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その他
守りたいだけ (前半 郁人目線)
しおりを挟む今年中にメインキャラ5人、1人10話書きたいという目標があったのですが想像以上に多忙で主にみくかが書けそうにないのでこの話で許してもらおうと考えています、
軽い設定……
兄弟設定です
長男 郁人(大学生)
次男 海斗(高校3年生)名前呼び
三男 優馬(高校2年生)兄貴呼び
四男 未来斗(高校2年生)兄ちゃん呼び
末っ子 澪(中学1年生)兄さん呼び
両親はいません
本編の方(未公開)では末っ子に莉音がいましたが莉音を犯したくないので消します、お金が無くて弟達の面倒を見れなくなった郁人が手を出した援助交際から始まる胸糞話です
ーーー
(郁人side)
両親が他界してから、弟達を養うのは長男の僕の役目だった。
高校生の頃からアルバイトを掛け持ちしてお金を稼いで、誰の力も頼らずに1人で、
「あ、未来斗。お風呂上がった?じゃあ次…澪、だっけ」
「うん、行ってきます…」
大学生になっても変わらず、働いてばかりで遊ぶ時間も無い。地頭が良く勉強にはそれほど困らないのだけが救いだった。
「…なぁ、兄ちゃん」
そんな時、
「何…?」
「お、俺さ…バイト、やりたいんだけど、」
澪のいないところで、高校生の弟達が本音を話してくれた。
「…バイト、って……赤点取ったら出来なくなるでしょ、未来斗じゃ無理だよ……」
「勉強なら優馬兄ちゃんとか海斗兄ちゃんに教えてもらえるから大丈夫だよ!…2人も、バイトしたいって言ってる」
前々からたまにバイトをしたいと言われることはあるけど、未来斗の通う高校は考査で赤点を取るとバイトが出来ないのであまり許可出来なかった。
「うん、俺もしたい、別に兄貴を手伝いたいとかではなく」
「俺も……家にお金入れるよ、郁人1人で俺達4人を養うの、大変だろ?」
……そうは言ってくれるけど、
「…ううん!駄目、優馬は行きたい学校も決まってないから成績落とせないだろうし、海斗だって今年受験なんだから、そんな暇無いよ」
僕は弟達が働くのが怖い。
昔、高校生の時に自分がアルバイト中に襲われたことがあるのが少しトラウマだった。
『タバコ、なんで分かんねぇんだよ!!』
『申し訳ありませ……ッひ!!』
夜遅くに店で酔った客に殴りかかられ、初めてだったのもあり誰かが来てくれるまで何も出来なかった。
『桜木さん、大丈夫?!病院………』
『大丈夫です、…ごめんなさい、』
髪が乱れて、制服は乱れつつ少しはだけている。
『警察が事情聴取お願いしたいって、…出来る?』
『はい、大丈夫です。…あの、この事、弟達には言わないで下さい』
………まぁ、弟達に言っていないそのトラウマがあるせいで、皆に働かせるのは怖かった。
「兄ちゃん………」
「この話はおしまい。…あ、明日居酒屋だから帰り遅くなる、優馬、ご飯お願い」
「あ、うん、分かった」
最近は料理上手な優馬がご飯を作ってくれたり、他の皆も掃除や洗濯、家の事を役割分担してやってくれるからとても助かってる。
「あがった……」
「澪、ご飯出来てるから食べよ」
「うん、…お腹空いた」
本当に皆家族思いで優しくて、
「今日学校で掃除の時間、優馬が………」
「あー待って言わないで、駄目恥ずかしい」
笑顔で食卓を囲めるくらいには仲が良い。
「澪、ほっぺたにご飯ついてる、気を付けろよ」
「あ…うん、気を付ける。ありがと海斗」
…そんな幸せが続いていけばいいのに、
……けどそれは、僕のせいでぐちゃぐちゃに壊れてしまった。
ーーー
「どうしよ……今月まずいかも………」
風邪を引いてバイトを休んでいたので、収入があまり良くなかった。
(何か…すぐ出来るバイトないかな、お金…沢山貰えるような)
考えているうちに、ふとあの日のことを思い出した。
「……ッ」
あの時の事、思い出したくもないのに、
「……………」
………でも、
ほんの少しなら、
「桜木さん」
「…!」
そんな道を行ってみるのもいいんじゃないかって、そう思ってしまった。
「3番卓のお客さんにこれ、持っていってくれる?あと休憩入っていいから」
「あ…はい、分かりました」
言われた通り3番卓に、渡された食べ物を持っていく。
酔っ払っていた2人の中年サラリーマンが座っていた。
「お待たせしました、枝豆と唐揚げです」
…正直思うのは、酔っている人にトラウマがあるのに居酒屋で働いているのは自分でもどうかと思う。
でもここはこの辺で1番時給が良くて、中学生高校生の弟達を養うには時給の高いところで働くしかないということ。
そして、そういう人達を相手にするということは、またあの時のような事が起こる確率も上がるということで、
「………え、」
突然腕を掴まれた。
「え、あ、あの………」
「お姉ちゃん、可愛いねぇ!連絡先教えてよぉ」
………あ、
(お姉ちゃん……、…なるほど)
女性と間違えられた。
「すみません、個人情報ですので………」
「ちぇ、つれないなぁ~」
そう言って笑って、それで離してはくれたけど、
(……)
正直、嫌な気分になる。
ーーー
それでもお金はなくなっていくし、どうにもならない時もある。
「これ以上バイト増やせないな………、……どうしよう」
これ以上弟達に不自由な思いさせたくないのに、
お金を稼ぐ方法がのっているサイトを読み漁って、見つけた。
「これ……援交じゃん」
言葉は濁してあったけど、つまり援助交際。
(こんなの勧めるサイトあるんだ………、…え、)
サイトには1回2万円は稼げると書いてあった。
「2万………」
ーーー
少しだけ、少しなら
弟達を守る為だから、
(………ちょっと、だけ)
手を出してしまった。
「写真より可愛いねェ、こういうの何回やってきたの?」
「えっと……初めてです」
SNSで会った中年の男と会った。
(酔ってなければ大丈夫、大丈夫、大丈夫………)
なんて、本当は逃げ出したかったけど、
お金を稼げる方法が他に思い付かなかった。
「それで…あの、本番無しで、2万…で、いいですよね?」
「うんうん♡久々に可愛い子だから、3万でいいよ」
……!
「ほんとですか…?!」
男は笑って頷いた。
「本当だよ、じゃあよろしくね♡」
そのままその男とホテルの一室に入った。
「お金は何に使うの?大学生だからやっぱ遊ぶお金かな?」
「そんな……、そんな暇無いですよ、家族を養ってるだけで」
なんて話をしながら、ベッドに座る男の前で床に座り込んで、
「そっかぁ~偉いね、よく頑張ってるんだね♡」
「…!」
そんな事、今まで言われた事がなかった。
(人から褒められるの…嬉しいな)
「じゃあ早速……よろしくね」
「はい、……わかりました」
ーーー
「そうそう…裏筋まで舐めてね~♡」
大丈夫、きっと大丈夫、
僕が我慢すれば皆辛い思いしなくて済むから。
「ん”……ッ」
「ちゃんと味、覚えてね♡はぁ…口の中あったかぁ……」
頭を押さえつけられて無理矢理されても、今耐えればいいだけ。
「ぅ”…ッ」
「あー出た出た、……じゃあ次、手でお願いね」
本番なんて無くても、はっきりと自分が汚れていく感じがした。
ーーー
「すごく上手いね~良かったよ♡」
「…ありがと……ございます」
服や顎についた精液を見て、自分が何をしてしまったのか理解した。
取り返しのつかないことをした、弟達に目を向けられないような、
………でも
(……思ったより…大丈夫だったな)
これならまた出来るかもなんて、
ここでやめておけば良かったのに。
ーーー
調子に乗って、何人も関係を持った。
「お久しぶりです、こんばんは…!」
「久しぶりだねェ……早速ホテル行こうか♡」
相手は皆優しくて僕の事を肯定してくれて、
トラウマがあったのが嘘みたいに毎日そればかりしていた。
そうして夜遅くに帰った時は、いつも弟が心配して待っていた。
「優馬、僕遅いんだから寝てて大丈夫だよ」
「ん……、…あのさ、」
