズレるだけじゃ意味がないだろ…」
そう広くない2階席は、全ての円卓が、食堂を見下ろせる位置に配置されており、後ろは人が移動するスペースのみ。
「御歓談中のところ、失礼致します。殿下、啓上の許可を頂けますでしょうか」
壁際に立って時間をやり過ごすかと問答する俺達を見兼ねたのか、これまで気配もなく立っていた学園の警備員の1人が、緊張した面持ちで話かけてきた。
「許可する」
「ありがとうございます。殿下方の視界を少々妨げる事になりますが、帳を下ろす事は可能です」
警備員が指し示した頭上に、白いレースの帳が巻かれている。続けられた説明では、帳は魔塔で作られた特別製で、こちらから見えても、向こうからは見えない作りになってるという。
「それは助かるが…あらかさまではないか?普段は下ろしていないのだろう?」
「本日の様な陽射しの強い日は下ろしております」
壁にかけられた絵画の遜色を防ぐ為と説明され、騎士科との格差に苦笑いを漏らしながら、帳を下ろす許可を出した。
「壁に絵画か…騎士科の食堂の壁は傷が飾られていたがな」
「ハハハッ…飛ばした食器のですか?」
「拳や蹴りで入れた穴もありますよ」
「騎士科は硝子張りではなく、木張りなんです。魔術科の食堂はどの様な感じなのですか?」
「石作りの壁なの。テーブルや椅子は素朴な木製だけど、食器は…フフッ…陶製よ」
「魔塔を模した作りだそうで、仄暗い感じですが、生徒達が明るくて、笑い声が響いて賑やかですよ。一応、テラス席もありますが、ウッドデッキと言った方がいいかな…オレリア嬢達と、お茶を共にする事があるのですが…」
崇高なる方には似合わないと眉を寄せるルシアン殿だが、オレリアから見れば、皇子こそ膝を着く存在だと分かっているのだろうか。
少しの呆れと、オレリアと当たり前の様に会える学生のルシアン殿に嫉妬を感じていると、下から騒めきが聞こえてきた。
騒めきと言っても、上品な笑い声と、囁き程度の話し声で、騎士科の様な粗野な感じは微塵もない。
レースの帳は心許なく、本当に大丈夫なのかと思いながら下に目を向けると、席に着く生徒達と、配膳に並ぶ使用人の姿が見える。
「貴族の晩餐会だな…」
「これが毎日…?」
「魔術科でよかった…」
俺達も騎士科でよかった…
ルシアン殿に同意する様に、3人で大きく頷く。
俺達に出されたコース料理は特別だったらしく、トレーに乗せられた料理は肉や魚の他に、サラダやサンド、パスタも多い。
だが、学生らしいメニューに格差が縮んだとホッとしている場合ではない。
耳に届くのは、どこで演奏しているのか、優雅な背景音楽だけで、人の話し声はおろか、シルバーの音も、使用人の歩く靴音さえも聞こえない。
「これが、一刻半も続くのか…?」
「こう静かだと叫びたくなるな」
「堪えろ、ユーリ。食事の間だけだ。デザートにお茶と続けば、少しは賑やかになる筈」
声を顰めて話す俺達に、先程の警備員が苦笑いで話しかけてくる。
「あの…お声も漏れませんので、大丈夫です」
「「「そうなの?!」」」
「王皇族のお話の内容は、その…内政や、外交に関わるものが多いので…」
「そんな話は微塵もしてないですけどね…俺達」
「なら、これからするか?」
「殿下…出来ない事は仰らないで下さいよ…」
「貴族科のお昼は、いつもこの様な感じなの?」
「はい、皇女殿下」
「一刻半の間…ずっと?」
「いえ…食事の、間だけですが…」
「ん?」
「………先程、殿下方が食器が飛ぶと仰られておりましたが…こちらでは、その…時折ではありますが、デザートが出る頃になると、お茶や果汁が……飛び交う事が…」
「…プハッ……アッ、ハハッ……」
「殿下…笑い過ぎだ」
「我々も殿下方と同じく、騎士科の出身です。静かな食事の時間には、ある程度慣れましたが、令嬢方には…未だ慣れず…不甲斐なく思っております」
「不甲斐なくって…あれは無理だろ…」
「その様な事はございません。先日のルシアン殿下も素晴らしい捌きでしたし、演舞の公開練習で拝見した殿下の演説も素晴らしかったです」
「お褒めに預かり光栄だが…私は妹を連れて、逃げただけだよ…」
「あの時の殿下も、丸腰では挑めないって、俺やカイン殿を差し出そうとしましたしね…最後まで食い下がって、醜かったな…」
「黙れ、ネイト。そういう話をしてしていると、そういう事にーー」
「陽の下より、宵闇を好まれる貴女方が、テラス席に何のご用?」
なるんだ…
「この声は、愛しのベルですね」
「庇の影だけでは心許ないでしょう?いつもの席に戻られては?」
「カイン殿が居なくてよかった…」
静かな空間は、人の声がよく響く。
聞こえてきた声に、ユーリは目を輝かせ、ネイトは溜め息を吐いた。
目を向けた先には、テラス席に座るオレリア達と、その前に立つのは数人の令嬢達。
周りの生徒達の食事の手も止まり、殺伐とした雰囲気と、優雅な音楽の乖離が更に場に緊張を与えている。
「私達は、あるお方を探しているのです。貴女方に用はございません」
「殿下が来ている事、知られてますね」
「申し訳ございません…陛下から連絡が入りました故、特別警備となっております。学園長も、おそらく警備の確認に回っているかと…」
深く頭を下げる警備員に苦笑いが漏れる。
陛下から直々に王太子の訪問を告げられれば、学園長も特別警備を敷かざる負えない事は想定済。
「頭を上げてくれ、謝罪も不要だよ。私達も意図せずの訪問となったが、学園長や君達のおかげで、楽しい時間を過ごしている。乾パンではなく、美味い料理も食べられたしね」
「…殿下のお言葉…痛み入ります」
安心した様に顔を上げた警備員だが、階下の安心とはいかない状況に、顔を引き締め直した。
「人探し…それは食事の後でも出来ますわよね?埃を立ててバタバタと…マナー教育を受け直す事をお勧めしますわ」
「食事の後などと、悠長な事を言っていたら、殿下がーー」
「ルシアン殿下は魔術科ですが…?もしかして、私達に道を尋ねにいらしたの?でしたら、食事の後でご案内しますから、お席でお待ちになっていて?」
「何を惚けた事を…皆さんとて、ご存知なのでしょう?フラン様が学園にお見えになられている事はっ!」
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