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禁断の魔剤実験
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宝箱を開封した後、すぐに配信を終了した。視聴者には疲れたからだと言ったが、本当のところは禁断の魔剤が気になるからだ。
色々とやりたいことはあるが、ひとまず30階層に作ってある簡易住居へと戻ってきた。ダンジョン内といえども、帰る場所があると安心するな。
少しくつろいだ後、ショップを開いた。今回ドロップしたゴブリンキングとゴブリンキングの大剣だが、使用しないのでオークションに出品しようと思う。
相場が分からないので即決価格は設定せず、急ぎで金が欲しいわけではないので、入札期限は最大の1週間設けよう。さて、いくらになるかな。
出品が終わったのでこっちは放置して、早速禁断の魔剤をショップで検索してみようと思う。名前を入れて検索ボタンを押すと、すぐに出てきた。
【禁断の魔剤】
・魔物にのみ使用することができる。
・使用された魔物は、一定時間能力が上昇する。
・使用された魔物は、一定時間知能が低下する。
・一度使用された魔物には、240時間使用することはできない。
☆出品者名:株式会社ハズレアイテム
○在庫 1000本
○価格 1万コイン
○早めに配送いたします
一応レアアイテムではあるため在庫は少ないが、需要が薄いため一本1万コインとこの在庫数にしては安い値段になっているようだ。
早速ここから数本購入し、1時間くらい待っただろうか。魔法陣が現れ、ダンボールで商品が届いた。結構早めだったな。これで実験を開始できる。
【火妖の腕】
まずは一つ目の実験だ。腕を火妖に変化させてみると、いつも通り火炎が腕の形をしている。腕の長さや大きさはほとんど変わっておらず、自分の体のように動かすのも容易だ。
観察を終えたところで、ここに禁断の魔剤を使ってみる。
ダンボールを燃やし尽くし中身を開封すると、暴れ回る魔物のシルエットが描かれた瓶が存在した。
そのまま手に取り瓶をすこし振ってみると、ちゃぽちゃぽと音がする。中身は液体のようだな。
早速瓶の蓋を開け、腕に液体をかけていく。全てかけ終わったその瞬間、火に燃料を投下したかのようにぐわっと火炎が燃え上がり、腕のサイズが2回りほど増加した。さらに、炎の密度も高まっている気がする。
これは、もはや大火妖の腕に近い。昔に見たことがあるが、このような腕をしていた気がする。そういえば、Eランクになったので大火妖にも変化できるようになったのか。
【大火妖の腕】
試しに反対の腕を大火妖に変化させてみると、ほとんど同じような腕が現れた。どうやらこの魔剤は、1.2ランクほど魔物な能力を上げてくれるみたいだな。
この実験で、魔剤の効果が俺の魔物の部分にも通用することがわかった。しかし、問題の知能の低下の部分はどうだろうか。
正直実感はないな。特に頭が悪くなった感じもしないし、知力に影響されると言われているスキルの維持時間も特に変化はない気がする。
おそらく、能力が上昇するのが魔物化している部分だけなのと同じように、知能低下の効果がかかるのも魔物化している部分だけなのだろう。
そのため、知能を司る脳が魔物化していないことから、知能低下のデメリットは受けていないということだろう。
これは嬉しい発見だな。しかし、本当はデメリットを受けているとか。そう言った可能性も否めないので、少し気をつけるようにしよう。
忘れないよう、紙に実験結果をメモしてストレージに仕舞っておく。
それでは次、2つ目の実験だ。腕を魔物に変化させて禁断の魔剤を使用したあと、変化を解除し、同じ腕を別の魔物に変化させたらどうなるのか。
【水妖の腕】
火妖の変化を解き、そのまま同じ腕を水妖に変化させてみる。
「んー、流石にそこまで都合良くは行かないか」
なんの変哲もない、いつもの水妖の腕だった。やはり、同じ腕に宿っていたとしても、別の魔物として認識されるようだ。
さて、別の魔物として認識されるのであれば、240時間のクールタイムの問題はどうなるのだろうか。
手慣れた手つきで魔剤を開封し、水妖の腕に使用していく。すると、津波が起きたかのように右腕に激流が走り、水妖の腕が肥大化していった。なるほど、別の魔物であればクールタイムも関係ないと……。メモメモ。
これはかなり大きな収穫だな。たとえ禁断の魔剤の効果時間が過ぎて弱体化したとしても、魔物を変えて使用するだけですぐに強化された状態に戻れるのか。
その後もいろいろ試してみたところ、左右の腕を別の魔物に変化させても両方強化は可能だった。つまり、複数の魔物の同時強化も問題なし。
そして、効果時間は10分のようだ。嬉しことに、一度変化を解いた魔物だとしても10分以内であれば、強化された状態に変化可能だった。
これはいいな。俺からすれば、デメリットなしのただの強化剤のようなものだ。これからは必須アイテムになっていきそうだが、少し高いな。自力で行けるところは、やはり自力で。
そう言いつつも、とりあえず追加で10本くらいは購入しておこう。
色々とやりたいことはあるが、ひとまず30階層に作ってある簡易住居へと戻ってきた。ダンジョン内といえども、帰る場所があると安心するな。
少しくつろいだ後、ショップを開いた。今回ドロップしたゴブリンキングとゴブリンキングの大剣だが、使用しないのでオークションに出品しようと思う。
相場が分からないので即決価格は設定せず、急ぎで金が欲しいわけではないので、入札期限は最大の1週間設けよう。さて、いくらになるかな。
出品が終わったのでこっちは放置して、早速禁断の魔剤をショップで検索してみようと思う。名前を入れて検索ボタンを押すと、すぐに出てきた。
【禁断の魔剤】
・魔物にのみ使用することができる。
・使用された魔物は、一定時間能力が上昇する。
・使用された魔物は、一定時間知能が低下する。
・一度使用された魔物には、240時間使用することはできない。
☆出品者名:株式会社ハズレアイテム
○在庫 1000本
○価格 1万コイン
○早めに配送いたします
一応レアアイテムではあるため在庫は少ないが、需要が薄いため一本1万コインとこの在庫数にしては安い値段になっているようだ。
早速ここから数本購入し、1時間くらい待っただろうか。魔法陣が現れ、ダンボールで商品が届いた。結構早めだったな。これで実験を開始できる。
【火妖の腕】
まずは一つ目の実験だ。腕を火妖に変化させてみると、いつも通り火炎が腕の形をしている。腕の長さや大きさはほとんど変わっておらず、自分の体のように動かすのも容易だ。
観察を終えたところで、ここに禁断の魔剤を使ってみる。
ダンボールを燃やし尽くし中身を開封すると、暴れ回る魔物のシルエットが描かれた瓶が存在した。
そのまま手に取り瓶をすこし振ってみると、ちゃぽちゃぽと音がする。中身は液体のようだな。
早速瓶の蓋を開け、腕に液体をかけていく。全てかけ終わったその瞬間、火に燃料を投下したかのようにぐわっと火炎が燃え上がり、腕のサイズが2回りほど増加した。さらに、炎の密度も高まっている気がする。
これは、もはや大火妖の腕に近い。昔に見たことがあるが、このような腕をしていた気がする。そういえば、Eランクになったので大火妖にも変化できるようになったのか。
【大火妖の腕】
試しに反対の腕を大火妖に変化させてみると、ほとんど同じような腕が現れた。どうやらこの魔剤は、1.2ランクほど魔物な能力を上げてくれるみたいだな。
この実験で、魔剤の効果が俺の魔物の部分にも通用することがわかった。しかし、問題の知能の低下の部分はどうだろうか。
正直実感はないな。特に頭が悪くなった感じもしないし、知力に影響されると言われているスキルの維持時間も特に変化はない気がする。
おそらく、能力が上昇するのが魔物化している部分だけなのと同じように、知能低下の効果がかかるのも魔物化している部分だけなのだろう。
そのため、知能を司る脳が魔物化していないことから、知能低下のデメリットは受けていないということだろう。
これは嬉しい発見だな。しかし、本当はデメリットを受けているとか。そう言った可能性も否めないので、少し気をつけるようにしよう。
忘れないよう、紙に実験結果をメモしてストレージに仕舞っておく。
それでは次、2つ目の実験だ。腕を魔物に変化させて禁断の魔剤を使用したあと、変化を解除し、同じ腕を別の魔物に変化させたらどうなるのか。
【水妖の腕】
火妖の変化を解き、そのまま同じ腕を水妖に変化させてみる。
「んー、流石にそこまで都合良くは行かないか」
なんの変哲もない、いつもの水妖の腕だった。やはり、同じ腕に宿っていたとしても、別の魔物として認識されるようだ。
さて、別の魔物として認識されるのであれば、240時間のクールタイムの問題はどうなるのだろうか。
手慣れた手つきで魔剤を開封し、水妖の腕に使用していく。すると、津波が起きたかのように右腕に激流が走り、水妖の腕が肥大化していった。なるほど、別の魔物であればクールタイムも関係ないと……。メモメモ。
これはかなり大きな収穫だな。たとえ禁断の魔剤の効果時間が過ぎて弱体化したとしても、魔物を変えて使用するだけですぐに強化された状態に戻れるのか。
その後もいろいろ試してみたところ、左右の腕を別の魔物に変化させても両方強化は可能だった。つまり、複数の魔物の同時強化も問題なし。
そして、効果時間は10分のようだ。嬉しことに、一度変化を解いた魔物だとしても10分以内であれば、強化された状態に変化可能だった。
これはいいな。俺からすれば、デメリットなしのただの強化剤のようなものだ。これからは必須アイテムになっていきそうだが、少し高いな。自力で行けるところは、やはり自力で。
そう言いつつも、とりあえず追加で10本くらいは購入しておこう。
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