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「僕はこっち側の人間だから」
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お気に入り登録そこそこ増えてたので驚きました。
ちょっとここで続きを書いてみようと思います…本編の直後ではありませんが書きたいなと思ってたもの。
正直な話昔と性癖が変わってしまったので今風にはしたくない為続きが書ける気がしません…。
本編の更新は考えてませんので序盤の序盤のみですが公開中です。
ーーー
主要人物のみ
梓川 夏帆(あずさがわ かほ)16歳 155cm
可愛い僕っ子、素直で天然。
柊の恋人で屋敷に軟禁されている。
柊 大河(ひいらぎ たいが)25歳 183cm
ヤンデレでスパダリ、変態。
若いながら有名企業の社長を務めている。
すぐ病む。
黒瀬 悠太(くろせ ゆうた)15歳 175cm
夏帆のクラスメイト。
柊に内緒で夏帆を外に連れ出している。
夏帆の事が好き、イケメンだけど性格がアホで自分勝手。
メインはこの3人です。他にもキャラがいて柊側と悠太側で分かれてます。名前は出ませんがちょくちょく喋る子もいるので流れで…………
あらすじ…
小さい頃両親が亡くなってすぐ拉致された夏帆は、誘拐犯の柊の住む屋敷に監禁されていた。
監禁されつつも屋敷の中で普通に日常生活を送っていた夏帆は、ある日悠太というクラスメイトと出会う。
屋敷から夏帆を連れ出して外の世界を教えてくれる悠太に夏帆は少しずつ恋心を抱くようになるが、柊の元から逃げることが出来ずにいた。
ーーー
(夏帆side)
悠太は監禁されて屋敷から出た事がなかった僕を、色々な場所へ連れ出してくれた。
初めこそ体力も無くすぐ息が切れてしまいあまり楽しめなかった僕も、悠太が支えてくれて少しずつ長い時間外を歩けるようになってきて、
毎日色々な事を教えて見せてくれる悠太に、言葉に出来ない不思議な感情が芽生えていた。
「………」
今日も大河さんに内緒で屋敷を抜け出して、悠太に色々な事を教えてもらった。
(明日は何を見せてくれるかな……どんな事を教えてくれるんだろう、外って、楽しいんだな)
広い部屋、崖の下に建っているからなのか僕の部屋の出窓の少し先には狭い階段がある。
(なんか設計ミスっぽいけど……この階段があるお陰で悠太とも出会えたし、この部屋から外に出ることも出来た)
正直こんなすぐ逃げられるような階段が届く場所にあっても、逃げようだなんて思ったことは無かった。
何故なら、ここにいた方が美味しいご飯も出るし広い部屋にだって住める。部屋の広さとか豪華さはどうだっていいけど、ご飯が食べられないのは死活問題だ。
これほど裕福な暮らしをさせてもらっているというのに、逃げる方がおかしいとすら思っていた。
ベッドに横になりながら疲れた体を癒すようにぼーっと窓の外を見て、夕暮れで茜色に染まる空を見ていた。
(外に出てること、大河さんには絶対に隠し通さないと………約束破ったら何されるか分からない)
ただ、拉致された時にそう脅されていたから、破ってしまったからには隠し通さないとと決心をした。
…その直後、部屋の扉がノックされた。
「…!」
「夏帆、入るよ」
………大河さんが帰ってきた。
急いでベッドから起き上がって、扉の前へ向かう。
扉が開いた時に上を向いていたら背の高い大河さんとしっかり目が合った。
「……!お出迎えありがとう、ただいま。夏帆」
それが嬉しかったのか………大河さんは、本当に嬉しそうににこっと笑って僕の頭を撫でた。
「お…おかえりなさい、大河さん」
この様子なら今日もバレていない。
今日はまだ、大丈夫だ。
「お仕事お疲れ様です、…大河さん、今日はどんなお仕事をしてたんですか?」
もうすぐ夕飯の時間だけど、ご飯担当に呼ばれるまでは僕の部屋で大河さんと僕でお話をしてる。
大河さんがソファに腰掛けて、僕もその隣に座った。
「ありがと夏帆。今日はトイレ掃除をしてたよ」
「……え、あ、そうですか」
...
「…夏帆、社長がトイレ掃除をする会社は繁盛するって話は知ってる?」
「えっと…ごめんなさい知識が無くて………とりあえずその、お仕事本当お疲れ様です」
大河さんはにこりと微笑んで、そこからもしばらく会話をしたけど僕と悠太の事はバレていないようだった。
しばらくして、ご飯担当が僕達を呼ぶ声が聞こえたので2人で食堂へ向かった。
「………」
………大河さんは少し変わっているところもあるけど、怒らせると怖い人物なのは確か。
(絶対にバレちゃ駄目だ………大丈夫、大丈夫、大丈夫)
僕と悠太の秘密は、絶対にバレないようにしないと。
ーーー
バレました(結構経って)
ーーー
「ずっと気付いてた、夏帆の様子がおかしいって。…最近体力もついてきたし、…本当は嘘だって信じたかったんだけどなぁ」
僕の行動がバレてしまった。
(嘘……なんで、なんでどうして)
何が駄目だったのか分からなくて、ただ大河さんが怖くて息が苦しくなった。
「いつかやめてくれるって、信じてたから盗聴器だってGPSだって仕掛けなかった、…でももう限界なんだ。
お願いだからもう帰ろう…?ねぇ、夏帆」
………でも、ここで帰ってしまえば、僕はもう二度と外には出られないだろう。
「夏帆……大丈夫、俺が守るから」
「ゆ…悠太」
もう戻りたくないなんて、贅沢な願いだろうけど、
それでも僕は悠太の傍に居たかった。
(僕は……悠太が好き…、悠太だけじゃない、悠太の友達も、家族も、学校だって………
悠太達の傍に居たい、もう、大河さんの傍には居たくない)
束縛され続ける事が苦しかったなんて、気付くのはあまりにも遅すぎた。
それでも僕は、差し伸べられた悠太の手を掴んで人混みの中を走った。
「夏帆…ッ、待って、お願いだから俺から離れないで、」
勿論大河さんは追いかけてきて、僕達も必死に逃げた。
逃げて、逃げて逃げて逃げて、…もう束縛なんてされたくないって、
…………もう少しで逃れられたのに、
「………あっ、」
足がもつれて、転んでしまった。
「夏帆………!!」
そのまま悠太の手を離してしまい、
「…ッあ、」
「捕まえた……帰ろう、夏帆」
…………逃げられなかった。
ーーー
僕の部屋の窓には分厚い木の板が貼られて、外からの情報が一切部屋の中に入ってこなくなった。
「ごめ……なさ、…ごめんなさい、大河さん…………ごめんなさい……ッ」
毎日のように後悔してはベッドの上で蹲って泣いて、何度後悔してももう悠太とは会えない。
部屋に入ってくる光は1つ、
「夏帆、具合はどう?」
大河さんが部屋に入ってくる時だけだ。
この陽の光1つ入らない真っ暗な部屋に、廊下の明るさは少し眩しかった。
「……た……いが……さん、…………、…ッごめんなさい…………本当に、ごめんなさい、」
泣いて怯える僕に、大河さんは隣に座って優しく頭を撫でるだけだった。
「…反省出来るのは良い事だよ、……でも夏帆は俺との約束を破った。だから今日も……お仕置きの時間だよ」
………もうこの時間は嫌だ。
「ごめんなさいっ、たいがさ……っん、ぅ…………」
口付けから始まって、何度も何度も頭を溶かされるような快楽を、何度やめてと頼んでも与えられてしまう。
優しくも見えるその抱き方は、あまりにも無理矢理で相手を傷付けるような抱き方だった。
丁寧なのに乱暴で、優しいのに突き放すように冷たくて、
「……ごめんなさい…大河さん」
もう逃げられないくらいの暴力だった。
ーーー
甘やかされて閉じ込められて、あれから僕はもう、外の世界を少しも見ていない。
広い綺麗な部屋の中で、恋人やその仲間に甘えて、逃げる気力すら失って、
「ただいま、夏帆。良い子にしてた?」
ただ、毎日のように思い知らされる。
僕は…………悠太側には入れない、こっち側の人間なんだと。
ーーー
思い付けば書くかもしれませんが一応これがこのお話の結末かなと思います。
途中飛ばしてますが柊もきっと夏帆にめちゃくちゃ怖がられるくらい酷い事してる…はず!!この話だと夏帆大好きワンコにしか見えませんでした。
夏帆も悠太も若々しくて可愛いのですが今回書いてみて柊がとても可愛いなと思ってしまいました…トイレ掃除……
いじめとかではなく普通に掃除したいんだと思います。やるべき仕事はちゃんとしてる。
柊「海斗社長は普段どんな仕事をしてるんですか?」
海「えっと……ピーーッでピーなピ--っとした仕事です、まあ社長がやるべき仕事ですね。柊社長は?」
柊「俺は…トイレ掃除をやらせていただいてます」
海「……エッ」
社長というところに海斗との共通点……
また機会があれば書きたいです、ここまで読んでいただきありがとうございました!
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