「レイプ｣

うさぎ

 うさぎは美人の町娘でした。
みんなに美人と言われるけどうさぎはそうは思いませんでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うさぎはお代官様が好きでした。
当時、お代官様といいますと、今のような淫靡な印象ではなく、偉いお方、という印象でした。
お代官様が通ると、うさぎは彼をじっと見つめ立っておりました。
お代官様はうさぎと目が合うたびに目をじっと見つめ、そらしておりました。
お代官様がうさぎを好いてらしたのかは今もわかりません。
お代官様が通ると、皆が頭を地につけましたが、うさぎだけが頭を低くせず、立ち尽くしておりしました。
一度だけ、「なぜ頭を下げないのだ」と言われましたがそれでも頭を地につけることはしませんでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お代官様がいない時、うさぎは水飲み場におりました。
お代官様のおつきの者は、髪を後ろにゆわき刀を刺し、とても美麗でございました。
隣のお方もいいなあと思っておりましたが、またそのお付きのものに目が移りました。
ここで男の人に囲われました。
突然の出来事でありました。
うさぎは輪姦されたのです。
お代官様のお付きのものは、うさぎを見るなり、
「このようなおなごが…」
と困ったご様子でした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お代官様には弟がおりました。
お代官様の弟は言いました。
「私はあの方が心配なんだ、あの、いつも兄上を見ているおなごが…」
「あの方はうさぎというんじゃ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その弟はうさぎを探しておりました。
彼はお代官様とよくにており、とても美しいお顔をしておりました。
ある日、彼と偶然にもお会いしました。
うさぎはとてもうれしかったのに、彼は人混みに呑まれいつのまにかいなくなってしまいました。
それからは、もう二度とお会いすることはありませんでした。
うさぎは彼とまたお会いしたいと切に願っておりました。