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魔法陣から現れた者の正体は....

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〇シン家の赤ちゃん部屋

アイの前に現れたのは、赤ちゃんのブラックドラゴンだった。
空中を優雅に泳いでいた。

「クーピー。私よ私。あなたのご主人様よ」
笑顔でアイが言った。
だが、クーピーはチラリと見た後、無視するように部屋の中を泳いでた。

「もう!! 何で解らないの!!」
「知り合いなの?」
「もちろ・・・・・!!!!」

(そっかー。1回目の時は私の使い魔だったけど、今は2回目だから解らないわけね。それなら)

「よし。クーピーを私の使い魔にするわ」
「ええええええええ∑(°д°)」
「何でそんに驚くのよ?」

「だって、めちゃくちゃ強いブラックドラゴンだよ。
 赤ちゃんだけど、S1ランクの強さあるんだよ」
「知ってるわよ。使い魔は強い方が良いでしょ」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑うアイ。

「ダメダメ。失敗したら凄い副作用があるんだから」
「大丈夫。大丈夫。私、失敗なんてしないわ」
「ダメダメダメダメーーーーー( ̄3 ̄)!!
 使い魔の儀式は、魔法貴族学校で行うのが1番。
 あそこらなら、失敗しても副作用が起こらないから」
必死で止めるペンタ。

「所でペンタ。何で私の後ろに隠れてるわけ?」
「へ?∑( ̄〇 ̄) そ、それは怖いからに決まってるだろ」
赤ちゃんのアイに隠れる様にして、ガクガク震えながら言った。

「ホント。だらしないわね~( ̄▽ ̄)ニヤリ」
「怖いものは、怖いんだもん」
「じゃ~直ぐにクーピーと契約して、
 怖くないようにしてあげる( ̄▽ ̄)♪♪」
「どうなっても知らないよ~」
「大丈夫。大丈夫。私に任~せ~な~さ~い♪♪」
胸を叩いて自信満々のアイ。

「サイガ」
アイは目をつぶり、魔法を唱えるとアイの足元に黒い魔法陣が現れ、その魔法陣が小さくなり手の甲に移動した。

なんじ、我と契約せよ。ゼン」
アイは目を見開いた。
すると、クーピーが、アイの魔法陣に少しずつ吸い込まれていった。

「おおおお( ̄〇 ̄)!! 凄い凄い!! 
 契約出来そうだぞ」
短い手を叩いて、大喜びのペンタ。

あと少しで魔法陣の中に入ろうとした時、ベッドにある白いドラゴンが描かれている指輪が光だし、目が赤く光った。

「ぐおおおおおおおん」
クーピーが苦しみだした。

「ど、どうしたの」
慌てるアイ

白いドラゴンの光が更に強くなった。

「ぐぐぐぐぐぐぐ、があああああああ」
クーピーはアイから離れてしまった。
そして、怒った形相のクーピー。

「契約が失敗した? 何で?」
なぜ失敗したか解らない表情で、困惑するアイ。

「ひいいいいいいい。
 だから言ったのにーーーーー(×_×)ガクガク」
ペンタは、アイの後ろでガクガク震えながら怖がっていた。
クーピーは、口から黒い炎の塊をアイに攻撃した。

「く、プロテクトセカンド」
アイが魔法を唱えると、目の前にピンク色の大きな十字架が現れた。
黒い炎を防ごうとしたが徐々に押されていった。

「やれれちゃうよ~」
「解ってる。プロテクトサード」
ピンク色の大きな十字架が更に2つ出現した。
そして、クーピーの方にはじき返した。
クーピーは慌てず華麗に避けた。

すると、黒い炎の塊は大きな音で、部屋の天井を突き抜けて消えてしまった。

「はぁはぁはぁはぁ。おかしい。何で失敗したの?
 それに、体が凄くだるい。私の魔力が残り少ない証拠」
片膝を付いて肩で息をしていた。

「それはそうだよ。
 魔力は成長するにつれて、どんどん大きくなるんだから」
「そうなの? どおりで魔力が少ないわけね」

「ぐああああああん」
クーピーが、吸い込み始めた。

「うううううう」
今度はアイが苦しみ出した。

「どうしたの?」
「手が・・・・」
手の甲に描かれていた黒い魔法陣が光り、クーピーの方に吸い込まれてしまった。

「ゲフーーーー」
クーピーは魔法陣を食べてゲップをした。
そして、満足そうな顔で笑っていた。

「はぁはぁはぁ」
「大丈夫?」
心配そうなペンタ。
アイは手の甲を押されて、うずくまった。

「何の騒ぎだ」
ドアを勢いよく開けた男がいた。

「父上!!」
シン家の当主、サーガーが入ってきたのだ。

「ペンタ。早く帰りなさい」
「でも」
「私は平気。父上に殺されるわよ」
「・・・解った。じゃまたくるね」
ペンタは、申し訳なさそうに消えた。

(ようやく会えたわね。私を死に追いやった張本人。
 父は野心家で、大貴族のババル第3公爵に取り入って、
 大きな権力を得ようとして謀反に加担したの。
 
 でも、結局失敗に終わって、
 シン家は全員処刑され運命になってしまった。
 
 今回は父に謀反を起こさせないようにして、
 ギャフンと言わせるわ( ̄〇 ̄)!! )
アイはギロリと睨みつけた。

だが、サーガーは、クーピーに夢中だった。

「ふはははは。素晴らしい。神が与えてくれたチャンスだ。
 絶対にこのチャンスを物にする」

「サイガ」
サーガーは目をつぶり、魔法を唱えた。

(これは使い魔と契約する魔法。でも、父には既に使い魔と契約してるはず。どうするんだろう?)

