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公爵令嬢、畑に連れてってみたwww
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セクシャルの筋トレを見ていると、筋肉を肥大させるというよりは、筋力向上。つまり、重いものを持ち上げられるようになるのが目的だと思う。
普段の筋トレメニューも高重量を扱う事が多いし、毎日ベンチプレスをするエブリベンチなどパワーリフター向けのメニューを取り入れていることからもそう考えられた。
つまりセクシャルは、身体強化などでより重量を扱えるようになるということで、かなり魔力に可能性を感じたようだった。
そのため、そのまま魔力の鍛錬を続けようとしていたセクシャルだが……。
「ちょっと! せっかく遊びにきたのにまだ放置するつもりなの!?」
「ふむ……それもそうか。すまなかった。お詫びに、楽しいところへ連れて行ってやる」
アクティが不満を漏らすので、渋々中断。
そして、楽しいという誘い文句で2人を連れ出し、農耕地帯へと向かった。
◇◇◇
「そろそろ着くぞ」
農耕地帯に突入したあたりからアクティは嫌な予感を察知していたようで、既にセクシャルの脇腹は赤くジンジンしている。
「セク、もしかして、ここ?」
「ああ、そうだ。到着だ。」
「楽しいところに連れてってくれるって言ってたのに、畑? どういうことよ! オラァ!」
「コホッ、コホッ。 この辺は土ぼこりがすごくてあまり好かないなぁ」
「うるさい。俺の日課を邪魔するなら帰れ」
そしてセクシャルが到着を告げた瞬間、2人はセクシャルを非難した。特に、アクティは期待が高かった分怒り心頭。赤くなっているセクシャルの脇腹を再び摘み、強力な力で捻り上げた。
しかし、自分が連れてきたくせに帰れとは、流石にクズである。娯楽の場として貴族を畑に連れてきて、文句を言われないはずがないだろう。
「せめてお花畑とかを期待したのに……」
「うん、セクくん。これは流石に酷いね。モテないよ?」
「まったく……ワガママな奴らだな。仕方ない。これをやるから黙ってついて来い」
未だに文句を言う2人にマスクを装着させて黙らせたセクシャルは、いつのも農民、カタボリックたちがいる場所へと進んでいった。
流石に友達居なくなりそうなムーブをかますセクシャルだが、意外にも2人は気にしていなさそうである。こいつらもちょっとおかしい。
「へぇ……畑ってこんな感じなのね」
「俺は見たことがあるけど、うちの領地のやつはもっと水が多かった気がするよ」
キョロキョロと周囲を見渡しながらセクシャルの後を歩くアクティ。どうやら畑をはじめて見たようで、意外と興味津々である。チョロ。
それから、コウセイが言ってるのはおそらく田んぼのことだ。この領地には田んぼも存在するが、こことはまた別の場所にある。
「あ! セクシャルさま!」
「せくたま!」
「きょうもあまいのくれるの?」
「僕もほしい!」
セクシャルが2人を置いて先に歩いていると、カタボリックのところに到着する前に、子供たちに発見されて捕まってしまった。
そして、いつものようにプロテインをおねだりされたのである。
子供が好きなのか、バルクアップさせたいのか、それとも面倒だからプロテインをやって満足させているのか定かではないが、いつも通り1人1人にプロテインを与えるセクシャルであった。
「仕方ないな……ほら! 思いっきり振れ!」
そして、そんなふうに子供に慕われるセクシャルを見て驚愕の2人。まさか、この狂人が子供達に人気だとは思わなかったのだろう。
「まさか、彼が子供達に慕われているとは……」
「私もかなり驚いたわ。でも、プロテインをたかられてるみたいだし、納得だわ」
だが、人気の秘訣がプロテインだということで、アクティは納得顔である。しかし、プロテインを飲んだことがないコウセイは、かなり驚いた様子だった。
「プロテイン…….ああ、あのときの粉か。あれはそれほどに美味しいのかい?」
「もうね…‥.それはそれは美味しいのよ! どれくらいかって言ったら、セクシャルが子供達に慕われるくらいには美味しいの!」
「なるほど……それはかなり美味しそうだねwww」
子供たちにはプロテイン目的で囲まれ、友人には散々に言われるセクシャル。どれだけ普段の行いがおかしいのか透けて見えるようだった。
「よし、すまんな。今度こそ行くぞ」
プロテインを渡した途端子供たちから解放された可哀想なセクシャルは、2人に声をかけた。そして、今日耕すスポットに向かって歩き出す。
道中、周囲の畑を観察したコウセイが、口を開いた。
「やっぱりと言ったら変だけど、結構小規模なんだね」
「そうなの? これでも十分広く見えるけど」
「そうだな……ハラスメント領の人口が少ないのもあるが、それでもまだかなり小さい。だが、これでも十分マシになった方だ」
そう、ハラスメント領の畑は割と小規模なのだ。広大な土地と人口を持つワルイヒト領と比べたら尚更小さく感じるであろう。
原因としては、劣悪な労働環境と割に合わない報酬。そんな状況なのに領主が改善しないのだから、農民をやりたがる人は限りなく少ない。
しかし最近では、セクシャルが父親にパワハラを行って農民の待遇を変えさせているので、少しずつ農民は増えている。
それから、狩りに行って農民たちに飯を沢山食わせているし、地道に農作業の手伝いも行っているので、以前と比べてかなり畑が広くなった。
そりゃ、少人数かつ栄養失調の老人や中年、子供しかしなかったのだから、まともに土地の開拓なんてできるはずがないよな。
しかし、最近は見違えるようにみんな元気になったので本当によかった。コケていた子供たちのほっぺはぷにっとしてきたし、若干背が伸びてきている気がしなくもない。
それに、全員共通で衣服や肌がキレイになった。食事や金、心に余裕ができたおかげで、生活の質も上がったようだ。えがったえがった!(エセ)
普段の筋トレメニューも高重量を扱う事が多いし、毎日ベンチプレスをするエブリベンチなどパワーリフター向けのメニューを取り入れていることからもそう考えられた。
つまりセクシャルは、身体強化などでより重量を扱えるようになるということで、かなり魔力に可能性を感じたようだった。
そのため、そのまま魔力の鍛錬を続けようとしていたセクシャルだが……。
「ちょっと! せっかく遊びにきたのにまだ放置するつもりなの!?」
「ふむ……それもそうか。すまなかった。お詫びに、楽しいところへ連れて行ってやる」
アクティが不満を漏らすので、渋々中断。
そして、楽しいという誘い文句で2人を連れ出し、農耕地帯へと向かった。
◇◇◇
「そろそろ着くぞ」
農耕地帯に突入したあたりからアクティは嫌な予感を察知していたようで、既にセクシャルの脇腹は赤くジンジンしている。
「セク、もしかして、ここ?」
「ああ、そうだ。到着だ。」
「楽しいところに連れてってくれるって言ってたのに、畑? どういうことよ! オラァ!」
「コホッ、コホッ。 この辺は土ぼこりがすごくてあまり好かないなぁ」
「うるさい。俺の日課を邪魔するなら帰れ」
そしてセクシャルが到着を告げた瞬間、2人はセクシャルを非難した。特に、アクティは期待が高かった分怒り心頭。赤くなっているセクシャルの脇腹を再び摘み、強力な力で捻り上げた。
しかし、自分が連れてきたくせに帰れとは、流石にクズである。娯楽の場として貴族を畑に連れてきて、文句を言われないはずがないだろう。
「せめてお花畑とかを期待したのに……」
「うん、セクくん。これは流石に酷いね。モテないよ?」
「まったく……ワガママな奴らだな。仕方ない。これをやるから黙ってついて来い」
未だに文句を言う2人にマスクを装着させて黙らせたセクシャルは、いつのも農民、カタボリックたちがいる場所へと進んでいった。
流石に友達居なくなりそうなムーブをかますセクシャルだが、意外にも2人は気にしていなさそうである。こいつらもちょっとおかしい。
「へぇ……畑ってこんな感じなのね」
「俺は見たことがあるけど、うちの領地のやつはもっと水が多かった気がするよ」
キョロキョロと周囲を見渡しながらセクシャルの後を歩くアクティ。どうやら畑をはじめて見たようで、意外と興味津々である。チョロ。
それから、コウセイが言ってるのはおそらく田んぼのことだ。この領地には田んぼも存在するが、こことはまた別の場所にある。
「あ! セクシャルさま!」
「せくたま!」
「きょうもあまいのくれるの?」
「僕もほしい!」
セクシャルが2人を置いて先に歩いていると、カタボリックのところに到着する前に、子供たちに発見されて捕まってしまった。
そして、いつものようにプロテインをおねだりされたのである。
子供が好きなのか、バルクアップさせたいのか、それとも面倒だからプロテインをやって満足させているのか定かではないが、いつも通り1人1人にプロテインを与えるセクシャルであった。
「仕方ないな……ほら! 思いっきり振れ!」
そして、そんなふうに子供に慕われるセクシャルを見て驚愕の2人。まさか、この狂人が子供達に人気だとは思わなかったのだろう。
「まさか、彼が子供達に慕われているとは……」
「私もかなり驚いたわ。でも、プロテインをたかられてるみたいだし、納得だわ」
だが、人気の秘訣がプロテインだということで、アクティは納得顔である。しかし、プロテインを飲んだことがないコウセイは、かなり驚いた様子だった。
「プロテイン…….ああ、あのときの粉か。あれはそれほどに美味しいのかい?」
「もうね…‥.それはそれは美味しいのよ! どれくらいかって言ったら、セクシャルが子供達に慕われるくらいには美味しいの!」
「なるほど……それはかなり美味しそうだねwww」
子供たちにはプロテイン目的で囲まれ、友人には散々に言われるセクシャル。どれだけ普段の行いがおかしいのか透けて見えるようだった。
「よし、すまんな。今度こそ行くぞ」
プロテインを渡した途端子供たちから解放された可哀想なセクシャルは、2人に声をかけた。そして、今日耕すスポットに向かって歩き出す。
道中、周囲の畑を観察したコウセイが、口を開いた。
「やっぱりと言ったら変だけど、結構小規模なんだね」
「そうなの? これでも十分広く見えるけど」
「そうだな……ハラスメント領の人口が少ないのもあるが、それでもまだかなり小さい。だが、これでも十分マシになった方だ」
そう、ハラスメント領の畑は割と小規模なのだ。広大な土地と人口を持つワルイヒト領と比べたら尚更小さく感じるであろう。
原因としては、劣悪な労働環境と割に合わない報酬。そんな状況なのに領主が改善しないのだから、農民をやりたがる人は限りなく少ない。
しかし最近では、セクシャルが父親にパワハラを行って農民の待遇を変えさせているので、少しずつ農民は増えている。
それから、狩りに行って農民たちに飯を沢山食わせているし、地道に農作業の手伝いも行っているので、以前と比べてかなり畑が広くなった。
そりゃ、少人数かつ栄養失調の老人や中年、子供しかしなかったのだから、まともに土地の開拓なんてできるはずがないよな。
しかし、最近は見違えるようにみんな元気になったので本当によかった。コケていた子供たちのほっぺはぷにっとしてきたし、若干背が伸びてきている気がしなくもない。
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