ゆうみお R18 お休み中

あまみや。

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カップリング

共依存カップルに唐突に入ってくる邪魔者系男子

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唯×李世×(+)真冬

唯…無意識サイコパス男子。力は平均よりある。


死ネタエンド(BAD)、死なないエンド(メリバ)あります!
りせまは同棲中。


ーーー



平日の夜、お風呂上がり。


「……」
「あ、お風呂上がった?」


同居人の真冬がお風呂から上がって、濡れた髪に頭からタオルを被せている。


「……」コクン
「髪乾かすからこっちおいで、あ…もう、床濡れてる」


髪から滴り落ちる水が床に一滴一滴と落ちて、ラグにシミが出来る。
ソファに座らせて、ドライヤーの電源を入れた。



「……」うと…
「待ってね、もう少しで乾くから」


眠そうに首をこくんと前に落とす真冬、急いで髪を乾かす事にした。





ーーー




髪が乾いて、真冬がよろよろとベッドまで向かう。


(今日は爪も切ろうと思ったけど……明日でいいか)


ボクも電気を消して、ベッドへ向かった。







「布団の前に毛布かけなきゃ風邪ひくよ」
「ん……」



電気を消すと、月明かりが窓から部屋に指す。


それを頼りにボクもベッドに入った。


ワンルームの中の1つだけのダブルベッド。




「…おやすみ、真冬。」






失いたくない、大事な恋人。






絶対に…………汚したくない。











ーーー




「おっはよ~李世真冬君!」



次の日、木曜日。



「おはよ、唯」
「……」



今日は病弱で滅多に教室に来れない友達が教室に来ていた。



「今日は調子良いの?」
「うん!この通りすっごい元気!最近調子良いんだ~!」




それなら良かった。
相変わらず真冬はボク以外の人からの会話は受け取らず、自分の席で本を読んでいる。




………まあ、調教の成果だよね。







「真冬、今日1時間目小テストだっけ?」
「……」コクン

「真冬君!なんの本読んでるのー?面白い?」
「……」無視






…………上手くいってる。






「………」


何を言っても無視する真冬を見て、唯が少しだけ頬を膨らましていた。






ーーー

お昼。


「真冬、ご飯食べよ!」
「……」コクン
「俺も食べたい!いい?」



3人で教室で食べる事にした。




「……真冬君、それ美味しい?」



購買で買ったパンをハムスターみたいに食べる真冬に、唯が懲りずに声をかける。

やっぱり真冬は答えない。




「……ねえ!」
「………っ!」ビク




勢い余った唯が真冬の肩を掴んだ。

それに、わざとらしいくらいに驚いて肩が跳ねる真冬。

俯いて怯えて、誰とも目を合わせようとしない。





「唯、驚かせないで」
「ご…ごめん」






………どうしてこんなに喋らないのか、




それどころが相槌すら打たない。




それをクラスでは「場面緘黙症」なんて症状で通してるけど、






本当はそれだけじゃない。







ーーー





「お願い聞いてくれてありがとう、優しいね、真冬は」
「……」コクン




家に帰って、手を洗ったあと着替えるよりも先にソファに座った。




「……疲れた」
「よしよし……、お疲れ様」




頭を撫でられた真冬が、少しだけ…緩く口角を上げた。



安心している時の真冬。






「いつもありがと、真冬」
「……」コクン

「真冬がいないと駄目になりそう」
「……」コクコク

「真冬がいてくれて良かった…!」
「……」コクッコク

「大好き、愛してる…真冬」






顔が緩みすぎたのか………ボクの服に顔を埋めて表情を隠した。








ボク達はきっと、ただのどこにでもいるような恋人同士だと思う。








(駆け落ちまでしたんだから………どこにでもはないかな)










ーーー




次の日。




「先生に呼ばれちゃった、行ってくるねー」
「……」コク




昼休み、先生に呼ばれたから一旦席を外す。






ほんの数分。

……それだけだったのに。






ーーー



「え…………」





真冬の席に真冬がいない。


たった5分しか席を外していないのに。





(トイレ……そうだよね、きっと………)








…………真冬が傍に、見えるところにいない。














怖い。














ーーーーー


(真冬side)