サーガーは見開いて、寝ているミルルと肩で息をしているアイを見比べた。

なんじ、我と契約せよ。ゼン ミルル」
ミルル手の甲に黒い魔法陣が出現した。
すると、クーピーが徐々に魔法陣へ吸い込まれていった。

(まさか!!)
驚愕するアイ

「ぐががががが」
抵抗するクーピーだったが、魔法陣の中に取り込まれてしまった。そして、手の甲にある魔法陣が黒いドラゴンの紋章へ変わった。

「成功だ。成功だ。俺は成功したんだ。ハハハハハ
 S1ランクの使い魔を手に入れた。
 ミルルを駒として使えば、大きな権力を手に入れる可能性が高くなったぞ。ハハハハハ」
サーガーが狂った様に笑っていた。

「今すぐ、試験玉を用意しろ」
「わかったわ」
胸元が開いた色っぽいメイド服を着た使用人のパンスキーに命令した。

(なんてひどい事をする父親なの。
 自分の娘を権力の道具にするなんて許せない( ̄△ ̄)!!
 ミルルは私の可愛い妹よ!!
 
 それに、クーピーは私の物なのにーーー!!
 また、大切な物を奪われてしまった。
 どうしたら良いんだろう?)
考え込むアイ。

「旦那様。試験玉を持ってきました」
「よし。ミルルからやれ」
「はいはい」
パンスキーは、透明な丸い水晶玉を寝ているミルルの手に当てた。

水晶が赤色に染まり、黒色でA3の文字が浮かび上がった。
「炎魔法がA3ランク!!いいぞ」

次に、水晶が水色に染まり、A5の文字が浮かび上がった。
「水魔法がA5ランク!!素晴らしい」

その後、水晶が黒色にそまり、S1の文字が浮かんだ。
「く、黒魔法がS1だと!! ハハハハ
 やはり、ブラックドラゴンの力は素晴らしい」
大喜びのサーガー

(凄い( ̄〇 ̄)!! 1回目の私より魔法の力は上だわ)

「ちぇ」
パンスキーが、サーガーに解らない様に舌打ちをした。
そして、私が睨んだので、睨み返してきた。

(パンスキーは父の愛人でまだ子供がいないが、
 もし子供が出来た時に、能力の高い子供がいると邪魔になるので、私達姉妹に冷たいのだ)

 ランクは、C、B、A、S、SSに分けられる。
 
 〇一般的に世間の認識
  ランクCは弱い
  ランクBは普通
  ランクAは強い
  ランクSはめちゃくちゃ強い
  ランクSSは神

 ミルルの水魔法A5ランクは、
 Aランクなので上から3番目の強さだけど普通に強い部類。

 更にAランクを分けると低い順から、1、2、3、4、5に分けられる。
 A5なので、Aの中で1番強い強さになる。
 
==========================================
◎ランクの強さ
 C<B<A<S<SS

 C1<C2<C3<C4<C5<B1<B2<B3<B4<B5<
 A1<A2<A3<A4<A5<S1<S2<S3<S4<S5<
 SS1<SS2<SS3<SS4<SS5

 例 ○C5とS5はどっちが強い?
   ・S5の方が強い
    
   ○S1とS5はどっちが強い?
   ・S5の方が強い

◎ランク数
 SSランク1% 神
 Sランク 9% めちゃくちゃ強い
 Aランク20% 強い
 Bランク30% 普通
 Cランク40% 弱い

 例
 Aランクの数は全体の20%
==========================================

「ついでに、アイのもやれ」
「わかってるわよ」
パンスキーは怒り気味に言った。

アイの手を乱暴に透明な丸い水晶玉にのせた。
「・・・・・・・」

しばらく経っても、何も変わらなかった。
「これはどうゆう事だ?」
「フフフフ。旦那様~。
 どうやら魔法が使えないようです~よ♪♪」
嬉しそうに言うパンスキー。

(はい? 何を言ってるの? 
 私さっきまで魔法を使えたんですけどね。
 試験玉の故障だな。仕方ない。魔法を唱えてあげよう!!
 ばれない様に小声でやろう~っと(^〇^)♪♪)
 
「ファイ」
「・・・・・・」
「ファイ」
「・・・・・・」
「ファイファイファイファイファイ」
「・・・・・・」
何も起きなかった。

(私、、、、魔法が使えなくなっている(TдT)。
 でも、どうして? ・・・・・もしかして、
 契約失敗の副作用で、クーピーに魔力を奪われたから?)
自分の甲を見た。

