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魔法陣から現れた者の正体は....
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〇シン家の赤ちゃん部屋
アイの前に現れたのは、赤ちゃんのブラックドラゴンだった。
空中を優雅に泳いでいた。
「クーピー。私よ私。あなたのご主人様よ」
笑顔でアイが言った。
だが、クーピーはチラリと見た後、無視するように部屋の中を泳いでた。
「もう!! 何で解らないの!!」
「知り合いなの?」
「もちろ・・・・・!!!!」
(そっかー。1回目の時は私の使い魔だったけど、今は2回目だから解らないわけね。それなら)
「よし。クーピーを私の使い魔にするわ」
「ええええええええ∑(°д°)」
「何でそんに驚くのよ?」
「だって、めちゃくちゃ強いブラックドラゴンだよ。
赤ちゃんだけど、S1ランクの強さあるんだよ」
「知ってるわよ。使い魔は強い方が良いでしょ」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑うアイ。
「ダメダメ。失敗したら凄い副作用があるんだから」
「大丈夫。大丈夫。私、失敗なんてしないわ」
「ダメダメダメダメーーーーー( ̄3 ̄)!!
使い魔の儀式は、魔法貴族学校で行うのが1番。
あそこらなら、失敗しても副作用が起こらないから」
必死で止めるペンタ。
「所でペンタ。何で私の後ろに隠れてるわけ?」
「へ?∑( ̄〇 ̄) そ、それは怖いからに決まってるだろ」
赤ちゃんのアイに隠れる様にして、ガクガク震えながら言った。
「ホント。だらしないわね~( ̄▽ ̄)ニヤリ」
「怖いものは、怖いんだもん」
「じゃ~直ぐにクーピーと契約して、
怖くないようにしてあげる( ̄▽ ̄)♪♪」
「どうなっても知らないよ~」
「大丈夫。大丈夫。私に任~せ~な~さ~い♪♪」
胸を叩いて自信満々のアイ。
「サイガ」
アイは目をつぶり、魔法を唱えるとアイの足元に黒い魔法陣が現れ、その魔法陣が小さくなり手の甲に移動した。
「汝、我と契約せよ。ゼン」
アイは目を見開いた。
すると、クーピーが、アイの魔法陣に少しずつ吸い込まれていった。
「おおおお( ̄〇 ̄)!! 凄い凄い!!
契約出来そうだぞ」
短い手を叩いて、大喜びのペンタ。
あと少しで魔法陣の中に入ろうとした時、ベッドにある白いドラゴンが描かれている指輪が光だし、目が赤く光った。
「ぐおおおおおおおん」
クーピーが苦しみだした。
「ど、どうしたの」
慌てるアイ
白いドラゴンの光が更に強くなった。
「ぐぐぐぐぐぐぐ、があああああああ」
クーピーはアイから離れてしまった。
そして、怒った形相のクーピー。
「契約が失敗した? 何で?」
なぜ失敗したか解らない表情で、困惑するアイ。
「ひいいいいいいい。
だから言ったのにーーーーー(×_×)ガクガク」
ペンタは、アイの後ろでガクガク震えながら怖がっていた。
クーピーは、口から黒い炎の塊をアイに攻撃した。
「く、プロテクトセカンド」
アイが魔法を唱えると、目の前にピンク色の大きな十字架が現れた。
黒い炎を防ごうとしたが徐々に押されていった。
「やれれちゃうよ~」
「解ってる。プロテクトサード」
ピンク色の大きな十字架が更に2つ出現した。
そして、クーピーの方にはじき返した。
クーピーは慌てず華麗に避けた。
すると、黒い炎の塊は大きな音で、部屋の天井を突き抜けて消えてしまった。
「はぁはぁはぁはぁ。おかしい。何で失敗したの?
それに、体が凄くだるい。私の魔力が残り少ない証拠」
片膝を付いて肩で息をしていた。
「それはそうだよ。
魔力は成長するにつれて、どんどん大きくなるんだから」
「そうなの? どおりで魔力が少ないわけね」
「ぐああああああん」
クーピーが、吸い込み始めた。
「うううううう」
今度はアイが苦しみ出した。
「どうしたの?」
「手が・・・・」
手の甲に描かれていた黒い魔法陣が光り、クーピーの方に吸い込まれてしまった。
「ゲフーーーー」
クーピーは魔法陣を食べてゲップをした。
そして、満足そうな顔で笑っていた。
「はぁはぁはぁ」
「大丈夫?」
心配そうなペンタ。
アイは手の甲を押されて、うずくまった。
「何の騒ぎだ」
ドアを勢いよく開けた男がいた。
「父上!!」
シン家の当主、サーガーが入ってきたのだ。
「ペンタ。早く帰りなさい」
「でも」
「私は平気。父上に殺されるわよ」
「・・・解った。じゃまたくるね」
ペンタは、申し訳なさそうに消えた。
(ようやく会えたわね。私を死に追いやった張本人。
父は野心家で、大貴族のババル第3公爵に取り入って、
大きな権力を得ようとして謀反に加担したの。
でも、結局失敗に終わって、
シン家は全員処刑され運命になってしまった。
今回は父に謀反を起こさせないようにして、
ギャフンと言わせるわ( ̄〇 ̄)!! )
アイはギロリと睨みつけた。
だが、サーガーは、クーピーに夢中だった。
「ふはははは。素晴らしい。神が与えてくれたチャンスだ。
絶対にこのチャンスを物にする」
「サイガ」
サーガーは目をつぶり、魔法を唱えた。
(これは使い魔と契約する魔法。でも、父には既に使い魔と契約してるはず。どうするんだろう?)
サーガーは見開いて、寝ているミルルと肩で息をしているアイを見比べた。
「汝、我と契約せよ。ゼン ミルル」
ミルル手の甲に黒い魔法陣が出現した。
すると、クーピーが徐々に魔法陣へ吸い込まれていった。
(まさか!!)
驚愕するアイ
「ぐががががが」
抵抗するクーピーだったが、魔法陣の中に取り込まれてしまった。そして、手の甲にある魔法陣が黒いドラゴンの紋章へ変わった。
「成功だ。成功だ。俺は成功したんだ。ハハハハハ
S1ランクの使い魔を手に入れた。
ミルルを駒として使えば、大きな権力を手に入れる可能性が高くなったぞ。ハハハハハ」
サーガーが狂った様に笑っていた。
「今すぐ、試験玉を用意しろ」
「わかったわ」
胸元が開いた色っぽいメイド服を着た使用人のパンスキーに命令した。
(なんてひどい事をする父親なの。
自分の娘を権力の道具にするなんて許せない( ̄△ ̄)!!
ミルルは私の可愛い妹よ!!
それに、クーピーは私の物なのにーーー!!
また、大切な物を奪われてしまった。
どうしたら良いんだろう?)
考え込むアイ。
「旦那様。試験玉を持ってきました」
「よし。ミルルからやれ」
「はいはい」
パンスキーは、透明な丸い水晶玉を寝ているミルルの手に当てた。
水晶が赤色に染まり、黒色でA3の文字が浮かび上がった。
「炎魔法がA3ランク!!いいぞ」
次に、水晶が水色に染まり、A5の文字が浮かび上がった。
「水魔法がA5ランク!!素晴らしい」
その後、水晶が黒色にそまり、S1の文字が浮かんだ。
「く、黒魔法がS1だと!! ハハハハ
やはり、ブラックドラゴンの力は素晴らしい」
大喜びのサーガー
(凄い( ̄〇 ̄)!! 1回目の私より魔法の力は上だわ)
「ちぇ」
パンスキーが、サーガーに解らない様に舌打ちをした。
そして、私が睨んだので、睨み返してきた。
(パンスキーは父の愛人でまだ子供がいないが、
もし子供が出来た時に、能力の高い子供がいると邪魔になるので、私達姉妹に冷たいのだ)
ランクは、C、B、A、S、SSに分けられる。
〇一般的に世間の認識
ランクCは弱い
ランクBは普通
ランクAは強い
ランクSはめちゃくちゃ強い
ランクSSは神
ミルルの水魔法A5ランクは、
Aランクなので上から3番目の強さだけど普通に強い部類。
更にAランクを分けると低い順から、1、2、3、4、5に分けられる。
A5なので、Aの中で1番強い強さになる。
==========================================
◎ランクの強さ
C<B<A<S<SS
C1<C2<C3<C4<C5<B1<B2<B3<B4<B5<
A1<A2<A3<A4<A5<S1<S2<S3<S4<S5<
SS1<SS2<SS3<SS4<SS5
例 ○C5とS5はどっちが強い?
・S5の方が強い
○S1とS5はどっちが強い?
・S5の方が強い
◎ランク数
SSランク1% 神
Sランク 9% めちゃくちゃ強い
Aランク20% 強い
Bランク30% 普通
Cランク40% 弱い
例
Aランクの数は全体の20%
==========================================
「ついでに、アイのもやれ」
「わかってるわよ」
パンスキーは怒り気味に言った。
アイの手を乱暴に透明な丸い水晶玉にのせた。
「・・・・・・・」
しばらく経っても、何も変わらなかった。
「これはどうゆう事だ?」
「フフフフ。旦那様~。
どうやら魔法が使えないようです~よ♪♪」
嬉しそうに言うパンスキー。
(はい? 何を言ってるの?
私さっきまで魔法を使えたんですけどね。
試験玉の故障だな。仕方ない。魔法を唱えてあげよう!!
ばれない様に小声でやろう~っと(^〇^)♪♪)
「ファイ」
「・・・・・・」
「ファイ」
「・・・・・・」
「ファイファイファイファイファイ」
「・・・・・・」
何も起きなかった。
(私、、、、魔法が使えなくなっている(TдT)。
でも、どうして? ・・・・・もしかして、
契約失敗の副作用で、クーピーに魔力を奪われたから?)
自分の甲を見た。
(私の魔力を食べたクーピーが、ミルルの使い魔になったので、ミルルの魔力がUPしたんじゃ?)
ミルルの方を見るアイ。
(ミルルは1回目の時は、私より魔力が弱かったから間違いない。私の魔力がミルルに取られてしまった。
どうしようこれから~(×_×)ガックリ)
落ち込むアイ。
「殺せ」
「!!!!!!」
(はい? ∑(°〇°) 今なんと?)
信じられ言葉を聞いてしまったアイ。
「アイを殺せ」
「良いの殺して~♪♪」
嬉しそうなパンスキー。
「ああ。構わん。シン家には魔法が使えない用無しはいらん」
(何を言ってのバカ親父は?)
アイが文句を言おうとした時に、扉から一人の女性が入って来た。
「何を言っての。あなた。私達の大事な子供よ」
アイのお母さんが現れた。
「貴族では当たり前の魔法が使えないんだぞ」
「でも、殺す事ないでしょ」
「いや。これが世間に知られたら、俺は周りから笑い者になってしまう」
「そんな事気にする必要はないわ」
「もう決定だ。グリル出て来い」
「ハイ。旦那様」
黒い鎧の上にメイド服を来て、黒髪で目の所に赤いハチマキを巻いた女性が現れた。
「アイを処分しろ」
「ハイ。解りました」
「あなたーーーー。一生のお願いよ。許してあげて」
サーガーに泣きついた。
「はいはい。邪魔をしちゃダメですよ。奥様~♪♪」
パンスキーは、不敵な笑みで奥様を引き離した。
「グリル。地下室でやれ」
「ハ!!」
グリルはアイに近づいた。
(まずい。まずい。まず~~~~い。
このままだと本当に死んでしま~~~~う(TдT)!!
魔法が使えないから、リベンジ魔法を使ってやり直す事も出来ない。
しかも、クーピーに魔法を取られたので、体が言う事聞かない。どうしよ~う)
グリルはアイを抱き上げた。
アイは必死にバタバタ抵抗したが、逃げる事が出来なった。
「ワープ。地下室」
グリルはアイを抱えて消えてしまった。
「アイーーーーーーーーーーーーーー!!」
悲痛な母の叫び声だった。
〇地下室
アイが気づいた時は、テーブルの上に寝かされて、身動きが取れない状態になった。
そして、グリルが剣を抜いて振り上げて、アイを斬ろうとした瞬間。
「ちょっと待ったーーー( ̄〇 ̄)!!」
「!!!!!!」
剣がピッタと止まった。
「グリル。私の話を聞いてよ」
「あ、赤ちゃんが喋った」
赤いハチマキをしているので、目の表情は解らないが口をあんぐり開いてビックリしていた∑(°д°)
「そんなに、驚かなくても」
「アイ様をどうした? 魔物めー」
「本物のアイよ」
「赤ん坊が、話せるわけないでしょ?」
「私の特殊能力よ」
「特殊能力?」
疑いの目で見るグリル。
「他にもあるは、あなたの事をよ~~く知っているわ」
・・・・・
(だって、1回目の時、側近の1人だからね。
色々知っているんだな~( ̄▽ ̄)/)
「言ってみなさい」
「グリル、珍しい食べ物好きでしょ?」
「!!!!」
∑( ̄〇 ̄)ドッキっとした表情になった。
「ある物を薄く切って油で揚げた後に、
塩で味付けすれば完成するお菓子って知ってる?」
「いや、解らない。何?」
「教えて揚げても良いけど、まずは身動きが出来る状態にしてくれたら、教えても良いわ?」
「それはダメ」
「じゃ~。私を殺したら一生食べれないでしょうね~」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑う。
「うぬぬぬぬぬぬぬ」
必死に悩むグリル。
(( ̄▽ ̄)フフフ。食べたいはず。だって私が作ってあげた物の中で、1番気に入っていた物だからね( ̄▽ ̄)ニヤリ)
「警戒しなくても良いはずよ。
だって私、魔法が使えないんだもん。
様子を見てたから解るでしょ?」
「う~~~ん」
腕組みをして考える。
「それとも、防衛隊長ともあろう人が、丸腰の赤ちゃんである私が怖いの?」
グリルを挑発した。
「何!! 全く怖くない。怖くない」
首を左右に振った。
「じゃ。解放してよ」
「解った。その代わり、さっきの教えて」
「良いわよ」
「カイ」
グリルが魔法を唱えると、アイは自由に動く事が出来た。
「約束は守った。早く教えなさい。早く」
「そんなに焦らないでよ。ちゃんと話すからさ~
それはね、ポテトチップスと言うお菓子。
材料は、じゃがいもよ」
「じゃがいもで作れるの?」
嬉しそうな表情で聞いた。
「そうよ。さっき言ったやり方をすれば出来るわ」
「なるほど。良い事を聞かせて貰った。
それでは死んで貰う」
剣をアイの顔に向けた。
「ねぇ。グリル。私と取引しない?」
慌てる様子もなく、( ̄▽ ̄)ニヤリと笑うアイだった。
アイの前に現れたのは、赤ちゃんのブラックドラゴンだった。
空中を優雅に泳いでいた。
「クーピー。私よ私。あなたのご主人様よ」
笑顔でアイが言った。
だが、クーピーはチラリと見た後、無視するように部屋の中を泳いでた。
「もう!! 何で解らないの!!」
「知り合いなの?」
「もちろ・・・・・!!!!」
(そっかー。1回目の時は私の使い魔だったけど、今は2回目だから解らないわけね。それなら)
「よし。クーピーを私の使い魔にするわ」
「ええええええええ∑(°д°)」
「何でそんに驚くのよ?」
「だって、めちゃくちゃ強いブラックドラゴンだよ。
赤ちゃんだけど、S1ランクの強さあるんだよ」
「知ってるわよ。使い魔は強い方が良いでしょ」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑うアイ。
「ダメダメ。失敗したら凄い副作用があるんだから」
「大丈夫。大丈夫。私、失敗なんてしないわ」
「ダメダメダメダメーーーーー( ̄3 ̄)!!
使い魔の儀式は、魔法貴族学校で行うのが1番。
あそこらなら、失敗しても副作用が起こらないから」
必死で止めるペンタ。
「所でペンタ。何で私の後ろに隠れてるわけ?」
「へ?∑( ̄〇 ̄) そ、それは怖いからに決まってるだろ」
赤ちゃんのアイに隠れる様にして、ガクガク震えながら言った。
「ホント。だらしないわね~( ̄▽ ̄)ニヤリ」
「怖いものは、怖いんだもん」
「じゃ~直ぐにクーピーと契約して、
怖くないようにしてあげる( ̄▽ ̄)♪♪」
「どうなっても知らないよ~」
「大丈夫。大丈夫。私に任~せ~な~さ~い♪♪」
胸を叩いて自信満々のアイ。
「サイガ」
アイは目をつぶり、魔法を唱えるとアイの足元に黒い魔法陣が現れ、その魔法陣が小さくなり手の甲に移動した。
「汝、我と契約せよ。ゼン」
アイは目を見開いた。
すると、クーピーが、アイの魔法陣に少しずつ吸い込まれていった。
「おおおお( ̄〇 ̄)!! 凄い凄い!!
契約出来そうだぞ」
短い手を叩いて、大喜びのペンタ。
あと少しで魔法陣の中に入ろうとした時、ベッドにある白いドラゴンが描かれている指輪が光だし、目が赤く光った。
「ぐおおおおおおおん」
クーピーが苦しみだした。
「ど、どうしたの」
慌てるアイ
白いドラゴンの光が更に強くなった。
「ぐぐぐぐぐぐぐ、があああああああ」
クーピーはアイから離れてしまった。
そして、怒った形相のクーピー。
「契約が失敗した? 何で?」
なぜ失敗したか解らない表情で、困惑するアイ。
「ひいいいいいいい。
だから言ったのにーーーーー(×_×)ガクガク」
ペンタは、アイの後ろでガクガク震えながら怖がっていた。
クーピーは、口から黒い炎の塊をアイに攻撃した。
「く、プロテクトセカンド」
アイが魔法を唱えると、目の前にピンク色の大きな十字架が現れた。
黒い炎を防ごうとしたが徐々に押されていった。
「やれれちゃうよ~」
「解ってる。プロテクトサード」
ピンク色の大きな十字架が更に2つ出現した。
そして、クーピーの方にはじき返した。
クーピーは慌てず華麗に避けた。
すると、黒い炎の塊は大きな音で、部屋の天井を突き抜けて消えてしまった。
「はぁはぁはぁはぁ。おかしい。何で失敗したの?
それに、体が凄くだるい。私の魔力が残り少ない証拠」
片膝を付いて肩で息をしていた。
「それはそうだよ。
魔力は成長するにつれて、どんどん大きくなるんだから」
「そうなの? どおりで魔力が少ないわけね」
「ぐああああああん」
クーピーが、吸い込み始めた。
「うううううう」
今度はアイが苦しみ出した。
「どうしたの?」
「手が・・・・」
手の甲に描かれていた黒い魔法陣が光り、クーピーの方に吸い込まれてしまった。
「ゲフーーーー」
クーピーは魔法陣を食べてゲップをした。
そして、満足そうな顔で笑っていた。
「はぁはぁはぁ」
「大丈夫?」
心配そうなペンタ。
アイは手の甲を押されて、うずくまった。
「何の騒ぎだ」
ドアを勢いよく開けた男がいた。
「父上!!」
シン家の当主、サーガーが入ってきたのだ。
「ペンタ。早く帰りなさい」
「でも」
「私は平気。父上に殺されるわよ」
「・・・解った。じゃまたくるね」
ペンタは、申し訳なさそうに消えた。
(ようやく会えたわね。私を死に追いやった張本人。
父は野心家で、大貴族のババル第3公爵に取り入って、
大きな権力を得ようとして謀反に加担したの。
でも、結局失敗に終わって、
シン家は全員処刑され運命になってしまった。
今回は父に謀反を起こさせないようにして、
ギャフンと言わせるわ( ̄〇 ̄)!! )
アイはギロリと睨みつけた。
だが、サーガーは、クーピーに夢中だった。
「ふはははは。素晴らしい。神が与えてくれたチャンスだ。
絶対にこのチャンスを物にする」
「サイガ」
サーガーは目をつぶり、魔法を唱えた。
(これは使い魔と契約する魔法。でも、父には既に使い魔と契約してるはず。どうするんだろう?)
サーガーは見開いて、寝ているミルルと肩で息をしているアイを見比べた。
「汝、我と契約せよ。ゼン ミルル」
ミルル手の甲に黒い魔法陣が出現した。
すると、クーピーが徐々に魔法陣へ吸い込まれていった。
(まさか!!)
驚愕するアイ
「ぐががががが」
抵抗するクーピーだったが、魔法陣の中に取り込まれてしまった。そして、手の甲にある魔法陣が黒いドラゴンの紋章へ変わった。
「成功だ。成功だ。俺は成功したんだ。ハハハハハ
S1ランクの使い魔を手に入れた。
ミルルを駒として使えば、大きな権力を手に入れる可能性が高くなったぞ。ハハハハハ」
サーガーが狂った様に笑っていた。
「今すぐ、試験玉を用意しろ」
「わかったわ」
胸元が開いた色っぽいメイド服を着た使用人のパンスキーに命令した。
(なんてひどい事をする父親なの。
自分の娘を権力の道具にするなんて許せない( ̄△ ̄)!!
ミルルは私の可愛い妹よ!!
それに、クーピーは私の物なのにーーー!!
また、大切な物を奪われてしまった。
どうしたら良いんだろう?)
考え込むアイ。
「旦那様。試験玉を持ってきました」
「よし。ミルルからやれ」
「はいはい」
パンスキーは、透明な丸い水晶玉を寝ているミルルの手に当てた。
水晶が赤色に染まり、黒色でA3の文字が浮かび上がった。
「炎魔法がA3ランク!!いいぞ」
次に、水晶が水色に染まり、A5の文字が浮かび上がった。
「水魔法がA5ランク!!素晴らしい」
その後、水晶が黒色にそまり、S1の文字が浮かんだ。
「く、黒魔法がS1だと!! ハハハハ
やはり、ブラックドラゴンの力は素晴らしい」
大喜びのサーガー
(凄い( ̄〇 ̄)!! 1回目の私より魔法の力は上だわ)
「ちぇ」
パンスキーが、サーガーに解らない様に舌打ちをした。
そして、私が睨んだので、睨み返してきた。
(パンスキーは父の愛人でまだ子供がいないが、
もし子供が出来た時に、能力の高い子供がいると邪魔になるので、私達姉妹に冷たいのだ)
ランクは、C、B、A、S、SSに分けられる。
〇一般的に世間の認識
ランクCは弱い
ランクBは普通
ランクAは強い
ランクSはめちゃくちゃ強い
ランクSSは神
ミルルの水魔法A5ランクは、
Aランクなので上から3番目の強さだけど普通に強い部類。
更にAランクを分けると低い順から、1、2、3、4、5に分けられる。
A5なので、Aの中で1番強い強さになる。
==========================================
◎ランクの強さ
C<B<A<S<SS
C1<C2<C3<C4<C5<B1<B2<B3<B4<B5<
A1<A2<A3<A4<A5<S1<S2<S3<S4<S5<
SS1<SS2<SS3<SS4<SS5
例 ○C5とS5はどっちが強い?
・S5の方が強い
○S1とS5はどっちが強い?
・S5の方が強い
◎ランク数
SSランク1% 神
Sランク 9% めちゃくちゃ強い
Aランク20% 強い
Bランク30% 普通
Cランク40% 弱い
例
Aランクの数は全体の20%
==========================================
「ついでに、アイのもやれ」
「わかってるわよ」
パンスキーは怒り気味に言った。
アイの手を乱暴に透明な丸い水晶玉にのせた。
「・・・・・・・」
しばらく経っても、何も変わらなかった。
「これはどうゆう事だ?」
「フフフフ。旦那様~。
どうやら魔法が使えないようです~よ♪♪」
嬉しそうに言うパンスキー。
(はい? 何を言ってるの?
私さっきまで魔法を使えたんですけどね。
試験玉の故障だな。仕方ない。魔法を唱えてあげよう!!
ばれない様に小声でやろう~っと(^〇^)♪♪)
「ファイ」
「・・・・・・」
「ファイ」
「・・・・・・」
「ファイファイファイファイファイ」
「・・・・・・」
何も起きなかった。
(私、、、、魔法が使えなくなっている(TдT)。
でも、どうして? ・・・・・もしかして、
契約失敗の副作用で、クーピーに魔力を奪われたから?)
自分の甲を見た。
(私の魔力を食べたクーピーが、ミルルの使い魔になったので、ミルルの魔力がUPしたんじゃ?)
ミルルの方を見るアイ。
(ミルルは1回目の時は、私より魔力が弱かったから間違いない。私の魔力がミルルに取られてしまった。
どうしようこれから~(×_×)ガックリ)
落ち込むアイ。
「殺せ」
「!!!!!!」
(はい? ∑(°〇°) 今なんと?)
信じられ言葉を聞いてしまったアイ。
「アイを殺せ」
「良いの殺して~♪♪」
嬉しそうなパンスキー。
「ああ。構わん。シン家には魔法が使えない用無しはいらん」
(何を言ってのバカ親父は?)
アイが文句を言おうとした時に、扉から一人の女性が入って来た。
「何を言っての。あなた。私達の大事な子供よ」
アイのお母さんが現れた。
「貴族では当たり前の魔法が使えないんだぞ」
「でも、殺す事ないでしょ」
「いや。これが世間に知られたら、俺は周りから笑い者になってしまう」
「そんな事気にする必要はないわ」
「もう決定だ。グリル出て来い」
「ハイ。旦那様」
黒い鎧の上にメイド服を来て、黒髪で目の所に赤いハチマキを巻いた女性が現れた。
「アイを処分しろ」
「ハイ。解りました」
「あなたーーーー。一生のお願いよ。許してあげて」
サーガーに泣きついた。
「はいはい。邪魔をしちゃダメですよ。奥様~♪♪」
パンスキーは、不敵な笑みで奥様を引き離した。
「グリル。地下室でやれ」
「ハ!!」
グリルはアイに近づいた。
(まずい。まずい。まず~~~~い。
このままだと本当に死んでしま~~~~う(TдT)!!
魔法が使えないから、リベンジ魔法を使ってやり直す事も出来ない。
しかも、クーピーに魔法を取られたので、体が言う事聞かない。どうしよ~う)
グリルはアイを抱き上げた。
アイは必死にバタバタ抵抗したが、逃げる事が出来なった。
「ワープ。地下室」
グリルはアイを抱えて消えてしまった。
「アイーーーーーーーーーーーーーー!!」
悲痛な母の叫び声だった。
〇地下室
アイが気づいた時は、テーブルの上に寝かされて、身動きが取れない状態になった。
そして、グリルが剣を抜いて振り上げて、アイを斬ろうとした瞬間。
「ちょっと待ったーーー( ̄〇 ̄)!!」
「!!!!!!」
剣がピッタと止まった。
「グリル。私の話を聞いてよ」
「あ、赤ちゃんが喋った」
赤いハチマキをしているので、目の表情は解らないが口をあんぐり開いてビックリしていた∑(°д°)
「そんなに、驚かなくても」
「アイ様をどうした? 魔物めー」
「本物のアイよ」
「赤ん坊が、話せるわけないでしょ?」
「私の特殊能力よ」
「特殊能力?」
疑いの目で見るグリル。
「他にもあるは、あなたの事をよ~~く知っているわ」
・・・・・
(だって、1回目の時、側近の1人だからね。
色々知っているんだな~( ̄▽ ̄)/)
「言ってみなさい」
「グリル、珍しい食べ物好きでしょ?」
「!!!!」
∑( ̄〇 ̄)ドッキっとした表情になった。
「ある物を薄く切って油で揚げた後に、
塩で味付けすれば完成するお菓子って知ってる?」
「いや、解らない。何?」
「教えて揚げても良いけど、まずは身動きが出来る状態にしてくれたら、教えても良いわ?」
「それはダメ」
「じゃ~。私を殺したら一生食べれないでしょうね~」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑う。
「うぬぬぬぬぬぬぬ」
必死に悩むグリル。
(( ̄▽ ̄)フフフ。食べたいはず。だって私が作ってあげた物の中で、1番気に入っていた物だからね( ̄▽ ̄)ニヤリ)
「警戒しなくても良いはずよ。
だって私、魔法が使えないんだもん。
様子を見てたから解るでしょ?」
「う~~~ん」
腕組みをして考える。
「それとも、防衛隊長ともあろう人が、丸腰の赤ちゃんである私が怖いの?」
グリルを挑発した。
「何!! 全く怖くない。怖くない」
首を左右に振った。
「じゃ。解放してよ」
「解った。その代わり、さっきの教えて」
「良いわよ」
「カイ」
グリルが魔法を唱えると、アイは自由に動く事が出来た。
「約束は守った。早く教えなさい。早く」
「そんなに焦らないでよ。ちゃんと話すからさ~
それはね、ポテトチップスと言うお菓子。
材料は、じゃがいもよ」
「じゃがいもで作れるの?」
嬉しそうな表情で聞いた。
「そうよ。さっき言ったやり方をすれば出来るわ」
「なるほど。良い事を聞かせて貰った。
それでは死んで貰う」
剣をアイの顔に向けた。
「ねぇ。グリル。私と取引しない?」
慌てる様子もなく、( ̄▽ ̄)ニヤリと笑うアイだった。
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