ゆうみお R18 お休み中

あまみや。

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その他

異世界転生 前半

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思い付いたものをゆうみおキャラでやるだけ
異世界転生じゃないのでなんでも許せる方向け
すごく駆け足


ーーー

(ユウマside)


帰り道トラックに跳ねられた。


「えっ」


出血多量で俺の人生が終わりました。




…………


………


……




「……マ、…ユウマ!」


名前を呼ばれて目が覚めた。


「…え……?」

目が覚めるとそこは雲の上のようなところで、1人の少年がこちらを見ていた。



(…あれ、)


この子…………




「……未来斗?」



友達だった。



「みくと…俺の名前が分かるなんて、お主一体何者だ??」
「お主って……未来斗だろ?俺の友達の……」
「いや…俺神だし、名前はミクトだけど……神様なんだぞ!」


怒った。


「あ…ふぅん、そうなんだ、」


まぁ夢だろうと思って適当に流した。



(死後の世界かぁ……俺の人生あっけなかったなぁ)


高校生から始まったような俺の人生が、スタートラインである高校生のうちに終わってしまった。



「それで神様、俺はどっちに行くの?天国?地獄?」
「異世界」
「分かった。いせか、……いぃ?」


いせかい……??



「それは…地獄?天国?」
「どっちでも無いぞ、異世界で生まれ変わるんだ」
「生まれ変わっちゃっていいの?早くない?」
「別にそんな事ないと思うけど………じ、実は俺、ユウマの死期間違えちゃったというか……本当はあとじ「そんな事ある?!!」…ごめんなさい」


こいつのせいか………



「だ、だからお詫びに異世界に行って欲しいんだ、チート能力あげるから!…ね、お願い………そうしないと俺が上司に怒られる……」
「リアルな話だな………あとどこかで聞いた設定………」


まぁ、地獄に行くよりはいいのかもしれない。


「…あ、じゃあもう1つ、俺の友達を異世界に連れてってよ」
「それ、まだ現世に生きてる友達殺す事になるぞ?」
「あーじゃあ記憶とか無くていいよ、姿だけでいいから」


「それなら」と快く了承してくれた神様。



「じゃあ少し目を瞑ってて、……そう。…いち、にの、さん…!!」



言われた通りに目を瞑って、3秒後。



ーーー




「………」


ゆっくりと目を開けると、そこには草原が広がっていた。



「わぁ………」


どこまでも続く草原と青空。奥に見える大きな山。


「すごい…すごい!!」


語彙力が無い。



「とりあえず街に出てみなきゃだな!異世界風の澪かぁ……可愛いだろうなぁ」


なんて期待を抱きながら、何も無い草原からるんるんで街がありそうな方に向かった。




ーーー


適当に歩いてもたどり着けるのがご都合主義というもの。


「異世界の街だ…!!澪はどこかな?!!」


そういえば俺、ここに来るまで何もチートしてない。


チートっていうのは主にドラゴンとかを倒す時に使えるのだろうと思っているのでとりあえず今は澪達を探す事にした。



「澪ー、みお、みーおっ、かいと、みおみおいくと、みおー?」



……ふと気付いた。



(あれ…俺今制服だけど大丈夫かな…珍しいよな、こんな服)


周りからの視線は変な歌を歌っているからかと思っていた。多分それが8割だろうけど。


……けど、それよりも目を引くものがあった。




「………ん?」



俺と同じような服を着た、白い髪の子供が市場を行き交う人混みの中を走っていた。



「はぁ…はあッ」

その子を俺も、周りの人達もじっと見ている。


その子は必死に何かから逃げているようで、…髪の毛に隠れていた顔が一瞬だけ見えた。




(え………)



その姿は、現実世界で見覚えのある人だった。




「真冬………?」




高校の、後輩だった。




真冬は本当に誰かから逃げていたようで、走っている途中突然後ろで腕を掴まれた。


「……ッあ”!!」



その勢いで真冬の足が止まり、その体重に耐えられなくなった体がガクンと崩れるように静止する。



「や…やだッ、やだ、はなして、!!」



その声はあまり聞いたことは無いけれど確かに、真冬の声だと感じた。



「逃げてはいけませんよ、勇者様」



真冬の腕を掴んだ人物は、何やら高い服を着て少し偉そうな男だった。



「も…やだ、帰りたい、誰か助けて……、!!!」
「勇者様はこの国を救う英雄なのです、さぁ、戻りましょう!!」


抵抗する真冬を無理に引っ張って、真冬も暴れるように必死に抵抗をしていた。



(あ…あれ、助けなきゃだよな)



一歩前に出た瞬間、



「ッ………」



真冬が男に向かって空いていた方の手を伸ばした。


手の平をその男に向け、何か唱えている。




「……!」



すると突然、白い色の小さな魔法陣のようなものが浮かんだ。



「おっと」



それは所謂魔法のように見えて、何もかもが突然で呆気に取られている俺を他所に事は進んだ。


「あ”……ッ」
「こんな人の多い場所で力を使ってはいけませんよ、貴方の力は魔王軍討伐の為にあるのです」



男が、真冬の腹を思いっきり殴った。



「さぁ帰りましょうか、貴方の力をこの街の皆が求めているのです、貴方はこの街を救ってくださる英雄なのですから!」


殴られて意識の無い真冬を、男は抱えて、また人混みに消えていった。



「また勇者様がお城から逃げ出したのね、いけない方ね………」
「あの方はこの街を救う勇者様なのだ。勝手な行動は謹んでいただきたいな」



周りから、そんな言葉が聞こえてきた。



(真冬がこの街を救う勇者……?何言って)



俺の知っている真冬は、友達の隣で本を読んでいるような大人しい子だ。



(けど何にせよ救うべきだった、動揺しすぎた………)



せっかく俺にチート能力というものがあるのに。



(…あ、でも一度も使ったことないな)


とりあえず、使ってみたい。



「…あの、すみません」



とりあえずその辺の人にスライムとかがいそうな場所を聞いてみる事にした。



「スライムは西の洞窟にうようよいるわよ、…ところで貴方、その服装って……」
「あ、いやそういうファッションですよ、ありがとうございます!」



なんとなく、さっきの真冬が制服を着ていた事もあってこの服が怖かったのでそう言った。



(まさか……チート能力者が魔王軍討伐の為の生贄にされるとかじゃないよな……?)



なんて、フラグのような事を立てながら洞窟へ向かう。




「……待って下さい、」



そしてふと、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。



「お?……おおぉ、その緑髪は」


黒に近い深緑色の髪に、両サイドの耳みたいな寝癖。



「郁人じゃん!!」



まさかこんな早く出会えるとは…………




「…なんで僕の名前……」
「まあまあ、そういう事は気にしない、…そんな事より何?俺に何か用事?」


異世界の服装……可愛い。



「……あ、いや、どうして引き止めたのか僕も分からないんですけど、」
「え?」
「その…何か見覚えが、……あ、すみませんなんでもないです」



……あ、これもしや、



(ちょっとだけ記憶が残ってて、俺の事を覚えているのか……?)


でも、俺が誰なのかまでは分からない。

咄嗟に引き止めたはいいもののどうすればいいか分かっていないようだった。



「引き止めてごめんなさ「お前、役職とかある?」…え、あ、一応ヒーラーですけど…」



ヒーラー……


(俺に回復能力があるか分からないし、連れて行って損は無いかな)



何より可愛いし。



「今暇?俺とスライム退治行かない?」
「新手のナンパですか?まあ…今日はまだ宿を取っていないので、引き止めたお詫びって事なら……」



……よし、




「じゃあ行こ、郁人!」
「……だからなんで僕の名前」
「あ、俺はユウマ、…あ、カタカナ表記なら郁人じゃなくてイクトかな…まあどっちでもいいか」




ーーー

西の洞窟。


「おぉ、洞窟だ!」
「洞窟で興奮するって…ダンジョンとか行ったことないの?」
「うん、東京生まれ福島育ち」
「トウキョウ…?フクシマ…?」


会話する気のない俺。



「ユウマは何しに洞窟に来たの?レベル上げとか…?」
「ちょっと試したいことがあるんだ、ついでに可愛い男の子との出会いとか………」



……次の瞬間、




「あ…スライム」


ぶにょぶにょした液体がいた。


「何あれ……」
「スライムだよ、この辺じゃ最弱だけどね」


そう言ってイクトが杖のようなものを出した。



「お、魔法……、…あ、物理攻撃」


まさかの物理攻撃。


杖をスライムに向けて振り回した。



「この程度ならヒーラーの僕1人でも倒せるよ、……まぁこいつのうざいところは沢山いるとこなんだけどねぇ」



少し先を見ると、同じような液体がまだ転がっていた。


……そして、その中に子供がいるようにも見えた。




「あれ……あんなところに子供が」
「…!最弱とは言え役職もない子供じゃ危ない……助けに行かなきゃ」


そう言ってイクトがその子の方まで駆け寄った。


「……!」



そこにいたのは子供……でも無いけど、まぁ見た目は完全に子供。


色白な肌に小柄な体型、柔らかそうな黒髪の………



「澪!」


俺の好きな人がいた。




「うぅ……」
「大変…君、大丈夫?!」


さっきみたいに物理的に杖をぶんぶん回して、澪を覆うドロドロな液体だけでも退治した。


けど、敵はまだまだいる。


救助に気を取られたイクトを狙ってスライムが襲いかかってきた。



「……!」
「危ない!!」



そして俺も咄嗟に、



(あ…今試すチャンスじゃないか?でもやり方…あ、さっきの真冬みたいに手の平を向けるのかな)


さっき真冬がやっていたようにやってみた。


その次の瞬間、





「ッ!!!!!」





なんか出た。



手のひらに合わせて紫色の魔法陣のようなものが浮かび上がって、そこから…洞窟内を埋め尽くす程の紫色の何か(?)が出て、



それがおさまった頃にはスライムは全部消えていた。




「お……?」
「え……」




これが…チート………?




「え、スライムどこ……」
「何今の…魔法かな、そんなの見た事ないけど、スライム達を吹き飛ばせるなんて並大抵の人間が出来ることじゃない、」
「へぇ……って、まじか!!」



何それかっこいい………!



「俺、強いの?!」
「強いってはまだ分からないけど…でも吹き飛ばして消すなんて勝ち組すぎる魔法、普通にすごいと思うよ」


おぉ………




「えへへ、俺強いんだ……」
「何気持ち悪い……、…あ、君、大丈夫?」


澪はぐったりして地面に座り込んでいた。



「結構衰弱してる……回復させてあげよう」
「お、その杖ちゃんと魔法使えるのか」

杖を物理攻撃ではなく回復に使った。

緑の光に包まれた澪が、それが終わって少しして目を覚ます。



「………」
「…!可愛い、」
(あ、まずいイクトが澪に惚れてしまう)


その未来は面倒なのでは回避したい。

腕の中で目を覚ました澪は、眠そうな顔で俺達を見た。


そして、


「…ありがとうございます」



小さな声で、深々と頭を下げた。 



「いえいえ、それよりどうして君はここに?」
「友達が風邪を引いたので1人で経験値を上げに来ました」


可哀想………



「そっか……でも子供が1人でこんなところ来ちゃ駄目だよ、親御さんと……「イクト、その子多分17歳」…いや何言ってるのユウマ、僕と同い年なわけ……」


「……あ、17歳です」



...



「うそ……」
「澪!久しぶりだな!」
「誰ですか、なんで名前知ってるんですか怖い………」


怖がられちゃった☆




「あらためましてミオ、歳は17歳。役職は召喚士です」


召喚士………


「何召喚するの?!」
「あ…えっと、じゃあ、」


ミオは杖を出した。


(この世界の人杖好きだな)



「カントカナントカ、……えい」


またもや魔法陣……今度は小豆色。


小さな魔法陣の中からメロンパンが出てきた。


「……食料です」
「へぇ、すごいな!他には?」
「これだけです」
「おぉ!……、…おぉ?」


メロンパンは美味しい。



「じゃあ何で戦ってたの………」
「これで殴ってた」
「また物理攻撃」


流行ってるのかな



「ミオは1人じゃ何も出来ないんだねぇ……、……僕が守ってあげなきゃ」ブツブツ
「あ、まずいイクトが初期状態に………、…ミオ、俺が守ってやる」


このままこいつをヤンデレ攻めにさせる訳にはいかない。



「守る……?」
「おうっ、見てろ俺の力!」


運良くまた敵が来たのでさっきと同じポーズをした。


魔法陣が浮かび、またさっきと同じ事が起きる。



「え…敵が吹き飛んだ」
「ちょっと待って、それ程の魔法を2回も使えるってユウマ………APの上限とか無いの?」


ない………



(まあ、これで俺もハーレムを………)



よく異世界転生もので聞く話。


……が、




「すごいねユウマ、…でも強すぎてきもい」
「ね……気持ち悪い」
「あれ?」



逆効果……?




