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第56夜 悪い
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数年前、仕事が立て込んでいた時期があり、私は会社のパソコンを1台借りて、家にまで仕事を持ち帰っていました。
その日は終電で帰宅し、持ち帰った仕事をパソコンでしていたのですが、疲れていたこともあり、いつの間にか机に突っ伏すようにして寝てしまっていました。
目が覚めた時、時計を見ると深夜2時を少し過ぎたところでした。
仕事の続きをしようとパソコンの画面を見ると、スリープ状態になった暗い画面に映る私の後ろに、人が立っているのが見えました。
驚いて振り返りましたが、後ろには誰もいませんでした。
私には後ろに立つ人影に見覚えがありました。
それは亡くなった同僚Aでした。
Aは会社に来る途中、交通事故で亡くなってしまったのです。
そして、仕事が立て込んでいた原因は、彼が抱えていた仕事を引き受けていたからでした。
僕はパソコンのEnterキーを押し、スリープ状態を解除しました。
開いた覚えのないメモのアプリが開いており、そこには
『悪い』
と書かれていました。
私は、
「気にすんなよ」
とつぶやいて、仕事を続けました。
翌日、このことをAと仲の良かった同僚BとCに話すと、なんと彼らも前夜に同じような体験をしていたのです。
しかし、Bは腑に落ちなそうな顔をして言いました。
「でも、俺のパソコンのメモアプリには『やつらに』って書いてあったぞ。どういう意味か解らなかったけど。Cはどうだった?」
それを聞いたCは震える声で言いました。
「俺のところには『殺された』って書かれてた……」
その日は終電で帰宅し、持ち帰った仕事をパソコンでしていたのですが、疲れていたこともあり、いつの間にか机に突っ伏すようにして寝てしまっていました。
目が覚めた時、時計を見ると深夜2時を少し過ぎたところでした。
仕事の続きをしようとパソコンの画面を見ると、スリープ状態になった暗い画面に映る私の後ろに、人が立っているのが見えました。
驚いて振り返りましたが、後ろには誰もいませんでした。
私には後ろに立つ人影に見覚えがありました。
それは亡くなった同僚Aでした。
Aは会社に来る途中、交通事故で亡くなってしまったのです。
そして、仕事が立て込んでいた原因は、彼が抱えていた仕事を引き受けていたからでした。
僕はパソコンのEnterキーを押し、スリープ状態を解除しました。
開いた覚えのないメモのアプリが開いており、そこには
『悪い』
と書かれていました。
私は、
「気にすんなよ」
とつぶやいて、仕事を続けました。
翌日、このことをAと仲の良かった同僚BとCに話すと、なんと彼らも前夜に同じような体験をしていたのです。
しかし、Bは腑に落ちなそうな顔をして言いました。
「でも、俺のパソコンのメモアプリには『やつらに』って書いてあったぞ。どういう意味か解らなかったけど。Cはどうだった?」
それを聞いたCは震える声で言いました。
「俺のところには『殺された』って書かれてた……」
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