高校生の弟、優馬は少し他の兄弟より鋭い。
「…居酒屋なんだよな?兄貴のバイト先」
「うん、そうだけど」
「さっき…」そう言いかけて、会話が止まった。
「……ううん、なんでもない!あんまり無理するなよ、おやすみ」
明るく笑って、リビングから出ていく。
「おやすみ」と言って部屋を出るまで見送った。
(……勘づかれてるかな)
さっきの言いかけた言葉で、優馬が何を言いたいのかなんて続けなくても分かる。
「さっき聞きに行ったらいないって言われた」…おそらく、その類のもの。
(気を付けないと……精液とか、ついてないよね)
このままバレなければいいけど。
ーーー
「お腹空いた、メロンパン食べたい…」
「はい、昨日買ってきたやつ。どうぞ」
「……!買ってきてくれたの…?先月あんまりお金無いって言ってたのに」
経済的に余裕も出てきて、とりあえずは安泰だった。
「メロンパンくらい買える余裕はあるよ、…出来るだけ不自由させたくないから」
汚れていない、純粋な弟達を守ってあげたい。
犯された汚い僕が出来るのはそれだけだった。
ーーー
「頑張ってるんだね、本当に頑張り屋さんだなぁ………」
「何かあればおじさんを頼ってね、お金ならあるから」
「君は偉いよ、本当に、優しいお兄さんだと思うな」
そうやって褒められると素直に嬉しかった。
頑張ってるのが認められているんだって、そう思えば援交も苦じゃなくて、
「…楽しいな」
生きてる事が楽しくて、少し罪悪感はあったけどこれでいいと思えた。
………けど、僕なんかが幸せになれる訳無かった。
ーーー
その日は初めてのお客さんだった。
かなり巨漢で少し清潔感がないように感じて抵抗もあったけど、貰えるお金が高かったので引き受けた。
「この部屋だよ、行こうか………」
「はい、…、…あれ」
さっき予約していた部屋番号と入った部屋の部屋番号が違う。
それに気付いたけど部屋に入る直前で時間が短くて何も考えられなかった。
予定では僕と相手の2人、…だったのに、
「え……………?」
その部屋のベッドには隣の男と同じくらいの体型の男が2人座っていた。
「え…あの、ここちが「うわ、その子?可愛いねェ~」ぇ、ぁ…?」
固まっているうちにもその男が僕の周りに来て、気付けば腕を掴まれていた。
「な…、ぇ…騙して………」
「騙すなんて人聞き悪いなぁ、せっかくだからお友達と皆で遊びたいじゃん?」
油断していた。
「…や”………ッ!!」
「嫌だ」と言う前にベッドに連れて行かれて押し倒され、上から逃げられないように押さえ付けられた。
「ッ…ぁ”、…はッ、はぁ、」
「君結構有名なんだよね~、今まで紳士的な人達に甘やかされてたのかもしれないけど、援交なんてする悪い子にはお仕置きしなきゃだよね♡♡」
身動きが取れなくて、圧迫されて息もできない。
3人のうち1人の男がベッドに乗って体を触ってきた。
うつ伏せで体の上に乗る巨体が酷く重くて、
その状態で服を脱がされた。
「ッや”だ!!」
「そういえば君処女なんだってね♡じゃあおじさんが貰っちゃおうかな~」
下着ごと下を脱がされて、脱がすのに少し空いた体の隙間で抵抗しようとしたらもう1人に腕を頭の上で拘束された。
「助けて、……だれか………」
「は?純粋ぶるなよクソビッチ」
それまでの甘ったるい口調とは違い冷たい声で罵られて、驚いたと同時に頬を叩かれた。
「ひ…、……あッ」
「はいお仕置きお仕置き~、次萎えること言ったら本気で殴るからね♡♡」
その間に腕は手錠をつけられてベッドの柱に繋がれ、手の自由が奪われた。
「うおぉ…ほんとに処女じゃん、締め付けすげぇ」
「次俺だからな……、あーもうはち切れそう」
指が容赦なく何本も入ってきて、苦しくて気持ち悪いのに振り解けなかった。
これ以上酷くされるのが怖くて何も言えない。
誰も、助けには来ない。
「………」
「動画ちゃんと撮れてるー?処女喪失ちゃんと撮っとけよ」
撮影までされていて、涙でぐしゃぐしゃな顔や指が入っているところまで至近距離で撮られ続けて、
撮られたくなんてないのに「やめて」と言ったらまた殴られそうで怖くて何も言えなくて、
何も出来なかった。
「はいじゃあいきまーす♡処女…喪失ッ」
「……ッぁ”!!」
想像以上に太くて長くて、裂けていく感覚と内側からえぐられるような気持ち悪さが襲ってきた。
「ひ…ッぁ”、あぐ……ッ、はーーッ、…は……ッ」
息が苦しい、
こんなに痛いのに苦しいのに気持ち悪いのに誰も助けてなんてくれない
目の前にいる大人は笑いながら僕が苦しんでいるのを楽しんでいる
死んだ方がましなくらい痛いのに、吐きそうなくらい気持ち悪いのに
「やだ……………」
誰も、誰も誰も誰も、
僕の事なんて見ていない、助けてなんてくれない。
ーーー
ずっと、何時間もそいつらに犯され続けた。
日付が変わっても深夜になっても、何も変わらずそいつらは僕を犯しては笑っていた。
「………っ」
あの時のトラウマが蘇っては蝕んだ。
本当に自分が汚れていくような、自分がこの世にいてはいけない存在のような気がした。
「ぁ”……………?」
意識が途絶えて、目が覚めたらまたベッドの上にいた。
今度は座っていて、隣の男2人に囲まれている状態だった。
「……?」
「もしもーし、お兄さんやっと起きたよ♡」
その目の前にいるもう1人の男が持っていたのは僕のスマホだった。
音量を切っているのか、通話かと思われるその相手の声は聞こえない。
頭がぼーっとして、ボロボロな体とかシーツの乾いた精液や血を無気力に眺めていた。
「じゃあこれから始めるね♡そっちは4人いるから…そうだなぁ、1人目を逸らしたり通話を切ったりするごとに手か足1本ずつ、皆切ったら4本だね♡治せないくらいぐちゃぐちゃに折っちゃおっか!」
段々ぼーっとしていた意識が戻ってきて、ハッとした。
(4人……折る?…なに、……え…、もしかして………)
「それ…誰、」
通話している男は僕を見て笑った。
「君の弟だよ♡」
………
………
「………は?」
声もあまり出なくなってしまった僕をよそに、男は画面を見ながらニヤニヤと笑っていた。
「皆可愛いねぇ~誰がいいかな、もう1人友達がいるから4人で丁度…「なに…言って」…あ、これから郁人君に二度と世の中に出られないくらいの制裁を与えようと思って♡」
………制裁、
「や”…、…死にたく……な………」
「大丈夫、抵抗するかこの子達がルールを破らなければ体をぐちゃぐちゃにはしないから♡一部破損とかは防げないと思うけど」
殺される
「死にたくなければイチャラブセックスしようね♡郁人君♡」
名前なんて偽名で隠していたのに、
携帯だってロックをかけていたはずなのに、
(なんで………こんな目に)
もう“普通”に戻れない
……でもそんなのはもうとっくの昔からだったのかもしれない
自分の存在が汚されたその時から、…ずっと、
「……………、…ぁ………」
ーーー
何もかもが終わったあと、酷く無気力なまま体は動かなかった。
ひどい折られ方をした右腕、青黒く腫れた目の周り、頬。
乱れた服、何度も掴まれて傷んだ髪。
何もかもが惨めで、汚くて、
虚ろな目をして、男たちがいなくなった部屋で少し遠くで何度も着信音の鳴る自分のスマホを無気力に眺めた。
アルバムとトークアプリを見られたような後が残るスマホは、着信音が途切れることなく鳴っている。
切れても切れてもかけ直して、ようやく左手に取って通知を見たら、何件も来ている弟からの着信。
「……………」
応答も折り返しもせず着信拒否をしたまま、電源を切った。
「………寒い」
もうあの家には帰れない。
服を着てふらふらと部屋を出て、
そのまま町に出て、自宅と別方向に歩き出した。
ーーーーー
1番可哀想なのはその部屋を清掃するホテルのスタッフさん………
優馬達視点のお話で続きます。
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