「え、なんで?!ねぇ神様!!!」




お願いだから俺に惚れて………!!!





ーーー

(カイトside)


「聞いたか?マフユ様、また逃げ出したんだってよ」
「あんなの並外れた能力持ってても所詮はガキじゃねぇか、適当に殴って怖がらせときゃいいのによ」


……街の人達の言葉を、聞きたくないと思う時がある。


(俺だって好きでこんなことしてる訳じゃないのに………)



まぁ全ては、俺の上司がやったことで、



「また逃げたの?マフユ、駄目じゃん」



………国王


ジュンヤという、右側が長い茶髪と赤目を持つ男。



王室で王様っぽい高そうな椅子に足を組んで座って、目の前に後ろで手首を縛られて跪いて座る真冬を見下した。



「あのねー、困るんだよね、マフユを外に出すと色々面倒なことが起きるの、これ以上仕事増やさないでくれる?」
「………」
「…はぁ、傷付けられると面倒なんだよ、もういいから部屋連れてって」


それに部下達が反応して俯くマフユを無理矢理部屋へ連れていった。



「…ね、カイト。マフユは外に出る度に注目されて暴漢達に狙われるから困るよね」
「ジュンヤ様、…その優しさ、もう少しマフユに伝えやすくしてくれませんか」


一応守ってはいるらしいけど、それを素直にマフユに伝えるのが嫌なんだと思う。



「んー…でもマフユは魔王軍討伐には向いてないよなぁ、力があってもメンタル的に」
「だからいい加減解放してあげましょうって」
「……んー………あ、じゃあ代わりを見つけてきてよ、メンタル強くてチート能力のある転生者」


そんなのいる訳ない………



「転生者じゃなきゃ駄目なんですか?」
「うん、俺は珍しいものを求める王様だから」
「(めんどくせぇ…)で、それを探せと?」


「うん!」と幼い子供のような笑顔を見せられた。


「メンタル強くてチート能力のある転生者……、いないと思いますけどまぁ洞窟にでも探しに行ってきます」
「気を付けてねー、カイトクソザコだからスライムにすらやられそうだし」
「ちょっとうるさいです」



ーーー

(ユウマside)


「まあそれでも俺はお前らからのハーレムの為に諦めないけどな!」
「「メンタル強ぉ………」」



……さて、



「どうせなら神様にハーレムも頼んでおけば良かった……、神様もう1回現れないかな」


そう呟いた次の瞬間、



「……わっ、」


何も無い空間から俺のすぐ隣に人が落ちてきた。



「え……」
「いったぁ……、…なんで呼ぶんだよぉ………」


……あ、



「ミクト……!」
「…!俺は神様だぞ!神様なんだぞ!!」


そこそんなにこだわりあるんだ………



「神様、ハーレムにして」
「えぇ…もう転生したから願いを叶えるのも無理だぞ?」



っ…………



「じゃあお前何が出来んの」
「ちょっと力が強いだけで何もできません!」
「ポンコツじゃねぇか!!」


「ユウマ、その人は?」
「あ、神様だよ」
「神様…へぇ」


ミオの反応の薄さは異世界でも変わらない。



「ていうか…この時間に呼んだから帰れなくなっちゃった」
「え、なんで?」
「神様の世界の家の門限があるんだけど、それを過ぎると家に入れて貰えなくなるんだ」


小学生………



「…だから、仲間に入れて……」
「別にいいけど……家が開くのは何時?」
「えっと…さっき閉まったから、あと30年後」


……えっ



「30年……?」
「神様の生きる世界とここじゃ全然違うんだぞ!とにもかくにも神様をパーティに入れたからには、」


パーティと聞いて、突然で驚いた。


「え…俺らチームなんて組んでないけど……」
「え…そうなんだ、てっきり」


……まあでも、



「このメンバーで組むのもいいかもな!海斗がいないけど、同級生な訳だし」
「同級生って、俺10160歳だぞ?」
「あー…流石神様は生きてる年数が違う……でもまあ前世では同級生だった訳だし、」


とりあえず、




「俺達でパーティ組も!」




組んだ。





ーーー


(イクトside)


「なんか無理矢理だね、どこにも所属してなかったから僕は構わないけど」
「僕も。落ちこぼれで誰も組んでくれなかった………」


この男、ユウマの事はよく分からない。

不思議な服を着ているし、APが無いのも強力な魔法が使える理由も。


本当ならこんな奴、警戒しなきゃいけないはずなのに、



(なんで……親近感が湧くんだろう)



ずっと前から一緒にいたような感じ。



どうしてか分からないけど、この人とは初めて会った気がしない。



「…ここか、随分町外れにあるな」


考えていたら、入口の方から人の声が聞こえた。



「全く……どうして俺がこんなこと、」



誰だろうと入口の方へ目線を移すと、そこには1人の貴族が立っていた。



「……!貴族?!」
「え……、……!人が」


高そうな服を身にまとって、いかにも貴族。

その貴族に対して、ユウマが



「海斗……!」



そう言って目を輝かせた。



「良かった人がいる……、…じゃなくて、なんだお前らは!!」



カイトと呼ばれた男が威嚇してきた。


「何だって……ただのパーティだけど」
「こ、こんな序盤の洞窟にいるなんて余程のザコなんだな…!」


…確かにここは初心者向けだけど、


と、そこにタイミングよくスライムが現れた。



「…え、…あっ、なに、やだ!!」



そのスライムはカイトに向かっていって、カイトの腕に張り付いた。



「やっ、やだ、……っ誰か助けてぇぇ!!!」 



...




「何あれ」


さっきまでとキャラが違う。


「どうする?助ける?貴族だけど」
「貴族がどんな立場なのかわかんないけど、偉いのか?」
「うん、権力持ってる」


きっと何も知らないであろうユウマに軽く説明した。


「偉いのか……じゃあ助けて仲間にしよう!」
「え、待ってよ、貴族なんかが仲間になる訳………」


ユウマは話も聞かずまた力を使った。


「え、あ、待って何、やだぁぁ!!!!」


……体についてたから仕方ないけど、カイトに直撃した。



「よしっ」
「ユウマ…、」


スライムは消えたけど、カイトは無事そうだった。


……いや、まぁ…直に受けたから服がちょっと破けてるけど、



「っ……あ、な、何するんだよ変態!!」
「はぁ……?」


ちょっと破けただけでかなりダメージを食らってるようだった。


「そうかカイトは前世でも乙女だったな、俺なら露出はむしろご褒美だけど。…イクトの魔法で治せないの?」
「服の回復は無理かな……」


すると神様が、着ていたローブのような上着をカイトにかけてあげた。


「大丈夫か?怪我、痛くない?」


……やっぱり神様、優しい………


「痛いです…」
「分かった!じゃああの人間が治してくれるぞ!」


……人任せだった



「神様の癖に何も出来ないんですか……」
「か、神は自分の家でしか力を出せないんだぞ!ぶれいもの!!」


なんだこいつ


とりあえず、傷は治してあげた。


「これで平気だな!良かった!」
「……!…はい、」



………なんか、カイトの様子が


神様を見るカイトの目がどこか他とは違った。



「あ……えっと、ありがと…神様」
「!…いつでも頼っていいからな!仲間!」



回復した僕と敵を倒したユウマには何も言ってくれなかった。





ーーー


「それで、俺が仲間になるって?」
「そう!俺とお前は前世でも仲良しだったんだからな!」

さっきから薄々思ってはいたけど、ユウマはずっと「前世」という言葉をよく使っていた。


(前世って……ユウマには前世の記憶がある?)


それに反応したのは僕だけじゃない、カイトも数センチ顔をぴくりと動かした。



「……前世の記憶があるのか?」
「うん?…あぁ、そう!俺転生してきたんだ!」




……………





………………






「「……転生?」」




カイトと声が重なった。




「そう。だからお前らとは前世で…「ユウマ、それ以上喋ったら駄目だぞ!」…あ、そうなんだ」


転生って…………



「ユウマは、何かの生まれ変わりなの……?」



それは、すごいことだと思う。




「…………はぁ、ユウマ、あんまり異世界転生の事を言うな、この世界のユウマの友人に記憶が戻るとまずいんだ」
「まずい……?どういうこと?」
「その説明はあと、2人の時にする。」



神様とユウマが何か話していて、僕達はずっとそれが気になってた。



(生まれ変わり……転生、……そしてあの能力、もしかして)




そしてカイトもまた、何か考えているようだった。






ーーー


「と、とりあえず先に進む前に食事でもしないか?俺も一旦王宮に戻って着替えを………」



いつの間にか仲間として受け入れていたカイトの意見で、お腹も空いたし街に戻ることにした。



「良かったら皆、王宮に来るといい、お前らくらいの食事なら俺でも用意してやれるから」
「…カイトって王宮でどんな立場なんだろ」ヒソ
「ご飯係じゃね?食事用意出来るなら」ヒソ
「そこうるさい、…あ、………」


ふと、カイトの言葉が止まる。



「そういえば名前、なんとなくは分かったけど改めて自己紹介…しておいた方がいいか?」



……言われてみればまだこのメンバーで自己紹介してない。



「あ、それいいな!じゃあ俺からっ!

俺はユウマ、多分この中で一番強い!」ドヤ


この人ナルシストかな………



「役職は?」
「え…、…あ、……えっと……ミクト、俺の役職って何……?」
「え…(考えてない)魔法陣使うし魔法使いでいいんじゃないか?」
「らしいです、よろしく!!」



…やっぱりユウマのことはよく分からない。


服装だってこの世界のものではなさそうだし、なんだか………分からなくてちょっと怖い。



「転生した魔法使いなのか?」
「あ、さっきのは聞かなかったことにして、ただの魔法使いでーす………」


それにカイトもなにか企んでいる気がして、警戒しておいた方がいい気がする。



「じゃあ次ミクト!」
「俺…俺は、神様です!神様って呼んでください!!」


この人ほんとに神様なのかな………


(全く見えない………)



「分かったポンコツ神様」
「違うぞ~」


「あの、神様って役職はあるんですか?」

気になったので聞いてみた。


「役職?!…え、えと………俺家以外では力持ちなだけで何も出来ない………」


…ポンコツ臭がプンプンする。



「じゃあ……次は僕、僕はイクトです。ヒーラーやってます」


まあ、ヒーラーらしいヒーラーした事ないんだけど。


(基本ソロプレイだから回復より物理攻撃の方が強くなってた………)



「ヒーラーがいるのは心強いな!…えっと、じゃあ次……そこの小さい子!」
「…」む


神様に小さいって言われてむっとしてる。



「ミオです。役職は…召喚士……?メロンパン沢山出せます」


自分の役職に自信が無いのか、何故か少し疑問形だった。


「こんな感じで……」ポポン
「おぉ…、しかも美味しい…!非常食製造機だな!!」
「ひじょッ……」ガ-ン




「…じゃあ…最後は俺だな、俺はカイト。役職…役職は……、……なんだろう」


役職が無い系だった。



「え?無いの?そんな事ある?」
「無いことは無いよ、貴族とか農民はない人多いかも」


ユウマって、ほんとに何も知らないんだな……。



「でもカイトって貴族なんだよな!偉い人だ!」
「あ、…そ、そう!俺の役職は偉い人だ!!」


プライドが高いのか、そんな存在しない役職でも胸を張って言っている。



「じゃあ偉い人の紹介も終わったし、早速ご飯食べに行こうよ」
「ああ、じゃあ俺が王宮に案内する、ついてこい愚民ども!!」



……物理攻撃したい。





ーーー


大分歩いて、王宮についた。


「うわぁ……大きい!!」
「大きいな!カイトの前世の家より!!」


立ち止まって大はしゃぎする神様とユウマを他所に、僕とミオは足早にカイトについていった。


「ミオはびっくりしないの?」
「大きいとびっくりするの?」
「あぁ………」



王宮の凄さ分かってない系だ………


僕は僕で少しは驚いてるけど、この街に来て歩いていれば毎日見えるところなのでそこまででも無い(初めははしゃいでた)。



「イクトは、どこから来たの?僕はイガムウオ村から来た」
「僕はソベオオ村から来たんだー、…あれ、じゃあ隣の村じゃない?」


まさかの出身地が隣の村だったことを知り、意気投合してしまった。



「あの辺すごい田舎だよね、農作業しか無いし」
「力が無いと生きていけない………僕には向いてない」ガタガタ


たまたまだけど共通点があって、ますますミオに対する好意的なものが「置いてくなよ!!」上が「それにしてもここデカイな!!」、



「うるさい黙ってろ」
「……」スン



「先に王様に挨拶して、こっち」
「え、そんなあっさり会っちゃっていいの…?王様ってもっと「そういうの適当な人だから大丈夫だと思う、それに……」」


カイトは何か言おうとして、何故か言葉を止めた。



「……?」
「まあ、行けば分かるよ。…失礼します」



ノックして返事の無いうちにドアを開いた。




「………あれ」




ドアを開けて先に中を見たカイトが、少し目を見開いた。



「…王様、王様!起きて下さいお客様ですよ」



王様寝てたらしい。



(そんな事ある……?)



結構無防備な王様………。




「んぁ……、…ッ、え、待ってお客様??急じゃない??」
「急じゃないです、……王様が会いたがってた人ですよ」


僕達は見えてないけど、カイトだけドアの開いた少しの隙間から王様を見て、お互いに会話しているようだった。


「会いたがってた……って、どういうこと?」
「え、…、……あっ、………ッ王様!!お客様を待たせるわけにいかないので開けますよ!!」



「え"、……っ"ちょっと待っ"!!」




開けた。












「…………ッ~~……」






………………あ、







「…すみません王様」
「謝るくらいなら最初から開けんなよ………、、」



すごい無防備な姿で寝てた。



「あ、王様、お客様です」
「あぇ…、……なに~?……、……結構いるな」


王様、ってもう少し高嶺の花って感じかと思ってた。


…身近にいそうなタイプ。




「えっと…こんにちは、王様」
「あー、うん、こんにちは。とりあえず入ってきて、寒いから」


中に入れてもらった。



「ごめん…アポさえあればちゃんとした王様なんだけど、とりあえずそこのソファ、座って」

先頭から「失礼します」と言って中に入り、言われた通りソファに腰かける。


全員を中に入れたあと、最後にカイトがドアを閉めた。


「……」



(…………あれ?)




その時、鍵が閉まる音がして振り向いたけど、閉めている様子はなかったので気の所為だと思い、ソファに座った。



「こんにちは、…ところでカイト、これはなんの客人?」


王様も向かいのソファに腰かけて、カイトはその横に座る。


「はい、………………、…………です」



コソッと耳打ちして、王様が「へぇ…」と少しニヤついた。



「じゃあ改めましてこんにちはっ、俺が王様のジュンヤです。気軽に王様って呼んでください」


王様はジュンヤと言うらしく、茶髪に赤目の…どういう訳か高校生くらいの見た目をしていた。



「西原先輩だぁ……」キラキラ
「なんか神様と似てるね、自己紹介の仕方」
「え、なんかわかんないけどすっごいやだ………」



王様は笑って、そしてすぐに、




「じゃあ本題なんだけどね、多分カイト、あの事はまだ言ってないよね」
「……はい、……言ったら来ませんよ。あんなの」



王様とカイトが、不敵な笑みを浮かべた。



…………そして、





「単刀直入に、ユウマくん。俺は君が欲しい!!!」





…………王様が、ユウマを指さした。










「…………えっ」










ーーー



キリ良さそうなので後半に続きます………まだまだいっぱい出るよ!!台詞で誰が何になってるか予想してね(∩^o^)⊃



「王様また無理なこと言い出したんですか……貴方も大変ですね、カイトさん」

「え……待って何あの緑の髪の子……、…ッ女装させたい、」

「農作業も大変だな……、…ジュンヤ、また城を抜け出してきたのか?」

「この世界はボクが支配してやります!!ボクの理想の先輩ワールドに…………」






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