ケモホモ短編

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120bpm

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 旅館の部屋に着くなり、背負っていた荷物を部屋の片隅に置いて、ぼくはそそくさとお茶の準備にとりかかった。
 急須にお湯を補充する間、先輩のほうは持ってきたスマートフォンやらビデオカメラやらを充電するためのコンセント探し。最近のビジネスホテルならともかく、こういう昔から脈々と営業してきたような旅館には、不便な場所にしかコンセントがなかったりするのだ。まあ、此処が賑わっていた当初には、一人が一台電子機器を、それも毎日充電しないといけない不便なものを携帯しているのは想定されていなかったのだから仕方がない。
 幸いにして旅館側が「昨今の需要」に合わせて延長タップを用意してくれていたらしく、コンセント争いはせずに済んだようだ。
「お茶、どうぞ。あとこれも」
 電源確保の任務を終えた彼は、旅館の窓際にあるあの空間、正式名称は広縁というらしいが、そこに腰掛けてフロントでもらってきた観光マップを広げているところだった。
 なにぶん狭いテーブルの上に、邪魔にならぬように湯飲みと地元の名産品だという薄焼きのせんべい風の菓子を二つずつ並べてから、早くも鼻歌を歌い出しそうな彼に向き合うようにして座る。
「なあハチケン、明日はココとかどうよ?」
 ハチケンというのはぼくの名前だ。もちろん本名ではない。八剱と書いてヤツルギと読むのが本来なのだが、先輩はいかにも中学生がつけそうなあだ名でぼくを呼ぶ。お互いにいい歳をした社会人だっていうのに。ヤツルギというよりはそのほうが語感がいいのは認めるが、ハチとかケンとかいう響きがどことなくイヌを連想させるのだ。ぼくはれっきとした人間で、イヌはむしろ先輩のほう……もとい。オオカミとイヌを一緒くたに扱うのは御法度だった。
 先輩の受け売りではあるが、イヌ科の獣人の中でもこれは結構に繊細な問題らしい。無論、どちらが偉いとか、劣っているとか、そういう次元の低い話ではない。いうなればラグビーとアメフトみたいなもので、何も知らないものからみれば「どっちも同じようなもんでしょ」と思ってしまうのだが、間違えられていい気はしない。よほど自分の種族にアイデンティティを感じていない限りは、間違えられたとていちいち訂正はしないとのことだけど。

 ともかく、このオオカミ、大月先輩——職場の先輩である——との二人きりの旅行をずっと心待ちにしていて、もしぼくに尻尾があったらはち切れんばかりに振り回していた、はずだった。
 窓の外をちらりとのぞき見ると、昼間に飲んだ生搾りオレンジジュースみたいな色の太陽が海の中に溶けかかっていた。
 無論楽しかった。日中色々と歩き回って疲れたことを加味しても、それらを遙かに上回る喜びがあった。それは、とびきり美しい風景や、有名な画家の描いた絵画や、頬がとろけそうな食べ物によってももたらされたのだが、何よりも先輩と一緒に居られるという理由が圧倒的大多数を占めていた。
 ざっくばらんにいってしまえば、ぼくは大月先輩が好きだ。友人としてではなく、恋愛感情のほうで。だから、先輩のほうからこの旅行を持ちかけられたときは、比喩でなく心臓が飛び出るかと思った。まあ、残念というか当然というか、先輩のほうからすればぼくは単に気の合う後輩ってトコロなんだろうけど。
 不幸中の幸いというか、棚からぼた餅というべきか、本来であれば四、五人での旅行を計画していたようだが、他のメンツは都合がつかなくなってしまったらしい。むしろ好都合だし、単なる頭数のために呼ばれたのだとしてもちっとも構わない。
 このモヤモヤとした気持ちは、そういったトコロからではなく、ぼくの内面の、醜くて浅ましい感情が生み出したものだ。先輩からすれば男同士の気ままな旅行なのだろう。でも、ぼくは、それ以外の、つまり、これが先輩とのデートだとか、そんな気持ちを持ってしまっていた。
 昼間の自分の行動を思い返してみると、自分で自分を殴りつけてしまいたくなる。
「ぼくのおみくじ、恋愛のところに『この人となら幸福あり』って。これ先輩のことだったりして、はは」
 バカ。冗談にしても笑えない。
「カップルシートに男二人って。むさ苦しいだけですよね」
 タダの二人掛けの座席だろ。なに変なコトを意識してるんだよ。
 そんな愚行も笑って流してくれた。いや、むしろ、気づいていないだけだろう。
「……ハチケン、露天風呂、いくか」
 きっと気を遣わせてしまった。
 歩き疲れたから元気が無いのだと思っての提案。せっかく明日のプランをたてようと地図を広げてくれたのに。昼間みたいに、笑顔で、バカみたいにはしゃがないといけなかったのだ。笑わないといけないのに。「これが醍醐味ですよね!」なんていって、湯上がりにはフルーツ牛乳にするか、コーヒー牛乳か、はたまた自販機のボッタクリ価格のビールにするかで盛り上げないといけないのに。もう、次にお誘いがかかる望みはないだろう。

 あれほど自分を戒めたというのに、ぼくはどうしようもないヤツだ。
 脱衣所や湯船で横目にオオカミの裸体を盗み見て、浴衣姿で上機嫌に日本酒をあおる、はだけた胸元の毛を目に焼き付けた。性的な妄想に使うためだ。オオカミをオカズにして、慰み者にして、己の欲求を満たすために。こんなことがバレたらどんな目で見られるだろうか。嫌悪感いっぱいの顔で気持ち悪いと吐き捨てられるに違いない。
「あ。布団……」
 はち切れそうな腹をさすりながら部屋に戻ると、布団がしいてあった。
 なにも驚くことなんてない。旅館ではたいていの場合はそうなのだ。あとは寝るだけだから。まあ寝る前に卓球やゲームコーナーで遊んでもいいし、部屋でお酒を飲んでも、夜の街に繰り出すでもいいが、ともかくこの部屋としては布団があるのが普通。
 問題なのは、横並びになった布団がピッタリとくっつけられていること。夫婦とか恋人同士ならともかく、男同士で、ただの友達同士だぞ。
「な、なにかの手違いですかね」
 黙って、何もいわなければよかったのに。また余計なことを。
「最近は、そういうヒトたちも多いし、配慮みたいなのがあるんですかね」
 だから、気持ち悪いんだって。そういう発想が。
 冗談めかして笑いをとろうとしたのが空回りして、崖の下へと転がり落ちていく。
「ぼっ、ぼく、寝相悪いし、アレなんで、離しておきますね!」
 最悪だ。消えてしまいたい。胸の中から苛立ちが湧き上がって、うっすらと吐き気に変換されていく。
「そのままでも、いいんだぞ」
 静かに呟かれたその言葉の意味するところを理解することができなかった。

 本当なら今頃はお酒を飲んで、今日の感想や明日どうするかで盛り上がって、なんなら恋バナなんかして、先輩の好きなタイプとかきいたりして(きいてどうする)、付き合ってるひとがいるかとか(だから、きいてどうするんだ)、オトコでもイケるのかなんてきいて(きけるわけ、ないだろう!)、もし、もしその場の雰囲気というかノリでいけそうなら、酔った勢いってコトにして告白しちゃったり……ああ、なんて独りよがりなことを考えていたんだろう。自分が向けた好意のぶんだけ相手からも好意を得られるはずなのだと確信めいてしまっていた。そもそも、自分が向けているのは好意なんて綺麗なものではない。劣情や色欲の類いだ。あのオオカミとセックスがしたい。違うな、もっと一方的で、オオカミを使ってオナニーをしたいというのが正確だろう。相手の気持ちなんてこれっぽっちも考えていなかったんだから。
 滲んだ常夜灯がアメーバみたいに形を変えながらぼくを嘲っている。オオカミの寝息。遠くで鳴いている虫の声。このまま目をつぶって、朝はいつもよりとびっきり早く起きて「朝風呂いきましょう!」なんて誘って、たらふく朝ご飯を食べて、見慣れない地形の映った天気予報を尻目に今度こそ広縁で完璧なプランを立てて。そうすればうまくいく。やり直せる。取り戻せる。またハチケンと遊びにいきたい、そう思ってもらえるんだ。
 だから、だから。やめろ、やめろ、やめろ!
 トラクタービームで吸い寄せられるように布団から這い出る右手。触れたい。せめて、その身体に、毛先にほんの少しだけでもいい。温もりがほしい。手をつなぐことは叶わなくとも、手のひらを重ねたい。相手が寝ているのをいいことに。ぼくの隣で無防備にも寝ている彼の信頼を踏みにじる行為。たとえ局部に触れずとも、性的な目的をもって行われるのであれば夜這いといって差し支えはないだろう。
 無意味な謝罪を繰り返し、音を立てぬように伸ばされた手はとうとう対岸へと着陸する。布団の熱伝導率がいくらだかは知らないが、オオカミの体温が確かに伝わってきた。この布地とあの毛並みとは地続きになっているのだから、もはやその身体に触れているといっても過言ではない。ゆっくりと上下する胸の動きがオオカミの存在を指先へと伝播している。
 そのまま歩みを進めていった先、ちょうど第二関節まで埋まったあたりで毛筆のような——
「……っ!」
 むかし観たテレビ番組のなかで、女性警察官のおとり捜査で現行犯逮捕された痴漢というのがあったが、それが脳裏をよぎった。
 手首を、捕まれたのだ。
 熱を帯びた肉球が不届き者を押さえつける。
 不本意なかたちであれ、先輩と手をつなぐことが……って、そうじゃない!
「ハチケン」
 どうする、なにを、どう弁解する。いや、そのまえに謝罪をしないと。
「あっ、あの、これは」
「……八剱。おまえ」
 死刑宣告がなされようとしている。
「男が、すきなのか?」
 ここでぼくがいうべきことは「ホモだと思いました? なーんちゃって! ドッキリ大成功ですね!」なんて台詞だ。すると先輩もノリがいいものだから「犯されるかと思ってマジでビビったぞ!」なんて馬鹿笑いをして、すっかり眠気も覚めてしまったから飲み直すかってことになって、すっかり明かりの落ちて静まりかえった自販機コーナーに探検にいくんだ。
「ごめんなさい……」
 ああそうだ、なんなら帰りしなにゲームコーナーに立ち寄って、レトロゲームを楽しむのもいいな。
「せんぱい、の、ことがっ……すす、す、すき、なんです」
 あれ? おかしいな。なんでだろ。ダメなのに。隠さないとダメなんだ。知られちゃいけないのに。
「わかった」
 それはなにに対しての了承だろうか。
 ぼくを捉える大きな手に、ギュッと力が込められた。

「いいぞ。なんつうか、その、な?」
 またしても不可解な言葉。
 もしかすると、極度にストレスのかかった状況に置かれたために、脳の言葉を理解する部位に支障をきたしてしまった可能性がある。確かウェルニッケ野という部分で、カール・ウェルニッケというドイツの偉い先生が発見したからその名が付けられたらしい。なんとかペディアの受け売りだけど。
「騙していて、ホモで、ごめんなさい」
 うまく伝わっていなかったことも視野に入れて、もう一度要点を絞って伝えておく。
「だから、いいって」
 外国人と、オマケに両方が初めて使う言語で話しているような感じだ。
「え……っと。あの、気持ち悪いですよね」
「ハチケン!」
 苛立ちを込めたうなり声とともに、思い切り身体を引き寄せられる。身体の半分ほどは先輩の布団の上で、残りは畳の上。
「あー……もう。おれが悪かった。ちゃんというから」
 頭を掻きながらため息をつくオオカミ。
「おれも、八剱のことが、すきだ」
 薄明かりの中で爛々と輝く二つの眼。
「はは、先輩のが一枚上手でしたね」
 このひとにはかなわない。ドッキリを仕掛けられたのはぼくの方だった。
「そんな真顔でいわれたら本気にしちゃいますよ」
「本気だっつうの!」
 間髪入れずに突っ込みが入る。え、どういうこと。
「あの、変な冗談に付き合わせてしまって」
 みるみるうちに鼻頭にシワが寄っていき、むき出しになった牙がギロリとぼくを睨み付ける。
「おまえは、おれがいまのを冗談でいったと思ったのか?」
 そんな、夢のような、都合のいいことがあるわけが。
「さっき、おれのこと好きっていったのは、嘘だったのか?」
 嘘なんかじゃない。好きだけど、でも、好きになっちゃいけないんだ。
 本来なら、この旅行にだって、ぼくなんかじゃない相手と来るべきだったんだ。カップルシートに一緒に座っても違和感のない、誰からも祝福される相手と。人前で堂々と手をつなげる相手と。仮に、万が一、先輩が同性愛者としても、それに釣り合う相手は自分でないことは明白だ。
「好きですよ」
 さあ、懺悔をしようじゃないか。
「もちろん、好きですよ。エッチしたいくらい。いやあ、今日だって銭湯で勃起しないように抑えるのが大変でしたよ」
「なっ、おま」
 ぼくの隠していた気持ちも知らないであんな風に詰め寄られた逆ギレと、いっそのこと思い切り嫌われてしまおうと破れかぶれで好き放題なことをまくし立てる。
「その長いマズルっていうんですか、いつもオカズにしてますよ。あー、これでフェラされたらたまらないんだろうなって。そうだ、せっかくだから『ちんぽミルク欲しいワンワン』ってイヌみたいにおねだりしてくださいよ。好きな相手にだったらそれくらいできますよねえ?」
 沈黙。この暗さでは正確に表情をうかがい知ることはできないが、鬼のような形相になっていることだろう。この後、荷物をまとめてから始発まで駅の前で過ごすか。
「ドン引きしました? ホモってこんなもん——」
 掴まれていた手が、どこかに押し当てられた。
 熱と、堅さと、脈動。毎秒およそ2拍。つまりは120bpmのパルスが心臓によって生み出され、押し流された血流がこの器官に集められている。
「これでも、まだ信じられないか?」
 それにはどんな言葉よりも説得力があった。

「ちっ、ちん……」
 布団の上で形勢逆転し、オオカミにのしかかられる。すでに浴衣ははだけて、パンツもあれよあれよという間にズリ下ろされてしまった。
「あの、さっきのは」
「うっ、うるさい! いいからおれに任せろ!」
 ここまできた手前引き下がれないというのもわかるし、さっきの言葉は願望であるにはあるんだけど。でも、先輩を貶めたくはない。どっちみちプライドを傷つけてしまう方向に追い込んでしまったことを後悔しつつも、徐々に湧き上がってしまう興奮。まあ、股間のほうはさっきからビンビンになっているんだけど。
「ちん、ぽ……ミルク…………しい……ワン」
 憧れだった先輩の口から放たれる卑語に背筋を撫でられ、嗜虐心がムクムクと鎌首をもたげてくる。
「せんぱい、ちんぽミルク好きなんですか?」
 それに先輩だけに恥をかかせるわけにはいかない。ぼくが先輩以上にバカになれば、先輩のメンツは保たれる。たぶん。
「おっきいオオカミさんだと思ったら、甘えん坊のワンちゃんだったんですね。ちんぽミルクいっぱいあげますからね」
 小さなうなり声。
「ほら、ちゃんとクンクンして匂い覚えて」
「っ、は、ハチケンの、ちんぽっ」
 尿道口に鼻先をピトリとあてて深呼吸。それから滑らせるようにして、裏筋のレールを伝って陰嚢にまで降りていく。ナメクジが蠢くような感触に思わず身体をよじってしまう。
「ちんぽ上手に食べられたら、いっぱい出してあげますね」
 こんな生殺しのまま長時間耐えられるはずもない。このまま射精に至ってしまったらさすがに格好もつかないだろう。大きな頭をゆるくなで回してから、手前に引き寄せて続きを懇願する。
 ぺろっ、ぺろ、れちゅっ。
「ち、ちんぽ、いただきます、だワン」
 ともった蝋燭から垂れ落ちる蜜を舌先ですくい取り、律儀な言葉を挟んでから口を開いた。
 ぐぶぶっ……ぷぶっ。
「あっ、あ、はあっ……すごっ、あついぃ……」
 ちゅぶっ、じゅぽっ、ぬぷぷっ、ぐぷ。
 いつも右手で想像していたオオカミの口内が現実のものとなった。
 思っていたよりも締め付けは少なかった。それは口腔の体積だとか、吸い付きの強さだとかによるものだろう。しかし、だからといって物足りないというわけではない。むしろ、刺激が強すぎるくらいだ。筒状に握った手のひらだけでは決して得られない、余すところなくちんぽを包み込む柔らかい肉壁。裏筋を中心に長い舌がうねり回り、人間だったら病院にかからなければならないくらいの体温がもたらされる。
 ぐぶ、ぐぽ、じゅっぽ、ちゅっ。
「はっ、あっ、あ、先輩、ちんぽおいしいですか?」
 ぬぽっぬこっ、ぐぶっ、ちゅこちゅこっ。
「ぷはっ……んぶっ、ああっ、おいしい……ちんぽからエッチな汁いっぱい出てるぞ……」
 マズルの中でちんぽが溶けて輪郭を失い、オオカミの身体と一体化していく。
 昼間に屋台のフランクフルトを頬張っていたあの口に、夕食にでたステーキに齧り付いていた口に、ギザギザの鋭い牙が生い茂り、祖先が肉食獣であることをこれでもかというほどに主張する場所が、ぼくのちんぽで一杯に満たされている。
 このフェラは、オオカミという獣が人間に対して平伏し自らの身を貶め、服従の証として奉仕をしているようにみえるが、その実のところは逆に相手の権威を剥奪し、無力な存在へとかえるためのもの。肉食獣による捕食であり、その牙による去勢ともいえるだろう。
「ちょ、ちょっと、まって! いっちゃう! でちゃうから!」
 だから、そんな制止の声が届くはずもないのだ。
 じゅこっ、ちゅこっ、ぶっぷぐぶぶぶっ。
「いくっ! ちんぽいく! 口の中にちんぽミルク出しちゃうぅ!」
 びゅぷっ、びゅーっ、びゅびゅっ、びゅるっ、ぴゅ。
 口内射精する間にも、ゆるゆるとちんぽへの責めは続けられ、絶頂の快楽とこそばゆさが渾然一体となって身体中を渦巻いた。
 ごくっ、ごく……んくっ。
 事前の予告通り、甘えん坊のワンちゃんにたっぷりとご褒美を搾り取られたのだった。

「……ごちそうさま、だワン」
 舌なめずりをしてから呟かれたそれが、冷静になりはじめた頭を揺さぶる。
 別にもうこんな恥ずかしいプレイを続けなくともいいんですよ、と口を開きかけてから、ああ先輩はまだ出していないからだと思い返した。そうだ、まだバカでいなくちゃならない。
「せんぱい」
 物欲しげな上目遣い。
「ちんちん」
 少しくらいは抵抗があるかと思ったのだが、こともなげにさらけ出されるオオカミのちんぽ。
 だがいかんせん暗くてよく見えない。彼と違ってぼくは夜目がきかないから。
「あっ、ちょっと!」
 電気を付けると、口元も、ちんぽもヨダレまみれになったオオカミ。でも、ぼくにとっては世界一格好いいオオカミなのだ。
「そんなにパンパンにしちゃって、よっぽどちんぽミルクがおいしかったんですか?」
 赤黒く腫れあがった亀頭から、びゅっと先走りが吹き出る。
「ちゃんと、ワンちゃんのちんぽも食べてあげますからね?」
 今度はぼくが捕食をする番だ。
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