(私の魔力を食べたクーピーが、ミルルの使い魔になったので、ミルルの魔力がUPしたんじゃ?)
ミルルの方を見るアイ。

(ミルルは1回目の時は、私より魔力が弱かったから間違いない。私の魔力がミルルに取られてしまった。
 どうしようこれから~(×_×)ガックリ)
落ち込むアイ。

「殺せ」
「!!!!!!」

(はい? ∑(°〇°) 今なんと?)
信じられ言葉を聞いてしまったアイ。

「アイを殺せ」
「良いの殺して~♪♪」
嬉しそうなパンスキー。

「ああ。構わん。シン家には魔法が使えない用無しはいらん」

(何を言ってのバカ親父は?)
アイが文句を言おうとした時に、扉から一人の女性が入って来た。

「何を言っての。あなた。私達の大事な子供よ」
アイのお母さんが現れた。

「貴族では当たり前の魔法が使えないんだぞ」
「でも、殺す事ないでしょ」
「いや。これが世間に知られたら、俺は周りから笑い者になってしまう」
「そんな事気にする必要はないわ」
「もう決定だ。グリル出て来い」

「ハイ。旦那様」
黒い鎧の上にメイド服を来て、黒髪で目の所に赤いハチマキを巻いた女性が現れた。

「アイを処分しろ」
「ハイ。解りました」
「あなたーーーー。一生のお願いよ。許してあげて」
サーガーに泣きついた。

「はいはい。邪魔をしちゃダメですよ。奥様~♪♪」
パンスキーは、不敵な笑みで奥様を引き離した。

「グリル。地下室でやれ」
「ハ!!」
グリルはアイに近づいた。

(まずい。まずい。まず~~~~い。
 このままだと本当に死んでしま~~~~う(TдT)!! 
 
 魔法が使えないから、リベンジ魔法を使ってやり直す事も出来ない。
 
 しかも、クーピーに魔法を取られたので、体が言う事聞かない。どうしよ~う)
 
グリルはアイを抱き上げた。
アイは必死にバタバタ抵抗したが、逃げる事が出来なった。

「ワープ。地下室」
グリルはアイを抱えて消えてしまった。

「アイーーーーーーーーーーーーーー!!」
悲痛な母の叫び声だった。


〇地下室

アイが気づいた時は、テーブルの上に寝かされて、身動きが取れない状態になった。

そして、グリルが剣を抜いて振り上げて、アイを斬ろうとした瞬間。

「ちょっと待ったーーー( ̄〇 ̄)!!」
「!!!!!!」
剣がピッタと止まった。

「グリル。私の話を聞いてよ」
「あ、赤ちゃんが喋った」
赤いハチマキをしているので、目の表情は解らないが口をあんぐり開いてビックリしていた∑(°д°)

「そんなに、驚かなくても」
「アイ様をどうした? 魔物めー」
「本物のアイよ」
「赤ん坊が、話せるわけないでしょ?」
「私の特殊能力よ」
「特殊能力?」
疑いの目で見るグリル。

「他にもあるは、あなたの事をよ~~く知っているわ」
           ・・・・・
(だって、1回目の時、側近の1人だからね。
 色々知っているんだな~( ̄▽ ̄)/)

「言ってみなさい」
「グリル、珍しい食べ物好きでしょ?」
「!!!!」
∑( ̄〇 ̄)ドッキっとした表情になった。

「ある物を薄く切って油で揚げた後に、
 塩で味付けすれば完成するお菓子って知ってる?」
「いや、解らない。何?」

「教えて揚げても良いけど、まずは身動きが出来る状態にしてくれたら、教えても良いわ?」

「それはダメ」
「じゃ~。私を殺したら一生食べれないでしょうね~」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑う。

「うぬぬぬぬぬぬぬ」
必死に悩むグリル。

(( ̄▽ ̄)フフフ。食べたいはず。だって私が作ってあげた物の中で、1番気に入っていた物だからね( ̄▽ ̄)ニヤリ)

「警戒しなくても良いはずよ。
 だって私、魔法が使えないんだもん。
 様子を見てたから解るでしょ?」
「う~~~ん」
腕組みをして考える。

「それとも、防衛隊長ともあろう人が、丸腰の赤ちゃんである私が怖いの?」
グリルを挑発した。

「何!! 全く怖くない。怖くない」
首を左右に振った。

「じゃ。解放してよ」
「解った。その代わり、さっきの教えて」
「良いわよ」
「カイ」
グリルが魔法を唱えると、アイは自由に動く事が出来た。

「約束は守った。早く教えなさい。早く」
「そんなに焦らないでよ。ちゃんと話すからさ~
 それはね、ポテトチップスと言うお菓子。
 材料は、じゃがいもよ」
「じゃがいもで作れるの?」
嬉しそうな表情で聞いた。

「そうよ。さっき言ったやり方をすれば出来るわ」
「なるほど。良い事を聞かせて貰った。
 それでは死んで貰う」
剣をアイの顔に向けた。

「ねぇ。グリル。私と取引しない?」
慌てる様子もなく、( ̄▽ ̄)ニヤリと笑うアイだった。
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