李世がいなくなった後、



「ね!真冬君!ちょっと来てよ!」
「……」
「ちょっとだから、お願い!」
「……っ!?」




手首を掴まれて、振り払おうとしたけど力の差が明らかに違う。


僕が精一杯出しても、この人には簡単にねじ伏せられてしまいそうな程の力差。





「……や、やだ」






声も届かず無理矢理………連れていかれた。







ーーー



適当な空き教室に連れてこられて、鍵を閉められて、



手が離れた時、引っ張られていた勢いで床に倒れた。






「……っ、…っ……」





体が動かない。



唯は用意していたのか、掃除用具から鉄バットを取り出した。



そして笑顔で、





「やった…作戦成功…っ!真冬君の声、沢山聞けるね……!」







……………







「……」フルフル

「大丈夫、これバットは余計な事しない限り使わないよ、俺が聞きたいの喘ぎ声とかだから」





あ………







『誰からも触られちゃ駄目 連れ去られたら絶対逃げて

汚れないで、お願いだから。』








駄目だ、駄目




逃げなきゃ、逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃにげなきゃにげなきゃにげなきゃ






(でも……体が、)







体が動かない。









「……は、…っ………」






息が苦しい









(李世……李世、李世、りせ、りせりせりせ)








助けて











ーーー






力の差がありすぎる。



いくら足をばたつかせても手で簡単に押さえつけられて、下の服を脱がされて、指が入る。



気を失うくらい怖くて苦しくて、声も出なかった。




「すごい、もう3本…!5本入るかな~」
「は…、かはっ、ぐ……ぅぐ」



痛みを紛らわすために噛んだ指から血が溢れる。



本番が始まる前に何とか逃げないと、








「……は…離せ、離せ」
「なんで?」





…………ッ!!









嫌だ……もう、やだ





投げやりでばたつかせた足が、たまたま唯の腹を蹴った。





「……うわっ」
「……!」





唯が驚いて指を抜いた。


今がチャンス……………だと思ったけど、








「えー、俺が見たいのはそういう抵抗じゃなくて!」
「ッ……!!」




逃げようとズボンと下着を持って立ち上がったのを狙って………バットで膝を叩いた。






「ぎぁ…………………ッッ!!!」






骨が砕けたような音がして、その場に崩れた。



あまりの痛みで、過呼吸は勿論意識が遠のきかけた。





「ごめ…ごめんなさい!!ごめんなさ"い"!!!」







無視してた事、必死に謝ったけど………唯は楽しそうに、僕の足を開いた。




それでまた痛みが走る。






「ぅぐ…っあ………」

「俺ってもしかしてSなのかなー、怯え顔見てたら興奮してきちゃった」






……………!!!









「どっちも準備出来たし………いいよね」












助けて、助けてたすけて










「り"せ"………ッ!!!」










ーーーーー


《死ネタエンド》李世side





予鈴のチャイムが鳴った。

真冬は帰ってこなかった。




「ただいまー、李世」




その声は真冬じゃない、唯だった。





「………どこ行ってたの」
「ちょっと悪い子退治?はー、楽しかったー」










………………は?










「悪い子………?」
「うん、真冬君だよ?」







え……………






いきなり何………こいつ








「真冬………は?」






唯は優しげに笑った。






「ねえ李世………調教とか依存で作り上げてきた関係って、いくらでも壊せちゃうんだね」





………、……………







「どれだけ愛し合ってても、どれだけ精神的には固く結ばれてても………物理的な力の差があれば、簡単に引き裂ける」







待って……、意味わかんない









「小柄な李世達を引き裂くなんて簡単なんだよ?ね、こんな短時間で壊しちゃった」










……………真冬はどこ











「真冬…………は………どこ……………」









唯は表情を微笑みから変えなかった。









「死んじゃった。流石に挿れるだけであんな壊れたロボットみたいにおかしくなっちゃうなんて思わなくてさー、うるさいから中出しする前に殺しちゃった」





...






......








「………ハ?」



しかいがさだまらない






まふゆは………どこ……………?










「真冬君はもういないよ、せっかくだから李世もやってみる?真冬と同じこと…!」









そう言って手首を掴んだ唯。



どれだけあがいてもどれだけ精一杯力を出しても…………それは、振り払うことが出来なかった。










ーーーーー


《死なないエンド》真冬side





何とか耐えた。



狂ってしまいそうな程の苦痛を、必死に耐えた。




「……」ふら…
「あれ、もしかして帰る?李世には伝えとくねー」






ーーー



膝が痛くて、物に支えられながら、転びながらも歩いた。


先に家に帰って、必死で洗った。


触られたところは入念に、出されたものも掻き出した。




何回も何回も洗って、初めは赤くなるだけだったけど、段々皮がむけて血が出てきた。






それでも足りないくらい、







必死で必死で、泣きながら洗った。






ーーー



(李世side)





帰ってきてまず先に目に入ったのは、ズタズタになってゴミ箱に捨てられた制服と白カーディガン。



そして寝室のベッドで、真冬がいるのか布団が丸く盛りあがっている。




ベッドサイドにしゃがんで、機嫌を伺ようように覗き込んだ。





「真冬、どうしたの?大丈夫?」


「……………」







返事は無い、ボクが相手でも。




けど、すすり泣きのような泣き声が聞こえてきた。





「どうしたの?何があったか話せる?」




泣いている自分の子供をあやすような、毛布を撫でて優しい声で聞いた。






やがて毛布がゆっくりと開く。








「……………!」






真冬の匂いじゃない。


嗅いだことの無い……気持ち悪い匂い。





しかも……………










「なに……その、傷……………」





パーカーから露出した鎖骨から、痛々しい…擦ったような傷が見えた。



泣きすぎて重たい瞼、虚ろではあるけど赤く腫れた目。


そしてこの傷と、制服が捨てられていたことと、誰のでもない気持ちの悪い匂い。







「嘘……………そんな」









信じたくない………絶対、










そんな訳、無い








……………けど…………………









「ッ……!!」
「そんなんじゃ足りないよ……まだ汚れてる」






無理矢理浴室へ連れ込んだ。








服を着たまま、床に押し付けて…………頭からシャワーをかける。




「ひッ……!!」






「駄目……汚い、汚い汚い汚い汚い!!!!!」







こんなの、こんなの真冬じゃない








こんな汚いモノ…………知らない











「ごめ……ごめん、なさい、ごめんなさい…ごめんなさぃ………ッ!!」








ただ、視界が真っ暗な気がして、






何も見えないし、聞こえなかった。








ーーー




浴室から出た頃には少しだけ頭が冷えて、服を着替えさせて、ソファで髪を乾かす。





「ごめん……ごめんなさい、ごめんなさい、真冬………」



ベッドに横にさせてからも、涙が止まらなかった。





自分が許せないし、なんなら殺したいくらい。




真冬は虚ろな目でボクを見て、







そして、一旦起き上がった。










「まふ…………、………え?」










次の瞬間………初めての感覚に、時間が止まったような幻覚に陥った。






(……え?え?)





口が口で…………塞がれてる。








「…っん、んん、……っ、ふ…………、ふはっ!!」






離れるまでが永遠に感じるような長さだった。







「ま……真冬さん!!?」
「……李世は悪くない………」





………………!







「…………もう1回」
「え…っ、ッ…んん!!」

「もう1回」
「ふッ…!?ぐ………」

「もう1回……!」
「ん……、ふ……は…………」






何回やるんですか………………








すると、何故か







「へ……?」






ベッドの中に誘われていた。








「汚れちゃったから…………上書きしてよ、李世があれ以上に汚して?」









………………………………!











それからは………………あまり、覚えていない。











ーーー


次の日。(真冬side)





朝……痛む腰をおさえてリビングに入ると、



李世がいない代わりに、書き置きとご飯がテーブルの上にあった。



『学校に行ってきます!
真冬はゆっくり休んでてね
朝ご飯はこれ、昼は冷蔵庫に入ってます
膝は一応応急処置はしたけどちゃんと病院に行くからね
夕方には帰ります』



その紙の文鎮替わりに、オムライスがのった皿が紙の上にあった。





膝はよく見ると、包帯が巻かれている。
多分……行為の間に膝おさえてたの、見られてたからだと思う。









(李世…………?)







でも、おかしい。









(あれ……包丁が無い)








"学校に行ってきます!"






…………だって、今日は








『P.S.荷物をまとめておいてください。』






















土曜日なのに。















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