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美容と脱毛②
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「そ、それからあとはなんでしたっけ? 石鹸にフェ、フェニックスの再生効果を付与して使っているって?」
「ええ、古い皮膚とかがボロボロ剥がれて、すぐに肌が生まれ変わるのでめちゃくちゃ気持ちいいんですよね」
「やっぱりセレブだわ……恐ろしいほどのセレブ」
「お母様、この人は逃してはいけませんわ! 美容界の革命児ですわよ!」
フェニックス。何度倒してもすぐに再生してしまうほどの再生能力を持つことで有名な魔物である。
そのフェニックスの再生能力を、また別の魔物の力で石鹸に付与することで、再生効果のある石鹸を作り出して使っているのだ。
フェニックスはAランクの魔物なので、正確には昔から俺が使っていた魔物はミス・フェニックスという魔物である。
ミス・フェニックスとは、フェニックスの戦闘能力をゼロにしたバージョンだと考えてもらうといいと思う。再生能力に変わりは無いので、昔から重宝していた。
「ですが、1番大切なのはこの特性ドリンクです! 栄養素をふんだんに配合したドリンクなので、キレイで健全な皮膚を形成してくれるんですよ。」
特性ドリンクは美容のために飲んでいるわけではないが、きっと莫大な効果があるはずだ。それほどに、体と食事の関係は大きいと考えている。
「そ、そうかしら? 風呂と石鹸のインパクトが大きすぎて、あんまりすごいと思えないのよね……」
「うんうん……というか、そのドリンクはあんま効果がないんじゃ……」
「あん? 何言ってんだ! このドリンクこそが」
「そ! そういえば! なんだかいい香りがしますね? これも何か魔物の力なのですか?」
第一王女のマリナ様。いや、マリナ! こいつ、俺のドリンクにケチつけやがった! ぶち犯してやろうか!
……おっと失礼。まさか、大天使の浄化すらも凌駕する憎悪を芽生えさせるとは。マリナ様はなかなかやるようだ。
特性ドリンクをバカにされたから憎悪が芽生えただけであり、サリナ様の胸回りをサワサワしているから性欲が芽生えたわけではない。決して。
「あぁ、よく気づきましたね。この香りはフレグランスアルラウネの出す蜜を薄めたもので、香水より色々便利なんですよね。」
このアルラウネの香りの良さに気づくとは、サリナ様もなかなかやるな。
それからもしばらく雑談に興じていると、突然真面目な顔になった王妃が口を開いた。
「ところで、その石鹸や香水を販売する気はないのかしら?」
「んー、特には考えてないですね。手間もそこまでかからないし別に売ってもいいんですけど、俺は商人じゃなくて冒険者なので。」
「そうなのね……残念だけど、毒龍の件もあってあなたは金に困っていないでしょうし……」
「冒険者で十分稼げる人からしたら、ただの手間よね……」
そうなのだ。今回の毒龍の件で分かったことだが、魔物の力が使えるというのは思っていた以上に万能だった。
相手の魔物に対応して有利な魔物をぶつけることもできれば、傷をつけないようにだとか、そういう多少の無茶もできる。
なので、冒険者で十分稼げてしまうんだよな。
「私たちの分だけでも、特別に作ってくださらない?」
「それは構わないんですけど、どうせ噂が広まっていろんな婦人に押し掛けられることになりますよね?」
やはりと言ったところか。がめついお願いが来た。これを受けてしまったら最後、たくさんの婦人に私の分もとせがまれてしまうことだろう。
なのでキッパリ断りたいところだが、美人の困り顔は心にくるな。何かいい方法は……あ。
「そんな物欲しそうな顔されたら断れないじゃないですか……数量はそんなに多くないですが、メンバー制度の景品で配布することにしますよ。なので、メンバー登録して気長に待っててください」
「本当に!? ありがとう!」
「私も絶対登録するわ!」
「やった、赤ちゃん肌ゲット!」
ふふ、喜んでくれて何よりだ。
王様とは微妙な感じでお別れしたが、この3人とはかなり仲良くなれたと思う。王族との友好関係。これはでかいな。
この友好関係を崩さないためにも、ひとまずはしっかり脱毛をやりきらないとな。少し集中力を上げ、王女のたちの体を撫で回していった。
「ええ、古い皮膚とかがボロボロ剥がれて、すぐに肌が生まれ変わるのでめちゃくちゃ気持ちいいんですよね」
「やっぱりセレブだわ……恐ろしいほどのセレブ」
「お母様、この人は逃してはいけませんわ! 美容界の革命児ですわよ!」
フェニックス。何度倒してもすぐに再生してしまうほどの再生能力を持つことで有名な魔物である。
そのフェニックスの再生能力を、また別の魔物の力で石鹸に付与することで、再生効果のある石鹸を作り出して使っているのだ。
フェニックスはAランクの魔物なので、正確には昔から俺が使っていた魔物はミス・フェニックスという魔物である。
ミス・フェニックスとは、フェニックスの戦闘能力をゼロにしたバージョンだと考えてもらうといいと思う。再生能力に変わりは無いので、昔から重宝していた。
「ですが、1番大切なのはこの特性ドリンクです! 栄養素をふんだんに配合したドリンクなので、キレイで健全な皮膚を形成してくれるんですよ。」
特性ドリンクは美容のために飲んでいるわけではないが、きっと莫大な効果があるはずだ。それほどに、体と食事の関係は大きいと考えている。
「そ、そうかしら? 風呂と石鹸のインパクトが大きすぎて、あんまりすごいと思えないのよね……」
「うんうん……というか、そのドリンクはあんま効果がないんじゃ……」
「あん? 何言ってんだ! このドリンクこそが」
「そ! そういえば! なんだかいい香りがしますね? これも何か魔物の力なのですか?」
第一王女のマリナ様。いや、マリナ! こいつ、俺のドリンクにケチつけやがった! ぶち犯してやろうか!
……おっと失礼。まさか、大天使の浄化すらも凌駕する憎悪を芽生えさせるとは。マリナ様はなかなかやるようだ。
特性ドリンクをバカにされたから憎悪が芽生えただけであり、サリナ様の胸回りをサワサワしているから性欲が芽生えたわけではない。決して。
「あぁ、よく気づきましたね。この香りはフレグランスアルラウネの出す蜜を薄めたもので、香水より色々便利なんですよね。」
このアルラウネの香りの良さに気づくとは、サリナ様もなかなかやるな。
それからもしばらく雑談に興じていると、突然真面目な顔になった王妃が口を開いた。
「ところで、その石鹸や香水を販売する気はないのかしら?」
「んー、特には考えてないですね。手間もそこまでかからないし別に売ってもいいんですけど、俺は商人じゃなくて冒険者なので。」
「そうなのね……残念だけど、毒龍の件もあってあなたは金に困っていないでしょうし……」
「冒険者で十分稼げる人からしたら、ただの手間よね……」
そうなのだ。今回の毒龍の件で分かったことだが、魔物の力が使えるというのは思っていた以上に万能だった。
相手の魔物に対応して有利な魔物をぶつけることもできれば、傷をつけないようにだとか、そういう多少の無茶もできる。
なので、冒険者で十分稼げてしまうんだよな。
「私たちの分だけでも、特別に作ってくださらない?」
「それは構わないんですけど、どうせ噂が広まっていろんな婦人に押し掛けられることになりますよね?」
やはりと言ったところか。がめついお願いが来た。これを受けてしまったら最後、たくさんの婦人に私の分もとせがまれてしまうことだろう。
なのでキッパリ断りたいところだが、美人の困り顔は心にくるな。何かいい方法は……あ。
「そんな物欲しそうな顔されたら断れないじゃないですか……数量はそんなに多くないですが、メンバー制度の景品で配布することにしますよ。なので、メンバー登録して気長に待っててください」
「本当に!? ありがとう!」
「私も絶対登録するわ!」
「やった、赤ちゃん肌ゲット!」
ふふ、喜んでくれて何よりだ。
王様とは微妙な感じでお別れしたが、この3人とはかなり仲良くなれたと思う。王族との友好関係。これはでかいな。
この友好関係を崩さないためにも、ひとまずはしっかり脱毛をやりきらないとな。少し集中力を上げ、王女のたちの体を撫で回していった。
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