6 / 12
襲来
しおりを挟む
6話 襲来
襲来①
今僕は体育館にいる。
いつもさいごとお世話になってる樋口さんのところのサークルだ。サークル名ブルースタックス。
でもいつもと違うおかしな点がある。
それは...
青羽先生が僕と同じコートに立っていると言う点だ!!!!!
ある日昼休み。僕は学校には大して友達がいないので、昼をさっさと済ませ、校庭の周りの林で隠れるようにランニングしていた。林の間に職員の駐車場があり、ランニング中に見覚えのある車が入って来た。青羽先生だ!
「佐藤くん。頑張っていますね。」
「先生お疲れ様です!お昼休みって暇なんです。」
「君が見えたので早めに来てしまいました。」
「え?どう言う事ですか?」
「わたしの家はあそこです。」
指差したのは学校に面してる隣の家だった!
近所に越して来たと言う噂は本当だった!
「今日はきみにお話がありまして」
「なんですか?」
「きみとバドミントンしてみたいですね」
「え?」
それがきっかけだった。
ストーカーかよ!って言いたかったけど、監督の熱意に負けました。
きくと僕が行ってるサークルの樋口さんと面識があって、しかもそのサークルにシャトルを卸しているのが先生らしい。
青羽先生、樋口さん
僕、さいご
と言う少し前では絶対あり得ないダブルス
気楽に楽しもうって2人は言ってるけど、僕らはもう気が気じゃなかった。特にさいごが終始震えまくっていた。まともにラリーにすらならなかった初めてのラブゲーム。打ちやすいように上げてくれてはいたけどまさかの惨敗を喫した。
「いやー楽しかったです。またよろしくお願いします」
なんだこの先生!楽しくねーよこのやろが!
青羽先生は笑いながら帰って言った。
でも僕らが弱すぎてか先生の実力を見ることはできなかった。今度またいつか実力を少しでも引き出すように対戦したいとその時1つ目標ができた気がした。
襲来②
部活後、本当は寄り道がダメなんだけど、さいごと僕の家の中間くらいのバドショップに行くことになった。チャリで15分くらいのところかな?
ついた時にはさいごはいなかった。先についていたけど隣のコンビニで立ち読みしていたらしい。
「こんにちはー」
バドミントン専門ショップ【青い羽根】
ここはたまに来るお店。なんか落ち着く。
大型スポーツ店もあるし、近所にもバドテニスショップもあるけど、僕らにとってここが一番好きな場所だった。
民家を改築して作ったような古臭いお店。
スペースを無駄にしないようにして作った、頭上に並ぶ多くの棚。その棚には上すぎてよく見えないけど、トロフィーやら写真やらがずらり。手打ちで打ったようなラケットをかける釘。その釘にはラケットに傷がつかないように丁寧にスポンジが巻いてある。
バドミントン専門誌、バドミントンマガジンのバックナンバーもずらり!
家、体育館以外の僕らの隠れ家的な遊び場だった。
店内のベンチで2人でバドマガを漁っていた。
「こんにちは」
「いらっしゃいませ!青さんじゃないですか」
「あ!先生!お疲れ様です!」
なんと青羽先生が店に来た!
「そうかお前ここ最近だもんなー」
青羽先生はしょっちゅうここに足を運んでいるらしかった。
「やっぱりバド好きの血ですかね」
店長が話した。僕らはそのまま4人で語り合った。
さいごは相変わらずずっと緊張したままだけど、こんな楽しい時間は初めてだった。
ここの店長さんは青羽先生の教え子で先生に憧れてバドミントンのお店を開いたらしい。
ここに飾っているトロフィーや写真はほとんどが青羽先生の若い頃のもの。見違えるほど痩せていたw
どうやら実業団としての現役生活はほんの僅かだったらしい。そこら辺の早くやめた理由などは聞くことができなかった。あの表情をあまり出さない温厚な先生が、険しく悲しい顔で笑っていたからだ。
青葉和羽 21歳で現役引退
最後のトロフィーの横にひっそりと新聞記事の額縁が飾ってあった。
青羽先生って名前青葉先生っていうんだ...
僕らには知らないことが多すぎた。
襲来③
親から携帯で連絡がきた。家の風呂が壊れたとの事。
親と銭湯行くのも怠いので、さいごの家にお世話になろうとしたけどさいごから逆に銭湯誘われた。
家に帰ると弟もふて腐れていたので銭湯に誘った。
さいごのオススメの温泉。葵い。
昔からあったようだけどすごく綺麗で何度か改装している感があった。いろんなお風呂があって、露天風呂まであるらしい。露天=混浴と勘違いして入るの恥ずかしがってるとさいごに笑われた。
脱衣所にて--
「なぁおちび。ちょっと...」
「うん!!」
「だからさ...」
初対面なのに弟と仲良くなってるさいご。
人当たりがいいのにも程があるよな全く...僕抜きで2人で仲良く話ししてるのみてちょっとイラついて1人で温泉入る準備すすめた。
全部脱ぎ終わって腰にタオル巻いてロッカーの鍵を閉めようとちょっと背伸びをした瞬間...
「それー!!!!」
弟が僕のタオルを引きずりおろしてお尻丸出しになってしまった。慌ててタオルを拾おうとしてこけて2人の前で股間丸出しになってしまった。死にたくなった。
露天風呂にて--
「ごめんって」
「ごめんなさい」
「...」
「まさかこうなるとはさ!お詫びにほら!」
「そんなんみたくない!」
「にいちゃんより小さい」
「おちび!お前の方小さいだろほら!」
「うわぁ!やめて!!」
ってな感じで戯れていると、丸々太った体格いいおじさんが露天風呂に入ってきた。まさか...メガネ外してるし、髪が濡れてるからいつもと違うから定かではないけど。
「先生?」
「うん?佐藤くんか?」
「はい!」
「おお。奇遇だねぇ」
まさか...ここまで僕を追っかけて...
ちょっと恐怖を感じた。
「今借りてるアパートの風呂がせまくてね。」
そういうことかw
少し安心した。
帰りの脱衣所にて-
「佐藤くん。3人で何か飲みなさい。」
「ありがとうございます!」
風呂上がり、青羽先生が飲み物を奢ってくれた。
4人で風呂上がり入り口前のベンチに座った。
「佐藤くん達は結構ここに来るのかい?」
「いえ。今日はうちの風呂が壊れちゃって。」
「ここはわたしの教え子のお店でね。たまにここに来るよ。」
「そうなんですね。」
「弟くんもバドやってるのかい?」
「いえ!こいつはバスケ部です。小学校にはバド部がないので。」
「ナイターがあるじゃないか。今度遊びに連れていくといいよ」
「はい!」
ここ最近青羽先生に結構出会った。
ファンって話をされたからつけてるのかなーって疑ったりもしたけど、よくよく考えたらさいごに出会ってから、行動範囲が広がって、監督の行動範囲に僕が乱入してしまったことに気がついた。お互い既に会っていたかもしれない。すれ違っていたかもしれない。
ナイターの代表の樋口さんも青羽先生の知り合いだったし、バドミントンショップのお店の人も先生教え子、温泉も教え子のお店だったからね。
ここら辺のバド界で青羽先生を知らない人はいないんだなーと実感した数日間だった。
襲来①
今僕は体育館にいる。
いつもさいごとお世話になってる樋口さんのところのサークルだ。サークル名ブルースタックス。
でもいつもと違うおかしな点がある。
それは...
青羽先生が僕と同じコートに立っていると言う点だ!!!!!
ある日昼休み。僕は学校には大して友達がいないので、昼をさっさと済ませ、校庭の周りの林で隠れるようにランニングしていた。林の間に職員の駐車場があり、ランニング中に見覚えのある車が入って来た。青羽先生だ!
「佐藤くん。頑張っていますね。」
「先生お疲れ様です!お昼休みって暇なんです。」
「君が見えたので早めに来てしまいました。」
「え?どう言う事ですか?」
「わたしの家はあそこです。」
指差したのは学校に面してる隣の家だった!
近所に越して来たと言う噂は本当だった!
「今日はきみにお話がありまして」
「なんですか?」
「きみとバドミントンしてみたいですね」
「え?」
それがきっかけだった。
ストーカーかよ!って言いたかったけど、監督の熱意に負けました。
きくと僕が行ってるサークルの樋口さんと面識があって、しかもそのサークルにシャトルを卸しているのが先生らしい。
青羽先生、樋口さん
僕、さいご
と言う少し前では絶対あり得ないダブルス
気楽に楽しもうって2人は言ってるけど、僕らはもう気が気じゃなかった。特にさいごが終始震えまくっていた。まともにラリーにすらならなかった初めてのラブゲーム。打ちやすいように上げてくれてはいたけどまさかの惨敗を喫した。
「いやー楽しかったです。またよろしくお願いします」
なんだこの先生!楽しくねーよこのやろが!
青羽先生は笑いながら帰って言った。
でも僕らが弱すぎてか先生の実力を見ることはできなかった。今度またいつか実力を少しでも引き出すように対戦したいとその時1つ目標ができた気がした。
襲来②
部活後、本当は寄り道がダメなんだけど、さいごと僕の家の中間くらいのバドショップに行くことになった。チャリで15分くらいのところかな?
ついた時にはさいごはいなかった。先についていたけど隣のコンビニで立ち読みしていたらしい。
「こんにちはー」
バドミントン専門ショップ【青い羽根】
ここはたまに来るお店。なんか落ち着く。
大型スポーツ店もあるし、近所にもバドテニスショップもあるけど、僕らにとってここが一番好きな場所だった。
民家を改築して作ったような古臭いお店。
スペースを無駄にしないようにして作った、頭上に並ぶ多くの棚。その棚には上すぎてよく見えないけど、トロフィーやら写真やらがずらり。手打ちで打ったようなラケットをかける釘。その釘にはラケットに傷がつかないように丁寧にスポンジが巻いてある。
バドミントン専門誌、バドミントンマガジンのバックナンバーもずらり!
家、体育館以外の僕らの隠れ家的な遊び場だった。
店内のベンチで2人でバドマガを漁っていた。
「こんにちは」
「いらっしゃいませ!青さんじゃないですか」
「あ!先生!お疲れ様です!」
なんと青羽先生が店に来た!
「そうかお前ここ最近だもんなー」
青羽先生はしょっちゅうここに足を運んでいるらしかった。
「やっぱりバド好きの血ですかね」
店長が話した。僕らはそのまま4人で語り合った。
さいごは相変わらずずっと緊張したままだけど、こんな楽しい時間は初めてだった。
ここの店長さんは青羽先生の教え子で先生に憧れてバドミントンのお店を開いたらしい。
ここに飾っているトロフィーや写真はほとんどが青羽先生の若い頃のもの。見違えるほど痩せていたw
どうやら実業団としての現役生活はほんの僅かだったらしい。そこら辺の早くやめた理由などは聞くことができなかった。あの表情をあまり出さない温厚な先生が、険しく悲しい顔で笑っていたからだ。
青葉和羽 21歳で現役引退
最後のトロフィーの横にひっそりと新聞記事の額縁が飾ってあった。
青羽先生って名前青葉先生っていうんだ...
僕らには知らないことが多すぎた。
襲来③
親から携帯で連絡がきた。家の風呂が壊れたとの事。
親と銭湯行くのも怠いので、さいごの家にお世話になろうとしたけどさいごから逆に銭湯誘われた。
家に帰ると弟もふて腐れていたので銭湯に誘った。
さいごのオススメの温泉。葵い。
昔からあったようだけどすごく綺麗で何度か改装している感があった。いろんなお風呂があって、露天風呂まであるらしい。露天=混浴と勘違いして入るの恥ずかしがってるとさいごに笑われた。
脱衣所にて--
「なぁおちび。ちょっと...」
「うん!!」
「だからさ...」
初対面なのに弟と仲良くなってるさいご。
人当たりがいいのにも程があるよな全く...僕抜きで2人で仲良く話ししてるのみてちょっとイラついて1人で温泉入る準備すすめた。
全部脱ぎ終わって腰にタオル巻いてロッカーの鍵を閉めようとちょっと背伸びをした瞬間...
「それー!!!!」
弟が僕のタオルを引きずりおろしてお尻丸出しになってしまった。慌ててタオルを拾おうとしてこけて2人の前で股間丸出しになってしまった。死にたくなった。
露天風呂にて--
「ごめんって」
「ごめんなさい」
「...」
「まさかこうなるとはさ!お詫びにほら!」
「そんなんみたくない!」
「にいちゃんより小さい」
「おちび!お前の方小さいだろほら!」
「うわぁ!やめて!!」
ってな感じで戯れていると、丸々太った体格いいおじさんが露天風呂に入ってきた。まさか...メガネ外してるし、髪が濡れてるからいつもと違うから定かではないけど。
「先生?」
「うん?佐藤くんか?」
「はい!」
「おお。奇遇だねぇ」
まさか...ここまで僕を追っかけて...
ちょっと恐怖を感じた。
「今借りてるアパートの風呂がせまくてね。」
そういうことかw
少し安心した。
帰りの脱衣所にて-
「佐藤くん。3人で何か飲みなさい。」
「ありがとうございます!」
風呂上がり、青羽先生が飲み物を奢ってくれた。
4人で風呂上がり入り口前のベンチに座った。
「佐藤くん達は結構ここに来るのかい?」
「いえ。今日はうちの風呂が壊れちゃって。」
「ここはわたしの教え子のお店でね。たまにここに来るよ。」
「そうなんですね。」
「弟くんもバドやってるのかい?」
「いえ!こいつはバスケ部です。小学校にはバド部がないので。」
「ナイターがあるじゃないか。今度遊びに連れていくといいよ」
「はい!」
ここ最近青羽先生に結構出会った。
ファンって話をされたからつけてるのかなーって疑ったりもしたけど、よくよく考えたらさいごに出会ってから、行動範囲が広がって、監督の行動範囲に僕が乱入してしまったことに気がついた。お互い既に会っていたかもしれない。すれ違っていたかもしれない。
ナイターの代表の樋口さんも青羽先生の知り合いだったし、バドミントンショップのお店の人も先生教え子、温泉も教え子のお店だったからね。
ここら辺のバド界で青羽先生を知らない人はいないんだなーと実感した数日間だった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる