上 下
10 / 12
2章 壊れた日常。

9話 再開

しおりを挟む


「あ……、っふ………」


無意識に近かった。



藍花の口の中に自分の舌をねじ込んで、舌を絡める。



水音と藍花の漏れた声だけが浴室の中に響いた。



「っふ…、……ん、」




あつくて気持ちが良くて、頭がぼーっとする。




「……ん、あいか、…あいか」




何も考えられなくなった。





「…………」



これ以上続けていたらもっと先に進んでしまう。


既に視線はそっちを向いていた、が、






「風深乃、藍花!大丈夫?遅いけど…………」




……叔母さんが脱衣場に来た。


それでどちらも我に返り、すぐに口を離す。




「「……ぷは」」




…………ッ





「は…はい!!ごめんなさい、すぐにあがります!」
「あら……急がせた訳じゃないから大丈夫よ、冷えないようにね」




それだけ言って叔母さんは脱衣場を出て行った。






「…………ふぅ……」





危なかった…………色々と。





「……藍花、あがりましょう」
「……うん」







ーーー


(千月side)



「……ねぇ、柚鳥」
「…なに?」



リビングでニュースを見ながら、ふと思っていた。




「そろそろだよ。あの人達が出てくるの。」




俺達を苦しめたあの男達が。





「……!」



………怖くてたまらない、




「……チヅ、大丈夫。……僕がチヅを守る。」




それなのに、柚鳥はそう言ってくれて、




「…………柚鳥……………………」





けど、その手は確かに震えていた。








ーーー




『あ……あぁぁ”ッ、あつい、あついよぉ…………』

『はいはい我慢しようね~、うん、上手に出来た』



タバコでつけられた痣。



『いや…ッ、やだ、やめて許して』

『大人しくしようねぇ、殺すよ?』




暴力で出来た傷。






服の下の傷や痣は消えなくて、隠すしか無かった。






「……ッ、」



もう思い出したくない。




…………それなのに、








「チヅ…………大丈夫?」










どうしてもあの日々が忘れられなかった。










ーーー


(??side)



「よぉーし、ようやく出れた」



もう待ちくたびれた。



「遅かったなぁ、待ちくたびれたよ」
「ごめんって、でもようやく千月君を攫いに行けるね。」





………………さて、








「ようやく再開だね、楽しい時間が。」















しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

罰ゲームでパパ活したら美丈夫が釣れました2

BL / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:522

花嫁探しはまさかの自分だった!?

BL / 完結 24h.ポイント:491pt お気に入り:1,731

ド陰キャが海外スパダリに溺愛される話

BL / 連載中 24h.ポイント:1,256pt お気に入り:426

腐男子で副会長の俺が会長に恋をした

BL / 完結 24h.ポイント:291pt お気に入り:384

俺の友人は。

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:18

俺はモブなので。

BL / 連載中 24h.ポイント:5,213pt お気に入り:6,528

溺愛攻めを怒らせた

BL / 連載中 24h.ポイント:525pt お気に入り:1,080

平凡な俺が総受け⁈

BL / 連載中 24h.ポイント:184pt お気に入り:211

セックスが注文できるお店

BL / 連載中 24h.ポイント:234pt お気に入り:118

「イケメン滅びろ」って呪ったら

BL / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:278

処理中です...