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パンツを嗅がれるオオカミ

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 図書室の鍵を閉めると、僕は日も落ち始めてすっかり薄暗くなった渡り廊下を一人歩いていた。数刻前までは生徒たちの声で賑やかだったこの場所は、窓に叩きつける土砂降りの雨が僕の足音をかき消してまるで獲物を狙う獣のような不気味さを感じさせる。冷たく張り詰めた十一月の空気はオオカミの分厚い毛皮を持ってしても僕をぶるりと震わせて、たまらず逃げ出すように歩調を速めた。
 今日の掃除当番はもう一人居たのだがそのハイエナは僕に掃除当番を押し付けると早々と帰宅し、途中見回りに来た先生も関心無さそうな様子で終わったら鍵を閉めるようにと言い残して出ていった。そんなのはいつものことで、殴られた訳でも罵倒された訳でも無いのだから僕がただ我慢すればそれで良いのだと言い聞かせながら暗い廊下を歩く。気を紛らわすように外を見ると、玄関に黒い影が見えた。
 
 職員室に鍵を返却し下駄箱に向かうと、先ほどの影の正体がそこに居た。僕よりも一回りは大きい真っ黒なオオカミが玄関の前で恨めしそうに雨の降りしきる空を眺めて立ち尽くしている。僕が靴を履き替えようと下駄箱を開けると、その黒いオオカミは驚いたように振り向いてこちらを凝視する。吸い込まれそうな闇に浮かぶ爛々とした金色の目がじっと僕を見つめて、思わずひぃと声にならない声をあげて尻尾を股の間に挟んでしまう。そんな僕を気にも留めない様子でオオカミはまた空を睨んだ。
 震える手をいさめて鞄から折りたたみ傘を取り出して恐る恐る視線を戻すと、沈みかけた夕日に照らされたその背中はどこか寂しそうだった。

 僕は思い切って傘を差し出し声をかける。
「あの、よかったら入りませんか?」


 黒いオオカミの彼と一つの傘に入って並んで歩く。彼は大きな身体を遠慮がちに縮めながら僕に歩調を合わせる。
「わりぃな、傘忘れちまってよ。助かった。」
 表情の読み取れない顔でボソリと言う。
「いえいえ!そんなこと無いですよ、えーと、あの…」
「犬飼」
「い、犬飼さん」
 ふぅ、とため息をつくとこう続けた。
「お前も二年だろ、図書委員さんよ?」
 その見た目に似合わず本とか読むんだ、と失礼なことを考えてしまった。てっきり不良かと思ったよ。
「じゃあ…犬飼、くん?」
「なんだよ」
「犬飼くんの家ってどのあたり?」
「狼ヶ丘3丁目」
「そ、そうなんだ、僕は4丁目だから途中だね、はは…」
 会話が止まってしまう。あと二十分以上はあるぞ。雨が降りしきる中、お通夜のような雰囲気で歩く。ただでさえ強い雨をこの小さな折りたたみ傘を二人でさしては十分に防げるはずもなく、濡れたシャツが体温を奪うようにぴったりと毛に張り付いて水を吸った靴は氷の上を歩くような痛みをもたらす。少しでも気を紛らわせるために白い息を吐きながら話題を持ち出す。
「犬飼くんはどんな本が好きなの?」
「あ?マンガぐらいしか読まねぇよ」
「でも、さっき僕が図書委員だって…」
「あぁ、あそこは昼寝するのに静かでいいからな」
 やっぱり不良じゃないか。僕はなんだかバカにされたような気がして抗議の声を上げようと犬飼くんの顔を見上げると、ニッと犬歯を出して笑っていた。何故だかわからないけどその顔を見ると小さな怒りは霧散してしまい、気恥ずかしくなって顔を逸らした。犬飼くんはそれを僕が怒っていると解釈したのか、申し訳なさそうに耳を伏せて僕の顔を覗き込んでこう言った。
「あー、悪かった、バカにするつもりは無くてよぉ…」
 どう答えたら良いのかわからずに沈黙を続けていると、さらに続ける。
「そうだ、じゃあおすすめの本教えてくれよ、な、な!」
 あまりに必死な様子に思わず笑ってしまい、わかったよと答えると犬飼くんもおうと答えた。
「じゃあね、僕が好きなファンタジー小説なんだけど…」
 夢中になって話す僕に真剣な表情で相槌を打つ犬飼くんを見て、不思議と寒さが和らいだ気がした。


 犬飼くんの家に近づいた頃には辺りは真っ暗になっていた。それまで楽しげに話していたのにお互い段々と口数が減っていく。
「このあたり、だよね?」
「…そこのカド」
「そ、そっか…」
「……」
 犬飼の表札を見つけ、たどり着いた事を知る。
「あの、着いたね」
「……おう」
「あ、じゃあ…」
「……」
「えと、また図書室来てね!」
 そう告げてそそくさと帰ろうとした時、腕を掴まれる。
「おい」
 ぎょっとして見上げると僕を睨み据えている。
「あの、犬飼…くん?」
 それには答えずに腕を掴む力が増していき、ただならぬ空気に逃げ出したくなるが足が地面に貼り付けられたようにその場から動かない。呼吸が荒くなり吐き出された息で視界が白くなる。玄関のライトを背にしていっそう巨大な闇が僕を塗り潰そうと迫り、そこに浮かぶ二つの満月と地響きのような唸り声に世界が支配されていく。
「あ、あ、あの…」
 恐怖のあまりガチガチと歯を鳴らしながら再度問いかける。小さな金属音に続けて軋むような音が鳴り、扉が開いたのだと理解するが早いか放り投げるように中に押し込まれる。よろけた体勢を立て直していると、犬飼くんは後手に鍵を閉めながら言った。
「寄っていけ」
 パニックになりながらも言葉を絞り出す。
「僕の家、もうすぐだから」
「嫌か」
「ほら、いきなりだとご家族にも…」
「今日はいない」
 扉に立ちふさがり僕を帰さないつもりのようだ。
「俺のせいで濡れただろ?服乾かしていけよ」
 彼なりに気を使ってくれているのだろうか。
「本当に家まですぐだから」
 押し問答を続けるが、引いてくれそうにない。
「迷惑か?」
 犬飼くんは困ったような悲しそうな表情でそう言った。その表情が学校で見たあの背中と重なって、ちくりとした罪悪感にかられた。
「俺といるの、嫌か?」
 息を大きく吸い込んで呼吸を落ち着けると、僕は犬飼くんの目を見て言った。
「おじゃま、します」
「おう」
 素っ気なく答えた犬飼くんの表情はどこか嬉しそうだった。

 先ほどまでの冷たい雨とは打って変わって、暖かいシャワーの熱湯が毛を伝って身体を温める。濡れた服は乾燥機にかけてやるからと、半ば強引に押し切られてシャワーを浴びている。せめて犬飼くんからお先にと言ったのだが、あんなに震えていたのによく言うと笑われてしまった。震えていたのは寒さのせいだけじゃないんだけどな。
 そういえば服を脱いだはいいものの、着替えも持っていない事を今更に思い出してシャワールームのドアを少し開けて居間にいる犬飼くんに呼びかけようとする。
「あ…」
 そこから先の言葉が紡げなかった。目の前の犬飼くんと視線が合う。予期しないタイミングでドアが開いた事に驚いたのか、全身の毛を逆立ててその目を大きく見開いている。僕の心臓もバクバクと跳ねるよう鼓動し、掌の肉球が熱く汗ばんでくる。濡れた服を乾燥機にかけようとてくれたのだろうかとか、そもそも犬飼くんの家なんだからどこに居たって自由だろうとか、そんなのは些細な事だった。だって犬飼くんは…
「ちがっ、いや、ちがう」
 僕が脱いだ下着、幸いにも雨に濡れずに済んだ僕のパンツを両手に持って鼻を潜り込ませたまま犬飼くんはそう言った。何がどう違うのかの検討も付かず、ただうんと小さく反射的に答えた。
「あの、それ…は、濡れてないから」
 ぎこちなくそう続けると、犬飼くんは思い出したかのように慌てた様子で僕のパンツを脱衣カゴに戻す。
「他のは乾燥機にかけておくから」
 そう言って残りの服をひったくるように乾燥機にかけて逃げるように脱衣所を出て行った。取り残された僕は結局パンツ以外に履くものが無くなったが、今しがたの光景がフラッシュバックして脳裏にこびりついてしまいもう一度犬飼くんに話しかける気にもならず、胸のざわつきを感じながらまたシャワーを浴びた。
 身体を乾かした頃には、男同士なんだからパンツ一丁でも恥じる事はないだろうと妙な開き直りを起こしながら居間にいる犬飼くんに話しかける。
「お風呂ありがとう」
「テレビ、これ」
 犬飼くんは目を合わせないまま短くそう言って僕にリモコンを渡すと、シャワーを浴びに向かった。シャワーの音が聞こえてくるとなんだか恥ずかしくなってテレビをつける。頭に入ってこないニュース番組を見ながら、またあの光景を思い出す。犬飼くんは僕のパンツを手にとって…鼻を付けて嗅いでいた。何故という気持ちと、そのパンツを今自分が履いているという事実を考えて身体が火照るように熱くなる。まるで犬飼くんの鼻が股間にぴったりとくっ付いて匂いを嗅がれているような錯覚を覚え、ぞわりとした感覚が背中を走る。そんなことを考えながら悶々とした気持ちのままテレビを眺めていると、やがてシャワーの音が止んだ。

 何故かお互いにパンツだけを身につけた格好で並んでソファーに座り、無言のままテレビを眺める。画面の中のアナウンサーが言うには記録的なゲリラ豪雨らしい。
「あの、雨すごかったね」
 犬飼くんは小さく相槌を打つ。
「母さんに遅くなるって連絡しとかなくちゃ」
 独り言のようにそう言って、帰るのは遅くなるからとメールを打つ。雨は止みそうに無いし、服が乾くのもまだ時間がかかるだろう。メールを送り終えて携帯をテーブルの上に置くとまた沈黙が続く。どうにも居心地の悪さを感じて何か話題を探そうとしてみても、パンツを匂っている犬飼くんが頭をチラついて離れない。何か他の話をしようとしたつもりなのに、口を開くととんでもない事を言ってしまった。
「犬飼くん…その、パ、パン…ツ、匂ってみる?」
「はぁっ!?」
 それまで静かだった犬飼くんがわめくような大声を出す。
「変なこといってごめん、冗談、冗談だから」
 思わず謝ってしまう。犬飼くんはあっと小さく声を漏らす。
「だ、だよな」
 そう言うとまた黙ってしまった。
 横目に犬飼くんを見るとそわそわと落ち着きのない様子で視線を泳がせている。耳は忙しそうに動いて、時々何かを言いたそうに口を開けてはまた閉じる。本当は嗅ぎたかったんだろうか。僕たちは種族柄匂いに対する執着が強くて、僕も小さい頃は雨上がりに干上がったミミズの匂いを嗅ごうとしてよく怒られたっけ。犬飼くんも恥ずかしくて言いづらいのかな。そう考えていると段々とおかしなテンションになってきて、なんとしてでもパンツの匂いを嗅がせてあげたいという気持ちが生まれてきた。
「い、犬飼くん!」
「なっ、なんだよ」
 僕は股間に近い内腿を指差しながら叫ぶように言う。
「こっ、ココ!痒くてさ、虫に刺されたのかなって」
 犬飼くんが股間を凝視する。
「自分じゃよく見えなくて、刺されてないか、見て欲しい、な」
 我ながら白々しすぎる。流石にこれは。沈黙の後犬飼くんが言う。
「おっ、おぉ、ならしょうがねえよなぁ!」
 犬飼くんも白々しかった。

「ここか?」
「もうちょっと左かも…」
 ソファーに座る僕の前に犬飼くんは跪いていた。申し訳程度に僕の被毛を掻き分けてみせて、ありもしない虫に刺された痕を探す。音が聞こえてきそうなくらい荒い鼻息がくすぐったい。ヒクヒクと鼻が動き、僕のパンツの匂いを大きく吸うたびに犬飼くんの尻尾が暴れている。なんだか扇情的なその光景にいやらしい気分になってしまい、股間に熱が集まっていく。
「あの、い、いぬかいくん」
「なんっ…だよ、はぁ」
 邪魔するなとばかりに睨みつけられる。
「もう、大丈夫っ、だからぁ」
 昂りが抑えきれずにパンツを膨らませていく。犬飼くんはますます鼻息を荒くして、鼻先をその膨らみへと近づけていく。
「や、やだ、あっ!?」
 恥ずかしさのあまり身をよじって逃げ出そうとした時、膨らみの先端が犬飼くんの鼻先に擦れて悲鳴を上げてしまう。思いがけない刺激にぴゅと先走りが出てパンツをじわりと濡らした。犬飼くんはしばらく恍惚の表情ですぴすぴと匂いを堪能した後、べろりと鼻先を舐める。
「この中も見ねぇとな」
 パンツをずり下ろされて、ぶるんと露わになったちんぽが臍を打つ。欲情した姿を初めて他人に見られて羞恥のあまり頭が真っ白になり、硬直したまま動けなくなる。犬飼くんは目をギラギラと輝かせて荒い呼吸を繰り返すと、陰嚢に鼻を近づけて匂いを嗅ぐとうっとりとした表情で言った。
「あぁ、クセぇな…」
 顔から火が出るほど恥ずかしくなって、犬飼くんの頭を押しのけようとすると両手を痛いほどの力で掴まれて抵抗ができなくなる。
「やめっ、やめてよ!」
「くっせぇちんぽ…」
 僕の言葉はまるで聞こえていない様子で犬飼くんは取り憑かれたように繰り返す。恥ずかしくて嫌なのに、痛いほど勃起したそれからは先走りが止まらない。
 犬飼くんが股間を嗅ぎ回ると、鼻息が陰毛をくすぐり時折当たるちくりとしたヒゲの感触や、マズルの毛がちんぽを撫で上げる感触にただただ嬌声をあげることしかできなかった。
「あっ、あっ…もうっ…ん」
 股間で暴れまわるそのマズルはだらしなく半開きとなり、口角からは涎が流れている。亀頭から溢れた先走りがあちこちに降り注いでその口元を汚している。
「おねがっ…やめ…っ!」
 オーバーヒートしそうな頭でそう虚ろに叫ぶと、不意に刺激が止む。助かった、解放されたと荒い息をつきながら犬飼くんを見ると、ぬらぬらと先走りに濡れてぱんぱんに腫れ上がった亀頭をじっと凝視していた。
「まって!そこはっ!」
 べろり。
「ひゃっ!?」
 尿道口を舐め上げられて、びくりと大きく身体が震える。その反動でびゅとまた先走りが溢れる。
「あぁ…ちんぽうめぇ…」
 涎と先走りにまみれた白痴のような顔で呟く。熱い吐息が陰毛を湿らすように吹きかけられ、次に襲いくる衝撃を物語る。
「あ、あっ…いぬかいっ、くん」
 ぱくり。ぬるりとした温かい感触にちんぽ全体が包まれる。
「んっ、ふぅっ…」
 まともな声も出せず、でろりと舌を垂らし喘ぐのが精一杯だった。
 ちゅぷ、ちゅぽ、と水音が響き、まるで触手のような舌が裏筋を撫でる。口内でちんぽが擦れてびくりと小さく身体が震える。
「犬飼くんに食べられちゃう…」
 その一言がきっかけとなったのか、動きが更に激しくなる。水音に、ぶぽっぐぽっといった空気の破裂音が混ざり、泡立った液体が犬飼くんの口周りの毛をべったりと張り付かせる。
「口の中すごっ、気持ちいい」
「んっ、うぇっ…はむっ」
 気持ち良さのあまりがくがくと腰が動いてしまい、犬飼くんの喉を突いてしまう。その度にえずいて苦しそうな声を出すがそれでもちんぽを離すまいと喰らいつく。精液を搾り取ろうとするぬめった口内でちんぽをしごかれて射精感が込み上げてくる。
「あんっ…このままじゃっ、でちゃうからぁ」
 そんな言葉もまるで耳に入らない様子で、ちんぽを大きな口いっぱいに咥えて尻尾をばたばたとうるさい程に振っている。両手を抑えられてその頭を引き離せないので思わず腰を引くと、根元までぱっくりと咥えられていたちんぽがにゅるり姿を表す。
「も、もう、ね?」
 犬飼くんは玩具を取り上げられた子供のような顔をして、子犬のように鼻を鳴らした。
「ダメ、か?」
 耳を伏せてあれだけ騒がしかった尻尾も今はだらんと垂れている。抑えられていた両手も解放されて自由となった。僕よりも一回りも大きなオオカミが親に叱られて泣きそうになっているような姿をみると、手を伸ばして頭を撫でる。
「いいこ」
 嬉しそうに目を細めたかと思うと、また大きな口でちんぽを飲み込む。
「だっ…やめっ…てぇ…」
 慌てて腰を引いても今度はちんぽを逃さずにより深く咥え込む。更に腰を引こうとするも、ソファーの背に当たってしまいもうこれ以上は逃げられない所まで追い詰められてしまった。
「あぁっ、あっ、あっ」
 口の中でとろけてしまいそうな感触の中で、また射精感が襲ってくる。今度はもう逃げられない。
「いっ、いく…口の中に出しちゃうぅ…」
 一層激しくちんぽを咥えこまれてあっさりと破局へと導かれる。
「いっ…はぁっ」
 びゅーっ、びゅっ、ごくっ、びゅるっびゅびゅっ、ごくっ。
 口内に射精する度に嚥下する喉の音が聞こえる。無意識の本能からか犬飼くんの三角耳を引っ張り頭をぎゅっと押し付けて、最後の一滴まで注ぎ込もうとゆるゆると腰を動かす。
 ぶっ、げほっ、げほっ、あまりの快楽に天井を見ながら放心していると、苦しそうにむせる声と、必死に足を叩く姿に気がついた。
「あっ、ご、ごめんなさい!」
 抑えていた手を緩めると、犬飼くんはずるんとちんぽを吐き出して、鼻から逆流した精液を垂らしながら苦しそうに咳き込む。
「げほっ、んっ…はぁ…はぁ…」
 なんだか申し訳ない気持ちになって、また犬飼くんの頭を撫でるとぜえぜえと苦しそうにしながらも、すりとマズルを僕の手のひらに擦り付けて甘えてくる。
「いいこ、いいこ」
 そう言いながら、犬飼くんの息が整うまで撫で続けた。


 落ち着いた犬飼くんは心底気まずそうに口を開く。
「あのー、なんつうか、な」
 言葉を選びながら続ける。
「悪かった、な。その、無理やり…やって」
 僕は犬飼くんのぐしょぐしょに濡れて未だに熱を失っていないパンツの膨らみを見ながらこう言った。

「犬飼くん、痒いところない?」
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