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XI.オセロのように色を変え続ける【翻雲覆雨、悪逆無道】
Dans le doute, abstiens-toi.
しおりを挟む「……貴方、なんでしょう?」
アリシアから聞いた、全てをこの一言に込めた。
それなのに、まだ余裕なシャルは
目を細めて優しく笑いながら首を傾げる。
「それは、どういう意味かな」
「そのままよ。どう脅したのかまでは知らないけど
私の執事に悪事を働かせるとはいい度胸してるわね、貴方」
一体どこまで卑劣なの。
最早、相手は王子の呪文なんて無い。
こんな男、この帝国の王子じゃない。
レオの実弟なんて、認めない。
「……はっ」
「え?」
「ははっ、あははっ、あはははは!!」
鋭く視線で彼を貫いていたというのに
さして気にしなかったシャルが突然腹を抱えて笑い出した。
「何がおかしいの」
一瞬戸惑いながらも、唸るようにそう咎めれば
はー、と息を整えたシャルが涙を拭いながら私を見た。
「何を勘違いしてるのか分からないけど、
僕は君の執事に脅しなんかしてないよ」
「……なんですって?」
「確かに、君を手に入れる為に彼へ助言をしたことは認めるよ。
でも僕は、間違っても命令なんかしていない」
「は……?」
「さっき自分でも、言ってたじゃないか」
――――“唆した”って。
「文字通り僕は、唆しただけであって、寧ろ強力した側だよ。
あぁでも。罪になることは、してないけどね。
僕がしたのは、君を口説く努力だ」
“僕は法なんか犯していない。後ろの、彼と違って”
シャルの言葉で息が、詰まった。
【疑わしい時はやめておけ】
Dans le doute, abstiens-toi.
(後ろを、振り向けない)
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