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真田幸村編
【真田幸村編】2.周りは敵ばかり
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○ララの部屋
「失礼します」
リンが部屋に入ってきた。
「それでどうった?喜んでくれた?」
「ええ!!とても喜んで旅立たれました」
「そう。良かった。」
微笑むララ
「さすが、奥様です。
自然死に見せるため、お餅に風船の実を入れて、細工するとは誰も考えないでしょう。」
「フフフ。 食べると一時的に膨らんで、息が出来なくなり、
時間が立つと元の大きさに戻って、風船の実が消えるように改良したからね。
死因を調べても何も出ないわ。フフフ」
コップにお茶を注ぎながら答えるララ。
「良い仕事をしたから、一杯飲みなさい。スルム」
魔法を唱えると、お茶の入ったコップが、空中に移動してリンの所に止まった。
「こ、これは・・・・」
不審がるリン
「もう、疑り深いわね」
自分様のコップにお茶を入れて、一口飲んで見せた。
「これは失礼しました。頂きます」
空中にあるコップを手にして、お茶を飲み干したリン。
「スルム」
コップは、元の場所に戻っていった。
「後は私がここを離れれば良いと言うわけですね」
「そうね。ご苦労様」
報酬の入った袋をドサッと床に置いた。
「ありがとうございます。」
リンは袋を取った。
「確認してね。後で違うと言われても困るから」
「わかりました。」
袋を開けるリン
「きゃーーーー」
袋の中から巨大な黒いヘビが出てきた。
目を見開くリン。
「なぜぇえええええ」
ヘビが大きな口を開いてリンを丸呑みした。
そして、ゲップをするヘビは、チョロチョロと舌を出して袋の中に戻った。
「なぜって。決まっているでしょ。
死人に口なしってね。
これで、私以外、誰も知らない。フフフ。」
口元を隠して微笑むララ
○会議をする部屋
今後の会議をするために、息子や家臣達が集まって議論していた。
「あなた。大変です。鉄が死にました」
「何!!本当か?」
ララが急いで部屋に入って、夫である韓馥文節《ぶんせつ》に知らせた。
「はい。お餅を食べて窒息死したようです」
悲しそうな顔をするララ。
「なんという事だ。」
落胆する文節。
「カカカカ。あいつらしい死に方だったな。さっそく鉄の財産を分けよう」
長男の次期後継者、士朗が言った。
「何を不謹慎な事を悲しくないのですか?」
次男の竜が言った。
「ぜんぜん。それに、分け前が欲しくないのか?
知っているんだぜ。継承魔法が欲しい事を」
「そ、それは」
口ごもる竜。
継承魔法とは、代々受け継がれた強力な魔法。
持ち主が死ぬと、儀式を行って体から継承魔法が取り出されて魔法が使える。
ただし、死んだ持ち主が20歳以上で、継承されるのは血縁者のみ。
「悲しいけど。こうゆう事はすぐやりましょう。」
「そうだぜ。父上」
腕を組んで考え込む。
「皆さん、お揃いで何の相談ですか?」
部屋に幸村が入って来た。
「!!!」
ビックリして、幸村を見る一同
「し、死んだのではないのか?」
「ごらんの通り。ピンピンしてます。死にそうになりましたけどね」
その場で飛び跳ねると、顔やお腹をブヨンビヨン脂肪を揺らせて、ニコリと笑顔を見せた。
「ララよ。どこからの情報だ?」
「それは、侍女のリンからよ。きっと、倒れている所を見て誤解したのでしょう」
落ち着き払ったように言うララ。
「じゃ。何でアンタの所にリンは行ったんだ?」
・・
「さぁ~? あなたの母親である私に、報告したかったんじゃないかしら
直接本人に聞けばいいわ ホホホ」
口元を隠して笑う
「俺は、お前が死んでくれた方が嬉しいがな」
長男の士朗が幸村に近づいて目の前に立った。
「あなたは誰ですか?」
「はぁ?俺様の名前を忘れたのか?」
「ええ!!ここ数日で意識を失ったり、死にかけたもので記憶を失くしました」
「カカカカ。じゃーー俺様がしっかり教えてやる」
「!!!!!」
持っていたコップを逆さまにして、幸村の頭にお茶をかけた。
「いいか。良く聞け。俺様がお前の兄、し・ろ・う・様だ。覚えておけ
カカカカカ」
大笑いする士朗
「何だその目は」
幸村は睨んだ。
気に食わない士朗。
「ライ撃」
片方の拳にバチバチと雷が光り、幸村に殴ろうとすると、
拳から雷の鹿が現れて、幸村を襲った。
「!!!!」
避けようとする幸村
「グフ。ううううう」
幸村は殴られて後ろの壁にぶつかり、雷に打たれてたように痙攣をしていた。
「カカカカ。弱い弱い」
「士郎。その辺にしときなさい」
父の文節が言った。
「カカカカ。解ったよ」
くるりと向いて、自分の座っている所に帰ろうとする
「これが、弟に対する仕打ちか。情けない」
口から血を垂らしながら喋る幸村。
「あ!? 手加減してやったのに懲りてないようだな」
「力でしか言う事を聞かせれないんだな。あんたは。情けない」
「ああああ!! てめぇーーー!!
俺様を侮辱したな。許さねぇー。 殺してやる バーン斧」
真ん中に赤い玉があり、両方に刃がついた斧が出現して持った。
「拙者に武器を抜くとはな、良い度胸だ。命をかけてもらう」
殺気を放つ目で血を手で拭い、ドスの効いた声で話ながらゆっくり立った。
「うるせぇーーーー!! 絶対に殺す。」
目が血走って興奮している士郎
「やめないか士郎」
止めようとする文節
「いくぜーー。腕巨大化。斧巨大化。バーンアタック。」
頭に血が昇って文節の声が、全く聞こえない士郎。
両腕が3倍の大きさになり、斧が3倍の大きさになり、斧が炎に包まれた。
そして、ダシュをして幸村と間合いを詰める。
「さっきは反応が遅れたが、この体の動かしたが解った」
体の贅肉を揺らしながらピョンピョンその場に飛んで、体勢を低くし腰にある刀に手をかけた。
「死ねーーー」
上から斧を振り下ろした。
「遅い」
幸村は右にさっと避けて、間合いを一気に詰める。
無駄の無い洗練された動きだった。
士郎の強大な斧は、空を切って地面に食い込んだ。
地面が陥没し、周りには炎が上がった。
「何!!」
驚く士郎
「真田流奥義。居合い・・・斬り!!」
居合い斬りとは、鞘に刀が入っている状態で力をこめて、
鞘の反動を利用して一発で相手を仕留める必殺剣の事である。
幸村は、手のひらを上に向けて握る逆手で刀を抜いた。
「!!!!!」
だが、信じられない光景を見た。
必殺剣の居合い斬りが、小さい手のひらで受け止められた。
しかも片手で。
そして、凄い衝撃で弾かれ、後ろに吹っ飛ばされた。
目を大きくしてビックリする幸村。
「兄弟ケンカはその辺に」
身長1メートルくらいで、ちいな子供の様な顔をした男が言った。
「邪魔をするな張郃」
「僕が止めなかったら、死んでたよ」
「うるせー」
「じゃ。僕と殺る?」
冷たい目で笑みを浮かべた。
「ちぇ。命拾いしたな」
自分の席に戻っていた。
「ふぁ~~~~良く寝た。うん?ここどこだろ?」
今まで眠っていたナオは、知らない所に来てキョロキョロしていた。
「怪我はないかい?鉄様」
幸村の方に近づく張郃
「誰この子供?」
「お主、名は何と言う?」
「僕は、将軍をやっている張郃だよ。」
(張郃?どこかで聞いた事がある・・・・・おおお!!!!凄い武将じゃない。
曹操の部下で5本の指に入る強い武将じゃない。凄い!!こんな所にいたのね。
この人欲しい~~~~~(^○^)!! どうにかしてゲットしないと、ゲットしないと)
「ところで、さっきの技どこで覚えたの?」
「それは、さな・」
「ダメーーーー!!バレちゃうでしょ。機転を利かして答えて」
「そ、それは、秘密だ」
「そうなんだ。」
がっかりして去ろうとする張郃
「ちょっと待ったー。なんとか食い止めてよ。」
「なぜだ?」
小声で話す幸村
「凄い有名な武将だから、部下にしたら絶対に役に立つよ!!」
「ふーん。でも、父上の部下ではないか?」
「そうだけど。う~ん そうよ!! 派閥よ派閥。
国の政策や戦いの戦術など自分の意見を通すためには、援護してくれる仲間がいるでしょ。」
「確かに、徳川家康の戦いでは、拙者の意見を聞いて貰えない時が多々あった」
「でしょ。だから、有力な人物を仲間にした方がいいのよ。
それに、魔法の戦い方とか教えて貰ったり、
一緒に訓練すればそのダブダブの体も引き締まるんじゃない?」
( ̄▽ ̄)ニヤニヤしながら言うナオ
「ただ、どうやって仲良くする?」
「そうね。さっき、戦いの時に何か技を出したでしょ?
それを教えるついでに仲良くなればいいんじゃない?」
「でも、さっきダメって言ったではないか」
「それは、みんなが聞いてるからよ。もし、この世界の人間ではないと知られたら、
ここを追い出されるかもしれない。そうなると、復讐出来なくなるわよ」
「そうだった。拙者を殺そうとした人物に罰を与えてやらねば」
握り拳を作った。
「そのためには、力をつける必要があるでしょ。」
「確かに。解った」
とぼとぼ自分の席に着こうとした張郃
「張郃殿。今度、拙者の技を教えるので、一緒に訓練しましょう」
「本当?」
子犬の様に、嬉しそうに走って幸村の所にやってきた。
「あ、ああ。本当です。」
顔を思いっきり近づけて来たので、困惑する幸村
「やったー」
ガッツポーズをして喜んだ。
「すぐに行こう。訓練所に」
「まぁ。待って下さい。やる事があるので、それが終わってから行きましょう」
「絶対だよ」
「ええ。席に着いて下さい」
「わかった。」
タタタタと小走りで帰った。
「真田っち。例の作戦を決行しよう」
「わかった。」
幸村は、前へ歩いて行った。
「まぁ。無事で何よりだ。今日は解散するか」
「お待ちください。父上」
「どうしたんだ?鉄」
「後継者の選び直しをして下さい。」
「テメェーー!!何言ってやがる」
怒鳴る士郎
「黙りなさい。士郎。理由は?」
「長男と言うだけで、選ぶのは危険です。
無能な人物が家を継げば、家が潰れてしまいご先祖様に申し訳ありませんし、
1番困るのは民です。
よって、公平に民に認められた優秀な人物がなるべきです」
「確かにお前のいう通りだが、問題もある。後継者選びをすれば、
兄弟の仲が悪くなって、最悪、殺し合いになってしまうぞ」
「それは、後継者選びをしなくても争いは起きます。
現にあいつが、私を殺そうとしたではありませんか?」
チラリと士郎の方を見る
「例え、兄弟が仲が良くても家臣達に野心があれば、戦いに巻き込まれて
戦う事になります。
どうせ争いになるなら、競わせて優秀な方を選べば、兄弟の力を押さえ込んだり仲良くする事も出来ますし、
家が繁栄する可能性も高くなりませんか?」
「貴様!!俺様は許さんぞ!!」
興奮して立ち上がる士郎
・・
「士郎兄上にも利点があります。
公平な審査で他の兄弟より優れている所を示せば、名声を得られます。
他の所は長男というだけで家を継いだのに、
・・
士郎兄上は、長男という理由で選ばれたのではなく、実力で勝ち取ったと胸を張って言えからです」
「ダメだ。一度決まった事は覆せん」
「ハハハハ。自信がないのですね。自分の方が実力ないと認めたんですね?」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑って挑発する幸村
「何を!!!俺様がお前に負けると思っているのか?」
・・
「だったら、勝負しましょう。士郎兄上」
「望む所だ」
睨みあう二人。
ララが次男の竜に合図を送った。
「私は、後継者選びに参加しません」
次男の竜が言った一言に、一同が視線を集めた。
ララは驚いた表情を見せた。
「どちらがなっても構いません。争い事が嫌いなので、お二人でどうぞ。」
「うーん。どう思うララ」
「私は反対です。一度決めた事を覆せば、他の者に信用を失くしますよ」
「うーん。確かに。荀諶軍師どう思う?」
腕組みをしながら言う文節
「気になりますのが、どうやって後継者選びを決めるのかと言う事です。
ただ、後継者になりたいと言うだけなら、誰にでも出来ます。
その辺はどうお考えですか?鉄様」
「・・・・」
しばらく黙る鉄
「フン。鉄の事だから、何も考えてないに決まっておる」
余裕の顔をする士郎
「どうしたの真田っち?」
「・・・・・・何を言うか忘れてしまった」
ガクーーーン(×_×)とうな垂れるナオ
「これくらい楽勝って言ってたじゃない」
「アイツを挑発してたら、血が上って忘れてしまった。面目ない」
「まったくーーしょうがないわね。領地改革の事でしょ!!」
「そうだ。そうだ」
思い出した幸村
「何も思いつかないのなら・・・・」
「失礼。思い出したました。」
「ホントかよ。どうせ大した事じゃないんだろ?」
士郎は相変わらず、余裕の顔をしていた。
「ズバリ、領地改革です。」
「領地改革? 具体的には?」
荀諶軍師が言った。
「期間は1ヶ月で行い、自分の領地を発展させた方が勝ちと言うルールです。
領地改革を行う前と後でどれくらい伸びたかを競うと言う訳です。
まず、自分の領地から1つの村を選び、使える金額はお互い同じで発展させます。」
「ふむふむ。それで」
頷く父の文節
・・
「拙者やアイツ・・・失礼。士郎兄上の派閥に関係ない人物を監察官に置いて評価します。」
ギロッと睨む士郎に対して、不適な笑みを浮かべる幸村
「監察官は、領地改革が行う前の人口、収入、支出、民が困っている問題点などを調べて、
改革前と後の差や問題解決を出来たかどうかで評価します。」
「よし解った。やってヤローじゃないか」
鼻息が荒い士郎
「拙者の提案はまだあります。」
「まだあるのか。申してみよ」
「この方法だと身内が争っているだけで、名声が上がりにくいですし、面白くありません。
なので、文官の人材を募集して、一緒に領地改革をしてもらいます」
「!!!!!」
思ってもない事に一同、驚愕の顔して目を丸くした。
「狙いとしては、もちろん優秀な人材を確保するためです。
筆記試験や口頭だけで採用しても、実際やってみたら使えない人物だったと言う事は多々あります。
なので、実際に自分が思う改革をやって貰って、さっき言った評価で良い人物を採用すれば一石二鳥です」
「ただ、財源はどうするのですか?」
荀諶軍師が尋ねた。
「拙者達を含めて誰が1番良い成績を取るか、予想する賭けをします。
仕切る人は、賭け金の全額から20%が取り分になります。
残りを賭けに参加した人に割り当てます。
例 受験者が合格すると思う人に投票
1票=100円
投票数=10票
Aさん→1票
Bさん→2票
Cさん→2票
Dさん→5票
○全体の金額
10票×100円=1000円
○仕切る人の取り分(20%)
1000円×0.2=200円
○投票した人が貰える金額
全体=1000-200=800円
●Aさんに投票した人が貰える金額
800円÷1票=800円
●Bさんに投票した人が貰える金額
800円÷2票=400円
●Cさんに投票した人が貰える金額
800円÷2票=400円
●Dさんに投票した人が貰える金額
800円÷5票=160円
」
「なるほど。仕切る人は、投票した人が当たっても負けても必ずお金が入るというわけか」
文節は頷きながら答えた。
「そうです。投票してくれる人が多ければ多いほど、仕切る人は儲かります。」
「ちなみになぜ?取り分が20%なのだ?」
「取り分を多くしすぎると、お客さんの儲けが少なって買てくれませんし、
少なすぎると、こっちの儲けが少なくなってやる意味がなくなります。
なので、20%くらいがお客さんも喜んで貰えるし、私達も採算が合って喜べる率です。」
(ここで、ナオのプチ知識講座だよ(^○^)/
ギャンブルなど仕切る人が貰える率は、だいたいこんな感じ
パチンコ 15%~20%
競輪 25%
競艇 25%
競馬 20%~25%
サッカーくじ 50%
宝くじ 54%
こうやってみると、宝くじってめちゃくちゃ儲かるのね)
「確かに結果が出た時に、お金を回収出来るかもしれませんが、
先に受験者達が領地改革に使うお金は、どうするのですか?」
「いい質問ですね。さすがは軍師殿
大会のスポンサーを探して運営します。」
「スポンサー?」
「大会にお金を援助してくれる商人たちです。」
「でも、商人にどんな利点があるのですか?」
「1番は知名度UPのためです
知名度が高くなると、商品に興味を持つ人が増えたり、
聞いた事がある有名な会社だから安心だし、良い商品を売っているんだろうなぁ~と思って、
買いに来るお客様が増えて売り上げUPにつながります。」
「ふむふむ、なるほど、なるほど」
コクコクと頷く文節
「具体的な案として、大会の名前に、1番お金を出してくれたスポンサーの名前を入れます。」
「どういうことだ?」
鼻息荒く、前のめりに聞く文節
「例えば、1番お金を出してくれたスポンサー名が『三国志』なら、
【第1回、三国志 人材発掘大会】みたいに会社名を入れると、
多くの人の目に止まって知名度がUPします。」
「おおおおおぉ~~~~素晴らしい考えだ!!」
目を輝かせる文節
「他にも、受験者達に、スポンサー名のロゴが入った服を着て貰って作業をして貰います。」
「ロゴ?」
「家紋みたいな・・・」
「ちょっと待ったー!! 家紋っていたら日本独自の文化だから解らないでしょ」
「おお、そうであった」
小声で言う幸村
「家紋?」
「いや家紋ではなく・・・紋章や会社のシンボルなどを文字や絵で表現した物です。
例えば、胸の所に会社名の【鉄】やシンボルマークの☆を入れると【鉄☆】
といった感じで、他の人が見て解るようにするのがポイントになります。」
「なぜ、そのロゴを入れるんだ?」
「大会の間、受験者達が注目されます。
すると、多くの人が自然とスポンサー名が入ったロゴを無意識に見るので、大きな宣伝になるからです。
そして、ロゴを入れる場所も値段によって変えます。」
「どうゆう事だ?」
「他の会社より多く払ってくれたら、服の上の方や背中など目立つ所に貼ったり、
ロゴを大きくして見やすくします。
すると、他の所よりも目立ちたいと思った会社同士が競争になり、どんどん値段がUPして儲ける事が出来ます」
「ほぉ~~~よく考えているな~。鉄最高ーーー!!!」
我が子の思いがけない一面を見れて、大喜びでガッツポーズをする文節
厳しい目で、爪を噛むララ
無表情の竜
腕を組んで、どんどん険しい表情になる士郎
(( ̄▽ ̄)フフフ。みんなビックリしてるビックリしてるwww。
それ全部考えたの私だよ~~~。もっと褒めて褒めて(^○^)/)
「領地改革の他にもう1つ案があります。」
「これで十分なのに、まだあるのか?」
嬉しそうな文節
「それは・・・」
「真田っち。また忘れたの?」
「1回であの長い話を覚えれるわけなかろう( ̄△ ̄)!!」
ちょっと怒り出す幸村
「まぁまぁ。怒らない怒らない。もう~私がいないとダメなんだから、
もう1つはね」
「思い出した!!!」
「・・・あっそ」
自分の出番だと思ったのに、肩透かしを食らって、なんだか面白くないナオ( ̄3 ̄)
「もう1つは、武術大会を開いて優れた武将を見つけだします。
試合内容としては、個人戦と団体戦に分けて試合をします。」
「個人戦は良く聞くが、団体戦とは?」
「個人戦は、もちろん1対1の勝負になります。
団体戦は、100体100の戦いを行い大将を倒した方が勝ちになります。
もちろん。大将は拙者と士郎兄上ですけどね」
幸村は士郎の方を向いて不適な笑み。
「カカカカ。楽勝楽勝。お前と勝負など結果は解っておるわい」
さっきまで険しい表情だったが、目に力が入り自信満々な士郎
「団体戦のメンバーは自由です。ここにいる将軍達でも良いですし、強い人を雇っても良いです。
また、個人戦に出た人をスカウトしても良いです。」
「カカカカ。面白くなってきた。せいぜい強い仲間を集める事だな。
なんせ。お前は俺より弱いからな。カカカカカ」
大笑いをする士郎
「個人戦は予選を行って、決勝トーナメントを行います。
もちろん、ここでもどちらが勝つか予想を行って、賭けを行ってもらいます。」
「なるほど。領地改革と武術大会を同時にやる事で、相乗効果を狙ってお客を増やす作戦か」
「はい父上。長期的の賭けは、領地改革を行い、短期的の賭けは、武術大会をやる事で、
お客様を飽きさせない作戦です。」
「賢いな~鉄よ」
「いえいえ。それほどでもありません」
謙遜する幸村に、凄く褒める文節
「武術大会も同様に、ゼッケンや服などにスポンサーのロゴを貼ります。
また、会場に来てくれたお客さんに、新発売したお菓子やお茶などの飲料水を配る事で、
商品の良さをアピール出来ますし、気に入ってくれたら商品を買ってくれて売上UPにつながります。」
「パチパチパチパチ。素晴らしい案だ(^○^)/」
拍手をして褒め称える文節
「最後に、沢山のお客様を呼ぶために、武術大会の優勝者には、
1つ願い事を叶えて上げると言うのはどうでしょ?
もちろん、出来る範囲でと言う事です。」
「う~む。よかろう」
「父上」
「あなた」
士郎とララが同時に言った。
「よいではないか。せっかく鉄が頑張って考えてくれた案だ。ワシも人肌脱ごうではないか
それに、出来る範囲と言う事だから、問題があれば断ればいい話だ。」
押し黙る二人。
「領地改革の方も一緒にするのか?」
「いえ、こちらの目玉は、発展させた領地をそのまま与えます。」
「何!!!おい鉄何を言ってるんだお前は!!」
怒った声で喋る士郎
「受験者たちが、より真剣にやると思いますし、話題性抜群です!!
もちろん、仕官をするのが前提条件ですけどね」
「俺の領地はあげないからな」
「ええ。拙者の領地で構いません。優秀な人材を得られるのであれば、安い物です。
国の発展に貢献するのが次期後継者として、当たり前ですから」
挑発する目で見る幸村。
「お、俺が次期後継者にふさわしくないと言うのか?」
「何かを得ようと思うなら、こちらも何か差し出さないと・・ね」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑う幸村
「よーーし。俺の所も出してやる。次期後継者としてな」
「父上どうでしょう?」
「よく言った二人とも、ワシは嬉しいぞ!!ハハハハ」
「父上、1つ問題があります」
今まで黙っていた竜が落ち着いた声で話し始めた。
「どうゆう事だ?」
「お忘れですか?鉄の領地にいる大山賊、勇連の存在を」
一同は、ハット気づいたように静まりかえった。
「誰ですか?勇連とは?」
「ここ2年くらい前から急に力をつけた山賊で、
次々に他の山賊を手下にして一大勢力になった山賊だ。」
「では山賊を討伐すれば良いではありませんか?」
「1回目は兵力500で、2回目は兵力2000で攻めたが落とせなかった。
ですよね張郃」
「そうなんだ。物凄く強い奴がいたんだ。」
(うそーーーー!!張郃より強い人ってそうそういないと思うけどな~
誰だろ?)
「ねねねー。真田っち。誰か聞いてみてよ。」
「わかった。」
「その者の名は?」
「趙雲子龍《しりゅう》」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええ(゜д゜)!!!
何であの人気が高い趙雲様が山賊になっているの?」
思ってもない名前だったので、ビックリしたナオだった。
「失礼します」
リンが部屋に入ってきた。
「それでどうった?喜んでくれた?」
「ええ!!とても喜んで旅立たれました」
「そう。良かった。」
微笑むララ
「さすが、奥様です。
自然死に見せるため、お餅に風船の実を入れて、細工するとは誰も考えないでしょう。」
「フフフ。 食べると一時的に膨らんで、息が出来なくなり、
時間が立つと元の大きさに戻って、風船の実が消えるように改良したからね。
死因を調べても何も出ないわ。フフフ」
コップにお茶を注ぎながら答えるララ。
「良い仕事をしたから、一杯飲みなさい。スルム」
魔法を唱えると、お茶の入ったコップが、空中に移動してリンの所に止まった。
「こ、これは・・・・」
不審がるリン
「もう、疑り深いわね」
自分様のコップにお茶を入れて、一口飲んで見せた。
「これは失礼しました。頂きます」
空中にあるコップを手にして、お茶を飲み干したリン。
「スルム」
コップは、元の場所に戻っていった。
「後は私がここを離れれば良いと言うわけですね」
「そうね。ご苦労様」
報酬の入った袋をドサッと床に置いた。
「ありがとうございます。」
リンは袋を取った。
「確認してね。後で違うと言われても困るから」
「わかりました。」
袋を開けるリン
「きゃーーーー」
袋の中から巨大な黒いヘビが出てきた。
目を見開くリン。
「なぜぇえええええ」
ヘビが大きな口を開いてリンを丸呑みした。
そして、ゲップをするヘビは、チョロチョロと舌を出して袋の中に戻った。
「なぜって。決まっているでしょ。
死人に口なしってね。
これで、私以外、誰も知らない。フフフ。」
口元を隠して微笑むララ
○会議をする部屋
今後の会議をするために、息子や家臣達が集まって議論していた。
「あなた。大変です。鉄が死にました」
「何!!本当か?」
ララが急いで部屋に入って、夫である韓馥文節《ぶんせつ》に知らせた。
「はい。お餅を食べて窒息死したようです」
悲しそうな顔をするララ。
「なんという事だ。」
落胆する文節。
「カカカカ。あいつらしい死に方だったな。さっそく鉄の財産を分けよう」
長男の次期後継者、士朗が言った。
「何を不謹慎な事を悲しくないのですか?」
次男の竜が言った。
「ぜんぜん。それに、分け前が欲しくないのか?
知っているんだぜ。継承魔法が欲しい事を」
「そ、それは」
口ごもる竜。
継承魔法とは、代々受け継がれた強力な魔法。
持ち主が死ぬと、儀式を行って体から継承魔法が取り出されて魔法が使える。
ただし、死んだ持ち主が20歳以上で、継承されるのは血縁者のみ。
「悲しいけど。こうゆう事はすぐやりましょう。」
「そうだぜ。父上」
腕を組んで考え込む。
「皆さん、お揃いで何の相談ですか?」
部屋に幸村が入って来た。
「!!!」
ビックリして、幸村を見る一同
「し、死んだのではないのか?」
「ごらんの通り。ピンピンしてます。死にそうになりましたけどね」
その場で飛び跳ねると、顔やお腹をブヨンビヨン脂肪を揺らせて、ニコリと笑顔を見せた。
「ララよ。どこからの情報だ?」
「それは、侍女のリンからよ。きっと、倒れている所を見て誤解したのでしょう」
落ち着き払ったように言うララ。
「じゃ。何でアンタの所にリンは行ったんだ?」
・・
「さぁ~? あなたの母親である私に、報告したかったんじゃないかしら
直接本人に聞けばいいわ ホホホ」
口元を隠して笑う
「俺は、お前が死んでくれた方が嬉しいがな」
長男の士朗が幸村に近づいて目の前に立った。
「あなたは誰ですか?」
「はぁ?俺様の名前を忘れたのか?」
「ええ!!ここ数日で意識を失ったり、死にかけたもので記憶を失くしました」
「カカカカ。じゃーー俺様がしっかり教えてやる」
「!!!!!」
持っていたコップを逆さまにして、幸村の頭にお茶をかけた。
「いいか。良く聞け。俺様がお前の兄、し・ろ・う・様だ。覚えておけ
カカカカカ」
大笑いする士朗
「何だその目は」
幸村は睨んだ。
気に食わない士朗。
「ライ撃」
片方の拳にバチバチと雷が光り、幸村に殴ろうとすると、
拳から雷の鹿が現れて、幸村を襲った。
「!!!!」
避けようとする幸村
「グフ。ううううう」
幸村は殴られて後ろの壁にぶつかり、雷に打たれてたように痙攣をしていた。
「カカカカ。弱い弱い」
「士郎。その辺にしときなさい」
父の文節が言った。
「カカカカ。解ったよ」
くるりと向いて、自分の座っている所に帰ろうとする
「これが、弟に対する仕打ちか。情けない」
口から血を垂らしながら喋る幸村。
「あ!? 手加減してやったのに懲りてないようだな」
「力でしか言う事を聞かせれないんだな。あんたは。情けない」
「ああああ!! てめぇーーー!!
俺様を侮辱したな。許さねぇー。 殺してやる バーン斧」
真ん中に赤い玉があり、両方に刃がついた斧が出現して持った。
「拙者に武器を抜くとはな、良い度胸だ。命をかけてもらう」
殺気を放つ目で血を手で拭い、ドスの効いた声で話ながらゆっくり立った。
「うるせぇーーーー!! 絶対に殺す。」
目が血走って興奮している士郎
「やめないか士郎」
止めようとする文節
「いくぜーー。腕巨大化。斧巨大化。バーンアタック。」
頭に血が昇って文節の声が、全く聞こえない士郎。
両腕が3倍の大きさになり、斧が3倍の大きさになり、斧が炎に包まれた。
そして、ダシュをして幸村と間合いを詰める。
「さっきは反応が遅れたが、この体の動かしたが解った」
体の贅肉を揺らしながらピョンピョンその場に飛んで、体勢を低くし腰にある刀に手をかけた。
「死ねーーー」
上から斧を振り下ろした。
「遅い」
幸村は右にさっと避けて、間合いを一気に詰める。
無駄の無い洗練された動きだった。
士郎の強大な斧は、空を切って地面に食い込んだ。
地面が陥没し、周りには炎が上がった。
「何!!」
驚く士郎
「真田流奥義。居合い・・・斬り!!」
居合い斬りとは、鞘に刀が入っている状態で力をこめて、
鞘の反動を利用して一発で相手を仕留める必殺剣の事である。
幸村は、手のひらを上に向けて握る逆手で刀を抜いた。
「!!!!!」
だが、信じられない光景を見た。
必殺剣の居合い斬りが、小さい手のひらで受け止められた。
しかも片手で。
そして、凄い衝撃で弾かれ、後ろに吹っ飛ばされた。
目を大きくしてビックリする幸村。
「兄弟ケンカはその辺に」
身長1メートルくらいで、ちいな子供の様な顔をした男が言った。
「邪魔をするな張郃」
「僕が止めなかったら、死んでたよ」
「うるせー」
「じゃ。僕と殺る?」
冷たい目で笑みを浮かべた。
「ちぇ。命拾いしたな」
自分の席に戻っていた。
「ふぁ~~~~良く寝た。うん?ここどこだろ?」
今まで眠っていたナオは、知らない所に来てキョロキョロしていた。
「怪我はないかい?鉄様」
幸村の方に近づく張郃
「誰この子供?」
「お主、名は何と言う?」
「僕は、将軍をやっている張郃だよ。」
(張郃?どこかで聞いた事がある・・・・・おおお!!!!凄い武将じゃない。
曹操の部下で5本の指に入る強い武将じゃない。凄い!!こんな所にいたのね。
この人欲しい~~~~~(^○^)!! どうにかしてゲットしないと、ゲットしないと)
「ところで、さっきの技どこで覚えたの?」
「それは、さな・」
「ダメーーーー!!バレちゃうでしょ。機転を利かして答えて」
「そ、それは、秘密だ」
「そうなんだ。」
がっかりして去ろうとする張郃
「ちょっと待ったー。なんとか食い止めてよ。」
「なぜだ?」
小声で話す幸村
「凄い有名な武将だから、部下にしたら絶対に役に立つよ!!」
「ふーん。でも、父上の部下ではないか?」
「そうだけど。う~ん そうよ!! 派閥よ派閥。
国の政策や戦いの戦術など自分の意見を通すためには、援護してくれる仲間がいるでしょ。」
「確かに、徳川家康の戦いでは、拙者の意見を聞いて貰えない時が多々あった」
「でしょ。だから、有力な人物を仲間にした方がいいのよ。
それに、魔法の戦い方とか教えて貰ったり、
一緒に訓練すればそのダブダブの体も引き締まるんじゃない?」
( ̄▽ ̄)ニヤニヤしながら言うナオ
「ただ、どうやって仲良くする?」
「そうね。さっき、戦いの時に何か技を出したでしょ?
それを教えるついでに仲良くなればいいんじゃない?」
「でも、さっきダメって言ったではないか」
「それは、みんなが聞いてるからよ。もし、この世界の人間ではないと知られたら、
ここを追い出されるかもしれない。そうなると、復讐出来なくなるわよ」
「そうだった。拙者を殺そうとした人物に罰を与えてやらねば」
握り拳を作った。
「そのためには、力をつける必要があるでしょ。」
「確かに。解った」
とぼとぼ自分の席に着こうとした張郃
「張郃殿。今度、拙者の技を教えるので、一緒に訓練しましょう」
「本当?」
子犬の様に、嬉しそうに走って幸村の所にやってきた。
「あ、ああ。本当です。」
顔を思いっきり近づけて来たので、困惑する幸村
「やったー」
ガッツポーズをして喜んだ。
「すぐに行こう。訓練所に」
「まぁ。待って下さい。やる事があるので、それが終わってから行きましょう」
「絶対だよ」
「ええ。席に着いて下さい」
「わかった。」
タタタタと小走りで帰った。
「真田っち。例の作戦を決行しよう」
「わかった。」
幸村は、前へ歩いて行った。
「まぁ。無事で何よりだ。今日は解散するか」
「お待ちください。父上」
「どうしたんだ?鉄」
「後継者の選び直しをして下さい。」
「テメェーー!!何言ってやがる」
怒鳴る士郎
「黙りなさい。士郎。理由は?」
「長男と言うだけで、選ぶのは危険です。
無能な人物が家を継げば、家が潰れてしまいご先祖様に申し訳ありませんし、
1番困るのは民です。
よって、公平に民に認められた優秀な人物がなるべきです」
「確かにお前のいう通りだが、問題もある。後継者選びをすれば、
兄弟の仲が悪くなって、最悪、殺し合いになってしまうぞ」
「それは、後継者選びをしなくても争いは起きます。
現にあいつが、私を殺そうとしたではありませんか?」
チラリと士郎の方を見る
「例え、兄弟が仲が良くても家臣達に野心があれば、戦いに巻き込まれて
戦う事になります。
どうせ争いになるなら、競わせて優秀な方を選べば、兄弟の力を押さえ込んだり仲良くする事も出来ますし、
家が繁栄する可能性も高くなりませんか?」
「貴様!!俺様は許さんぞ!!」
興奮して立ち上がる士郎
・・
「士郎兄上にも利点があります。
公平な審査で他の兄弟より優れている所を示せば、名声を得られます。
他の所は長男というだけで家を継いだのに、
・・
士郎兄上は、長男という理由で選ばれたのではなく、実力で勝ち取ったと胸を張って言えからです」
「ダメだ。一度決まった事は覆せん」
「ハハハハ。自信がないのですね。自分の方が実力ないと認めたんですね?」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑って挑発する幸村
「何を!!!俺様がお前に負けると思っているのか?」
・・
「だったら、勝負しましょう。士郎兄上」
「望む所だ」
睨みあう二人。
ララが次男の竜に合図を送った。
「私は、後継者選びに参加しません」
次男の竜が言った一言に、一同が視線を集めた。
ララは驚いた表情を見せた。
「どちらがなっても構いません。争い事が嫌いなので、お二人でどうぞ。」
「うーん。どう思うララ」
「私は反対です。一度決めた事を覆せば、他の者に信用を失くしますよ」
「うーん。確かに。荀諶軍師どう思う?」
腕組みをしながら言う文節
「気になりますのが、どうやって後継者選びを決めるのかと言う事です。
ただ、後継者になりたいと言うだけなら、誰にでも出来ます。
その辺はどうお考えですか?鉄様」
「・・・・」
しばらく黙る鉄
「フン。鉄の事だから、何も考えてないに決まっておる」
余裕の顔をする士郎
「どうしたの真田っち?」
「・・・・・・何を言うか忘れてしまった」
ガクーーーン(×_×)とうな垂れるナオ
「これくらい楽勝って言ってたじゃない」
「アイツを挑発してたら、血が上って忘れてしまった。面目ない」
「まったくーーしょうがないわね。領地改革の事でしょ!!」
「そうだ。そうだ」
思い出した幸村
「何も思いつかないのなら・・・・」
「失礼。思い出したました。」
「ホントかよ。どうせ大した事じゃないんだろ?」
士郎は相変わらず、余裕の顔をしていた。
「ズバリ、領地改革です。」
「領地改革? 具体的には?」
荀諶軍師が言った。
「期間は1ヶ月で行い、自分の領地を発展させた方が勝ちと言うルールです。
領地改革を行う前と後でどれくらい伸びたかを競うと言う訳です。
まず、自分の領地から1つの村を選び、使える金額はお互い同じで発展させます。」
「ふむふむ。それで」
頷く父の文節
・・
「拙者やアイツ・・・失礼。士郎兄上の派閥に関係ない人物を監察官に置いて評価します。」
ギロッと睨む士郎に対して、不適な笑みを浮かべる幸村
「監察官は、領地改革が行う前の人口、収入、支出、民が困っている問題点などを調べて、
改革前と後の差や問題解決を出来たかどうかで評価します。」
「よし解った。やってヤローじゃないか」
鼻息が荒い士郎
「拙者の提案はまだあります。」
「まだあるのか。申してみよ」
「この方法だと身内が争っているだけで、名声が上がりにくいですし、面白くありません。
なので、文官の人材を募集して、一緒に領地改革をしてもらいます」
「!!!!!」
思ってもない事に一同、驚愕の顔して目を丸くした。
「狙いとしては、もちろん優秀な人材を確保するためです。
筆記試験や口頭だけで採用しても、実際やってみたら使えない人物だったと言う事は多々あります。
なので、実際に自分が思う改革をやって貰って、さっき言った評価で良い人物を採用すれば一石二鳥です」
「ただ、財源はどうするのですか?」
荀諶軍師が尋ねた。
「拙者達を含めて誰が1番良い成績を取るか、予想する賭けをします。
仕切る人は、賭け金の全額から20%が取り分になります。
残りを賭けに参加した人に割り当てます。
例 受験者が合格すると思う人に投票
1票=100円
投票数=10票
Aさん→1票
Bさん→2票
Cさん→2票
Dさん→5票
○全体の金額
10票×100円=1000円
○仕切る人の取り分(20%)
1000円×0.2=200円
○投票した人が貰える金額
全体=1000-200=800円
●Aさんに投票した人が貰える金額
800円÷1票=800円
●Bさんに投票した人が貰える金額
800円÷2票=400円
●Cさんに投票した人が貰える金額
800円÷2票=400円
●Dさんに投票した人が貰える金額
800円÷5票=160円
」
「なるほど。仕切る人は、投票した人が当たっても負けても必ずお金が入るというわけか」
文節は頷きながら答えた。
「そうです。投票してくれる人が多ければ多いほど、仕切る人は儲かります。」
「ちなみになぜ?取り分が20%なのだ?」
「取り分を多くしすぎると、お客さんの儲けが少なって買てくれませんし、
少なすぎると、こっちの儲けが少なくなってやる意味がなくなります。
なので、20%くらいがお客さんも喜んで貰えるし、私達も採算が合って喜べる率です。」
(ここで、ナオのプチ知識講座だよ(^○^)/
ギャンブルなど仕切る人が貰える率は、だいたいこんな感じ
パチンコ 15%~20%
競輪 25%
競艇 25%
競馬 20%~25%
サッカーくじ 50%
宝くじ 54%
こうやってみると、宝くじってめちゃくちゃ儲かるのね)
「確かに結果が出た時に、お金を回収出来るかもしれませんが、
先に受験者達が領地改革に使うお金は、どうするのですか?」
「いい質問ですね。さすがは軍師殿
大会のスポンサーを探して運営します。」
「スポンサー?」
「大会にお金を援助してくれる商人たちです。」
「でも、商人にどんな利点があるのですか?」
「1番は知名度UPのためです
知名度が高くなると、商品に興味を持つ人が増えたり、
聞いた事がある有名な会社だから安心だし、良い商品を売っているんだろうなぁ~と思って、
買いに来るお客様が増えて売り上げUPにつながります。」
「ふむふむ、なるほど、なるほど」
コクコクと頷く文節
「具体的な案として、大会の名前に、1番お金を出してくれたスポンサーの名前を入れます。」
「どういうことだ?」
鼻息荒く、前のめりに聞く文節
「例えば、1番お金を出してくれたスポンサー名が『三国志』なら、
【第1回、三国志 人材発掘大会】みたいに会社名を入れると、
多くの人の目に止まって知名度がUPします。」
「おおおおおぉ~~~~素晴らしい考えだ!!」
目を輝かせる文節
「他にも、受験者達に、スポンサー名のロゴが入った服を着て貰って作業をして貰います。」
「ロゴ?」
「家紋みたいな・・・」
「ちょっと待ったー!! 家紋っていたら日本独自の文化だから解らないでしょ」
「おお、そうであった」
小声で言う幸村
「家紋?」
「いや家紋ではなく・・・紋章や会社のシンボルなどを文字や絵で表現した物です。
例えば、胸の所に会社名の【鉄】やシンボルマークの☆を入れると【鉄☆】
といった感じで、他の人が見て解るようにするのがポイントになります。」
「なぜ、そのロゴを入れるんだ?」
「大会の間、受験者達が注目されます。
すると、多くの人が自然とスポンサー名が入ったロゴを無意識に見るので、大きな宣伝になるからです。
そして、ロゴを入れる場所も値段によって変えます。」
「どうゆう事だ?」
「他の会社より多く払ってくれたら、服の上の方や背中など目立つ所に貼ったり、
ロゴを大きくして見やすくします。
すると、他の所よりも目立ちたいと思った会社同士が競争になり、どんどん値段がUPして儲ける事が出来ます」
「ほぉ~~~よく考えているな~。鉄最高ーーー!!!」
我が子の思いがけない一面を見れて、大喜びでガッツポーズをする文節
厳しい目で、爪を噛むララ
無表情の竜
腕を組んで、どんどん険しい表情になる士郎
(( ̄▽ ̄)フフフ。みんなビックリしてるビックリしてるwww。
それ全部考えたの私だよ~~~。もっと褒めて褒めて(^○^)/)
「領地改革の他にもう1つ案があります。」
「これで十分なのに、まだあるのか?」
嬉しそうな文節
「それは・・・」
「真田っち。また忘れたの?」
「1回であの長い話を覚えれるわけなかろう( ̄△ ̄)!!」
ちょっと怒り出す幸村
「まぁまぁ。怒らない怒らない。もう~私がいないとダメなんだから、
もう1つはね」
「思い出した!!!」
「・・・あっそ」
自分の出番だと思ったのに、肩透かしを食らって、なんだか面白くないナオ( ̄3 ̄)
「もう1つは、武術大会を開いて優れた武将を見つけだします。
試合内容としては、個人戦と団体戦に分けて試合をします。」
「個人戦は良く聞くが、団体戦とは?」
「個人戦は、もちろん1対1の勝負になります。
団体戦は、100体100の戦いを行い大将を倒した方が勝ちになります。
もちろん。大将は拙者と士郎兄上ですけどね」
幸村は士郎の方を向いて不適な笑み。
「カカカカ。楽勝楽勝。お前と勝負など結果は解っておるわい」
さっきまで険しい表情だったが、目に力が入り自信満々な士郎
「団体戦のメンバーは自由です。ここにいる将軍達でも良いですし、強い人を雇っても良いです。
また、個人戦に出た人をスカウトしても良いです。」
「カカカカ。面白くなってきた。せいぜい強い仲間を集める事だな。
なんせ。お前は俺より弱いからな。カカカカカ」
大笑いをする士郎
「個人戦は予選を行って、決勝トーナメントを行います。
もちろん、ここでもどちらが勝つか予想を行って、賭けを行ってもらいます。」
「なるほど。領地改革と武術大会を同時にやる事で、相乗効果を狙ってお客を増やす作戦か」
「はい父上。長期的の賭けは、領地改革を行い、短期的の賭けは、武術大会をやる事で、
お客様を飽きさせない作戦です。」
「賢いな~鉄よ」
「いえいえ。それほどでもありません」
謙遜する幸村に、凄く褒める文節
「武術大会も同様に、ゼッケンや服などにスポンサーのロゴを貼ります。
また、会場に来てくれたお客さんに、新発売したお菓子やお茶などの飲料水を配る事で、
商品の良さをアピール出来ますし、気に入ってくれたら商品を買ってくれて売上UPにつながります。」
「パチパチパチパチ。素晴らしい案だ(^○^)/」
拍手をして褒め称える文節
「最後に、沢山のお客様を呼ぶために、武術大会の優勝者には、
1つ願い事を叶えて上げると言うのはどうでしょ?
もちろん、出来る範囲でと言う事です。」
「う~む。よかろう」
「父上」
「あなた」
士郎とララが同時に言った。
「よいではないか。せっかく鉄が頑張って考えてくれた案だ。ワシも人肌脱ごうではないか
それに、出来る範囲と言う事だから、問題があれば断ればいい話だ。」
押し黙る二人。
「領地改革の方も一緒にするのか?」
「いえ、こちらの目玉は、発展させた領地をそのまま与えます。」
「何!!!おい鉄何を言ってるんだお前は!!」
怒った声で喋る士郎
「受験者たちが、より真剣にやると思いますし、話題性抜群です!!
もちろん、仕官をするのが前提条件ですけどね」
「俺の領地はあげないからな」
「ええ。拙者の領地で構いません。優秀な人材を得られるのであれば、安い物です。
国の発展に貢献するのが次期後継者として、当たり前ですから」
挑発する目で見る幸村。
「お、俺が次期後継者にふさわしくないと言うのか?」
「何かを得ようと思うなら、こちらも何か差し出さないと・・ね」
( ̄▽ ̄)ニヤリと笑う幸村
「よーーし。俺の所も出してやる。次期後継者としてな」
「父上どうでしょう?」
「よく言った二人とも、ワシは嬉しいぞ!!ハハハハ」
「父上、1つ問題があります」
今まで黙っていた竜が落ち着いた声で話し始めた。
「どうゆう事だ?」
「お忘れですか?鉄の領地にいる大山賊、勇連の存在を」
一同は、ハット気づいたように静まりかえった。
「誰ですか?勇連とは?」
「ここ2年くらい前から急に力をつけた山賊で、
次々に他の山賊を手下にして一大勢力になった山賊だ。」
「では山賊を討伐すれば良いではありませんか?」
「1回目は兵力500で、2回目は兵力2000で攻めたが落とせなかった。
ですよね張郃」
「そうなんだ。物凄く強い奴がいたんだ。」
(うそーーーー!!張郃より強い人ってそうそういないと思うけどな~
誰だろ?)
「ねねねー。真田っち。誰か聞いてみてよ。」
「わかった。」
「その者の名は?」
「趙雲子龍《しりゅう》」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええ(゜д゜)!!!
何であの人気が高い趙雲様が山賊になっているの?」
思ってもない名前だったので、ビックリしたナオだった。
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