登録者0人の底辺配信者だった俺が、魔界で配信を始めてみたら人気者になった件

タバスコ

文字の大きさ
上 下
19 / 111

水中と盲目

しおりを挟む
 今日は水属性ダンジョンの攻略の続きをするため、朝から31階層へと降りてきている。あ、ちなみにしっかり配信中だ。

 前回通ったエリアを同じように雷で攻略し、次のエリアへと進んでいく。しっかり魔物の死体を回収するのも忘れない。

『やるねぇ~』
『こっちまでビリビリしそう』
『タコまる焦げで草』

 次のエリアへ到達した。あたり一面、目に見える範囲全てが海で形成されているエリアのようだ。

 酸素が必要になるたびに水中で呼吸できる魔物に変化する必要があるし、色々と能力が制限されそうだ。

 結構難易度が上がるから、いままでとはまた違った面白みのある配信になるかな。

「早速海に入っていきます!」

【人魚の頭】【殺人鮫の鰭】

 頭を人魚に変化させて呼吸手段を確保し、キラーシャークのヒレでスイスイと進んでいく。奥に行くほど暗くなり、目が見えなくなる筈だが、人魚の目のおかげかよく見えるな。

「お、やっとモンスターを発見しました。」

 結構進んだだろうか。水中で初めて出くわしたタコのモンスターに、弱点の電撃を食らわせてみようとすると、自分まで軽くビリっと来てしまった。

 そういえば、水は電気を通すんだったっけ。じゃあ、雷は使えないな。火ももちろんのこと使えないし、風も使えそうにない。

 光、闇、石系なら問題なさそうかな?毒などの状態異常系はほんとに自分に返ってきたら危険なので、どうしても必要にならない限り使わないようにしておこう。

 人魚の能力は常時発動させているので、そこそこ魔力の消費があるのでさっさと進みたい。この水中空間には光が存在しないので、闇魔法が役に立ちそうだ。

 【闇妖の右腕】

 ある程度進んだ位置から、続々と魔物が出現するようになった。

 いちいちこんな数相手してられない。右腕を闇妖へ変化させ、近寄って来た魔物へ盲目の状態異常を引き起こす魔法を使用する。

 闇で形成された右腕から抽出された闇が、周囲の闇を取り込みながら魔物へと向かっていく。巨大化した闇が魔物の目と思われる位置を包み込んだ。

 これで盲目の状態異常にあの魔物はかかったはずだ。見た目では判断できないか……?いや、よく見ると目に黒い霧のようなものが掛かっているな。

 それだけでなく、いきなり視覚を奪われて混乱したのか、周りにいる魔物にまで攻撃を仕掛け始めた。

「これは非常に使える魔法ですね! 魔力消費も少ないし、この暗闇の空間では盲目が解けるのも遅いでしょう。」

『おー!』
『闇系だから妨害系の効果だとは思っていたけど、盲目だったのか!』
『やっぱ環境によって能力切り替えられるってめちゃくちゃ強くね?』
『でも、当たりにくそうだし、当たらないなら意味なくねえか?』


 魔界でも、闇系は妨害特化という概念は一緒なんだな。あと、当たりにくいというところも。
 

「コメントでもおっしゃっている通り、当たりにくいのが状態異常系の弱点です。しかし、水系魔物は群れる修正があるのでどれかしらには当たりますし、どんどん使って攻略していきます!」

 手当たり次第、盲目にさせていきながらどんどん進む。進むというか、今はボスを探している状態だ。正直、どこに進んだらいいのか全然わからない。

 それから30分ほど、闇雲にボスを探し回っていると、ついに発見した。

 ボスだと思われる巨大なタコ。Bランクモンスターのクラーケンを指差して視聴者に発見を伝える。

 扉を守るように鎮座していて、倒さないと次には進めなさそうな雰囲気だ。

 
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

削除予定です

伊藤ほほほ
ファンタジー
削除します

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?

小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」  勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。  ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。  そんなある日のこと。  何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。 『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』  どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。  ……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?  私がその可能性に思い至った頃。  勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。  そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

処理中です...