11 / 26
編集者さんと。
8話 休日
しおりを挟む「杏里………初夜はどうする?」
「…とりあえず、22時には寝たいかな」
………
「何でもいいから俺の前でイチャつくなよ………」
前回から何も変わってません。
「えっ、理都どうしたの嫉妬してるの?!俺に!?」
「する訳ないだろ、…鈴鹿先生も、もう寝ましょう?顔赤いですよ、」
「ん……だめ………嫌……、」
………
(あれ……こいつら付き合ってるんだっけ、…それすら分からない
でもなんか、同棲とか言ってた…ような、………)※まだ付き合ってません
……………、
「……帰るか。」
理都は考えることをやめた。
「いっか……両思いっぽいし、成人も仕事もしてるから責任も取れるし、……ていうか子供産めないし」
…いつの間にか理都がいなくなってた。
ーーー
その夜(理都帰宅2分後)………
「杏里、お風呂入ったしベッド行こ??」
「…飛雅お風呂入ったっけ………、…まあいっかぁ………」
完全に絵面がレイプドラッグ寸前。
「…まさかこんな日が来るとは……、っ杏里、俺一生大事にする、だから………、
………あれ」
………寝た?
「………飛雅…寝ないの?」
「えっ、あ、うん、寝よ?……ん?」
寝………??
杏里はすぐに小さく寝息を立てて、本当に眠った。
「………あ、……そっかぁ、」
……………
ーーー
気が付けば俺も本当に寝てた。
「……あれ…飛雅?」
そして記憶、2人して無くなってた。
「………ん…、……おはよ、杏里」
「…おはよう……、…なんでいるの?」
「……わっかんない」
とりあえずお腹空いた。
「杏里何か食べたいものある?簡単で良いなら作るよ」
「………エビグラタン…とか?」
「…まだ眠そうだね、1回寝て頭休めよ?」
………あ、
「あれ……そういえば昨日理都がここに来たような………」
「……うん。お酒飲むまでは覚えてる」
うっすらとそんな記憶が………
「…とりあえず電話するか……、…杏里、朝食焼きナスで良い?」
「え"っ」
理都に電話をかけながら寝室を出て台所へ向かう。
「…あ、理都。ごめん、昨日杏里の家来てたよな?」
冷蔵庫からナスを探しているうちに電話に出てくれた。
『うん、途中で帰ったけど。…昨夜はお楽しみでしたか?』
「え…何の話?」
………お楽しみ…………?
『…そんな雰囲気になってただろ』
「え…待って何、何の話?!ぜんっぜん腰痛くないけど?!」
記憶が……ッ、記憶とナスが、
「……ッ、杏里!!どうしよう昨日の記憶とナスが無いんだけど!!」
「……ッ」ビク
…驚かせてしまった。
「ナスは…元から無い………」
「…杏里ってさ、苦手な物買いもしないよな。コーヒーもそうだけど苦いの克服しないといつまで経っても『なんでナスの話になってんの…?』……あ、」
…脱線してた。
「なあ杏里……昨日俺達何かしたか……?」
「…ぇ……、…一緒に寝たんじゃないの……?同じベッドにいたし」
……………
「…だよなぁ……、…まあ続きは会社で聞くよ。」
『んー…別にそれだけだぞ?あと今日仕事休み』
…あれ………
「……あ…本当だ……土曜日だ」
『土曜日にしても平日にしてももう10時だけど?』
「えへへ、なんか寝ぼけてたみたい。とりあえず昨日はありがとな、杏里もまた会いたいって」
そんなこと言ってなかったけど、まあ楽しそうだったし。
『………本当に、何も無かったんだな』
「…え?何か言った?」
『…何でも無い!また月曜日に会社でな!』
…通話が切れた。
(なんか最後の声……いつもより安心してるような、何を言ってるかは聞き取れなかったけど)
……まあ、とりあえずご飯作ろう。
ーーー
「朝からナス!健康的だなぁ~」
「ッ……」
近所にスーパーもコンビニもあって便利。
「ぅ……、…っ」
「いっぱい食べような~美味しいぞっ」
明らかに嫌がってる杏里に無理矢理食べさせた。
「ナス美味しいのにな、…ところで杏里、今日俺休みだけど何しよっか」
再会してから数週間、いつの間にか半同棲のような生活をしている。
たまに自分の家に帰ることもあるけど、1人だし……杏里の漫画を手伝って朝まで一緒にいることもあるから、自然と。
(いつかほんとに同棲したい………)
…同棲とは言うけど付き合ってはいない……この関係早くどうにかしたい……、、
(でも踏み出せないんだよな………)
「……僕は仕事しないと。」
「…え、でも原稿上がったばっかりだし…まだ余裕あるよ、今日は休もう?」
次の締切はまだまだ先なのに、
「……書かなきゃ………」
「………」
…思えば、杏里が最近ずっと仕事をしている気がする。
(今回の原稿の提出もいつもより早かったし………確か、)
無理矢理外に連れ出そうとした、あの時くらいからだ。
(あれが原因かな……ストレスになったのかも)
…それだったら完全に俺のせいだ。
「杏里…もしかして疲れてる?」
「…え……?」
疲れてる、というか………、
「最近様子変だったから……、ずっと漫画書いてるし、思い詰めてるみたいで」
何だか嫌な事を自分の世界にのめり込む事で忘れようとしているような、そんな感じ。
「…ごめん、この間俺があんな事したからだよな」
「……っ飛雅のせいじゃ、」
飛雅のせいじゃない
…杏里は昔から人のせいにするというのが苦手で、
「………僕が、僕が悪くて、…馬鹿だから、」
「…!それは違うよ、…自分の事簡単に馬鹿とか言っちゃ駄目だよ………」
………何か、少し、
(たまに引っかかるんだよな……この自信の無さ)
自己肯定感が低いというか、なんというか、
「ごめんなさい………」
何かあれば謝る癖も、
「……杏里?」
「…っ、」
過剰に驚く事も、目を合わせようとしない事も、
………些細な事が、たまにすごく気になってしまう。
「………あのさ、」
10
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
斑鳩いかるのシンリョウジョ
ちきりやばじーな
ファンタジー
特殊能力の発現・取り扱いにお悩みの方へ
特殊症状の診断を受けてみませんか?
斑鳩シンリョウジョでは症状の改善・サポートを行っています!
まずはお気軽にご相談ください!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
若旦那からの甘い誘惑
すいかちゃん
BL
使用人として、大きな屋敷で長年奉公してきた忠志。ある日、若旦那が1人で淫らな事をしているのを見てしまう。おまけに、その口からは自身の名が・・・。やがて、若旦那の縁談がまとまる。婚礼前夜。雨宿りをした納屋で、忠志は若旦那から1度だけでいいと甘く誘惑される。いけないとわかっていながら、忠志はその柔肌に指を・・・。
身分差で、誘い受けの話です。
第二話「雨宿りの秘密」
新婚の誠一郎は、妻に隠れて使用人の忠志と関係を続ける。
雨の夜だけの関係。だが、忠志は次第に独占欲に駆られ・・・。
冒頭は、誠一郎の妻の視点から始まります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜
トマトふぁ之助
BL
某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。
そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。
聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
平凡な俺、何故かイケメンヤンキーのお気に入りです?!
彩ノ華
BL
ある事がきっかけでヤンキー(イケメン)に目をつけられた俺。
何をしても平凡な俺は、きっとパシリとして使われるのだろうと思っていたけど…!?
俺どうなっちゃうの~~ッ?!
イケメンヤンキー×平凡
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる