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プロローグ

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ーーー数年前。



「ねぇ聞いた?今年はあの雨泉学園の生徒を破って準決勝に進むチームがあるらしいよ?」
「なにそれ、あの雨泉学園の生徒達に勝てるチームなんて……桜月学園くらいしか、」


その年、初めてエントリーした卓球大会中学生以下の部で、私は準決勝出場まで上り詰めた。


「それがね、初エントリーらしくて。学校でも無くてスポ少からのエントリーらしいの。確か名前が…………」



………けど、





「よろしくお願いします!」
「…よろしくお願いします。」






その準決勝で私は嫌になる程知る事になる。





「あった!…スノーアミティの、雪平こしずちゃん!」







この世界は、甘くないことを。









「セット数3ー0、得点11ー1。勝者、桜月学園、夜凪紬!」







酷い絶望感、そして、







「……中学生になっても卓球は続けるの?」
「…………続けたい、です」


「それなら…………」








絶対にあの人にリベンジするという、目標を。









「今度は中学校の試合……決勝で戦おう、こしずちゃん!」











あの人に手を差し伸べられた時、自分の生きる意味が分かった。













ーーー


そして今。



「……木ノ森中学校」




私はようやく中学生になった。


あの時6年生だったあの人が、中学3年生。




(今年こそ、絶対に勝ってみせる。)







これは私、雪平こしずが再戦でリベンジを果たす為、そして、











夜凪紬を手に入れるまでの物語。















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