7 / 14
第一章 災害からの脱出
第7話 爆発
しおりを挟む
どんなことがあろうとも夜は必ずやってくる。だが、昨日と違う点がある。
周りの空気感、灯りの多さが人々の不安を表しているように感じる。
「大丈夫ですか? トガさん」
「うお! ミナさん! まさか夜這い?」
「違います。 でもよかった。元気そうで! あんなことがあった後なんで、かなりショックを受けていると……」
彼女は何かと僕のことを気にかけてくれる。だが、そんな彼女の顔はかなりやつれているようだった。天使のような人でも、この状況は堪えるようだ。
「何が何だかわかんないですよね。災害が起こって避難生活していたら、今度は化け物が現れちゃったなんて……」
そうつぶやくと、彼女は大粒の涙を落した。今までこらえてきた感情が、とうとうグラスからこぼれてしまったようだ。
「だ 大丈夫ですよ!」
つい咄嗟に出た言葉がすぐに消えた……
「何が大丈夫なんですか!」
何も言い返せなかった。何の保証もない ぼくは死なないから何かあった時は……
「おい、トガショウ! 話がぁ……」
幸か不幸か ハイノメがこの世界をぶち壊してくれた。
ミナさんを落ち着かせた後、僕はハイノメと一緒に、夜の警備をしながら今後について話し合うことにした。
「ごめんなさいね もしかして邪魔した?」
「…いや、むしろ助かったよ。雰囲気最悪だったからさ。」
「なら いっか 」
「しかし 警備しながらとはね……」
「そらそうよ 化け物が出るかもしれないんだから!」
まあ、こんな状況で名乗り出るやつはよっぽどの馬鹿か、勇者かのどちらかだ。
残念ながらもうこの区画にはその様な者はもういない
いや、今この場に2人いるんだった……
「で 話ってなんだ?」
「ちょっと、敬語を使いなさい! 敬語を! あんたは後輩なのよ! ……まあ いいわ 本当なら、すぐに対策課に戻りたいとこだけど、ひとつ問題があるの……」
「ぼく 入るとはいってないけど……」
「ひとつ問題があるの!」
拒否権がないようだ……
「この区画がまた化け物に襲われる可能性が非常に高い。」
「なに! また来るのか!」
つい声を荒げてしまった。
「ちょっと、声がでかい!」
「だったら、上の人に伝えて応援呼んだり……」
「むりね、人手不足なのよ。 それに憶測でしかない だから、私たちで対処する。」
夜もあと半分くらいになってきたころか……ハイノメから聞いた話だと、化け物は夜に出現することが多いらしい。ただ、まだまだ調査が進んでないらしくて、そのことも曖昧だ。
「そういえば、彼女に自分の身体の異変のこと教えてないでしょうね!」
「異変? ああ 言ってないよ。」
異変というのはこの死ななくなった身体の事だろう。
まあ、普通に考えたら引くからな
「このこと伝えたら流石に引かれるだろ! 化け物だーて!」
「………」
ハイノメは急に黙り込んで、どこか悲しい顔をした。なにか気に障ることを言ってしまったか! 確か、ハイノメも能力者なんだよな もしかして……、何かあったのか?
……気まずい
「さ! 夜を越せば生存率がグーンと上がる 頑張りましょう。」
ハイノメもこの空気を察したのか、この言葉を言って気持ちを切り替えた。
長い夜が明け、温かい光が全身を和らげる。
ようやくこの緊張感から解き放たれる。そう思えるだけで、心が軽くなった感じがした。
「ちょっと! 帰るまでが遠足ですよ!」
「はいはい、先生!」
その時だった。
「ギャァァァ」
お天道様の顔が見えてきて、闇が明けた時間帯、
本来なら希望に溢れた時のなか、その不協和音は、この区画中に響き渡った。
周りの空気感、灯りの多さが人々の不安を表しているように感じる。
「大丈夫ですか? トガさん」
「うお! ミナさん! まさか夜這い?」
「違います。 でもよかった。元気そうで! あんなことがあった後なんで、かなりショックを受けていると……」
彼女は何かと僕のことを気にかけてくれる。だが、そんな彼女の顔はかなりやつれているようだった。天使のような人でも、この状況は堪えるようだ。
「何が何だかわかんないですよね。災害が起こって避難生活していたら、今度は化け物が現れちゃったなんて……」
そうつぶやくと、彼女は大粒の涙を落した。今までこらえてきた感情が、とうとうグラスからこぼれてしまったようだ。
「だ 大丈夫ですよ!」
つい咄嗟に出た言葉がすぐに消えた……
「何が大丈夫なんですか!」
何も言い返せなかった。何の保証もない ぼくは死なないから何かあった時は……
「おい、トガショウ! 話がぁ……」
幸か不幸か ハイノメがこの世界をぶち壊してくれた。
ミナさんを落ち着かせた後、僕はハイノメと一緒に、夜の警備をしながら今後について話し合うことにした。
「ごめんなさいね もしかして邪魔した?」
「…いや、むしろ助かったよ。雰囲気最悪だったからさ。」
「なら いっか 」
「しかし 警備しながらとはね……」
「そらそうよ 化け物が出るかもしれないんだから!」
まあ、こんな状況で名乗り出るやつはよっぽどの馬鹿か、勇者かのどちらかだ。
残念ながらもうこの区画にはその様な者はもういない
いや、今この場に2人いるんだった……
「で 話ってなんだ?」
「ちょっと、敬語を使いなさい! 敬語を! あんたは後輩なのよ! ……まあ いいわ 本当なら、すぐに対策課に戻りたいとこだけど、ひとつ問題があるの……」
「ぼく 入るとはいってないけど……」
「ひとつ問題があるの!」
拒否権がないようだ……
「この区画がまた化け物に襲われる可能性が非常に高い。」
「なに! また来るのか!」
つい声を荒げてしまった。
「ちょっと、声がでかい!」
「だったら、上の人に伝えて応援呼んだり……」
「むりね、人手不足なのよ。 それに憶測でしかない だから、私たちで対処する。」
夜もあと半分くらいになってきたころか……ハイノメから聞いた話だと、化け物は夜に出現することが多いらしい。ただ、まだまだ調査が進んでないらしくて、そのことも曖昧だ。
「そういえば、彼女に自分の身体の異変のこと教えてないでしょうね!」
「異変? ああ 言ってないよ。」
異変というのはこの死ななくなった身体の事だろう。
まあ、普通に考えたら引くからな
「このこと伝えたら流石に引かれるだろ! 化け物だーて!」
「………」
ハイノメは急に黙り込んで、どこか悲しい顔をした。なにか気に障ることを言ってしまったか! 確か、ハイノメも能力者なんだよな もしかして……、何かあったのか?
……気まずい
「さ! 夜を越せば生存率がグーンと上がる 頑張りましょう。」
ハイノメもこの空気を察したのか、この言葉を言って気持ちを切り替えた。
長い夜が明け、温かい光が全身を和らげる。
ようやくこの緊張感から解き放たれる。そう思えるだけで、心が軽くなった感じがした。
「ちょっと! 帰るまでが遠足ですよ!」
「はいはい、先生!」
その時だった。
「ギャァァァ」
お天道様の顔が見えてきて、闇が明けた時間帯、
本来なら希望に溢れた時のなか、その不協和音は、この区画中に響き渡った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
最終死発電車
真霜ナオ
ホラー
バイト帰りの大学生・清瀬蒼真は、いつものように終電へと乗り込む。
直後、車体に大きな衝撃が走り、車内の様子は一変していた。
外に出ようとした乗客の一人は身体が溶け出し、おぞましい化け物まで現れる。
生き残るためには、先頭車両を目指すしかないと知る。
「第6回ホラー・ミステリー小説大賞」奨励賞をいただきました!
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる