ゆうみお R18 お休み中

あまみや。

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その他

かわいい親子組

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ゆういくみおと書くのが面倒くさくなったので短く親子組にします
成人済 住んでるところは郁人の家(宮城)


ーーー

(郁人side)



「…………あ、雨」



家でもうすぐ帰ってくる澪の帰りを待っていたら、雨が降ってきた。



(優馬は車だけど、澪は駅まで歩きで行ってたから)


それに傘を持っていなかった。


終わりの時間頃に電話をかけた。



『大丈夫、コンビニで傘買った』
「そう?良か『あ』え」


べちゃ、という音が聞こえた。



『…痛い……』
「大丈夫!!?」


こっちがハラハラする…………



『よくあるから大丈夫、すぐ帰るね』
「………」



そこで通話が切れた。



「……いや、怖い」




ーーー

駅まで迎えに行った。


(あ……澪寒がってるかもしれないし、何か温かい飲み物………)


途中コンビニを利用したら傘を盗まれてた。



「え、待ってあれ、なんで」


急いで周りを見回したけど誰もいないし、仕方ないから買おうと思って傘が売っている場所を見たけど売れ切れていた。



(そんな事ある…………?)




…………最悪だ。







ーーー



澪が濡れないように迎えに行ったはずなのに、気付けば自分がびしょ濡れになっていた。

すれ違いになりたくなくて対策も無いまま急いで走って、駅に着いた頃には髪の毛から服まで濡れて酷いことになっていた。


(流石にこの格好で中には入れない………)


という訳で屋根がある外で待ってた。



「……ッくしゅん、」


段々体が冷えてきて、腕を擦りながら壁に寄りかかって立っていた。



(寒い………、…何かアウター、着てこれば良かった)


行く前は部屋にいたからそれ程寒さを感じなくて長袖のニットだけで出てきてしまい、それが仇になった。


……いや、普段の僕なら外に出た途端それくらい気付いてアウターを着ていく、それを忘れるくらい急いでいたんだと思う。



(澪の事になると余裕が無い、今だって……こんな事になるなら素直に家で待ってれば良かった)


何してるんだろう、と思いながら冷えた体が熱っぽくなっていくのを感じた。


(これ……風邪確定だなぁ、……どうしよう、)


もう寝込むのは嫌なのに




俯いていたら、聞き覚えのある声が自分の名前を呼んでいる気がした。



「……と、………郁人」



はっきりと聞こえて声の主を見ると、そこにはリュックサックを背負って片手に傘を持った澪が立っていた。



「…澪、……おかえり」
「ただいま。…じゃなくて、なんでそんなに濡れてるの、大丈夫なの……?」



心配してくれたのが嬉しかった。



「平気。………」


「帰ろう」と言おうとしてハッとした。


(まずい…僕の傘、無いんだった)


これ以上澪に気を使わせる訳には…………


「傘、一緒に入ろ」
「……えっ」



澪が持っていた傘を広げた。



「傘無くしちゃたんでしょ?…荷物は僕が持つから、傘持ってくれると嬉しい」



………澪が気付いてくれた。



「……よく、気付いたね」
「僕の事馬鹿にしてる……?分かるよ、郁人のことは」



……!




「早くお風呂入らないと、急ごう」
「うん、急ごっか」



澪が僕の事を見てくれている気がして、すごく嬉しかった。





ーーー


「ていうか澪も濡れてない?」
「転んだ時に濡れた…、電車は汚さないようにしたよ」ドヤ
「ッ可愛いドヤ顔」


翌日2人して風邪引いた。


ーーー

(優馬side)


「「ふぇっくしゅん!!」」


………ハモった。



「俺のいない所でイチャイチャして風邪引いたお2人さん、具合はどう?」ニコォ


シンプルに俺も混ざりたかった。



「ッぅるさいな………少しは黙ってろよ」
「お前看病してやらないぞ」
「あつい…とけそう………」
「うわ、ほんとに溶けてるデロデロじゃん」


………


「この人気俳優早苗優馬くんに看病して貰えるだけありがたいと思いなさい、奉らえ」
「意味分かってる?何もあげないから」
「何もくれないの?愛情とかくれないの??ねぇ」


辛い………



「郁人……優馬に付き合ってたら悪化するよ」
「そうだね………寝る、何かあったらLimeするからするまでは入ってこないで」
「えぇ………」



なんでこんな除け者なの俺……………



思えば、郁人の家に来た時と比べると大分扱いが変わった気がする。



「部屋が2部屋しかないんだよね、優馬と澪が使っていいよ、僕大体書斎にいるし」
「寝床は?書斎じゃ寝れないだろ」

「リビングのソファ使うから大丈夫、それか僕朝に寝るのが多いから、どっちかのベッドその時だけ使わせてくれれば……「えー、じゃあ一緒に寝ようよ、ねぇ」」


……まぁあれは結局、俺がセクハラするからって郁人の案が通ったけど。


ちなみに今は2人を俺の部屋で寝かせてる。意味も無いのにダブルベッド買って良かった。



とりあえずお粥でも作ろうとリビングに立った。


「ついでに俺もお昼はお粥にしよっかな~、味付け…コンソメにするか、カニカマにするか」


前に一気に数本親知らずを抜いて前歯しか使えなかった時、色んなお粥を作っていた経験が今活用されている。


2人の分が作り終わった時、Limeが来た。


2人がいる部屋に向かう為に2階へ登り、ドアを開ける。

「……助けて、優馬………」


郁人が澪に乗りかかってた。


「何事??」
「郁人…風邪引くと僕に甘えてくるから……あの、助けて」


なにそれ挟まれたい………


とりあえず助けた。



「助かった」
「良かった」


……ふと、



「……あれ、澪…熱下がった?」
「あ……そうかも、もうだるくない」



澪の風邪がひと足早く治った。




「郁人の方が酷かったからかな………」
「じゃあもうこの部屋出ような、移ったりしたらまたやり直しだから」



自室に移ってもらった。


「あ、ご飯の時間。お粥食べる?」
「…あ、うん……お腹空いた」


……よし、


作った卵がゆを持って、ベッドサイドに椅子を用意して座った。


スプーンで一口すくって、差し出す。



「……はい、

あーーー「ちょっと待って何!!?」」



……え、



「俺なんか駄目なことした…?」
「いや、駄目じゃない、駄目じゃないけどさ」


病人に「はいあーん♡‪」は定番だって聞いたのに………



「それ、成人男性が成人男性にする事じゃないよ」
「そうなのか?…難しいな、結構勉強してるんだけど」


世間知らずだとは思うけど、これでも軟禁されていた時の遅れていた分の勉強は出来ているはず。


……ちなみに軟禁というのは、俺が小学生くらいまでちょっとした理由で親から外に出して貰えなかったこと。

学校の勉強はしているけど、そう言った生活する上での基本……というものがあまりよく分からない。



「……まぁでも、ありがと、自分で食べるから大丈夫」
「……そっか、ごめん」



距離感とか人の気持ちとか、本当はあんまり分からない。




ーーー


「澪ー、お昼お粥で良い?」
「うん、優馬のお粥美味しいから好き」


やだ嬉しい


「今日のは卵とカニカマ入りなんだ~、はい、沢山食べてよ」


今度はさっきのミスをしないよう、机に置いてあげるだけにした。


せっかくだからと俺も隣に座って食べようとしたら、



「…いつものやつ、しないの?」
「え?」


いつもの…?


「この家に来る前に、東京で僕が風邪引いた時にやってくれたやつ」
「っ…!!」


「はいあーん♡‪」か……………



「澪……なんかそれ、成人男性同士でやる事じゃないらし「食べるの面倒臭いからやって」極めた面倒くさがり屋」



……まあ、そういう事なら、



「はい、…あー……、…ん、」
「ん」パク





やっぱり距離感とか、そういうのよく分からない。





ーーー


その後郁人も無事完治しました。


ーーー


(澪side)


趣味で家庭教師の仕事をしてる。



「こんにちは」
「…!こんにちは、澪先生!」



担当しているのは今は2人。

今日はそのうちの1人…小学生のアカリちゃんの担当。


「じゃあ今日は社会の勉強だったよね、前回出した宿題やってきた?」
「はい!完璧です!」


この子、アカリちゃんは真面目で素直でとても良い子。


正直高卒で家庭教師の仕事を見つけるのが大変だったし、合わないところもあったから一度辞めたりもしたけど、2回目の今回はとてもやりやすくて楽しい。


「すごい…全問正解。次のテストは満点だと思うよ」
「…っ!じゃ、じゃあ、満点とったら先生、お願い…聞いてくれますか?」


……お願い?


「いいよ」
「やった…!頑張ります!」



お願いって、なんだろう。




ーーー


「告白じゃない?」


……告白?



「優馬、冗談でもそういう事言うのやめてくれない?」
「言ってみた俺がモヤっとした……澪は俺の物だ」ドヤ
「違う。……でもアカリちゃん小学生だし、早いでしょ」
「……いや、早くはないんじゃない?最近の小学生って色々早いって聞いたし」


………、




「…まあでもそれは無い」
「もしされたら、丁重にお断りしてあげろよ、彼氏いるからって」
「それはアカリちゃんの教育に悪いから……」




ーーー


1週間後。


「ふふ…」ドヤ…
「おぉ……」


見事満点だった。


「すごい…!よく頑張ったね、アカリちゃん」
「えへへ…ありがとうございます!…あの、それでお願い、なんですけど」




………





ーーー


全然、思っていたようなものではなかった。


「いただきます!」
「いただきます……」


アカリちゃんの家でご飯をご馳走になった。



「お願いって…これだけ…?」
「はい!アカリ、先生と一緒にご飯が食べてみたかったんです!」


……それって、



「前に先生、ご両親がいないって言ってたから、家族をあげてみたかったんです」


そういう理由らしい。



「……そっ、か」



それは少し悲しくもあったけど、優しさも感じられて嬉しかった。




「つ、次のお願いはお泊まり会……、…っ」
「あはは、うん、いいよ」






すごく楽しい夜ご飯だった。





ーーー


80%くらいの確率で続きます



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