12 / 32
極上のプロテインで乾杯
しおりを挟む
「ちょっとセク! プレゼント持ってきてないって本気なの!? この前は私があげたじゃない!」
「すまんすまん、冗談だ。半分だけ」
「半分本気ってこと!? どういうことよ!」
プレゼントを持ってきていないことを告げたセクシャルは、現在鬼のような顔をしたアクティに詰められていた。
最初は昔のようにほっぺたをつねろうとしていたアクティであったが、セクシャルの背が伸びたせいで届かず、現在お腹をつねっている。
いや、そりゃそうだよねwwwww自分はプレゼントあげたのに返ってこなかったらブチギレですわwwwwwwwww。
しかも、セクシャルは貴族であり、金に困っているわけでもないのだ。プレゼントの一つや二つくらい、用意しておくべきであろう。
「持ってきていないのは本当だが、プレゼントする気はあるぞ? ほら、何が欲しいんだ。なんでも作ってやる」
「あ…….そういうこと? もう、すっかりセクの能力の事忘れてたから焦っちゃったじゃない! ひどいわ!」
流石のセクシャルでもプレゼントのお返しをしないほど鬼畜ではなかったようだ。
どうやら本人の望むものをその場で作ってあげる形式でプレゼントをするらしい。
まあ、結構いい案だと思うよ?実際なんでも作れるわけだし。セクシャルにプレゼントのセンスなんてあるとは思えないので、本人に選ばせて正解だろう。
しかもアクティは貴族であるので、欲しいものは自分で手に入れることができるし、既にたくさんのプレゼントをもらっている。
下手なものをあげると、既に持っている物をあげたり他の人のプレゼントと被って地雷を踏むことになっていただろうからな。
「すまんすまん。それで、どうする?」
「んーそうね……私が決めるのもいいけど、自分で全く考えようとしないのは腹立つし……じゃあ、セクにしか作れない特別なものとか?」
セクシャルが催促すると、アクティは顎に手をついて悩み始めた。
そして、どうやら結局、セクシャルにプレゼントする物を選ばせる選択肢を取ったようだ。
さっきは冗談で意地悪されたし、少し仕返ししてやるつもりなのだろう。
それと単純に、彼女のいう通りセクシャルの丸投げスタイルに腹が立ったようだ。確かに少しも考えないのは良くないね、うん。
あぁ~今日は手のひらがよく回るわぁ~。
「俺にしか作れず、特別な物……つまり、プロテインということだな? いいセンスだ」
「プロテイン……あ! いっつもセクが飲んでたやつね! いいじゃない! それ、ずっと飲んでみたかったし!」
いや、いいんかい。
幼馴染(6歳公爵令嬢)の誕生日にプロテインをプレゼントするキチが居たと思ったら、まさかの承諾。それどころか、手をバタつかせてかなりウキウキである。
「ふむ、これも半分冗談だったのだがな。まさか、プロテインで喜ぶ公爵令嬢が居るとは思わなかった。お前はトレーニーになるべき逸材だ」
まさかの、セクシャルの方が冗談で令嬢がプロテイン本気で欲しがってるパターン。これにはセクシャルもニッコリである。
筋トレ仲間になりそうな人とか見つけた時嬉しいよね。わかるよセクシャル。
「違う違う、それ飲んだら筋肉がつきやすくなるのはセクに散々聞かされたから知ってるけど、別に筋肉つけたいわけじゃないのよ?」
「ふむ。女性トレーニーというのは意外と居る物でな、最初は抵抗があるかもしれないが、恥ずかしがることはない」
アクティトレーニー疑惑が生まれているが、本人は即否定。しかしそれをセクシャルは恥ずかしがっていると解釈したようで無駄なことを言い、またもや腹をつねられていた。
「そもそも私、昔からプロテイン飲んでみたいって言ってたじゃない。セクが自分の分がなくなるからダメって言ってたんでしょ?」
「ぬ、確かにそんなことを言っていたような気がするな。だか、あの時は仕方なかったのだ。自分の飲む分を作るので精一杯だったからな」
記憶を辿ると、確かにそんなこともあったような気がする。
数年前、アクティの家に泊まりに行っていたセクシャルは、向こうの家でも相変わらず筋トレばかりしていた。
そして、そこでセクシャルが度々飲むプロテインをみて、アクティが欲しがっていた。
しかし、その時のセクシャルは今より幼くて魔力が少なく、プロテインを作れる量が少なかった。それから、アクティの有能回復能力により筋トレ頻度が上昇。その結果、普段よりも摂取するプロテインの量が増えていたのだ。
そのためセクシャルは、アクティにプロテインを一滴も飲ませることなく独り占めしていた。確か、あの時もセクシャルはほっぺをつねられていたような……。微笑ましい思い出である。
「ふふっ。まあ、許してあげるわ。そのかわり、特別美味しいのを頂戴ね?」
「ああ、いいだろう。俺の作る最強プロテインはマイ◯ロのホエイプロテインア◯ソレートにも、ウマテ◯ンにも負けぬ!」
「よくわかんないけど美味しいならいいわ」
そしてセクシャルはシェイカーとプロテインを召喚し、プロテインを作っていく。やけに手慣れたその仕草は、さらに貴族達の注目を集めた。
能力を使用する時に発する神々しい緑光に当てられて、キラキラと光る真っ白で繊細な粉。それが水に溶けた瞬間赤色に染まっていく様は一種の芸術作品のようで、思わず歓声が上がる。
「おお……」
「見まして? 真っ白な粉がいきなり鮮やかな赤にかわりましてよ?」
「ええ、キレイね……」
「それに何か、いい香りが……」
セクシャルが生成したのはただのプロテインではなく、クッソ美味いプロテイン。少し生成に手間がかかるし魔力が多く必要なので普段セクシャルはあまり飲まないが、クッソうまいらしい。
「ほらよ、いちごプロテインだ。」
「やった! 流石セク、わかってるわね~」
そうそう、確か、アクティはイチゴが好きだったはずだ。それも、毎食後にデザートとして2.3粒摘むくらいに。
しかし、よく覚えてたなセクシャル。えらいぞ。
「すまんすまん、冗談だ。半分だけ」
「半分本気ってこと!? どういうことよ!」
プレゼントを持ってきていないことを告げたセクシャルは、現在鬼のような顔をしたアクティに詰められていた。
最初は昔のようにほっぺたをつねろうとしていたアクティであったが、セクシャルの背が伸びたせいで届かず、現在お腹をつねっている。
いや、そりゃそうだよねwwwww自分はプレゼントあげたのに返ってこなかったらブチギレですわwwwwwwwww。
しかも、セクシャルは貴族であり、金に困っているわけでもないのだ。プレゼントの一つや二つくらい、用意しておくべきであろう。
「持ってきていないのは本当だが、プレゼントする気はあるぞ? ほら、何が欲しいんだ。なんでも作ってやる」
「あ…….そういうこと? もう、すっかりセクの能力の事忘れてたから焦っちゃったじゃない! ひどいわ!」
流石のセクシャルでもプレゼントのお返しをしないほど鬼畜ではなかったようだ。
どうやら本人の望むものをその場で作ってあげる形式でプレゼントをするらしい。
まあ、結構いい案だと思うよ?実際なんでも作れるわけだし。セクシャルにプレゼントのセンスなんてあるとは思えないので、本人に選ばせて正解だろう。
しかもアクティは貴族であるので、欲しいものは自分で手に入れることができるし、既にたくさんのプレゼントをもらっている。
下手なものをあげると、既に持っている物をあげたり他の人のプレゼントと被って地雷を踏むことになっていただろうからな。
「すまんすまん。それで、どうする?」
「んーそうね……私が決めるのもいいけど、自分で全く考えようとしないのは腹立つし……じゃあ、セクにしか作れない特別なものとか?」
セクシャルが催促すると、アクティは顎に手をついて悩み始めた。
そして、どうやら結局、セクシャルにプレゼントする物を選ばせる選択肢を取ったようだ。
さっきは冗談で意地悪されたし、少し仕返ししてやるつもりなのだろう。
それと単純に、彼女のいう通りセクシャルの丸投げスタイルに腹が立ったようだ。確かに少しも考えないのは良くないね、うん。
あぁ~今日は手のひらがよく回るわぁ~。
「俺にしか作れず、特別な物……つまり、プロテインということだな? いいセンスだ」
「プロテイン……あ! いっつもセクが飲んでたやつね! いいじゃない! それ、ずっと飲んでみたかったし!」
いや、いいんかい。
幼馴染(6歳公爵令嬢)の誕生日にプロテインをプレゼントするキチが居たと思ったら、まさかの承諾。それどころか、手をバタつかせてかなりウキウキである。
「ふむ、これも半分冗談だったのだがな。まさか、プロテインで喜ぶ公爵令嬢が居るとは思わなかった。お前はトレーニーになるべき逸材だ」
まさかの、セクシャルの方が冗談で令嬢がプロテイン本気で欲しがってるパターン。これにはセクシャルもニッコリである。
筋トレ仲間になりそうな人とか見つけた時嬉しいよね。わかるよセクシャル。
「違う違う、それ飲んだら筋肉がつきやすくなるのはセクに散々聞かされたから知ってるけど、別に筋肉つけたいわけじゃないのよ?」
「ふむ。女性トレーニーというのは意外と居る物でな、最初は抵抗があるかもしれないが、恥ずかしがることはない」
アクティトレーニー疑惑が生まれているが、本人は即否定。しかしそれをセクシャルは恥ずかしがっていると解釈したようで無駄なことを言い、またもや腹をつねられていた。
「そもそも私、昔からプロテイン飲んでみたいって言ってたじゃない。セクが自分の分がなくなるからダメって言ってたんでしょ?」
「ぬ、確かにそんなことを言っていたような気がするな。だか、あの時は仕方なかったのだ。自分の飲む分を作るので精一杯だったからな」
記憶を辿ると、確かにそんなこともあったような気がする。
数年前、アクティの家に泊まりに行っていたセクシャルは、向こうの家でも相変わらず筋トレばかりしていた。
そして、そこでセクシャルが度々飲むプロテインをみて、アクティが欲しがっていた。
しかし、その時のセクシャルは今より幼くて魔力が少なく、プロテインを作れる量が少なかった。それから、アクティの有能回復能力により筋トレ頻度が上昇。その結果、普段よりも摂取するプロテインの量が増えていたのだ。
そのためセクシャルは、アクティにプロテインを一滴も飲ませることなく独り占めしていた。確か、あの時もセクシャルはほっぺをつねられていたような……。微笑ましい思い出である。
「ふふっ。まあ、許してあげるわ。そのかわり、特別美味しいのを頂戴ね?」
「ああ、いいだろう。俺の作る最強プロテインはマイ◯ロのホエイプロテインア◯ソレートにも、ウマテ◯ンにも負けぬ!」
「よくわかんないけど美味しいならいいわ」
そしてセクシャルはシェイカーとプロテインを召喚し、プロテインを作っていく。やけに手慣れたその仕草は、さらに貴族達の注目を集めた。
能力を使用する時に発する神々しい緑光に当てられて、キラキラと光る真っ白で繊細な粉。それが水に溶けた瞬間赤色に染まっていく様は一種の芸術作品のようで、思わず歓声が上がる。
「おお……」
「見まして? 真っ白な粉がいきなり鮮やかな赤にかわりましてよ?」
「ええ、キレイね……」
「それに何か、いい香りが……」
セクシャルが生成したのはただのプロテインではなく、クッソ美味いプロテイン。少し生成に手間がかかるし魔力が多く必要なので普段セクシャルはあまり飲まないが、クッソうまいらしい。
「ほらよ、いちごプロテインだ。」
「やった! 流石セク、わかってるわね~」
そうそう、確か、アクティはイチゴが好きだったはずだ。それも、毎食後にデザートとして2.3粒摘むくらいに。
しかし、よく覚えてたなセクシャル。えらいぞ。
0
お気に入りに追加
155
あなたにおすすめの小説

あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。


調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる